冬キャンプ用ストーブの選び方
冬キャンプに向けてストーブを買うとなったら、どれをどう選んだら良いのでしょうか? まず種類としては主に下記の4種類ですが、それぞれ燃料コストや持ち運びの面でメリット・デメリットがあります。
種類 | 石油ストーブ | 薪ストーブ | ガスストーブ | 燃料 |
---|---|---|---|---|
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燃料 | 灯油 | 薪 | ガスボンベ | 電気 |
出力 | ○ | ◎ | ○ | △ |
コスパ | ○ | △ | ○ | ◎ |
携行性 | △ | ○ | ○ | ◎ |
安全性 | △ | △ | △ | ◎ |
メンテ | △ | △ | ○ | ◎ |
上記ポイントのほかにも燃料や火力、対応可能な平米数、安全機能など、選ぶときに確認したいポイントはたくさん!
ストーブごとにメリットとデメリットをチェックし、最適なアイテムの選び方をご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
▼ストーブの種類ごとの比較に役立つ記事はこちら!
使いやすく暖かい「石油ストーブ」の選び方
1. 反射式と対流式の違いを知ろう
対流式と反射式がある石油ストーブ。縦に長い円筒形の対流式は360度の方向を暖めるため、室内の中心付近に置いて使用するのがポイント。そのため周囲に引火しない程度の広い設置スペースが必要です。
一方、反射式は長方形の本体の中央に燃焼筒が設置されており、背面の反射板で熱が跳ね返る仕組み。背面と横方向への熱が無いため、室内の隅に設置できます。
2. タンクの容量を確認しよう
石油ストーブの出力は約2.5kW~5kWとモデルによって違います。数値が大きいほど暖房能力が高いのはもちろんですが、もうひとつ注目したいのがタンクの容量。同じ火力なら搭載されている燃料タンクが大きいほど燃焼時間が長くなります。
トヨトミ レインボーストーブ | フジカハイペット | |
---|---|---|
出力 | 2.5kW | 2.5kW |
タンク容量 | 4.9L | 4.1L |
上記2モデルは出力は同じなもののタンク容量はレインボーストーブの方が大きいため、使用条件が同じであれば使える時間は長くなります。
ただしタンク容量が大きいほど、満タン時は重くなることを念頭に置いておきましょう。
3. 安全装置の有無をチェックしよう
火災や一酸化中毒のの危険を避けるため、搭載されている安全機能の種類は必ずチェック!
安全機能 | 内容 |
---|---|
過熱防止機能 | 異常燃焼でストーブが加熱しすぎたときに、運転を停止して火災を防ぐ |
対震自動消火装置 | 強い振動や衝撃を受けたときに、運転を停止して火災を防ぐ |
不完全燃焼防止装置 | 酸素濃度が低下したときに、一酸化炭素中毒を防ぐため運転を停止する |
不完全燃焼通知機能 | 不完全燃焼が連続して発生したときに通知する |
再点火防止機能 | 不完全燃焼通知機能がはたらくと、通常の操作による点火ができない |
給油時消火装置 | 石油ストーブから燃料カートリッジを外すと、自動的に消化する |
石油ストーブは消費生活用製品安全法で「不完全燃焼防止装置」や「不完全燃焼通知機能」「再点火防止機能」「給油時消火装置」の設置が義務付けられています。
また、国が定める技術基準に適合していることを証明する「PSCマーク」の表示も義務になっているので、石油ストーブを選ぶ際は安全機能と併せて確認しましょう!
※参考:経済産業省「消費生活用製品安全法」「石油燃焼機器が消安法の特定製品に指定されました」
火力の高さが魅力の「薪ストーブ」の選び方
1. 素材ごとの特徴の違いを知ろう
薪ストーブの素材は主にステンレスと鋼板(鉄)の2種類があります。
素材 | ステンレス | 鋼板(鉄) |
---|---|---|
暖かさ | △ | ◯ |
錆びにくさ(手入れ) | ◯ | △ |
持ち運びやすさ(重さ) | ◯ | △ |
値段 | △ | ◯ |
ステンレスは錆びにくいため手入れが簡単で軽く持ち運びやすい反面、暖まりづらく値段もやや高め。
一方、鋼板(鉄)は錆びやすいので使用後もしっかりと手入れをする必要があり、重たいので持ち運びも少し不便に。その代わり遠赤外線効果で暖房効果は高く、かつ頑丈でもあります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため自分のキャンプスタイルや優先ポイントと相談して選ぶようにしましょう!
2. 収納性をチェックしよう
薪ストーブを選ぶ際は収納性にも注目! 専用の収納バッグがあるとコンパクトになり持ち運びも楽になります。また、脚の着脱などどこまでのパーツを外すことができるのかも確認を。外せるパーツが多いほどコンパクトにすることができます。
その他にも煙突を炉内にしまうことができるモデルを選ぶと持ち運びの際に嵩張りません。
3. 入る薪のサイズを確かめよう
どの薪ストーブも石油ストーブに比べると高火力でテント内は十分に暖まりますが、燃焼効率に関わるのが薪の大きさ。
市販の薪のサイズはさまざまですが大きめの40〜45cmの薪が使えると継ぎ足す頻度も少なくて済むので、炉内が45cm以上あるモデルが良いでしょう。20~30cmサイズの小さい薪の場合はたくさん入りますが、その分消費も早くなります。
▼薪について詳しく紹介した記事はこちら!
コンパクトで手軽な「ガスストーブ」の選び方
1. CB缶とOD缶の違いを理解しよう
ガスストーブ用の燃料にはCB缶とOD缶があります。CB缶は家庭用のカセットコンロにも使用される細長い円筒形のガス缶で、スーパーやコンビニで手軽に購入できます。
一方で、OD缶が使えるガスストーブも。他のアイテムがOD缶タイプであればストーブも揃えると燃焼がかさばらなくて済みますが、OD缶は売っている場所がアウトドアショップやホームセンターとなり、やや買いづらいのがデメリットです。
▼CB缶とOD缶の違いを詳しく紹介した記事はこちら!
2. 連続運転時間を確認しよう
また連続運転時間も要チェック。長いほどカセットガスの交換回数が減るため手間が省け、必要なカセットガスの本数を減らせるため、持ち運びも楽です。
3. 安全機能の有無をチェックしよう
ガスは目に見えないため、ガスストーブを選ぶ際は安全機能の有無を必ず確認を!
安全機能 | 内容 |
---|---|
転倒時消火装置 | ストーブが転倒した際に、ガスを遮断して消火する |
圧力感知機能 | カセットガスの異常加熱による圧力を感知するとガスを遮断する |
不完全燃焼防止機能 | 不完全燃焼を防止し、一酸化炭素中毒の事故を防止する |
脱着安全機能 | 火力調節装置が消火位置にない場合、カセットガスを取り外せない |
誤装着防止機能 | カセットガスを正しく装着するための機能で、誤った装着を防止する |
テント内でも安全な「電気ストーブ」の選び方
1. タイプごとの暖房効率の違いに注目しよう
電気ストーブのヒーターは主に4種類。それぞれ暖房性能や即暖性・遠赤外線効果が異なるため、ヒーターの特徴をチェックして選びましょう。
2. 安全機能の有無を確かめよう
安全機能 | 内容 |
---|---|
転倒時消火装置 | ストーブが転倒した際に、電源がオフになる |
過熱防止装置 | 機体が熱くなりすぎた際に自動で電源をオフにする |
火を使わない電気ストーブも、発熱体に布や紙が触れると火災の可能性が。事故を防ぐため「転倒時電源オフ機能」や「過熱防止装置」の有無をチェックしておきましょう。
他にもタイマー機能が備わっていると電源の切り忘れによる火災の発生を軽減できるため安心ですが、最も大切なのは安全機能に安心せず、安全に配慮して使用することです!
冬キャンプ用ストーブのおすすめ21選
冬キャンプ用ストーブのおすすめを、「石油」「薪」「ガス」「電気」の種類別にご紹介していきます。
石油ストーブのおすすめ7選
トヨトミ 石油ストーブレインボー
●重量:約6.2kg
●タンク容量:4.9L
●広さ:木造7畳,鉄筋9畳
●燃焼持続時間:約20時間
▼トヨトミストーブについて詳しく紹介した記事はこちら!
アラジン ブルーフレームヒーターBF3911
●重量:8.5kg
●タンク容量:4.1L
●広さ:木造7畳,鉄筋10畳
●燃焼持続時間:15時間
ハピネス newアルパカストーブコンパクトTS-77JS-C
●重量:6.6㎏
●タンク容量:3.7L
●広さ:木造8畳,鉄筋8畳
●燃焼持続時間:10時間
▼アルパカストーブについて詳しく紹介した記事はこちら!
フジカ ハイペットKSP-229-21C-J2型
サイズ | 310×310×432mm |
重量 | 5.5kg |
タンク容量 | 3.6L |
広さ | 木造8畳,10畳 |
燃焼時間 | 10~12時間 |
▼フジカハイペットについて詳しく紹介した記事はこちら!
コロナ 石油ストーブRX-22YA
●重量:7.4kg
●タンク容量:3.7L
●広さ:木造6畳,鉄筋8畳
●燃焼持続時間:約17時間
▼パセコ CAMP-25について詳しく紹介した記事はこちら!
▼パセコ WKH-3100Gについて詳しく紹介した記事はこちら!
▼石油ストーブのおすすめを詳しく紹介した記事はこちら!
薪ストーブのおすすめ5選
▼ウッドストーブについて詳しく紹介した記事はこちら!
▼ワークタフストーブについて詳しく紹介した記事はこちら!
▼薪ストーブのおすすめを詳しく紹介した記事はこちら!
ガスストーブのおすすめ4選
センゴクアラジン ポータブルガスストーブ
●重量:5.7kg
●燃料:カセットガス
●連続燃焼時間:1時間~4時間
▼センゴクアラジン ポータブルガスストーブについて詳しく紹介した記事はこちら!
ロゴス×センゴクアラジン パノラマガスストーブ
●重量:6.3kg
●燃料:カセットガス
●連続燃焼時間:1時間40分
▼ガスストーブのおすすめを詳しく紹介した記事はこちら!
電気ストーブのおすすめ5選
▼電気ストーブのおすすめを詳しく紹介した記事はこちら!
冬キャンプでストーブを使うときの注意点
冬キャンプでストーブを使うときに共通して意識したい点や、ストーブの種類ごとの注意点をまとめました。
必ず気をつけたい「一酸化炭素中毒」
一酸化炭素中毒にならないように、適度な換気が必要です。チェッカーを持って行くと、室内の一酸化炭素濃度をチェックできます。安全な冬キャンプのために、ぜひストーブと併せて用意しておきたいですね。
▼キャンプでの一酸化炭素中毒対策について詳しく紹介した記事はこちら!
石油ストーブを使用するときの注意点
石油ストーブならではの燃料(灯油)漏れを防ぐために、移動中も設置後もストーブを傾けないこと。
さらにストーブの熱による火災を防ぐため、灯油の管理も重要です。テント内に保管せず外に置き、雨水の混入を防ぐために、保管用タンクのキャップはしっかり締めておきましょう。
▼石油ストーブの取り扱いやメンテナンスに役立つ記事はこちら!
薪ストーブを使用するときの注意点
薪ストーブをテント内で使用する場合は、必ず煙突を通せる専用のテントを使いましょう。
また、薪ストーブは熱量が大きいためテント内ではかえって熱くなりすぎたり、逆に薪が尽きると急に寒くなったりするので継ぎ足しが必要です。
▼薪ストーブが使えるおすすめのテントを紹介した記事はこちら!
ガスストーブを使用するときの注意点
ガスボンベは寒冷地に弱いという特徴があり、特にCB缶は圧力が弱いためマイナス環境になる真冬のキャンプでは使えなくなってしまうことも。念のためホットカーペットなど他の暖房グッズも用意しておくと安心ですね。
また、屋外での使用が推奨されていない機種もあるため、購入時は使用できる場所の確認も大切です!
▼ガス缶の取り扱い方法を詳しく紹介した記事はこちら!
電気ストーブを使用するときの注意点
電源コンセントが近くにない場合は、発電機やポータブルバッテリーが必要。発電機と発電機用の液体燃料を用意して持ち運ぶくらいなら、石油ストーブを選ぶ方が結果携行面では良いかもしれません。
また、長時間使うほど電力を消耗するので、ポータブルバッテリーを使用する場合はフル充電にしておき、バッテリー容量の確認もしておきましょう。
▼キャンプにおすすめのポータブル電源を紹介した記事はこちら!
ストーブなしでも冬キャンプはできる?
冬キャンプの装備でストーブは必ずしも必要なアイテムではありません。ストーブがなくても冬キャンプを楽しむことはできますが、ストーブに代わる寒さ対策は必須! では、どんなそんな対策があるのでしょうか?
キャンプ道具や食事で暖を取ろう
マイナス環境に対応した性能の良いマットとシュラフにダウンジャケット、テントシューズ、ネックウォーマー、湯たんぽ、カイロなど、ストーブがない場合は装備でできる限りの寒さ対策を。焚き火にあたって暖かい料理を食べるなどで寒さを乗り切るのも一案ですね。
▼冬キャンプの装備に関する記事はこちら!
豪雪地帯は避けよう
雪中キャンプは冬限定の魅力ですが、主力の暖房がないのであれば雪が積もるような極寒地は避けるのが無難。雪がテントの入口を塞ぎ完全に密閉状態になってしまうと、命に関わる事態にもなりかねません。
車中泊も同様で、マフラーが雪に埋もれると車内に一酸化炭素が入り込む危険も。積雪によって移動が制限された場合、緊急時に避難できないといったリスクもあります。
▼冬キャンプの場所選びに役立つ記事はこちら!
ストーブ以外の暖房器具の力を借りよう
ストーブがない場合でも、ホットカーペットや電気毛布を使うと暖房効果があります。就寝時はストーブを消火し、代わりにホットカーペットや電気毛布を正しく使えば、火災の心配も少なく安心!
▼電化製品の暖房グッズに関する記事はこちら!
冬のアウトドアを快適に過ごそう!
空気も夜空の星もきれいでシーズンオフだから混雑しないなど、他の3シーズンでは味わえない魅力がある冬キャンプ。マストではないけれど、あるとさらに快適に楽しめる、そんなストーブをぜひ導入して冬キャンプに出かけてみませんか?