手軽に使える「カセットガスヒーター」の導入はいかが?
朝晩すっかりと冷え込み、フトンから出るのも億劫な今日この頃。自宅でこの有様なら、キャンプ場ではなおさらのことです。
テントの外なら、パチパチと薪が爆ぜる音を聞きながら焚き火で冷えを凌げますが、テントやタープ下での寒さ対策は下記のような暖房器具の導入が得策でしょう。
電源サイトであればホットカーペット、最小限で行くなら湯たんぽという選択もアリ。
暖かさを重視するのであれば薪ストーブや灯油ストーブが最適解かもしれませんが、管理の大変さがややネックです。
手軽に暖まるなら、やっぱりカセットガスのヒーターに軍配か?! しかし……。
カセットガスのヒーターの暖かさって、ぶっちゃけどうなの?
「カセットガスのヒーターってぶっちゃけどうなの?」という疑問に対し、きむ23が実際にキャンプ場で暖かさを比較検証。
カセットガスの選び方や使用上の注意点などもおさらいしますので、ぜひそちらも「暖房器具」選びの参考に!
【それ、安全?】ガス機器を購入する際に、注視すべきマーク
安全基準をクリアしているか?
携帯しやすく、操作も容易なカセットガスヒーター。すっかりキャンプの定番アイテムになっていますが、火を扱う道具である以上、危険物であるというのは忘れてはなりません。
多くのガス製品の中から、一体どのようにして安心・安全な一台を見極めれば良いのでしょうか?
きむ23によれば、ガス機器を日本国内で販売するためには、法律に基づき、その安全性について第三者機関の検査・認証が必要なんだそう。
なので、ガス機器を買うときは、「JIA認証マーク」や「PSLPGマーク」があるかどうかをみて判断するのも安心材料になるかと思います
「安い!」と思って飛びつくと、日本国内での適合性検査を受けていない製品を手にしてしまう恐れもあるよう……。どんなに魅力的な価格帯でも、そこは一度心を落ち着かせ、「JIA認証マーク」「PSLPGマーク」をチェックするのが良さそうですね。
並行輸入品を検討する際の注意点
では、「JIA認証マーク」「PSLPGマーク」などが貼られていない並行輸入品のガス機器は、購入を控えるべきなのでしょうか?
きむ23愛用!この冬使いたいカセットガスヒーター4選
では、ここからは比較検証に使うカセットガスヒーターをご紹介。愛用者ならではの、きむ23的おすすめポイントも合わせてお伝えします。
①4つの安全機能を備えた、イワタニ「マイ暖」
一つ目は「暖かさを持ち運ぶ」をコンセプトにしている、イワタニの「マイ暖」。わずか重量2.6kgという軽量性に加え、持ち運びやすい取手が本体上部にあしらわれ、まさにどこにでも携帯できる便利なカセットガスヒーターと言ってもいいでしょう。
4つの安全装置
そんなイワタニ「マイ暖」には、「標準モード」と「エコモード(15%省エネ)」といった火力調整のほか、「立ち消え安全装置」をはじめとした4つの安全装置が搭載されています。
- ✔立ち消え安全装置:使用中に風などが吹いて消えたときに、ガスだけが漏れないように自動的にガスの放出を遮断してくれる機能。
- ✔点灯時消火装置:ストーブに強い衝撃が加わり本体が転倒すると、自動的にガスの放出が止まるような仕組み。
- ✔不完全燃焼防止装置:室内の酸素濃度が低くなったときに、不完全燃焼するときに自動的にガスの放出を止める機能。
- ✔圧力感知安全装置:カセットガスが加熱され、圧力が異常上昇したときに自動的にカセットガスが外れ、ガスが止まるような仕組み。
イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ "マイ暖"【CB-CGS-PTB】
サイズ | 33.4 x 32.8 x 23.7 cm |
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重量 | 2.6㎏ |
イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ“マイ暖”【CB-STV-MYD】
本体サイズ(幅×奥行×高さ) | 312×222×290mm |
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商品重量 | 約2.6kg(カセットガス含まず) |
②別売りの天板を使えば、ホットドリンク作りに便利!コベア「キューピッド」
2つ目は韓国製のコベア「キューピッド」。前述した「KCマーク」取得済みの製品で、イワタニの「マイ暖」よりもコンパクトなサイズ感が特長。重量も約1.4kgとソロキャンパーにおすすめしたいカセットガスヒーターです。
「キューピッド」の魅力は、何といってもこちら! 別売りの天板を組み合わせれば、なんとドリンク缶を温めたり、お湯を沸かすことが可能になるんです。
Kovea Cupid ポータブルガスヒータ
サイズ | 175×140×270mm |
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重さ | 1.4 kg |
③大きなセレミックプレートで周囲を一気に暖める、ニチガス「どこでも暖坊」
3つ目は、丸みのあるフォルムが印象的なニチガスの「どこでも暖坊」。
④名品・灯油ストーブをモチーフにした、センゴクアラジン「ポータブルガスストーブ」
最後にご紹介するのは、センゴクアラジンの「ポータブルガスストーブ」。同ブランドの伝統的な灯油ストーブ「ブルーフレーム」をモチーフにした、コンパクトなガスストーブです。
センゴクアラジン ポータブルガスストーブ【SAG-BF02A(R)】
本体サイズ | W320×D335×H390mm |
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重量 | 約5.7㎏ |
出力 | 0.8~2.0kw |
連続燃焼時間 | 約260分(0.8kw)・約100分(2.0kw) |
きむ23が愛用する4つのカセットガスヒーターの暖かさを比較検証
検証方法:デジタル温度計を使ってテント内外の気温差を測る
検証で使う4つのカセットガスヒーターが出揃ったところで、いよいよ本題!
「カセットガスヒーターの実力ってどうなのよ?」という疑問に対し、きむ23が一人夜な夜な、キャンプ場でそれぞれの暖かさを比較検証していきます。
そしてもう1つは普通の温度計。テント内に置いて、テント内外でどれぐらいの差がが出てくるのかを比較していきたいと思います
公平さを保つため、テント内の気温を測る温度計は一定の位置にキープ。今回は、ガスヒーターから3mほど離した距離に設置しました。果たして、各製品でどのような差が出てくるのか。
コベア「キューピッド」の記録/テント内外の温度差「+3.4℃」
それでは早速、検証スタート! 実際に使用して感じたことは、最後にまとめてお伝えします。
イワタニ「マイ暖」の記録/テント内外の温度差「+4.7℃」
ニチガス「どこでも暖坊」の記録/テント内外の温度差「+7.6℃」
センゴクアラジン「ポータブルガスストーブ」の記録/テント内外の温度差「+3.5℃」
けれど、温まった熱を上昇させ、空気を循環させながらゆっくりと温めてくれるのが対流式の強みなので、「テント内全体が温かい」というのが印象的でした
きむ23による結果からの考察
検証の結果、実力No.1はニチガスの「どこでも暖坊」。
総評:「カセットガスヒーターだけで厳冬期を過ごすのは正直厳しい?!」
10℃を下回ってしまうと、なかなか点火しにくくなるとされるカセットガスヒーター。しかしこの日は、気温0℃ぐらいでも無事に点火するにはするといった形で健闘。しかし、きむ23の見解では「カセットガスヒーターだけで冬キャンプに挑むのは正直厳しいかもしれません」とのこと。
でも、手軽に暖まることができるのがカセットガスヒーターの魅力。厳冬キャンプでは、サブの防寒アイテムとして持っていくのが良さそうです
しっかりと寒さ対策をして、キャンプを楽しもう!
カセットガスを装着して、手軽に点火できるカセットガスヒーター。これ一つだけで厳冬期を過ごのは正直難しそうですが、その場でさっと温めるのが何よりの魅力!
サブの防寒アイテムとして、冬キャンプのお共に用意してみてはいかがでしょうか?
TEXT:GGGC