車中泊ブーム加熱の裏でマナー違反が多発
大掛かりな設営の手間がなく、身軽に寝泊りできる車中泊。キャンピングカーをはじめ車の旅を楽しむ人は年々増えていますが、一方でマナーについて問われる事態が頻発しています。
もちろん良識ある方が大多数を占めているはずですが、節約目的で車中泊を始めた一部の利用客のなかに、ゴミの投棄や騒音などモラルの無い行動が見られるようです。
この事態に頭を悩ませている全国の道の駅も多く、最近では規則が明記されたり車中泊自体が禁止される場所も出てきました。
ただし国交省に尋ねたところ、道の駅やサービスエリアの車中泊についての法律は定めていることはないそうで、それぞれの道の駅やサービスエリアにルール付けを任せているんだそう。
とは言え、マナーを守るのは当然のこと。具体的にはどんなことが起きているのか、車中泊マナー違反の実例を確認してみましょう。どれも常識者なら耳を疑うようなことばかりですが、残念ながらすべて現実に起こっている話です。
実際に起こっている、10の「車中泊のマナー違反」
1. アイドリング駐車
エアコンの使用をはじめ、電力確保のために一晩中エンジンをかけっぱなしの車。これは騒音が迷惑なだけでなく、空気汚染も懸念されます。
2. 駐車場にテーブルセットを出してバーベキュー
道の駅の駐車場に、イスやテーブルを広げてバーベキュー。それも夜中まで酒盛りが続くパターンもあれば、時にはテントを立てている人までいる始末。
3. 洗面所で食器や体を洗う
あくまで手洗い場である洗面所で、食器や身体を洗う人も。なかにはハンディキャップ用のトイレに備え付けられた温水設備で、勝手にシャワーを浴びる事態もあるようです……。
4. ゴミを大量に捨てる
施設側が特に困惑しているのが、ゴミの投棄。なかには持ち込まれたゴミもあり、ゴミ箱が溢れかえっています。
5. 施設内で洗濯して干す
洗面で衣類を洗濯。その時点でNGですが、さらに駐車場に堂々と干しているパターンも見られるそうです。こういった場所の私有化は、景観を損ねること含め許されません!
6. 汚水や残飯を流す
施設内の洗面やトイレに、グレイタンク(汚れた排水を入れておくタンク)内の汚水を流したり、カップラーメンの汁や食べ残しが捨てられていることもあるんだとか。
7. 外部電源の使用
公共の電源を車に接続する「電気ドロボウ」や、騒音をかえりみず夜中や早朝にポータブル発電機を使う困った人もいるようです。
8. 場所取り
オフ会などで、個人や団体が集団で場所取りをして駐車スペースが大量に占拠されているパターンも。休憩に立ち寄った旅行者が利用できず、困ってしまうケースも多いのだとか。
9. 連泊
長時間滞在や宿泊が禁止されているにも関わらず、何泊も居座っている車中客者も……。
10. 施設に近い場所への駐車
停泊車が施設の入り口付近を陣取っていることも。ハンディキャップ用の駐車スペースにも構わず停めてしまい、出入りに苦労するケースも報告されているようです。
車中泊は無法地帯ではない
「車中泊キャンパー」という名称も誤解を生むひとつの原因と考えられますが、道の駅やサービスエリアなど24時間空いてる施設であっても、基本的に車中泊は認められていません。
それらの施設は本来、旅行者がトイレに立ち寄ったり一時的に休憩するための場所。許容範囲はあくまで「仮眠」であり、停泊ましてや連泊はマナー違反なのです。
車中泊に関するマナーは、日本RV協会サイト内「車中泊のマナー10箇条」でも定義されています。キャンプ行為や長時間滞在の禁止など詳しく書かれているので、車中泊経験者は改めて、これから始める人は事前にチェックしておきましょう!
では、堂々と車中泊するには?
RVパークを利用しよう
迷惑をかけることなく車中泊を楽しむには、それ専用の場所を利用するのが正解。そのひとつに、日本RV協会推進の「RVパーク」があります。
RVパークの指定があれば、駐車場での宿泊を公認された場所ということで車中泊が可能。場所によっては電源供給設備やゴミ処理を引き受けてくれるシステムなどもあり、快適に過ごせます。
ただし、やはりこれもオートキャンプとは完全に別物。車外での調理など、NG事項はあります。
日本RV協会認定車中泊施設「RVパーク」はここからチェック!
みんなが車中泊を続けられるよう、マナーを見直そう
近年のマナーの悪化で、一切の車中泊を禁止している施設も増えています。「人がやっているから」ではなく、個人の理解と常識あってこそ成り立つ車中泊。出かける前に、今一度マナーを見直しておきましょう!