車中泊の暖房選び大丈夫?
車内で誤った暖の取り方をすると一酸化炭素中毒の危険性があることはご存知でしょうか? ガス式のヒーターや、練炭を使ってしまい命を落とす方もいます。
命の危険性もあるため、車中泊の暖房選びは安全性を考えることが重要です。間違っても家庭用のストーブやファンヒーターを車内で使用しないようにしましょう。
今回は、キャンピングカーで冬の車中泊を楽しむ筆者が安全性の面からおすすめの防寒対策アイテムである「FFヒーター」と防寒対策を紹介します。
FFヒーターってなに?
FFヒーターとはForced draught balanced Flue systems(強制給排気式)のこと。我が家のキャンピングカーについているものはガソリンで作動しますが、軽油やLPガスで作動するものもあります。
筆者はスノーシーズンを楽しみたくて、4WDでFFヒーター付きのキャンピングカーを選んで購入しました。理由はFFヒーターはヒーター自体に換気機能がついており、冬の冷たい外気で換気する必要がないためです。
続いてFFヒーターの長所を3つ詳しく紹介します!
長所1. 一酸化炭素中毒の心配が少ない
私がFFヒーター付きのキャンピングカーを選んだ理由の一つは、換気機能があり安全性が高いためでした。
家庭用の暖房器具には室内の空気を利用しますが、FFヒーターは外気を使い、燃焼時に発生した一酸化炭素などの有毒ガスは、そのまま外気に放出されます。そのため、車内に汚れた空気が入らないことから、一酸化炭素中毒の心配が少ないとされています。
長所2. エンジンを切っていても使える
FFヒーターのもう1つのメリットは、クルマのエンジンを切っていても使える点。
通常のクルマのエアコンは、エンジンの廃熱を利用して車内を暖めるため、エンジンを切ると使えません。対して、FFヒーターはガソリンや軽油の燃料をヒーター内で直接燃焼させるため、エンジンを切っていても暖房を使えます。
また、FFヒーター自体の音が心配でしたが、実際使ってみると、我が家のFFヒーターは無音に近いほど静かでした。さらに、クルマのエンジンも切っているので、アイドリングしながらのエアコン使用と違って、周囲に音の迷惑にもなりません。
長所3. 低燃費、低電力
さらに、ランニングコストの安さもFFヒーターの魅力。
LPガスを除いたガソリンや軽油のFFヒーターは、1時間あたり0.14~0.27リットルの燃料しか消費しません。一晩つけっぱなしにしていても、使用燃料は1~2リットル程度なのです!
6時間で1リットル、レギュラーガソリン代が高く見積もってリッター170円だとしても、1時間あたり約28円だからかなりお得。
また、FFヒーター稼働の際には、サブバッテリーから14~29ワット程度の少量の電力を消費します。フル充電の状態なら、2晩程度は使用できます!
こんなに長所だらけなFFヒーター、ぜひ取り入れたいという方もいるのではないでしょうか? しかしDIYや後付けはできるのか気になりますよね?
DIYでも付けられる?
DIYでも取付けできなくはないのですが、FFヒーターの取付には、配管の接続や、排気口の設置など、専門知識が必要です。もし取付に不具合があった場合、一酸化炭素中毒や火災など事故の危険性があります。
コストを抑えることよりも、安心と安全の優先を強くおすすめします。車購入時にFFヒーターのオプションを付けるか、後付けの場合は専門業者に依頼しましょう。
FFヒーター使用時の注意点
1. 排気管周辺
FFヒーターを使用するうえでこまめにチェックしたいのが、排気管周辺。
排気管が雪に埋もれてしまうと、一酸化炭素濃度の低いFFヒーターといえど、一酸化炭素中毒の危険性が高まります。排気管の向きが雪でふさがれる位置にないか、周辺に雪は多くないか、就寝前にチェックしておくと安心です。
2. 電力の残量
FFヒーターのオン・オフに必要な電力が残っているか、使用する前にチェックしておきましょう。
ちなみに筆者のキャンピングカーは主バッテリーの他に、サブバッテリー12ボルトが2台付いていて、FFヒーター使用時には11ボルトを下回らないように気を付けています。
3. 一酸化炭素量
一酸化炭素中毒は自覚症状の無いまま意識を失い、最悪の場合は死に至ります。楽しい旅の思い出が悲しい結果とならないように、予防できる対策は最大限にとりたいものです。
FFヒーターの安全性は高いですが、一酸化炭素中毒の可能性はゼロではないので、万全を期して念のため一酸化炭素チェッカーを車内に積んでおきましょう。
FFヒーター以外にもある!車中泊の防寒対策3選
とはいえ、FFヒーターがない場合でも車中泊では暖かく過ごしたいもの。FFヒーターを使わない場合の車中泊の防寒対策を3つご紹介します!
対策1. サンシェード
目隠しにもなり、夏は日差し対策になるサンシェード。実は、冬は冷気対策にも使えます。カーテンでは冷気を防ぎきれないので、サンシェードがあると便利。
層が多いほど断熱効果が高いので、よくある3層構造のものより、5層構造のものがおすすめです。
対策2. 冬用の寝袋+布団カバー
キャンピングカーの車内では、3人就寝のベッドではお布団を使っていますが、1人用のベッドでは冬用の寝袋を使っています。暖かい寝袋を選択することは、一番手っ取り早い防寒対策。
筆者は、さらに寝袋にプラスしてこんなアイテムを使っています!
それは……ニトリの「毛布にもなるかけ布団カバー」。寝袋にさらに重ねてカバーにしても良し、ただかけるだけでもあったかさが増します。
1枚あると、ちょっと冷えたときのひざかけなど、色んなシーンで使え、アウトドアでも自宅でも使えて便利です!
対策3. モバイルバッテリー+電気毛布
筆者が実際使ってみて感動した最強アイテムが、電気毛布とモバイルバッテリーの組み合わせ。これさえあれば、冬の車中泊もへっちゃらという声も多いです。
上の写真の電気毛布はモバイルバッテリー付きで車中泊やキャンプ、自宅やオフィスでの普段使いにも便利!
寒い季節も車中泊を楽しもう!
雪景色の中の車中泊では、グリーンシーズンにはない神秘的な雰囲気を楽しめますよね!
スキーをして、あったかい温泉に入って、車内で鍋をして……我が家はもっぱらスノーシーズンが1年のうちでメインとなるシーズンです。安心安全な寒さ対策で、冬の車中泊を楽しみましょう!