シーズニングってどうやるの?
ダッチオーブン やスキレット はアウトドア調理が盛り上がるアイテム。「とりあえずダッチオーブン」とキャンプを始めるときに買う人も多い物ですが、鉄製の場合は購入してすぐには使えないののをご存知でしょうか?
「シーズニング」という、正しく使うための作業が必要になってきます。
シーズニングってなに?なぜ必要?
買ったばかりの鉄製ダッチオーブンやスキレットをそのまま使えない理由は、新品のダッチオーブンやスキレットには錆止め防止のワックスや油が塗ってあるから。
そのまま使ってしまうとせっかくの料理にニオイがついて、台無しになってしまいます。
そこで必要なのがワックスを落とし、錆止めとして油膜をつくる「シーズニング」という作業。はじめて使うときに限らず、定期的にこれをすることでダッチオーブンやスキレットを長く使えるようになります。
では具体的にはどうやったら良いのか? 細かく手順をまとめたので、時間のあるときにぜひやってみましょう!
シーズニングに必要な道具
シーズニングに必要な道具は、こちらの10点。作業を始める前に用意しておきましょう。
・亀の子たわし
・スポンジ
・中性洗剤
・オリーブオイル
・キッチンペーパー
・トング
・くず野菜
・耐熱手袋
・新聞紙
・割りばし
これらを使って、さっそくダッチオーブンのシーズニングをスタート。今回はユニフレームの6インチダッチオーブン を、イワタニのタフまる を使ってシーズニングしていきますよ。
ユニフレーム ダッチオーブン 6インチ
岩谷産業 カセットコンロ カセットフー タフまる
作業はガスコンロよりカセットコンロが◎
家庭用ガスコンロは強い火力がありますが、感知器がついているものが多く自動で消化してしまうことも。空焚きをする行程もあるシーズニングは、ガスコンロ で行うのがオススメです。
作業時は熱に気を付けて、室内で行う場合は換気をしながら進めていきましょう。
シーズニングの方法
STEP1:水を張って加熱
本体に水を張り、火にかけます。蓋も表面に深さがあり炭が置けるようになっているものは、そちらにも水を張って温めていきましょう。水はこぼれないよう8分目などある程度の量にとどめておくのがポイント。
お湯の温度は40度前後が最適で、適温になれば火から下ろします。
STEP2:洗剤で洗ってワックスを落とす
お湯で温めたことにより、ワックスの油分を落としやすい状態になりました。そこから食器用洗剤を少量使い、亀の子たわしで鍋の内側・外側・取ってなど全体よくを洗います。
細かいところはスポンジのナイロン面を使います。このとき、鍋を傷つけてしまう金属たわしはくれぐれも使わないように! 洗ったらきちんと水ですすいで、洗剤を洗い流しましょう。
STEP3:空焼きする
すすいだらコンロにダッチオーブンを置いて、弱火でゆっくり時間をかけて加熱します。ここで大事なのが「弱火でゆっくり」加熱すること。最初のシーズニングでいきなり高火力で熱すると焦げ付いてしまう可能性があるので、あくまでも弱火がポイントです。
しばらくすると白い煙が出てきます。これがワックスが焼かれているサインで、煙が出なくなるまで加熱すると全体が黒っぽくなります。これで空焼き作業は終了! 蓋も同じように火にかけましょう。
STEP4:オイルを塗る
火から下ろしたダッチオーブンが冷めないうちに、オリーブオイル少量(直径2~3cmが目安)を垂らして「油膜」をつくります。このとき火傷防止にトング や耐熱手袋 を使いましょう。
キッチンペーパーで鍋全体に薄くのばしていき、エンボス加工も念入りに塗ります。特に持ち手は錆びが出やすい部分なのでm忘れずに!
STEP5:加熱する
全体や蓋に薄く油を塗る作業が済んだらしばらく放置し、手で触れても大丈夫な温度まで冷まします。そして再びゆっくりと加熱、この作業を3〜4回繰り返します。そんなに!? と思ってしまいますが、繰り返すほどしっかりとした油膜ができるので、単純な作業ではありますが根気よく頑張りましょう。
STEP6:くず野菜を炒める
オイルを塗る作業が終わったら、くず野菜を炒めます。これは鉄臭さを消すための作業で、使うのは余った野菜や皮や茎などでOK。ネギの青い部分やニラなどの香味野菜がオススメです。
鍋肌に野菜をこすりつけながら焦げる寸前までじっくりと炒めましょう。蓋もある場合は同じように炒めます。
STEP7:仕上げのオイルを塗る
野菜を捨てたら、もう一度鍋と蓋にオイルを薄く塗り、最後は加熱せずそのまま冷めるのを待ちましょう。これで使う前のシーズニングはおしまいです。
一見難しそうなシーズニングですが、作業自体はシンプルでとても簡単。よく冷まして常温になれば収納します。
STEP8:なるべく通気性の良い状態で保管する
収納の際にも長持ちさせるポイントがあります。まず保管場所は、さび付かないよう風通しが良く湿度の低い所がベスト。本体と蓋を密閉すると内部に湿気を帯びやすくなるので、新聞紙を活用しましょう。
保護ケースに入れる前に新聞紙にくるんだり、中にも新聞紙を入れて保管すれば湿気を吸収してくれます。
保管するときに蓋と本体の間に割り箸を二本入れておくと、風通しがさらに良くなるのでオススメです。また、新聞紙で本体と蓋を別々に包んでおけば、本体と蓋の間を開けておくのと同じ効果で湿気や錆を防ぐことができます。
ちなみに!シーズニングは「メンテナンス」としても必要
使い始める前にシーズニングをしても、鉄製のスキレットやダッチオーブンは使っていくうちに油膜がはがれて焦げ付きやすくなってしまいます。というわけで、使い続けるうえでもシーズニングは必要です。
使う・シーズニングする・また使う……これを繰り返していくうちに「ブラックポット」というイイ感じに味が出た、黒光りの状態に仕上がっていきます。
そのやり方は、初めて使う前とはちょっと違うので要注意。次はその違いについてチェックしましょう!
お手入れとしてのシーズニング方法
洗剤は使わない
最初のシーズニングでは洗剤を使いましたが、メンテナンスの場合はNG。洗剤を使ってしまうと、シーズニングで作ったせっかくの油膜がはがれてしまいます。洗剤はあくまでも最初にワックスを落とすときに少量使うだけです。
錆びたり焦げてしまったら?
使ったら毎回シーズニングをするのが正しいお手入れ方法ですが、放置した結果錆びてしまうことも……。もしこうなってしまったら、シーズニングをする前に錆や焦げを落とします。水を加熱して汚れを浮かし、それでも取れない場合はたわしや木ベラ で落としてから流します。
お湯を流したら鍋を空焼きし、熱くなってきたら火から下ろして冷めないうちにオイルを薄く塗ります。メンテナンスはこの行程1回でOK。常温になれば収納します。
シーズニングをしてダッチオーブン料理を楽しもう!
シーズニングという作業は、自然とその物に愛着のわく作業でもあります。ダッチオーブンやスキレット以外にも家庭で使っている方も多い鉄鍋にも通じる手順なので、覚えておいて損はないはず。料理の相棒を育てる意味合いでも、日頃のメンテナンスに役立ててくださいね!