正しく使えば失敗なし!ダッチオーブンについて知ろう
「焼く」「煮る」「蒸す」など、何でもこなせるダッチオーブン。ですが、料理を成功させるには事前の準備や料理中の使い方において、いくつか注意が必要な点があります。また使用後も、次に使用するタイミングでスムーズに使えるようにお手入れ&メンテナンスをきちんとしておかなければなりません。
せっかくのダッチオーブンが宝の持ち腐れにならないよう、事前準備・可能な調理法・保管方法などについてしっかり学んでいきましょう!
ダッチオーブンを購入したら、まずはシーズニング!ハウツーSTEP5
鋳鉄製のダッチオーブンの場合、使用前にシーズニングという作業が必要になってきます(製品によっては、不要なものもあります)。シーズニングとは、出荷前に塗られている「さび止めワックス」を落とし、鋳物の表面に油を染み込ませてコーティングする、いわゆる使用前の慣らし作業。ワックスを落とし代わりのオイルを染みこませることで、においや焦げがつきにくくなります。
この作業を繰り返して、こっくりとした黒色に仕上がったダッチオーブンを「ブラックポット」と呼び、使い込めば込むほど味のあるダッチオーブンになるというわけなんです!
「シーズニング」に必要なものは8つ!
さっそくシーズニングの手順を見ていきましょう!まず用意するものはコチラ。
・油(オリーブオイルが◎)
・ヘラ
・油性もしくは中性洗剤
・たわし(金属たわしはNG)
・キッチンペーパー
・野菜くず(何でも)
・リフター(あれば)
・耐熱性の皮の手袋グローブ
行程中、かなりオーブンが熱くなり煙も出るため屋外で行うのがベストですが、室内の場合は必ず換気扇を回しましょう!
STEP1:ワックスを洗い流す
ダッチオーブンにたっぷりと水を張り火にかけ、お湯を沸かします。ある程度熱が冷めたらたわしでやさしくこすります。こうすることでワックスなどがはがれ、浮いてきます。
STEP2:熱して乾燥させオイルを塗る
お湯を捨て、ダッチオーブンとフタを火にかけ弱火で20~30分熱します。熱さとの戦いですが、やけどに注意して頑張りましょう! ダッチオーブンを乾燥させ完全に乾いたら、やわらかい布などでオリーブオイルを塗っていきます。
STEP3:オイルを塗り焼きつける
内側・外側・フタもまんべんなく塗りましょう。オイルを塗ったら再び強火で熱します。黒光りする美しい仕上がりを目指して、できればこれを4~5回繰り返します!
STEP4:野菜くずをいためる
ここからは仕上げです! 皮やヘタなど何でもいいので、適量の野菜くずを鍋・フタの両方で炒めます。これを行うことにより、ダッチオーブンの鉄臭さを取り除きます。
STEP5:再度オリーブオイルを塗る
ダッチオーブンが完全に冷めたら野菜くずを取り除き、再度オリーブオイルを全体に塗り染み込ませてシーズニング完了です!
【重要!】シーズニング時の注意点
①金属たわし等は、使用NG(製品によっては使用OKのタイプもあります)。ダッチオーブンに傷がついてしまいます。
②洗浄は基本お湯だけでOK。汚れが落ちにくいときは、中性洗剤を使ってもいいです。クレンザー等は避けましょう。
③ステンレス・アルミ製のダッチオーブンはシーズニング不要です。製品によっては、すでにシーズニング済みのものもあります。
ダッチオーブンの調理法5種!
同じ肉料理でも普通の鍋とダッチオーブンとでは、仕上がりのふっくら感・ジューシーさがまったく違うのはなぜでしょう? その理由は、素材の「鋳鉄」。鋳鉄は熱を逃さず保温性に優れているため食材の旨みを閉じ込めてくれるのです。また、一定の温度が保てるため焼きムラも少なく、表面はパリッ! 中はふっくらの仕上がりに。
しかしこれもダッチオーブンを上手に使えてこその話。調理法ごとに火入れのタイミングや火加減を調節して、完璧な出来上がりを目指しましょう。
①焼く
ダッチオーブン料理入門編におすすめの調理法。ローストビーフやローストチキンは絶品! 熱し方の加減で好みの焼き上がりに仕上げることができます。
②炒める
炒めるというシンプルな調理法ももちろん可能。注目したいのが、ダッチオーブンのフタはフライパンとしても使える点! 裏返せば目玉焼きやベーコンが焼けたり、素材を炒めてから煮るときなどにも便利です。
③煮る
長時間煮込んで旨みを閉じ込める煮込みメニューは、ダッチオーブンの得意料理。シチューやカレーはもちろん豚の角煮などにももってこい! 和メニューでは炊き込みご飯もおすすめです。
④揚げる
揚げ物だってできちゃうんです! ダッチオーブンでつくると、フライドチキンもひと味違います。揚げている最中にふたをして芯まで充分に熱を通し、仕上げはふたをはずして表面をぱりっと仕上げましょう。
⑤燻す
スモーカーが無くてもダッチオーブンと鍋のサイズに合った網・アルミ・スモークチップがあれ、燻製を作ることもできます! ソーセージやベーコンなどに香ばしい香りをつけても良し、ゆで卵やかまぼこ・魚介類なども燻製にすればお酒が進むおつまみに。
【重要!】失敗しないための炭の使い方
ダッチオーブン料理の醍醐味は、炭で調理すること。そこで重要になってくるのが火加減です。これがうまくいかないと丸焦げになったり、火の通りが悪く何度もフタを開けて火入れをして…と非効率的な作業になりかねません。
写真のように豪快に炭を乗せたいところですが、初心者ならまずは火力が調製しやすい成形炭からチャレンジすることをおすすめします!
ダッチオーブンを正しく手入れ・保管しよう
ダッチオーブンは普通の鍋と違って、ただ洗剤で洗って乾かしておけばいいというものではなく、丁寧な後処理と適切な保管が大切です。正しい後処理と保管方法を見ていきましょう!
STEP1:汚れを浮かせて洗う
残っている料理を取り除き、水を数センチ入れて火にかけ、お湯を沸かしながら洗浄します。その際、洗剤を使わないこと! 亀の子タワシでやさしく洗うだけで、きれいに汚れが落ちてきます。
STEP2:空焼き後に油を塗る
火にかけて水気を飛ばして、よく乾燥させます。完全に乾かした後、オイルを塗ります。
STEP3:ツヤが出たら完了
汚れが無くなり、オイルによるツヤが出たら完了です!
錆びさせないよう保管方法を工夫しよう
最後は収納時のコツについて。ダッチオーブン本体に薄く油を塗っているので、収納袋が油で汚れないよう新聞紙を敷いておきます。フタをしまう前に、湿気が内部に籠ってサビないように割り箸などを置いて、本体とフタに隙間が空くようにします。フタも同様に新聞紙で包んでしまいましょう。
【重要!】ダッチオーブンを保管する際の注意点
①重要なのはサビ対策。長く使わない場合は、しっかり後処理をして収納・保管しましょう。
②手入れの際、加熱したダッチオーブンを急激に水などで冷やさないこと。温度の急激な変化で割れることがあります。
③頑丈そうなダッチオーブン、意外と衝撃には弱くコンクリートの上に落とすと変形したり割れたりすることあるため、安定した場所に保管しておきましょう。
ダッチオーブンを使いこなして料理の幅を広げよう!
その豪快さが魅力のダッチオーブン料理。家で使うこともできますが、やはりアウトドアでボリュームのあるメニューをみんなでシェアするのが醍醐味ですよね。失敗することなく美味しい料理を味わうためにも、正しいお手入れ方法・使い方を理解して、ダッチオーブンをどんどん活用していきましょう!
snow peak 和鉄ダッチオーブン26
スノーピーク 和鉄ダッチオーブン収納ケースM
Let’s Utilize Dutch Oven!
ダッチオーブンを活用しよう!