人気のテントメーカーMSR(エムエスアール)
登山家にとってベストな軽量で耐久性のあるギアをつくることを目標に、1969 年にラリー・ペンバシーが立ち上げたMSR(Mountain Safety Research)は、当時多くの登山家が抱えていたフィールドでの問題に革新をもたらしました。
その後もデザインの方向性だけは変えずに機能の進化をし続けていくMSRは、登山家だけでなくツーリング愛好家やソロキャンパーなどにも多くのファンを増やし続けています。
MSRの魅力はズバリ“軽量コンパクト”!
MSRのテントにはアルミやカーボン製の軽量ポールや、イーストン社のサイクロンポール、DAC社のNFLポールなど軽量かつ強度が高いものが採用されています。
またシート素材にはポリエステルやメッシュを使用するため、嵩張らずにコンパクトで軽量なモデルが多いのが特徴です。
形状や色使いが目を引くデザイン性も魅力
MSR(エムエスアール)のテントといえば赤をベースに白やカーキ、オレンジなどのカラーリングがテントサイトで映えるのも特徴です。
ポールの組み方や幕の構造など、基本的なデザイン哲学を変えることなく現在に至るブランドなので、旧作から新作までMSRユーザーの思考もアップデートの必要なくシンプルに使用できます。
それではそんなMSRの魅力あるテントをシリーズ別に一挙に見ていきましょう! 大まかな用途別として
・バックパッキングシリーズ
・オールシーズンシリーズ
・多人数用シリーズ
に分けて紹介しますので、見たい箇所へは上記をクリックして飛んでみてくださいね。
バックパッキングシリーズ
軽量で、快適な居住性を兼ね備える3シーズン用テントがバックパッキングシリーズです。山や海、川などさまざまなアクティビティシーンに気軽に持ち運べ快適に使えるよう設計されています。
ハバハバシリーズ
航空機で使用される複合素材と同じグレードのポールであるイーストサイクロンポールを使用したハバハバシリーズ。2022年7月に発売予定の新型テントのハバハバシールドは3サイズ展開。シートの材質はNXと違い、フロア、フライともにエクストリームシールドシステム処理の20Dリップストップナイロンで耐水圧は1,200mmに変更。ポールはイーストンサイクロン採用。
製品名 | ハバハバNX | ハバハバシールド1 | ハバハバシールド2 | ハバハバシールド3 |
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定員 | 2人 | 1人 | 2人 | 3人 |
ドアの数 | 2つ | 1つ | 2つ | 2つ |
総重量 | 1720g | 1110g | 1470g | 1720g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W213 × D127 ×H100cm | W213×D127×H101cm | W213×D173+×H116cm | |
収納サイズ | 46×15cm | 46×10cm | 46×11cm | 51×13cm |
耐水圧 | フロア3,000mm,フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm |
自立 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
参考価格 | 56,000円(フットプリント別) | 58,300円(フットプリント別) | 68,200円(フットプリント別) | 84,700円(フットプリント別) |
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フリーライトシリーズ
登山やバックパッキングで軽量重視のキャンパーに最適といえるのが、3人用のサイズでも2kgを大きく下回る軽さのフリーライトシリーズです。イーストサイクロンポールにアップグレードし、従来からの吊り下げ式の設営方式も簡単なテントです。2022年11月にさらにアップグレードの予定。
製品名 | フリーライト1 | フリーライト2 | フリーライト3 |
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定員 | 1人 | 2人 | 3人 |
ドアの数 | 1つ | 2つ | 2つ |
総重量 | 890g | 1060g | 1230g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W221×D84×H100cm | W213×D127×H100cm | W213×D168×H109cm |
収納サイズ | 46×10cm | 46×11cm | 48×13cm |
耐水圧 | フロア1,200mm,フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm |
自立 | ◯ | ◯ | ◯ |
参考価格 | 51,700円(フットプリント別) | 59,400円(フットプリント別) | 68,200円(フットプリント別) |
エリクサーシリーズ
エリクサーは、MSRのバックパッキングテント・シリーズの中では最も居住性が高いモデルです。2 本のポールを2箇所で交差させ、天井部にさらに短いポールを追加することで箱型に近い空間をつくり、快適な居住性を実現しています。
他のモデルよりも厚手の生地を使っているために耐久性や耐水圧が高いのも特徴。従来の白、カーキに加え新色のタンカラーも登場。
製品名 | エリクサー1 | エリクサー2 | エリクサー3 | エリクサー4 |
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定員 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 |
ドアの数 | 1つ | 2つ | 2つ | 2つ |
総重量 | 2160g | 2770g | 3190g | 4260g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W218 × D84 ×H100cm | W213×D127×H102cm | W213×D172×H104cm | W223×D223×H121cm |
収納サイズ | 48×15cm | 51×17cm | 51×20cm | 56×17cm |
耐水圧 | フロア10,000mm,フライ1,500mm | フロア10,000mm、フライ1,500mm | フロア10,000mm、フライ1,500mm | フロア10,000mm、フライ1,500mm |
自立 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
参考価格 | 35,200円(フットプリント付き) | 42,900円(フットプリント付き) | 50,600円(フットプリント付き) | 67,100円(フットプリント付き) |
カーボンリフレックスシリーズ
最小限の軽量カーボンポールを使用した非自立式のダブルウォールテント。軽量化のためにフライシートにはファスナーさえ使わず、出入り口はベルクロと小さなフックで固定する徹底した作りです。
天井部の短いポールにより居住性を維持しつつ、インナーテントは通気性が高く開放感のあるマイクロメッシュを使用しています。
製品名 | カーボンリフレックス1 | カーボンリフレックス2 | カーボンリフレックス3 |
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定員 | 1人 | 2人 | 3人 |
ドアの数 | 1つ | 2つ | 2つ |
総重量 | 820g | 990g | 1190g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W213 × D76×H86cm | W213×D127×H86cm | W213×D167+×H101cm |
収納サイズ | 43×13cm | 43×13cm | 46×15cm |
耐水圧 | フロア1,200mm,フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm | フロア1,200mm、フライ1,200mm |
自立 | ×(ペグダウンが必要) | ×(ペグダウンが必要) | ×(ペグダウンが必要) |
参考価格 | 69,300円(フットプリント別) | 84,700円(フットプリント別) | 99,000円(フットプリント別) |
【ULなソロテント】スルーハイカー
ハイカーはポールを持っている。これを前提にポールの付属なし、さらには幕の上部をメッシュにした、本体重量410gの究極のウルトラライトテントです。ポールを持っていない人は適度な長さの枝を使えば設営できます。専用のスルーハイカーウィングを購入すればフライシートとしての役目になります。
MSR スルーハイカー メッシュハウス2
・ドア:1つ
・総重量:480g
・使用サイズ:W132xD213xH96cm
・収納サイズ:25×10cm
・耐水圧:フロア1,200mm
・自立:×
・参考価格:30,800円(フットプリント、フライシート、ポール別)
オールシーズンテントシリーズ
MSRのオールシーズン用テントはポールはもちろんのこと、シートも厚いものを使用し耐久性が高く、悪天候にも強い作りになっています。標高の高い山から雪山、雨や風など厳しい環境や悪天候にも耐えられます。
アクセスシリーズ
軽量なオールシーズンモデルです。フライシートには、MSRテントには珍しいベンチレーションがついているため通気性を高め結露を軽減してくれます。
ポールはイーストン社のサイクロンポール。メインポールと交差する台形型のポールによって、居住スペースも十分で強風や積雪に耐える高い剛性を確保しています。
製品名 | アクセス1 | アクセス2 | アクセス3 |
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定員 | 1人 | 2人 | 3人 |
ドアの数 | 1つ | 2つ | 2つ |
総重量 | 1600g | 1860g | 2300g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W213 × D84×H104cm | W213×D127×H107cm | W213×D178×H119cm |
収納サイズ | 46×15cm | 46×15cm | 53×17cm |
耐水圧 | フロア3,000mm,フライ1,200mm | フロア3,000mm、フライ1,200mm | フロア3,000mm、フライ1,200mm |
自立 | ◯ | ◯ | ◯ |
参考価格 | 77,000円(フットプリント別) | 93,500円(フットプリント別) | 106,700円(フットプリント別) |
リモートシリーズ
製品名 | リモート2 | リモート3 |
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定員 | 2人 | 3人 |
ドアの数 | 2つ | 2つ |
総重量 | 3160g | 3880g |
使用サイズ(Dは寝室幅) | W221 × D140 ×H112cm | W213×D127×H101cm |
収納サイズ | 51×17cm | 51×20cm |
耐水圧 | フロア10,000mm,フライ1,500mm | フロア10,000mm、フライ1,500mm |
自立 | ◯ | ◯ |
参考価格 | 110,000円(フットプリント別) | 124,300円(フットプリント別) |
【ワンポールテント】フロントレンジ
オールシーズン対応の超コンパクト、超軽量のフロントレンジタープシェルターはメインポールにトレッキングポールを使用するタイプ。ウルトラライトトレッキングから、バックカントリースキー/スノーボードなど使い方の幅が非常に広く、専用のインサートを使用することであらゆる環境、季節に対応できます。
MSR フロントレンジ
・ドア:1つ
・使用サイズ:W274×D274×H162cm
・収納サイズ:30×13cm
・総重量: 910g
・自立:×
・耐水圧1,200mm
・参考価格:46,200円(フットプリント、インナー、ポール別)
【プロフェッショナル】アドバンスプロ
アルピニストのための究極の2人用テント。本体に2レイヤーの防水透湿素材を使用したシングルウォールで、2人用でありながらも狭い場所でも設営できるように幅を最小限に抑えたモデル。ポールは2本をまっすぐにし、本体後部のスリーブに差し込んでから開くだけなので狭い場所でも素早く設営できます。ドア・ファスナー部のフラップと天井部のベンチレーターを改良してある新モデルは、軽量でミニマムな仕様は変えずに結露を軽減して快適性を向上しています。
MSR アドバンスプロ2
・ドア:1つ
・総重量:1460g
・使用サイズ:W208×D107×H112cm
・収納サイズ:46×15cm
・自立:◯
・耐水圧:フライ1,000mm、フロア3,000mm
・参考価格:88,000円(フットプリント別)
多人数用のテントラインナップ
登山者やツーリングなど、ソロやデュオキャンパー向けのテントが多いMSRにも家族や多人数での使用を想定した大型モデルがあります。最新のラインナップを見てみましょう。
ハビチュードシリーズ
家族や多人数でのアウトドアの楽しみを伝えるホームベースとなるテントです。大きい分アルミポールにすることで軽量化を図りつつ、強度があるので悪天候時も安心して使用可能。背が高く開放的なので、どのような方でも心地よく使えます。
製品名 | ハビチュード4 | ハビチュード6 |
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定員 | 4人 | 6人 |
ドアの数 | 1つ | 1つ |
総重量 | 5750g | 6350g |
使用サイズ(Dは寝室) | W241×D241×H185cm | W254×D305×H195cm |
収納サイズ | 58×23cm | 58×25cm |
耐水圧 | フロア10,000mm,フライ1,500mm | フロア10,000mm、フライ1,500mm |
自立 | ◯ | ◯ |
参考価格 | 79,200円(フットプリント別) | 95,700円(フットプリント別) |
よく聞く『加水分解』の対処法は?
MSRのテントでよく聞かれる悩みとして、「テントがベタベタする」や「変な匂いがする」という声が上がります。
これはテントの素材であるポリエステルや防水のコーティングに使われているポリウレタンと水分が長時間合わさることで、成分が分解・劣化する『加水分解』という化学変化が起こるためです。
劣化した成分は水分を含むためベタベタし、酸性であるため発酵したような匂いがするのです。
平均湿度の高い日本の気候下では、雨に濡れていなくても空気中の水分が多いため加水分解を完全に防ぐということはできません。
対処法としては、キャンプ時の天候に関係なく使用したテントをしっかり乾燥してからしまうことや、除湿剤を入れることで加水分解の速度を遅めることができます。
加水分解してしまったあとの対処法として、重曹で劣化したコーティングをすべて洗い流すと紹介しているサイトもありますが、これは防水コーティングを完全になくすという行為のため、あまりおすすめできません。まずは無水エタノールで拭き取ることから試してみましょう。
登山やキャンプやツーリング、どこでもMSRと一緒に行こう!
さまざまなシーンを想定して作られているMSR(エムエスアール)のテントたちはどれも軽量、頑丈で使いやすいものばかり! 追加でフットプリント(グランドシート)を購入しなければいけない耐水圧のモデルもありますが、最終的にはどのテントに自分が惚れたかというデザイン性ではないでしょうか。
お気に入りのテントを見つけて楽しいキャンプにいきましょう!