パップテントに、新たなムーブメントが?!
米軍や独軍などが、いわゆる“軍幕”として使っていたのがルーツの「パップテント」。軍用だっただけに、設営が簡単で雨風を凌げることが優先され、“質実剛健”で“男前”なイメージの強いテントですよね。
じつは今、そんな「パップテント」に新たなムーブメントが起こりつつあるのをご存知でしょうか?
いわゆる「パップテント」ってどんなテント?
パップテントの新たなムーブメントについてご紹介する前に、いわゆる一般的な「パップテント」について少しおさらいを。
本体はポール2本で、キャノピー使用時でもポール4本とシンプル設計なのでとにかく設営が簡単。パーツが少ない分収納サイズもコンパクトで、ソロキャンパーに人気の高いテントです。
一方で、天井が低くリビングスペースはほぼキャノピー下のみ。寝室も大人1人が就寝できる最小限の広さなので、居住性が低くソロ以外には不向きといったデメリットが。
また、昔ながらのコットン素材のタイプが多く、ヴィンテージ派キャンパーにはそれも魅力ですが、耐水性や速乾性、重さなどの機能面では最新機能素材に劣ります。
デメリットを克服した“進化型”パップテントとは?
そんなパップテントですが、じつは今、シンプルで設営しやすい構造はそのままに、デメリットである狭さや機能面を克服した“進化型”パップテントが続々ラインナップ。
サイズも、デュオキャンプから宴開幕に使えるタイプまでじつに幅広く、素材やカラバリも豊富に。従来の男前イメージを覆す、ナチュラルインテリア映えするタイプまで登場し、新たなムーブメントになっているんです。
そこで今回は、そんな進化型パップテントを厳選。7つの注目アイテムをご紹介していきます!
デュオやゆったりキャンプにはこれ!
まずは、デュオキャンプから“ゆったりソロキャンプ”におすすめな進化型パップテントからご紹介します。
ワンティグリス「ソロホームステッド」
まずは、コスパの高さとユニークさが人気のワンティグリスのテントからご紹介! サイドから見るとよくわかるのですが、こちらのテント、なんと奥行きが240cm。一般的なパップテントのおよそ1.5〜2倍もあるんです。
そのため、コットを縦に2台入れてもまだ余裕のスペースが。高さも160cmあるので、地べたに座らなくてもチェアスタイルでゆったり過ごせます。
素材もナイロン製とTC(ポリコットン)製の2種がラインナップ。TCタイプには煙突穴付きで、着脱可能な専用グランドシートが付属。
軽さや耐水製を求めるならナイロン製を、薪ストーブをインストールして冬のおこもり幕にしたいならTC製と、より自分にフィットするタイプが選べるのも魅力です。
ワンティグリス ソロホームステッド
ワンティグリス ソロホームステッド TC 煙突穴付き
ダックノット「ハンティングヘキサ TC /SW」
続いては、軍幕の無骨な雰囲気はそのまま踏襲しつつも、着脱可能な前幕が作る直方体の前室により、ベイカーテント的な居住性を確保した斬新テント。
SPLASH FLASHなどを手がける株式会社ランケットによる新鋭ブランド「ダックノット(DUCKNOT)」のアイテムです。前幕なしの奥行きも340.6cm、最高部の高さは210cmと、かなりの広さ。
しかも、この前幕アレンジのバリエーションも豊富で、まるで連結式陣幕のようにプライバシーを確保しつつ星空を眺めるなんて使い方もOK。
デュオのみならず、ファミリーで軍幕の渋さを楽しめる画期的なアイテムです。
ダックノット ハンティングヘキサ
素材 | ハイブリッドT/C ポリエステル65% 綿35% 糸撥水加工 |
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使用時サイズ | 400×210×346cm |
収納時サイズ | 77×26×28cm |
重量 | 約12.6kg |
「ハンティングヘキサTC/SW」の詳細はこちら
▼「ハンティングヘキサTC/SW」について詳しくはこちらもチェック!
ポモリー「STOVEHUT 70 パップテント」
そしてもう1つ、昨年日本上陸を果たした注目ブランド「ポモリー(POMOLY)」の人気アイテムも要チェック!
薪ストーブがちょうど前室的なサイドエリアにインストールできる構造で、居住スペースとの間にはメッシュパネル付きのドアが。しかも、居住部分はお座敷スタイルも可能な床付き。
高さこそ130cmとやや低いものの奥行きは150cmあり、大人2人が就寝するのに十分な広さを確保。デュオ・パップテント・薪ストインストールというキーワードにマッチするテントを探していた人には、イチオシです。
「STOVEHUT 70 パップテント」の詳細はこちら
DOD「SOLO SOUL WOWWOW」
ありそうでなかった、をタイムリーに叶えてくれるDOD「SOLO SOUL WOWWOW」は3.4×3mの広々としたテント。最大の特徴は、2本ではなく4本のポールを用いる点。
4辺の壁をほぼ垂直に立ち上げてくれるので、ソロキャンプには十分すぎるほどの居住スペースを実現してくれます。
天井が高くなっている前方だけでなく、後方のパネルも全開にできるのもポイント。夏の暑い日でもオープンタープに近い状態で風を通してくれます。
ちなみに生地にはTC素材を採用。スカートもしっかり備わっているので、季節を問わず快適に過ごすことができるでしょう!
そしてさらに、前後のドアパネルは別売のポールで跳ね上げが可能。リビングスペースをさらに拡張させて、屋根の下でまったり焚き火を愉しむ、なんて使い方もできるんです。ゆとりある空間でソロキャンプを楽しみたい、という方にぜひおすすめしたい一幕です。
「SOLO SOUL WOWWOW」の詳細はこちら
宴会幕にもなるビッグモデルも!
そしてここからは、パップテントの構造はそのままに、宴会幕にもなるレベルのビッグサイズモデルをご紹介します!
DOD「ヨンヨンベース」
続いて紹介するこちらの「ヨンヨンベース」もDODのアイテムで、幅4.2×奥行き3.7×2.1mという超ビッグサイズ。1枚目画像からもわかるとおり、同ブランドの「フカヅメカンガルーテント」を入れても余裕の約10畳という広さです。
前後ドア部分はフルメッシュ&フルオープンできるから、シェルタータープのような使い方も可能。ただし、奥行きがある分、本体を支えるポールは4本でキャノピー用にはさらに2本の別売りポールが必要に。
けれど、収納時は幅50×奥行き24×高さ27cmとコンパクトで、ツーリングでも携行できるサイズなのが驚きです。ブラウン・ライトグレー・ブラックの3色とカラバリも豊富で、“軍幕”のイメージとはまったく違うインテリアが楽しめます。
「ヨンヨンベース」について詳細はこちら
▼「ヨンヨンベース」について詳しくはこちらもチェック!
ハイランダー「A型フレーム グランピアン」
オリジナリティと高コスパが魅力のハイランダーからも、大型パップテントがリリースされていますよ! この「A型フレーム グランピアン」は、DOD「ヨンヨンベース」よりさらに大きく、なんと幅650×奥行き330×高さ250cm。
内部空間は、3人用のインナーテントが2つ楽に入るスペースを実現しているんです。
さらに特筆すべきなのは、左右のポールが二股になった「A型フレーム」を採用している点。そのおかげで、左右からの出入りときもノンストレス。デッドスペースが多いツインポールの弱点を克服し、レイアウトの自由度も飛躍的にUPしています。
また、ブラウンのポリエステルタイプと、ナチュラルなオフホワイトのポリコットンタイプの2種がラインナップ。よりキャンプスタイルにマッチするタイプが選べるのも魅力です。
ハイランダー A型フレーム グランピアン2
サイズ | 約W650×H250×D330cm |
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収納サイズ | 約W67×H35×D35cm |
重量 | 約11.2kg |
付属品 | 収納袋、メインポール(2本)、ペグ(21本)、ガイロープ(9本)、ビルディングテープ(3本) |
ハイランダー A型フレーム グランピアン ポリコットン
これもパップテント?こんな変わりダネも!
最後は、一見パップテントには見えないけれど、その実パップテントのDNAを受け継いでいる変わりダネテントをご紹介します。
ゼインアーツ「オキトマ2」
こちらは、入荷即完売を繰り返すゼインアーツの大人気テント。メインとサブのアーチポールが2本ずつに、それを補強するリッジポールが2本クロスしており、ポール構造的には、トンネルテントの1種とも言えるんですが……。
よく見ると、インナーテントが本体の中を縦断するような配置に。寝室とリビングとを横分割ではなく縦分割するスペースの使い方、発想がパップテントと似ていますよね。
また、幅395×奥行き280cmとしっかりデュオキャンプにも対応するサイズながら、高さは140cmと低め。設営しやすくロースタイルがフィットする高さも、パップテント的。
それでいて、やや立ち上がった両端の壁により居住性がUP。さらに、完全自立式で地面のコンディションが悪い場所でもより設営しやすいなど、随所にゼインアーツならではの工夫が光る個性派です。
「オキトマ 2」の詳細はこちら
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ヨカ「YOKA CABIN」
最後は、「YOKA TIPI」テントや焚き火台が人気「ヨカ」の新作アイテムです! こちらは、ベイカーテントのスタイルにパップテントの構造を見事に掛け合わせ、居住性を高めたテントなんです。
最も特徴的なのが、左右非対称のアシンメトリースタイル。薪ストーブをインストールする場合はハーフクローズした右側に配置し、左側のみキャノピーを張り出せる設計に。
さらに、背面内側のサブポールによって、パップテントでは斜めに迫ってくる壁を立ち上げて居住性をUP。また、寝室と前室の間にも仕切り幕があり、フルオープン・ハーフオープン・サイドオープンなど七変化。シチュエーションに合わせて、実に多彩な設営が可能です。
火の粉に強いTC素材の生地は、男前なダークカーキとノスタルジックなアイボリーの2色展開。デュオからファミリーまで、マルチに対応できるテントです。
ヨカ YOKA CABIN
パップテントの新たなムーブメントを見逃すな!
構造がシンプルで設営しやすいというメリットはそのままに、狭さや居住性の低さをさまざまな発想で克服した“進化型”パップテントたち、いかがでしたか?
あなたも、パップテントの新しいムーブメントを見逃さず、より自分にフィットするテントを見つけてみてくださいね!