気になるシェルターを発見!
通販サイトをパトロールしていると、気になるソロキャンプ向きシェルター を発見! 2ポール構造なのですが、前後の大きな出入り口にはメッシュパネル付き。
さらにこの独特な形のデザイン。メインの2ポールに加え、サイドの空間を目一杯活かす構造から居住空間の広さに期待が高まります!
これってミニマムなソロキャンプではなく、余裕のある快適な広さでソロキャンプを楽しめるのでは? と興味をもった筆者。
その名も、ワンティグリスの「2ポールシェルター ソロホームステッド」
このシェルター は、中国発ブランド・One Tigris(ワンティグリス )の「ソロホームステッド」 というモデル。税込21,000円とお手頃感がある価格も目を引くキッカケになりました。
ワンティグリス ソロホームステッド
レビューの内容に若干の不安あり
レビューページをよく見てみると「届いたポール の長さが間違っており設営できない」「縫製ミスがあった」など、初期不良に関するレビューがチラホラ……。
購入からすぐ届きました。まだ設営してませんが付属品は問題なし。
ファスナー横のシルバーポールを入れる穴の先端ごとシームテープで塞がれておりハサミで切りました。(引用:楽天市場)
2人で使用しても十分な広さでした。フレームワークポールは本来145cmですが、届いたものが147cmでした。問い合わせたところ迅速に交換対応いただけました。
糸のほつれがありましたが、コスパを考えると満足のいくテントだと思います。(引用:楽天市場)
いくらカッコよくて手に取りやすい価格でも、不良品では話になりません。直近のレビューでは、改善されて問題なくなってきているとの声もありましたが、果たして実際のところはどうなのでしょうか?
ということで、実物を入手して確かめてみることに!
気になるシェルターを実際に使ってみた!まずは検品
こちらがワンティグリス「ソロホームステッド」。収納サイズは約58×20×20cmとコンパクト。重量は約4.3kgと軽いので手軽に持ち運びでき、積載時も場所を取りません。
セット内容
中身を取り出してみました。フライシートにメインポール2本と跳ね上げポール2本、出入り口を支えるフレーム用のポールが4本、ペグ とロープに防水用のキャップというパーツ構成です。
ちなみにレビューを見ているとポールに装着する付属の「防水用のキャップ」は、販売時期のロットによってカラーが異なるようです。筆者の場合は、比較的落ち着いた色合いの濃いグリーンのものが届きました。
ここまでセット内容を確認しましたが、パーツが不足しているなどはとくになく、この時点で問題は見当たりません。
購入前に「テント素材」には要注意!
各パーツをザッと検品してみました。見たところ、縫製不備や何かが取り付けられていないということもなく、ここもとくに不良はなさそうです。
ただしテントの生地素材については、注意が必要! Amazonの商品ページでは「75Dナイロン素材」と表記されていますが、楽天市場では「75Dリップストップナイロン」との表記が……!(2021年9月16日付の記載)
実際筆者が購入した実物は、触ってみたところ完全にナイロン素材です。
生地の縫い目には、シーム加工が施されている
過去のレビューでは雨漏りに関する指摘が多数ありましたが、改善されてほとんどの箇所にシーム処理が施されています。剥がれなどは一定期間使ってみないことにはなんとも言えませんが、購入時点で剥離しているところはありませんでした。
と、ここまでの検品ではとくに問題は見つからず、ひとまず安心。
それでは続いて設営をしていきます。設営しながら、レビューに出ていたポールやスリーブの不良箇所がないか、チェックしていきますね。
設営しながらパーツをチェック
設営方法
設営方法は、フライシートを広げて裾を6カ所ペグダウン。次に前後の出入り口の両端にフレームワークポールを計4本スリーブに通します。
固定できたら、メインポール2本でシェルターを立ち上げ。最後にガイロープ 6本でテンションをかけ設営完了!
設営は一人で難なく張れますが、フライシートの内側にフレームワークポールを4本通したり、6本のガイラインをマストで張らないといけないなど、サイズの割に思っていたより時間がかかりました。
フレームワークポールのおかげで幕内の有効面積が広くなる分、若干手間がかかる、という感じです。
フレームワークポールに問題はなかった!
レビューで「ポールが長すぎて入らない」「縫製ミスにより、スリーブにポールが通らない」などの問題が多数発生していたフレームワークポール。
細すぎたりシームシールで塞がれていたりという理由で、ポールが通らない方もいたというスリーブ。シームシールは上から被ってましたが、カットされて穴はちゃんと空いていてキツすぎることもなく、すんなり通りました。
ポールの長さも問題なく4本とも正常にセット完了。今回検証に使った個体は問題ありませんでしたが、念のためフレームワークポールの長さは、家での開封時点でチェックすることをおすすめします!
設営途中、所々で写真のような糸のほつれを発見。ただ、縫えていないというわけではなく切れば済むレベルだったので、ここは大目に見ましょう。
ガイラインを取り付ける箇所は補強されたようでしっかり縫い付けられていて、簡単に取れたりすることはなさそうな感じでした。
ちなみに6本のガイラインはマストで使わなければいけないので、一度設営したら取り外さずに付けっぱなしにしておいた方が、次回以降の設営がラクになります。
設営に関しても不具合などはとくになく、無事に設営完了! 万が一初期不良のアイテムにあたったとしても、「問い合わせれば即対応してもらえる」と定評があるので、キャンプ前に検品をすましておくと安心です。
「2ポールシェルター ソロホームステッド」の居住性をチェック
それでは実際のキャンプを想定して使ってみましょう。まずは、フロントパネルを跳ね上げて開放的なスタイルにしてみました。日差しや小雨を防いで快適に過ごせそうです。
コット+チェア+テーブルを入れても余裕
設営時のサイズは、幅約4m×奥行2.4m×高さ1.6m。就寝スペースとしてコットと、ソロ用にはちょっと大きいテーブル とローチェア がすっぽり収まりました。
コット はポールとポールの間にピッタリ収まっていて、頭の上や脚の下には荷物を置くための十分なスペースがあります。
フレームワークポールのおかげで幕内の天井への傾斜が少なく、圧迫感もなし。ふいに幕に触れて結露で濡れてしまうというようなことも少なく済みそうです。
最大3台のコットを並べることもできる!
コットは縦向きにも入り、最大3台まで並べることもできるので、寝室としても使用可能。フロアはありませんが、自前でシート を用意すれば、お座敷スタイルで過ごすこともできますね。
インナースカート部分は、荷物置き場にも便利
ポール外側はインナースカートがあり、ちょっとしたフロアのようになっています。ここを荷物置き場として使うのも有効!
出入りには、すこし屈む必要あり
室内の最大高は160cmですが、ドアパネルはさらに30cmほど低いため、身長180cmの筆者は出入りのときに、しっかり屈まないといけません。元々背が高いテントではないので、この点はしょうがないですね。
ただチェア に座って過ごしていると高さは全く気にならず、天井の圧迫感もありません。
メッシュパネルは、開放感がありながら虫除けにも
前後のメッシュに加えて左右にもメッシュ付きの小窓があり、風を通せて視界も良好。プライバシーを保ちながら換気をしたいときは、こちらの方が使い勝手が良さそうです。
前後のパネルと左右の窓を全て開ければ、虫の侵入を防ぎながら開放的な空間で心地よく過ごせそうですね。
最後に雨漏りの検証もしてみた
フライシートの内側の浸水しやすいポール周りにも、シームシールはしっかり貼られています。
この日は雨漏りの検証のためには生憎の快晴だったため、ペットボトルに入れた水を何度も掛けるという実験を敢行。
結果としては浸水は見られず、撥水が良いおかげで水は勢いよく幕をつたって流れていきました。耐水圧は1,500mmと、日本の大手メーカーの平均的なスペックと同程度なので、通常レベルの雨ならなんとか凌いでくれそうです。
価格相応なソロ向けシェルター!
使う前は不安でいっぱいだった、ワンティグリスの「ソロホームステッド」。これまでに多くの方が問題箇所を指摘してくださったおかげか、幸い初期不良は見当たらず、普通に使えるシェルターでした。
コスパに関しては、品質と見比べて「お値段通りのレベルの必要十分なスペックが揃っている」という印象を抱きました。
買いやすい価格であることは事実なので、用途に合わせて買い足し用の幕としてなど検討の余地は十分にあるかな、という結果に!
コンパクトな収納サイズながら広々使えるため、居住空間の広さを求めているソロキャンパーには、声を大にしておすすめできるモデルです。
ワンティグリス ソロホームステッド