ロックを外して開くだけの簡単設営
展開時は後部にある2ヶ所のフックを手で開き、蓋を上に持ち上げます。ある程度上げるとあとはダンパーの力で自動的にフルオープン。
上蓋が開いたらテント内に保管してあったポール2本を取り出し、キャノピーを展開。以上、冗談抜きで1分以内にセットアップが完了!
今回撮影補助で手伝ってもらった小柄な妻でも、難なくできてしまうレベルです。
通常であれば付属のラダーを取り付けて上り下りしますが、筆者の場合はクルマ自体に元々リアラダーを付けてあるので、ラダーを積み下ろしする負担とセットする手間も無く、圧倒的な手軽さを実現しています。
マット内蔵で寝る準備も不要
さらに、テント内部には厚さ7cmのウレタンマットと1cmの防湿マットを重ねた、厚手のマットが標準装備。エアマットに空気を入れたりする手間が一切なく、展開したら即座に床につくことができるんです。
長距離運転で疲れて「さぁ、寝よう!」という時など、寝るための準備の手間がほぼ無いので本当に快適。
しかも寝袋程度のボリュームであれば、寝袋を広げた状態で中に入れたまま閉じることができ、寝袋を片付ける手間も不要。
まさにラクさを追求した筆者にピッタリの、お手軽ルーフテント。
広々快適なスペース
先ほどの分類で、ポップアップ式は展開式より手狭と言いましたが、このテントの居住空間は奥行211cm × 幅131cm × 最大高さ160cmあり、大人2名がゆったり横になれるサイズ。身長180cmの筆者でも子供と2人で余裕を持って寝ることができる充分な広さがあります。
家族4人で出かける時でも、ルーフテントに2人、車内に2人と、これまでできなかった4人で快適な車中泊をついに実現することが可能になりました。
キャノピーや3面メッシュ窓、小物入れのポケットなど機能も充実
出入口の他に左右両面にも窓があり、3面ともメッシュで開放もできるので通気性も抜群。普通のテントに劣らず、機能性はしっかりしています。
意外と便利なのが、出入口を覆うように取り付けられたキャノピー。これがあるお陰で、雨の時でもテント内に水が入ることなく出入りが可能。
上蓋の裏側と側面部分には、携帯電話や財布などの手荷物を収納するための複数のポケットが標準装備。
きっと「テントに入る時、靴はどうするの?」と思った方がいらっしゃると思います。テントの下に靴を収納しておくためのシューズポケットなるものを取り付けることができ、テントに入る前に靴を脱いでこの中に入れておきます。
という感じで、細かいところにも配慮が行き届いた、使い勝手の良い居住空間なんです。
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導入時や導入後に気になったところ
ルーフテントの導入は筆者にとって良い選択だったのは間違いありませんが、導入にあたり気にかけておいた方がよいと感じたこともあるので、その点についてもまとめてみます。
ルーフの高さと重さが増えるので多少運転に気を使う
すでにルーフラックやボックスを使っている方なら分かると思いますが、車高が高くなるため立体駐車場などの制限に引っかかってしまうことが……。元々車高が高いSUVの上に、レールを含めるとさらに40cm近く追加されるので、屋内駐車場などへ進入する際は充分に気を付ける必要があります。
さらに、ルーフテントはラックなどと比べると重く、筆者が導入したテントの場合68kgあります。車の屋根部分という重心が高い位置に重いものが乗ることで、カーブの時に遠心力が強まるなどの影響があるため、曲がる時はしっかり減速するなど慎重な運転が求められます。
燃費の低下
古い型の車なので燃費表示がされるわけではないんですが、約70kgの重さのものを常に載せっぱなしにしているので、何も載せていないよりも燃費が悪くなっていることは容易に想像がつきます。
元々燃費が良くない車な上にガソリン代がますます高くなっている昨今、燃費の低下は正直厳しいですね。
位置が高いため出入りに注意が必要
普通車より車高が高いSUV車なので、テントの位置は地上からおよそ2mほどの高さ。しかも上り下りは細いハシゴなので、出入りの時は若干気を使います。
小学生以上なら問題ありませんが、未就学児だと1人での出入りは難しいでしょう。
飲み過ぎでトイレが近い中年男性にも、なかなかの苦行かもしれません。
圧倒的に便利になったアウトドアライフ
以上いくつか気になる点はあるものの、いつでもどこでも快適な寝床が確保できる上、寝る直前までテントの準備をしなくていいので、目一杯アウトドアでの時間を有意義に使うことができるようになりました。
これをきっかけに、今後もさらに遠いところなど、どんどん出かけて楽しみたいと思っています。毎週のようにキャンプをする人や色々なところに出かける人には、おすすめしたい選択肢のひとつです。