レトロフェイスの頼れる相棒「ボンゴ」
最近、巷で話題の「バンライフ」というワード。単なる交通手段としての「バン」ではなく、より快適な居住空間にカスタムし、車中泊キャンプや旅・ワーケーションなどの拠点にする人が急増中なんです。
そんな「バンライフ」ムーブメントの中、人気急上昇中なのがマツダ「ボンゴ」。といっても現行車種ではなく、すでに生産終了した旧車種が注目されているんです。
「ボンゴ」は少々“ややこしい”クルマ?
そんな旧型ボンゴなんですが、「ボンゴ」と「ボンゴブローニイ」の2系統が存在します。そして実は、少々ややこしい車種だったりします。
【ボンゴ】
まずは、中古車市場で比較的入手しやすい3・4代目の「ボンゴ」からみていきましょう! 3代目は角目灯のレトロフェイス、4代目はバンパーが大きく愛嬌のあるフロントフェイスが特徴的です。
2列目シートは跳ね上げ式ベンチタイプで、広大な荷室空間が商用車ならでは。積載スペースの広さがキャンプ向きなだけでなく、フラットな床面で車中泊カスタムしやすいのが魅力です。
この3・4代目「ボンゴ」ですが、実は、3・4代目の日産「バネットバン」としてOEM供給されていました。さらに4代目は、三菱「デリカバン」の4代目としてもOEM供給されており、すべて同型車なんです。
【ボンゴブローニイ】
続いては、「ボンゴ」の全幅とホイールベースを延長したミドルクラスワンボックス「ボンゴブローニイ」。
1983年発売の初代〜1999年発売の2代目までで自社生産を終えた車で、角目灯のレトロなフロントフェイスが特徴的。
よりロングボディなので、荷室は2列目シートを跳ね上げなくても車中泊できる広さ。大人2人+子ども1人程度なら余裕で寝られて、リビングスペースまで確保できます。
そして実は、2代目「ボンゴブローニイ」は2代目の三菱「デリカカーゴ」としてOEM供給されていた同型車。「ボンゴ」「ボンゴブローニイ」ともに、中古車市場を探していると少々混乱してしまう“ややこしい”クルマというワケなんです。
自分らしさ全開のバンライフなら、ボンゴカスタム!
レトロフェイスとフラットで広大な荷室が「バンライフ」ムーブメントにマッチし、再注目される旧「ボンゴ」&「ボンゴブローニイ」。
中古車市場での平均価格が「ボンゴ」で77.8万円、「ボンゴブローニイ」が120万円と(カーセンサー調べ)かなりお手頃なのも、人気に拍車をかけます。
そこで今回は、「ボンゴ」「ボンゴブローニイ」のイケてるカスタム事例を厳選! 自分らしさ全開のバンライフを叶える、全10事例をご紹介しちゃいます。
ボンゴのカスタム事例紹介(オーナー編)
まずは、実際にボンゴカスタムカーに乗っているオーナーの事例からご紹介。キャンプなどでのリアルな使用感、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ノスタルジックなカラーリングで抜群の存在感!
ご夫婦+お子さん2人の4人家族でバンライフを楽しむ@ryo_310さんのカスタム事例。ノスタルジックなカラーリングがセンス抜群のこちら、全てご自身のカスタムだから驚きです。
それもそのハズ。実は@ryo_310さんは「Paint Up Sugar」というオーダーメイドスタイルの自動車販売会社を運営するプロ。けれど、こちらは自家用車として愛用中で、今回はオーナー編に登場していただきましたよ。
一際存在感を放つカラーデザインは、“昭和50年代を走っていた車両”をイメージ。大掛かりなフェイスキットやパーツの組み込みなしに、ペイントや配色だけでここまで印象が変わるという良例ですね。
内装も期待を裏切らないビンテージテイストで統一され、オーダーメイドのシートカバーが実にいい雰囲気。2列目シート前には脱着可能なテーブル付きなのが便利です。
ルックスのみならず、機能面も秀逸。仕事にも兼用するため、ベッドキットは収納・撤収が簡単にできる仕様になっています。
しかも、収納した木材が嵩張らない・サイドテーブルに活用したい・長物収納のため中央に足はNG・両側には収納機能という条件までクリアしているのが流石です。
商用車から、家族と楽しめるファミリーバンにカスタマイズされたボンゴブローニイ。
お子さんたちも“ブローニイちゃん”と親しみ、この車で出かけたいといってくれるそう。毎週末が楽しみになるバンライフ、憧れます!
Paint Up Sugarのホームページはこちら
80’Sビンテージスタイルを細部まで追求
(レンズオレンジ/ウィンカー塗装用スプレー)、フロント・リアバンパー塗装(チッピングスプレー/ブラック)、フロントのエンブレム交換(ヤフオク購入)、荷室天井の板張り(天井用の杉の羽目板)
、その他内装(天井・壁・床断熱材加工、ベッド・棚・カーテンDIY〕、ステアリング交換(ナルディのウッドステアリング)
続いては、ご夫婦+愛犬Chocoちゃんでバンライフを満喫中の@setagaya_vanlifeさんのカスタム事例。
80’Sアメリカを意識したという、ビンテージ調のカラー&ライニングが印象的なこちらのボンゴ。なんと内・外装全てお2人のDIYによるものなんです!
“絶妙なバランス”と“抜け感”にこだわったライン塗装は、ボンゴのレトロな雰囲気にベストマッチ。ヤフオクで入手した「mazuda」のエンブレムやナルディのウッドステアリングなど、ディティールまでこだわりが満載です。
内部は天井と床を板張り、壁にはレザーの内張りを施した本格仕上げ。ベッドは伸縮式でシーンに応じて大きさを変えられるのが便利です。
デンマークのデッドストック生地で自作したカーテンなど、ファブリック類のセンスも流石。
1列目シート背後にはChocoちゃん専用コーナーが。座席から自由に行き来しやすいよう、高さのバランスに気をつけたそう。ベッド下にはトイレスペースも設け、雨の日や走行中も安心です。
全てDIYのため、かなり時間がかかったというボンゴのカスタム。けれど、その分思い入れがあり、長く大切に乗っていきたいそう。セルフカスタムだからこそ実現した、ニッチなこだわりが素敵ですね。
無理なく楽しむカスタムで効率よく自分空間を実現
お次は、DJにカメラにバンキャンパーと多才な@calman8papaさんのカスタム事例。
実は@calman8papaさんは、以前、CAMP HACKの連載企画「教えてあなたの車中泊スタイル」でご紹介した@maohenryさんと一緒に、数名のメンバーと「VANCAMP JAPAN」を運営、バンキャンプの楽しさを発信しています。
▼@maohenryさんの車中泊スタイル紹介記事はこちら
こちらも全てセルフカスタムとは思えないクオリティに脱帽。ボンゴブローニイならではのロングな荷室空間にはゆとりのリビングスペースを確保、1列目シート背面の木製パーティションで“車感”も見事に払拭しています。
また、この車両は荷室にタイヤハウスの出っ張りがなく、よりレイアウトの自由度が高いのがお気に入りポイントだそう。さらにそのメリットを、中居木工の「ベンチベッド」でフル活用しています。
このベッド、なんと2台の背もたれ付きベンチにトランスフォーム。テレワークや音楽編集などの作業時からバンキャンプ時まで、シーンに合わせて自在にレイアウト可能です。
そして、なんといっても唯一無二の力作が天井部分! 配色からスリットの間隔までとことんこだわり、オリジナリティあふれる仕上がりです。
LEDライトの木製シェードも、木のお皿をカットして切り口にラバーを装着した自作だそう。
全てをDIYにこだわって作るのではなく、市販品をうまく流用して無理なくカスタムを楽しんでいるという@calman8papaさん。カスタム自体を楽しめてワクワクする自分空間、サイコーですね!
元宮大工がつくるハイレベルなカスタム
オーナー編最後は、ご夫婦+4人のお子さんの6人家族でキャンプに釣りにバンライフと、精力的にアウトドアを楽しむ@vanlife_monさんのカスタム事例。
実はこちらも外塗装以外セルフカスタム。元宮大工で電気工事士という@vanlife_monさんの経歴とご家族のチームワークが発揮されたハイレベルな仕上がりに驚かされます。
両サイドに設置された高さの異なるアイアン×ウッドの棚は、車検時など考慮して取り外し可能な仕様に。フレームのみプロに依頼し、棚板は自作だそう。
さらに、この棚の下段・中段に棚板を渡すことで、ベッドモードやダイネットモードなどさまざまなレイアウトに変えられる構造が秀逸です。
両サイドのタイヤハウスBOXのデッドスペースも余すところなく活用し、スピーカーや天井のダウンライトのスイッチ、コンセントを集約して配置。
しかも、ダウンライトはドア連動で消灯できるうえ、車両前後のスイッチどちらでもON/OFFが可能なのがさすが電気のプロ。
車検時に必要な1列目シート背後のセパレートバーには、自作の木製ルーバーで目隠しを。画像のように外に吊るして棚板を追加すれば、キッチンカウンターに早変わり!
そしてやはり特筆すべきは、驚異の自作ルーフテント! 傘用の生地を耐久性が高く水に強い蝋引き糸で縫製し、骨組みはアルミで折り畳み可能な構造になっています。
もともとルーフトップがお子さんお気に入りの場所だったため、畳んだテントの上にも乗れるよう天面に木枠を装着。ここから星が眺められるよう窓までついた超大作です。
棚もルーバーもキャンプのときには外に出してフル活用。便利で快適なボンゴのおかげで、インドアな奥さまも一緒にアウトドアを楽しんでくれるようになったそう。
家族みんなの協力と思いが詰まったボンゴで、これからもとびきりのバンライフを楽しめそうですね!
ボンゴのカスタム事例紹介(カスタム業者編)
ここからはカスタム専門業車の事例をご紹介。各社どんなカスタムを得意としているのかなど、サービス面もぜひ参考にしてくださいね。
NORTH TRUNK
ボンゴブローニイのOEMである三菱「デリカカーゴ」に、SS型の旧型ボンゴのフロントグリルを移設したオンリーワンな1台。
さらに、全塗装・ルーフラック・ゴツめのタイヤでオフロード感をUPし、NORTH TRUNKイチオシの「SCRAMBLER」スタイルに。ビンテージ調のオリジナルシートカバーやハンドルにもセンスが光ります。
ルーフラック、リヤラダー、テレーンタイヤ、補助灯など、それぞれの部品をつけることで、全体のバランス感を調整し、アウトドア感をUPさせた「SCRAMBLER」スタイルの1台。
室内も作家さんとコラボしたオリジナルパーツを使用して特別感を演出しています。
ブルーカラーのボディとライニング、ボンゴのレトロフェイスが絶妙にマッチしたカスタム例。実はこちら、オーナーのキャンプ・車中泊用の自家用車。
ご自身の好きなバイクをイメージして、ファットなゴツゴツタイヤやyakimaのルーフラックを装着し、NORTH TRUNKのボンゴカスタム始動のきっかけとなった記念すべき1台です。
ショップの売りポイント
宮崎県のTRUNK AUTO WORKS (NORTH TRUNK)が提案するのは、” SCRAMBLER”というレトロ感のある2輪車のカスタムスタイルを車に落とし込んだデザインです。
オールペン、ルーフラック、テレーンタイヤを軸に、オリジナルパーツ等を用いて、アウトドア過ぎず都会にも似合う1台を製作し、コンプリートカーとして販売しています
NORTH TRUNKのホームページはこちら
ANNEX キャンピングカープラザ大阪
【ブローニィRIW】
ラグジュアリーすぎず、むしろ土足でガンガン使えるキャンプ道具のようなクルマを追求した、キャンピングカープラザ大阪オリジナルキャンピング仕様車「RIW」のボンゴブローニイバージョン。
ミニキッチンにベッドキットを備えながら、レイアウトの自由度が高い設計に。2枚目画像後部の2段の棚は可動式で、ベッドの幅を広げたりベンチとして使うことが可能です。
【ブローニィRIW-S】
サーフボードラックや温水シャワー(オプション)を搭載したRIW-S(サーフバージョン)も。ミニキッチンを手前に配置したことで、後部のレイアウトがさらにマルチになっています。
ショップの売りポイント
キャンピングカービルダー「アネックス」の直営店として、自然豊かな茨木市彩都に常設展示場をオープン。アネックス社製品(RIWも含む)以外のキャンピングカーも取扱い、幅広いラインナップでお客様にピッタリ合うくるま選びをサポートいたします。
土日営業の自社工場も完備しており、ご購入後のメンテナンスも安心してお任せください。敷地内にドッグランがあり、ペット連れのお客様も大歓迎です
ブローニイRIWのホームページはこちら
HAMMOCS
ボンゴのOEM、日産「バネットバン」をカスタムした1台。ベッドモードからダイネットモードへの変更がスマートな横向きのセカンドシートは、車検にも適合。フロントと合わせて4名の乗車定員を実現しているのがポイントです。
また、無垢のアカシア材を使用した天井や壁のフローリング張りが、とても落ち着ける室内空間を演出しています。
チャイルドシートが使用できるように、純正シートを用いたままベッドやダイニング展開が可能な構造にこだわった1台。伸縮可能なベッドフレームを、ボンゴバンに合わせて加工することで実現しています。
さらに、タイヤのホイールをデイトナホイールに変更し、シルバーのクールなボディが一気に引き締まった印象に。
ショップの売りポイント
HAMMOCSが提案するのはオーダーメイドのバンライフです。ボンゴやハイエースはもちろん、お好きなバン(中古車・持込可)をベース車とし、お客様のライフスタイルや好みに合ったカスタムを一緒に決定していきます。
完成までは、ベース車スタンバイからおよそ3ヵ月〜。オーダーメイドのバンライフを、製作から一緒に楽しみましょう
HAMMOCSのホームページはこちら
レトロフェイスも車中泊も叶う、最強ボンゴ!
もともとレトロなデザインで大掛かりな外装カスタムが不要、広くフラットで車中泊カスタムしやすい荷室空間、手頃な価格など、バンライフキャンパーの求める“今”が詰まったボンゴ。
セルフカスタムにトライするオーナーが急増中なのも納得のクルマでしたね。あなたも、ぜひボンゴカスタムで、お気に入りデザインも車中泊も叶えてみませんか?