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大注目の新ブランド「yozora」
提供:ほぼ日
2023年9月29日(金)、その情報が公開された新ブランド、yozora(ヨゾラ)。アウトドアの分野ではリリースのなかった、株式会社ほぼ日が立ち上げたブランドです。
そしてプロダクトの開発には、大人気ブランド「ゼインアーツ」代表の小杉敬(こすぎ けい)氏が参画。
「ゼクー」や「ギギ」など、キャンプ業界に大きなインパクトを与えた同氏とのコラボということもあり、大きな注目を集めています。
そして、yozoraの記念すべきファーストアイテムは、テント! 小杉氏が「進化の最前線」と語るプロダクトの正体はいかに……?
今回、CAMP HACK編集部による取材が実現! 謎多き新ブランドの誕生の背景から新作アイテムの最新情報まで迫ります。
なぜ、ほぼ日が?なぜ、ゼインアーツが?誕生秘話を直撃取材
ほぼ日が、なぜアウトドアブランドの立ち上げを? なぜ、小杉さんが開発に参画を? 新作テントは一体どんなアイテムなのか……?
これらの疑問について、yozoraの企画担当者であるほぼ日の平野さんとゼインアーツ代表の小杉さんに詳しくお話を聞きました。
7年越しのプロジェクト
──そもそも、ほぼ日とは?
平野:株式会社ほぼ日は、コピーライターとして活躍していた糸井 重里(いとい しげさと)が、25年前に立ち上げたwebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営を中心に、さまざまなコンテンツをつくっている会社です。
最初は読み物を中心に展開していたんですけれども、今はオリジナルの商品開発や販売も手がけています
提供:ほぼ日
1番知っていただいているのは「ほぼ日手帳」かと思いますが、AR技術を使った新しい地球儀「ほぼ日のアースボール」、「人に会おう、話を聞こう。」がコンセプトの動画サービス「ほぼ日の學校」など、さまざまなコンテンツを手がけています。
──今回、なぜアウトドアブランドを?
平野:ほぼ日では社員のことを「乗組員」と呼ぶのですが、その乗組員1人1人の動機が新しい企画の出発点になることが多いんです。
なので、特に生活雑貨にジャンルを絞ってはおらず、これまでにも、スポーツや音楽イベントも手がけてきました
そんな社風が背景にあり、もともとキャンプが大好きだった私の「キャンプの魅力を発信したい」という動機を出発点にして、社内のキャンパーたちを中心にしてチームをつくり、「キャンプってなんだろう? どうしてキャンプに行くんだろう?」というところからじっくり話し合ってスタートしたのが、今回の「yozora」を含むほぼ日のキャンププロジェクトです
──開発にはゼインアーツの小杉さんが参画しています
出典:ほぼ日
平野:キャンプの魅力を発信するにあたり、まずは有識者の方にその魅力を語ってもらおうとスタートしたのが「Why Camp?」という読み物の連載企画でした。
そこで語り手として小杉さんにオファーさせていただいたのが、直接のきっかけです。
私自身ゼインアーツのファンで、素晴らしいブランドだと感じていたこともあり、実は「Why Camp?」でのインタビュー以前にも、「生活のたのしみ展」というイベント出展にお誘いしたことがありました
──小杉さんは、ほぼ日からのお誘いをどう思いましたか?
小杉:最初の出展は実現はしなかったのですが、まだゼインアーツを立ち上げて間もない頃のお声がけが率直に嬉しく、「ほぼ日さんにはキャンプ好きな方がいらっしゃる」という印象はずっと残っていました
なので「Why Camp?」のお話をいただいた時は、ああ、ぜひぜひと。
取材の時に、今後こういうキャンプのコンテンツを作ったり、将来的にはモノ作りも検討中といったお話を伺いまして。
その会話の中で「うちはOEMみたいなこともやるので、何か作りたいものや、協力できることがあれば言ってください」なんて話してたら、自然と一緒にテントを開発する流れになっていました笑
──新作テントを発売予定です。なぜ、ゼインアーツではなくyozoraで?
小杉:ゼインアーツの最大のミッションは、より多くの方たちを自然に誘うことだと思っています。
ただ、我々だけでアプローチできる方というのはやはり限界や偏りがあります。
そこで、互いにミッションが重なり合うほぼ日さんと手を組めば、もっと広い範囲のたくさんの方たちにアプローチできるというイメージが湧きました。
ゼインアーツユーザーとは違う層に魅力を届けるためにも、yozoraで新作テントを出すべきかなと
コンセプトは「わたしをとりもどす」
──yozoraのブランドコンセプトは?
平野:「わたしをとりもどす」というのが、コンセプトの1つです。
キャンプに行って焚き火をしたり、みんなで美味しいご飯を食べたその先に、元々自分が持っている感覚を再認識する、そんな瞬間があると私たちは思っています。
そして、そんなキャンプに行ってみませんか? というお誘いの気持ちもテーマの1つになっています
──ブランド名の由来は?
平野:キャンプで取り戻す「私」とは、「私個人=ひとり」だと考えています。
つまり「元々持っている自分」ということ。「ボールのようなことば。」という糸井の著書に、まさにこの「ひとり」についての文章があります
「ひとりぼっちだなぁ」という感覚は、
きりきりっと寒い冬の夜の、
北極星の光のようなものじゃないのかなぁ。
そのほのかな光が見つけられてないと、
じぶんがどこにいるのかわからなくなっちゃう。
「ひとり」が、まずはすべてのはじまりです。
(〜糸井重里「ボールのようなことば。」(ほぼ日)〜より)
私たちがキャンプについての考えていることと、取材をしながら出会ったことばと、糸井のこういった文章が重なるところがあり、それを「yozora」というブランド名に集約させた感じです。
新作テントは“最終型”
──新作テント「kohaku」の名前の由来は?
平野:このテントを最初に見た時に、夜、明かりを灯した時に中に人がいる様子が、古代の虫を閉じ込めて化石化した黄色い琥珀(こはく)の石みたいで、とても美しかったんです。
そこから「kohaku(コハク)」という名前にしました
──サイズ感など、言える範囲で教えてください……!
小杉:2サイズを展開予定で、インナーテントを吊り下げた状態だと、大きい方で4人程度のファミリーで使っていただくイメージ。小さい方は2人用のイメージですね。
ただ、インナーを外せばもっと広く使えますので、グランドシートを敷いたお座敷スタイルなどはもっと大人数収容できます
これまで色々なモデルを作ってきた中で、その都度、研究や新たな発見がありました。それを経た延長線上に「kohaku」があります。
ですので、私が、ゼクーとかギギでやりたかったことの、最終型。今、考え得る理想のテントです。
とはいえ現状のモデルはまだサンプル。ブラッシュアップを重ねて、完成品が出来上がり次第、設計思想を含めて、ユーザーの皆さんにお伝えしたいと思っています
キャンプブームのその先へ
──ブーム終焉とも言われますが、この状況をどう見ますか?
平野:ブームでキャンプ人口がグッと増え、便利な道具やキャンプ場も増えたのは、すごくいいことだと思っています。
今、そんなブームが終わったと言われていますが、人が自然の中で過ごして感じることというのは、昔も今も変わらない普遍的なこと。私たちはその魅力をずっと発信していきたいですね
小杉:AIなどの技術発展によって生活が便利になる反面、人と自然との乖離はどんどん進むと思います。なので、アウトドアで楽しみたい、自然を愛でる行為をしたいという欲求は、むしろ、今後さらに高まるはず。
みなさんがもっと自然へ目を向けて、生活とのバランスをうまくとっていただけるように、我々はそれをサポートする存在でありたいと思っています
──最後に、今後の展望を教えてください
平野:ほぼ日がいつもものをつくるときに考えているのは、「そもそも人がいいと思うもの、うれしい感じることってなんだろう?」ということです。
これからキャンプをはじめとするアウトドアの領域に踏み込んで行くにあたっても、そういった「そもそもうれしいこと」を軸に、“普遍的にいいもの“をつくっていけたらと思います。
また、私たちが大切にしているのは「伝えること」や「発信すること」。プロダクトに限らず、キャンプにまつわるコンテンツもどんどんつくって、おもしろいことを伝えていきたいです。
ユーザーのみなさんと交流できるようなリアルなイベントも開催したいですね。
「yozora」は、メインとなるターゲット層を設定していません。ふだん、ほぼ日では特定のお客さんに向かって何かをつくるということをほとんどしないんです。
ですから、「kohaku」をはじめとする「yozora」のプロダクトも、キャンプ未経験の方からベテランの方まで、幅広く使っていただけたらと思います。
小杉:ゼインアーツでもyozoraでも、自分の設計思想は変わりません。
ブランディングという部分では、yozoraのユーザーによって、その形はいろいろ変化していくと思います。それを見定めつつ、雰囲気も汲み取りながら、自分の設計思想を合わせていくことになるのかなあと。
ゼインアーツも実はそうで、やっぱりユーザーのみなさんと共に作っていく感覚がありますね。yozoraもそうなっていくと思っています
新作テントのリリースが、待ちきれない……!
直撃取材により遂に明らかになった、新ブランドyozoraの詳細。そして、ほぼ日のキャンプへの思いと小杉さんの全力が具現化した新作テント「kohaku」。
スペックや構造など、さらなるディティールが気になるところですが、発売はもう少し先の2024年1月頃を予定しているそう。
CAMP HACK編集部では今後も最新情報を追っていきますので、次なる記事もぜひお楽しみに!
▼yozoraの公式サイトはこちら
▼yozoraの公式Instagramはこちら
ひと足早く、製品を生で見られる激レアなチャンスも!
10月6日からの3日間、松本市で開催される「ALPS OUTDOOR SUMMIT」で、新作テント「kohaku」の展示が行われるとのこと。
続報が待てない! という方は大チャンスですよ!
取材の全貌は動画からチェック!
今回の取材の全貌は、YoutubeのCAMP HACKチャンネルでも公開中です。詳しく観たい人は、ぜひこちらもチェックしてみて下さいね。