“飯盒=炊飯”の固定概念は、もう捨てた方がいい?!
「キャンプ飯といえばメスティン」……というほど、キャンプクッカーの代表格的イメージが定着し浸透しつつある昨今。でも、もっとトラディショナルで馴染み深い存在を忘れていませんか?
そう、“飯盒”です! 飯盒=炊飯という固定概念のせいか、お米を炊くだけのツールという認識のキャンパーも多いもよう。ですが、とんでもない。実は、超万能クッカーなんです。
メスティンとはココが違う!中蓋・吊り手・深さが広げるポテンシャル
飯盒のマルチな活用例をご紹介する前に、その特徴についてサクッとおさらいしておきましょう。
主素材がアルミなのはメスティンと同じですが、大きな違いは“中蓋”の存在。お皿として使えるのはもちろん、ごはんを炊きつつ、中蓋で別のおかずの同時調理が可能です。
吊り手もあるためトライポットなどでの吊るし調理もOK。一般的にお米が約4合炊ける容量なので、深さのあるクッカーとして汁物などの調理もお手のもの。
メスティンより厚みがある分、炭火や直火への耐久性も高く、さらに調理の幅が広がります。今回はそんなマルチな“飯盒”の活用例を、初級〜上級まで10パターン、一挙ご紹介していきます!
パターン 1. 深型鍋として煮込み料理に
玉ねぎ丸ごとオニオンスープ
まずは、活用例初級編から! こちらは飯盒の深さを生かして、玉ねぎ2個を丸っと投入したオニオンスープ。
吊り手があるので、沸騰させたあとは焚き火から離して遠火でじっくり煮込みたい料理にピッタリですね。
おでん
汁気たっぷりの冬の煮込み料理といえば……外せないのがやはり“おでん”! 串付きの牛スジなど高さのある食材だって飯盒ならジャストフィット。
調理完成後、遠火で保温したいときなんかにも吊り手が活躍してくれますね。
パターン2. 外蓋をフライパンとして活用
シャウエッセン炒め
続いては、浅い“外蓋”をフライパンとして活用した例。なんと「シャウエッセン」6本が幅も奥行きも見事にシンデレラフィット!
外蓋に“持ち手”がついたタイプなので、別途リフターを用意せずに済んでさらに便利ですね。
アヒージョ
お次は“中蓋”をミニスキレット代わりに活用したアヒージョ。浅すぎず深すぎず、ソロにピッタリな量が作れます。
パターン 3. 中蓋を使えば蒸し料理だってOK
シュウマイ
中蓋の中央部分にスリットが入ったタイプなら、蒸し物だってお任せあれ。外蓋に水をセットして中蓋にシュウマイをのせれば、熱々&ジューシーに蒸し上がります!
パターン 4. 深さを生かして燻製料理にも
燻製
お次はやや中級編。横に倒した飯盒に金網を追加すれば、燻製機へと早変わり! 金網の下にはホイルを敷いてチップがセットされています。
飯盒の奥行き(深さ)を生かしたグッドアイデア。
サーモン冷燻
こちらはさらに上級編。15〜30℃の低温でじっくり燻製する“冷燻”が作れる冷燻機を別途準備。
飯盒本体の底にサーモンをセットして、冷燻機から発生した燻煙のみを飯盒へ注入。外気温が上がりにくい冬キャンプにもピッタリの活用法ですね。
パターン5. 中蓋を使ったコゲ知らず調理
水蒸気炊飯
そして今度は水蒸気炊飯! 飯盒で炊飯となると本来の使い方じゃないの? と思ってしまいますが、ちょっと違うんです。
飯盒本体には水を入れるだけで、“中蓋”に米と水をセット。本体から発生する水蒸気の熱で炊飯する方法です。ノーマル炊飯より少し時間はかかりますが、コゲ知らずでおいしく炊けて、応用力もUPする方法なのでぜひチェックしておきましょう。
パターン 6. “水蒸気炊飯”応用編!二段同時調理
炊飯&おでん同時調理
“水蒸気炊飯”の応用編です。飯盒本体にレトルトのおでんをセットしておいて、中蓋で炊飯を。
おでんの温めと炊飯が同時にできてしまう、飯盒の本領発揮テクニック。下段からの水蒸気がマストなので、汁気の多いメニューをチョイスするのがポイントです。
炊飯&ポトフ
先ほどのおでんはレトルトだったので温めのみでしたが、こちらは下段でしっかりポトフを調理。中蓋で炊飯した熱々ごはんに、卵をのっけて召し上がれ!
炊飯&豚汁
こちらは、中蓋で炊飯、下段で豚汁を調理する方法。二段で同時調理できるから、できあがりの時間差でどちらかが冷めることもナシ。うっかりごはんを焦げつかせることもなく、燃料も最小限で済みます。
炊飯&カレー
最後は炊飯&カレーの同時調理。先に、飯盒本体で具を炒めてから中蓋をセットして煮込むのがポイントです。中蓋のごはんに直接カレーをかけて食べれば洗い物も最小限に。
パターン 7. アイラップで洗い物ゼロに
湯煎炊飯&缶詰カレー
お次は、洗い物ほぼゼロの応用編。耐熱仕様のポリ袋「アイラップ」にお米と水を入れて袋の口を結んだら、飯盒本体でお湯を沸騰させてそこへ投入。
同時に中蓋には缶詰のカレーをセットして温めを。炊飯が完了したらお湯を捨て、開いたアイラップの淵を広げつつ飯盒の外側へ重ね、缶詰カレーをそのまま掛ければ完成です!
▼アイラップ湯煎炊飯について詳しくはこちらもチェック
パターン 8. ダッチオーブン方式でこんなものも!
ピザ
ここからは、完全に炊飯と切り離した活用方法をご紹介。横にして金網を入れ、ピザをのせて外蓋を閉じたら、下からは焚き火、上にも熾火をのせたダッチオーブン方式の完成!
ご覧のとおり、ピザも実においしそうにこんがりと焼き上がります。
金網を別途用意するのが面倒な人は、下にアルミホイルを敷いてもOK。飯盒でピザとは、目からウロコの活用法ですね!
ローストチキン
ダッチオーブン方式とくれば、ピザで満足していてはもったいない! ローストチキンだってこの通り。外はパリっと中はジューシーな焼き上がりに。
パターン 9. オーブン調理でこんがり焦げ目も
ローストポーク
塊のポークだって工夫次第でジューシーな焦げ目をつけることも。
金網の下に水を入れた中蓋をセットして中までじっくり火を通すという、秀逸なアイデア。本格オーブン調理がここまでできてしまうんですね!
パターン 10. 中蓋に炭を置いたスイーツ作り
マフィン
最後はなんとスイーツです! これまでのダッチオーブン方式では、飯盒を横にするためやや安定性に欠ける状態でしたが、今回は縦置きで安定性を確保。
生地が液状のマフィンも安定した状態で調理が可能に。炭を中蓋にセットすれば、おいしそうなマフィンが焼き上がりましたよ!
【おすすめ3選】実は、バリエーションが豊富な飯盒
今回は、飯盒活用法を10パターンご紹介しました。
もうお気づきだと思いますが、飯盒と一言でいっても、実はさまざまな種類のアイテムが販売されています。
最後にポピュラーな3タイプの飯盒をご紹介。それぞれの特徴をチェックしてみてくださいね!
お馴染みの日本型=兵式飯盒
まずは、日本人に最も馴染みのある「兵式飯盒」。中蓋・外蓋に吊り手のついた本体の3点セットのスタンダードなタイプです。本体で約4合、中蓋では約2合炊けるものが一般的。
キャプテンスタッグ 林間 兵式ハンゴー 4合炊き
ロゴス 兵式ハンゴウ
ムラコ ライスクッカー
外蓋に取手付きで便利!ヨーロッパ軍式飯盒
外蓋にしっかりとした折り畳み式のハンドルがついたタイプ。ドイツ連邦軍支給のものなど、広くヨーロッパの軍支給品に見られる飯盒です。
外蓋をフライパンとして使うときや、中蓋のスリットに引っ掛けて同時に持ち上げたりするのに便利。
ロゴス ハンドル付ハンゴウ
ドイツ連邦軍 ハンドル付ハンゴウ
浅型でソロにピッタリ!戦闘飯盒2型
約10年前まで自衛隊で支給されていた「戦闘飯盒2型」というタイプの復刻版。4合炊きの「兵式飯盒」に比べてこちらは2合炊き。より浅型でソロキャンにピッタリ。
ミリタリー系ブランドの「ROTHCO」や「MOOSE ROOM WORKS(2022年2月2日より先行予約販売)」が取り扱っています。
MOOSE ROOM WORKS公式オンラインストアはこちら
SWAN OUTODOORS STORES 公式オンラインストアはこちら
▼飯盒のおすすめを紹介している記事はこちら!
固定概念を捨てて、飯盒の新しい使い方を見つけちゃおう
飯盒の活用方法10パターン、いかがでしたか? お米を炊くだけじゃあまりにもったいないマルチクッカーぶり……まさに目からウロコの活用法が盛りだくさんでしたね。
この記事を参考に、あなたもぜひ飯盒の新しい活用法を見つけてみてくださいね!
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