ランタンの選び方は?
キャンプの夜を照らすのに欠かせないものといえば、ランタンですよね。燃料が必要なタイプから充電して使うものまで様々な種類がありますが、キャンプを快適に楽しむにはシチュエーションや扱いやすさにおいて“最適”なものを選ぶことがとても重要です。
ランタンの特徴を種類別にまとめると……
LEDランタン | ガスランタン | ガソリン ランタン | 灯油ランタン | |
比較アイテム | EX-1300D | ノーススター LP ガスランタン | ワンマントル ランタン | HK500 |
①燃料入手 | ◎ スーパー コンビニ 家電量販店 | ◯ ホームセンター アウトドア ショップ | △ ホームセンター アウトドア ショップ | ◯ ガソリン スタンド |
②燃料コスト | ◎ 単一電池 4本/1000円 最長350 時間 | △ OD缶 1本/800円 約4~8時間 (470g缶 使用時) | △ 1L/900円 7.5~15時間 | ◎ 1L/100円 8時間 |
③手軽さ | ◎ スイッチを 押すだけ | ○ ライター | △ ポンピング | △ ポンピング プレヒート |
④光量 | △ 1,300 ルーメン | ○ 1,543 ルーメン | ◯ 130W以上 (1,800 ルーメン 以上) | ◎ 300W以上 (5,000 ルーメン 以上) |
⑤安全性 | ◎ 電池なので安全 | △ ボンベだが 火が出る | × ガソリン 火が出る | × 灯油 火が出る |
それぞれの持つパワー(明るさ)から適した場所も違い、また手間やメンテナンスの面でメリット・デメリットも様々。そのため、あらゆるシーンで快適に過ごせるようタイプの違うランタンを複数を使っているという人も多いですね。
この記事では、そんなランタンの選び方を徹底ガイド! タイプごとの特徴に基づき、適材適所なランタンを選ぶ際のチェックポイントを解説していきます。
ポイント1:シーンごとに必要なランタンの「明るさ」は?
「とことん明るいランタンを選べば間違いない!」というわけでは決してなく、必要な明るさは当然使う場所によって違います。
キャンプの主なシチュエーションごとに必要な灯りをまとめると……
では、それぞれの場所でどれくらいの明るさがあれば良いのでしょうか? 具体的な目安を知るためにチェックしておくべきなのが「ワット(w)」と「ルーメン(lm)」です。
いずれも明るさを表す単位として使われるものですが、「ワット(w)」はガソリンや灯油などを燃料とするランタンの熱量を表し、「ルーメン(lm)」はLED照明の明るさを表す単位。どちらも数値が高いほど明るくなり、燃料と電池の消費量も多くなります。
キャンプシーンに必要とされるワット(w)とルーメン(lm)の目安
w相当 (ルーメン) | メイン | テーブル | 常夜灯 | 夜間の 移動 |
---|---|---|---|---|
20w/ 170ルーメン以上のランタン | × | × | ○ | ○ |
30w/ 325ルーメン以上のランタン | × | × | ○ | △ |
40w/ 485ルーメン以上のランタン | × | △ | △ | × |
50w/ 640ルーメン以上のランタン | × | ◯ | × | × |
60w/ 810ルーメン以上のランタン | △ | ○ | × | × |
80w/ 1,160ルーメン以上のランタン | ◯ | △ | × | × |
100w/ 1,520ルーメン以上のランタン | ◯ | △ | × | × |
光量が大きいという特性から、メインランタンにはガソリンやガスが◎。電気に比べて熱量が大きく、キャンプサイト全体を明るく照らしてくれます。
一方でメインランタンの選択肢になるLEDも。中には足元を照らせるくらいの最小からメインライト級の最大にまで光量を調節できるモデルも販売されていて、安全性も高く燃料を持っていく必要もないので使い勝手優先ならLEDがオススメです。
夜の食卓を照らすテーブルライトなどは、光量が強すぎると眩しくて逆に見づらいことも。手元をほんのり照らす優しい灯り、かつ暗い中でもサッとつけられるのはやはりガスランタンです。少し手間はかかりますが、炎がゆらいで雰囲気が出る灯油タイプも人気ですね。
そして常夜灯としてテント内で使うなら、安全性面でLED一択! 燃料を使うランタンを持ち込んでふとした拍子に倒してしまい、火災になってしまっては危険です。また、ガスも一酸化炭素中毒の恐れがあるので使用は厳禁。
自分だけではなく周りのキャンパーにも配慮し、テント内のランタンはLEDと心得ておきましょう!
ちなみに色味も大事
ランタンを選ぶときは、灯りの色味も選ぶ際のポイントになります。
暖色系はクリアな明るさではないものの炎の色味に近く暖かみがあるので、自然に溶け込んでキャンプらしい雰囲気に。目にも優しく、常夜灯としてもおすすめです。
白色系の灯りは光量は低くてもはっきり見えやすく、暗闇でもしっかりと照らしてくれます。その代わり人工的な灯りのためキャンプらしい雰囲気は出にくく、強すぎると眩しくて見えづらいというデメリットも。
どちらの色味も捨てがたいのであれば、暖色と白色を切り替えられるタイプのLEDランタンを選ぶと良いですね。
▼色の切り替えができるLEDランタンはこちら!
ジェントス パネルランタン
フィールドア LEDランタン
ポイント2:点灯時間やランニングコストはどれくらい?
一度買ったものをストレスや後悔なく使い続けるためには、明るさ以外にも重要なチェックポイントが。続いては買う前に忘れずにチェックしておきたい点を解説していきます!
連続点灯時間
夜間真っ暗になることが多いキャンプ場では夕方くらいからランタンを照らし始めますが、そのときを想定してチェックしておきたいのが連続点灯時間。
目安は季節や使う場所によって異なりますが、1泊なら7時間以上、2泊以上なら10時間以上が理想的です。
光量が調節できる場合は当然光量が大きいほどバッテリーや燃料を使うため、連続点灯時間が短くなるということも念頭に置いた上で選ぶと良いですね。このあたりは気温にも左右されるので、念のため予備の燃料やバッテリーを持っていくと安心です。
燃料の入手しやすさと、コストパフォーマンス
燃料については長い目で見ると重要になってくるコスパと、調達の利便性をチェック。燃料系ではガソリンよりガスのほうが高くつき、ガソリンは売っている場所が限られているため買いにくいというデメリットがあります。
また、電気と燃料の性質からLEDとのランニングコストの比較は正確にはできませんが、LEDは電池を入れたり充電をするだけで使える手軽さが何より魅力ですね。
一概に「この燃料がいい!」とは言い切れないため、使用シーンや手間などを考慮した上で総合的に選ぶと良いでしょう。
ポイント3:どの熱源や燃料が使いやすい?
ランタンの熱源・電源は上記の4種類。スムーズに扱えるものであることはキャンプの快適度に大きく関わるので、それぞれの特徴を知ることで自分にとってどのタイプが一番理想かを選びましょう。
ここからはタイプごとの特徴やメリット・デメリットをチェックしつつ、オススメのランタンをご紹介していきます!
タイプ① LEDランタン
LEDランタンには乾電池式と充電式の2種類があり、乾電池式は乾電池を入れるだけで簡単に使うことができ、LED式は充電するだけととにかく手軽。ランニングコストが低くコスパも良く、どちらもスイッチひとつで点灯するので災害時の備えとしても便利です。
メインライトのおすすめ
ジェントス EX-1300D
ダイヤルスイッチを回すことで明るさが調節でき、さらに白色・昼白色・暖色の3色に光の色を変えることができます。クラシックなデザインで、キャンプシーンをおしゃれに演出してくれますよ。
ルーメナー ルーメナープラス
クレイモア ウルトラ3.0
どこにでも馴染む無骨でクールなデザインも魅力的ですね。明るさや光の色にはバリエーションがあり、キャンプの雰囲気に合わせて調節できます。
テーブルライトのおすすめ
コールマン クアッドマルチパネルランタン
ベアボーンズリビング レイルロードランタン
フィールドア LEDキャンピングランタン
テントライト(常夜灯)のおすすめ
ロゴス バンブーゆらめき かぐやランタン
スノーピーク ほおずき ゆき
ハンディライト(移動時)のおすすめ
UCO クラルス
ゴールゼロ ライトハウス マイクロフラッシュ
LEDランタンは他の熱源と比較するとコンパクトで光量が少ないモデルも多いため、手軽にサッと使いたいシーンには大活躍ですが、メインで使う際は心もとない場合も。
また、電池や充電が切れたら使うことができないのでキャンプの前にはしっかりと充電をしておき、予備の電池も持っていくようにしましょう。
▼その他LEDランタンに関する記事はこちら!
タイプ② ガスランタン
燃料のガスは家のカセットコンロで使う円柱状のCB缶と、アウトドアユースの丸いOD缶の2種類があります。
CB缶はコンビニでも買うことができ手軽ですが、ガソリンに比べると割高でコスパはイマイチ。一方OD缶はCB缶よりパワーがあるもののアウトドアショップなど限られた場所でしか買うことができず、値段も高めです。
使用方法は火を点けるだけの簡単なものから、マントルの空焼きが必要で少し手間はかかるものなど様々ですが、どれもLEDよりキャンプらしい趣があるのが魅力です。
ちなみにカセットガスが使えるその他のキャンプ道具といえば、バーナーやコンロ。同じガスを使うアイテムを持っているのであれば、ランタンもガスタイプを選ぶと互換性がある分荷物も少なくて済みますよ。
メインライトのおすすめ
コールマン ノーススター LPガスランタン
スノーピーク ギガパワーランタン天 オート
ユニフレーム フォールディングガスランタン
SOTO 虫の寄りにくいランタン
テーブルライトのおすすめ
コールマン ルミエールランタン
スノーピーク リトルランプノクターン
SOTO ひのと
●寒冷地ではガスが気化しにくくなり使えないことも
一般的にガスボンベは寒さの影響を受けやすく、気温が10度を下回る場合はガスが気化せず使えなくなることも。寒い季節にキャンプへ行くのであれば、寒冷地用のガスを用意しておくと良いでしょう。
また、火を使うのでテント内やタープ下での使用は厳禁。幕外で使う場合も、なるべく燃えやすいものとは離して使うようにしましょう。
ガスもさまざまなメーカーから販売されていますが、故障や誤動作をなくすために本体と同じメーカーのものを選ぶのも鉄則です。
▼その他ガスランタンに関する記事はこちら!
タイプ③ ガソリンランタン
ガソリンランタンの燃料は、ホワイトガソリン。アウトドアショップで購入でき、中には車用のレギュラーガソリンを使えるものもあります。
燃料の注入やポンピングなどガスに比べて手間はかかるものの、格段に明るく広範囲を照らすことができるためメインライトとして存分に性能を発揮。気温によって性能を左右されないので、とくに厳冬期の冬キャンプにオススメです。
ガスと同じくバーナーやコンロもガソリンを使用している際は、ランタンもガソリンを選ぶと良いでしょう。
メインライトのおすすめ
コールマン ワンマントルランタン
コールマン ノーススター チューブマントルランタン
●燃料缶を焚き火台やコンロの近くに置かない
ガソリンは揮発性が高いため、今回紹介する燃料の中でも特に注意が必要です。焚き火やコンロの近くに置くと発火の恐れがあるので、火元の近で使うのはNG。テント内やタープしたも発火の恐れがあるので注意しましょう。
着火時も直接自分で火を点けるタイプより、自動着火装置付きのモデルであれば安心して利用できます。
▼その他ガスランタンに関する記事はこちら!
タイプ④ 灯油(ケロシン)ランタン
灯油(ケロシン)はホワイトガソリンと同じ石油燃料ですが、灯油(ケロシン)の方が燃料代が安いという特徴があります。
タイプはマントルの空焼きのほか点火やポンピングが必要になる圧力式と、芯に灯油をしみこませて炎を点けるフュアハンド式の2種類。燃費が良く揺らめく炎の癒し効果もありますが、いずれも慣れるまで扱いには少しコツが必要です。
また、燃焼すると煤(すす)が出るので定期的にメンテナンスをしないと使えなくなる場合もあります。
メインライトのおすすめ
ペトロマックス HK500
テーブルライトのおすすめ
デイツ ハリケーンランタン78
フュアーハンド ベイビースペシャル276
●燃料缶を焚き火台やコンロの近くに置かない
ガソリンと同じく発火しやすい燃料なので、焚き火台やコンロなどの火元の近くには置かないこと。同じくテント内やタープ下での使用は厳禁です。
また、岩場や傾斜などに置いて倒れてしまうと燃料が漏れてそこに火が着く可能性も。必ず平な部分に置くようにしましょう。
▼その他灯油(ケロシン)ランタンに関する記事はこちら!
理想のランタンを見つけたら、一緒に持っておくと良いランタンハンガーとケースもチェックしておきましょう!
ランタンと併せて用意したい!アクセサリー類
高い位置から照らせる「ランタンハンガー」
ランタンハンガーは、文字通りランタンをかけておくポールのついたハンガー。テーブルに取り付けるタイプと地面に刺したり置いたりするタイプがあり、テーブルに置く場合は省スペースにつながります。
また、ランタンハンガーを使うことで上から光を当てられるため、広範囲を照らすことが可能。メインランタンをハンガーにかけておくことでサイト全体を照らすことができ、夜でも安心です。
スノーピーク ランタン パイルドライバー LT-004
ロゴス アイアンランタンポール3WAY
アンドデコ ランタンスタンド
マウンテンマウンテン オールドムーン
ミニマルワークス ランタンスタンド
▼ランタンハンガーに関する記事はこちら!
運搬も保管も快適!「ランタンケース」
ランタンはガラスなど壊れやすい素材でできている場合が多く、少し刺激が加わっただけで壊れてしまう場合も。しっかりとしたケースにしまっておくと、持ち運びも保管時も安心ですね。ランタンケースに入れておくと、他のギアの積み込みもしやすくなりますよ。
コールマン ソフト ランタン ケースII
ロゴス ソフトガードランタンケース L
オレゴニアンキャンパー ランタンケース モールドシリンダー
アソビト 防水帆布 ランタンケース
C&C.P.H. EQUIPEMENT ランタンケース 1
▼ランタンケースに関する記事はこちら!
ピッタリのランタンを選んで、サイトを照らそう!
夜になると暗くなってしまうキャンプに、ランタンは必須。メインライトをひとつとサブライトを2~3個というように、シチュエーションに応じて使えるよう複数用意しておくと安心ですね。
適材適所のランタンを使い、夜も快適なキャンプを楽しみましょう!