【石油ストーブor薪ストーブ】それぞれのメリット・デメリットから見る選び方ガイド

2021/03/14 更新

冬キャンプ用の暖房を選ぼう!となったとき、たいていの人が「石油ストーブ」か「薪ストーブ」で迷うのではないでしょうか。そこでそれぞれのメリット・デメリットから、自分に合っているのはどちらなのかチェックしてみましょう。火の点けやすさや暖かさ、積載や燃料面など実際使った筆者ならではの視点で選び方をガイドします!

アイキャッチ・記事中画像撮影:筆者
※テント内での火気使用は、メーカー推奨の使用法にならって正しくお使いください。また幕内で火器を使用する際は自己責任となります。もし使用する際は換気を十分おこない、一酸化炭素報知器を必ず使用しましょう。

冬キャンプの暖房、石油ストーブと薪ストーブどっちがいいの?


寒い冬キャンプに役立つのが暖房。種類として石油ストーブや薪ストーブがあるのは知っていても、実際使ってみないとわからないことも多く選びかねている方もいるのではないでしょうか?

そこで石油ストーブと薪ストーブを実際使ってみた経験から、各長所・短所を挙げて選び方をまとめてみます。

基本の選び方はこう

こんな方には石油ストーブがオススメ
・手軽に扱えるのがいい
・ランニングコストを下げたい
・自宅の暖房と兼用したい
こんな方には薪ストーブがオススメ
・設営撤収の手間が苦ではない
・焚き火のような趣を味わいたい
ざっくりまとめるとそれぞれこういった基準で選ぶことができそうですが、実際のメリットデメリットに基づいて詳しく見ていきましょう!


石油ストーブのメリット


まずは、筆者も使っている石油ストーブから。そもそも家庭でもよく使われているものなので、馴染みがある方も多いのではないでしょうか。

点火・消火が簡単


点火・消火はワンタッチでとても簡単。真冬のキャンプでは暖房器具が使えなかったら命に関わるほど気温が低下することもあるので、うまく火がつけられないなどのトラブルが少ない点は厳冬期もキャンプへ行く方にとっては重要ですね。

火力調整もハンドルを回すだけなので、暑い・寒いといった温度調整もスムーズです。

一度点けたら点けっぱなしでラク


一度火をつければ、何もしなくても燃料が無くなるまでつきっぱなし。機種によって時間は異なりますが、筆者が使っている「トヨトミ KR-47A」なら10〜15時間は燃料の継ぎ足しは不要です。
ITEM
トヨトミ 石油ストーブ KR-47A
●サイズ:H560.5×W474×D474mm
●質量:12.0kg
●暖房の目安(最大):コンクリート/17畳まで 木造/12畳まで
●暖房出力:4.7kW
●火力調節幅:0.94kW
●最大燃料消費量:0.457〜0.366L/H
●油タンク容量(L):7.0
●燃焼継続時間:(最大燃焼時)約15時間 (最小燃焼時)約19時間


安定した火力で長時間稼働してくれるので、火の具合を気にせずのんびり過ごすことができます。

燃料が安くて経済的


燃料の灯油は1リットル当たり100円未満。一泊キャンプの場合10リットル程度あれば足りるので、燃料代は一回のキャンプで多くても1,000円ほど。他の燃料と比べると、最も安く収まります。

もちろん自宅の暖房としても使える


そもそもが家庭用の暖房器具のため、家庭の暖房も兼ねて買えば経済的にも一石二鳥! ちなみに我が家は別室でスノーピークエディションの「レインボーストーブ」も使っていますが、これも家とキャンプ兼用です。


ここまでは経済的で利便性が高いように思われる灯油ストーブですが、いくつか気になる点もあります。

石油ストーブのデメリット

積載面での負担が大きい


これも機種によりますが、石油ストーブは大きくて重いものが多く車載時にかなり嵩張ります。他にもたくさんのキャンプ道具を積むとなると、小さい車だと積めない可能性も……。

本体に加え燃料タンクも積まなくてはいけないので、充分な積載スペースが必要になります。


続いて対抗馬となる薪ストーブをチェックしてみましょう。筆者は持っていませんが、薪ストーブユーザーの友人とよく冬キャンプへ行くため毎シーズン2〜3回はその恩恵を受けることができています。

その経験を踏まえて、メリット・デメリットを挙げてみます。


薪ストーブのメリット

焚き火気分を味わえて、雰囲気が良い

薪ストーブ
キャンプではいつでも焚き火を楽しみたいところですが、氷点下ともなると寒すぎて外で焚き火ができないこともあります。そんなときでも薪ストーブがあれば、焚き火の炎を眺めているような気分に。

最近はガラス窓から炎が見えるものが主流で、これは趣がありますね。


煙突からもくもくと煙が立ち上る光景も薪ストーブならでは。見た目的にも絵になります。

収納サイズもわりとコンパクト


イメージ的に積載が大変そうと思われがちな薪ストーブですが、煙突を本体に収納できるタイプも。コンパクトなものを選べば、じつはさほど嵩張りません。


中には写真のような超々コンパクトなモデルも。ちなみにこれはシークアウトサイドというアメリカのブランドの「ポータブルチタンストーブ」。こんなに小さければ、バックパックに入れて持っていくこともできてしまいそうです!

燃料を現地調達できる


大抵のキャンプ場は薪を販売しているため、燃料も現地で入手することが可能。足りなくなってしまったときも売店や管理棟で買えることも多く、燃料調達がしやすい面もメリットです。


暖かさを筆頭に意外なメリットも飛び出した薪ストーブですが、デメリットとしてはどんなことがあるんでしょうか?

薪ストーブのデメリット

定期的に薪の投入が必要で、火が消えると寒くなる


薪の種類や大きさによって異なりますが、およそ30分〜1時間ほどで1本の薪が燃え尽きるので、定期的に薪を入れて火の世話をする必要があります。

放っておくと火が尽きるため、就寝時は自然に消えて寒いという事態に……。

薪ストーブ対応のテントを選ぶ必要がある


煙突が出せればテントやシェルターでもOKというわけではなく、薪ストーブをインストールできる専用幕を選ぶ必要があります。たとえば上の写真はシークアウトサイドの「シマロン」で、上部にベンチレーションがあり幕内でのストーブ使用も可とされているテントです。

煙突が出せたり換気ができる装備といった条件のほか、幕体の素材も重要。薪ストーブが使える代表的なテントとしてはテンティピの「オニキスCP」や「ジルコンCP」、ヘルスポートの「バランゲルドーム」などがありますが、いずれもポリコットンで火に強いといった特徴があります。

ただ種類はそう多くないため、選択肢が限られてしまうというのも間接的なデメリットのひとつではないでしょうか。
ITEM
テンティピ オニキス 7 cp
●サイズ:居住面積/10.5m㎡ 直径/4.5m 高さ/2.7m
●収納時サイズ: L62 x27cm
●就寝可能人数:6〜8人
ITEM
テンティピ ジルコン 7 CP
●使用可能人数:4〜8人
●サイズ:幅4.5×高さ2.7m
ITEM
ヘルスポート バランゲルドーム
●サイズ:H170c×W345×D370cm
●収納時サイズ:29cm×58cm
●重量:6.82kg

火の粉でテントがダメージを負うことも

薪ストーブを使っていると燃えている薪が爆ぜて火の粉が飛ぶことがありますが、稀に火の粉が煙突から飛び出して、テントに着地してしまうことも……。

素材に関わらずティピテントに工夫をして薪ストーブを使っている方も見かけますが、非対応の幕ほど当然穴が開くリスクも上がります。


ちなみにこれは、以前友人がポリエステル幕で薪ストーブを使ったときに開いてしまった穴。これは対応していないテントはもちろん、コットン混紡のテントでも完全に防げるとは限りません。

大切なテントに穴が開いてしまう可能性も、覚えておきたいところです。

後片付けが面倒


消せば終わりの石油ストーブと異なり、薪ストーブは後片付けに手間と時間がかかります。残った灰を取り除き灰捨て場へ持って行き、煙突やパーツを分解して収納。

要は焚き火台と同じようなものですが、熱が冷めてからでないと撤収作業ができないため時間的余裕を持っておく必要も出てきます。

石油ストーブと薪ストーブ肝心の暖かさは?ココを見て選ぼう


取り扱い方法の違いから生じるメリット・デメリットについて理解することで、どちらが自分にとってベストかジャッジできましたか? 「それはわかったけど、肝心の暖かさってどうなの?」との声が聞こえてきそうですが、暖かさは選ぶ石油ストーブ・薪ストーブのモデルとその場所の環境によって大きく異なるため、どちらかに優劣をつけることができません。

ただ石油ストーブと薪ストーブがどれくらいの暖房効果を発揮してくれるかは、あるポイントを見極めることである程度判断はできます。最後にそこをまとめておきましょう。


石油ストーブは暖房出力をチェックしよう


トヨトミ「レインボーストーブ」を例に挙げると、暖房出力は2.50~1.253kW。これはコンクリートなら9畳・木造なら7畳ほどの部屋が温まるというスペックです。

数値が大きいほどパワフルな暖房と言えますが、これはあくまで屋内使用での基準。気温条件が違うキャンプの場合同等の暖房効果が期待できるわけではありませんが、使用しているシェルター・テントのサイズと暖房出力を照らし合わせて選ぶのも選び方のひとつです。

画像作成:編集部
ちなみに石油ストーブの暖房効果は反射式か対流式かでも違ってきます。前者は反射板の上部と前方向に暖気を放ち、後者は暖気を空間全体に循環させるような暖め方。

これもどちらが暖かいかは都度条件や個人の感覚で変わるものですが、選ぶ種類の違いも基準のひとつです。


薪ストーブの暖かさは本体の大きさや燃やせる薪の量次第!


薪ストーブはサイズや燃やす薪の量によって大きく出力が変わりますが、たとえば最低気温が氷点下になり雪が降るような環境で、比較的コンパクトな「ワークタフストーブ380」でもしっかり燃やせばテントの中は全く寒さを感じない暖かさ。間近にいると暑すぎるぐらいでした。
ITEM
ワークタフストーブ380
●サイズ:26×44.5×216cm
●収納時サイズ:26c×40×30cm
●煙突サイズ:Φ7.62cm
●重量:8.5kg
●素材:本体/ステンレススチール ガラス部位/耐熱ガラス(正面、サイド)


出典:instagram by @gstove
さらに、対流型でも比較的局地的に暖める石油ストーブに対し、大型で火力の強い薪ストーブなら幕内全体がしっかり暖まります。

大きいとその分重くセッティングは若干大変になってしまいますが、火力優先で選ぶなら太い薪や量も入る燃焼室50cm以上の薪ストーブが良さそうです。


整理するとこんな感じ

石油ストーブと薪ストーブ、それぞれのメリット・デメリットを洗い出したところで改めてまとめてみましょう。
石油ストーブ(例:トヨトミレインボー  スノーピークエディション)薪ストーブ(例:ワークタフストーブ)
設置置くだけ対応テントではない場合、穴開けや加工が必要
点けやすさワンタッチ焚き火と同等の火つけ
火持ち10~20時間つきっぱなし1束3〜5時間程度
メンテナンスシーズンオフに分解清掃、数年ごとに芯交換使用後は都度灰捨て、定期的に内部清掃
積載充分なスペースが必要ものによっては少ないスペースで積載可能
安全性一酸化炭素中毒・火傷火傷・テントの穴あき・一酸化炭素中毒
コスト1泊1,000円以下1泊1,000〜2,000円
※横にスライドできます

ちなみに筆者は、石油ストーブ派です

石油ストーブ
前述のとおり筆者は石油ストーブを愛用中。理由としては、キャンプを始めた頃はまだ子供が小さかったこともあり、手間と安全面で薪ストーブには抵抗があったからです。


ですが子供が成長したことでその不安も少なくなってきたので、最近では薪ストーブにも興味が。もちろん積載に余裕があれば、併用して極上の幕内空間を作り上げる、なんていうのも良さそうですね。

最後に注意喚起


石油ストーブにしろ薪ストーブにしろ、テント内で火器を使う場合は一酸化炭素中毒や火事などのリスクが伴います。換気をしっかり行い、一酸化炭素警報器を使うなど、充分に注意して使用しましょう。

特徴を理解して、スタイルや環境に合ったストーブを選ぼう


石油ストーブと薪ストーブそれぞれ様々な特徴がありましたが、いずれも火器だけに使用時も運搬時も安全に使うことが大前提。手軽さや雰囲気だけでなく、自分のギアやスタイルなど環境に合っているのはどちらなのか、しっかり見極めて選ぶことが大切です!

紹介されたアイテム

トヨトミ 石油ストーブ KR-47A
サイトを見る
テンティピ オニキス 7 cp
テンティピ ジルコン 7 CP
サイトを見る
ヘルスポート バランゲルドーム
ワークタフストーブ380
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