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スノーピークのレインボーストーブ

【武井・スノーピーク・トヨトミetc】8台のストーブを使ったことがある筆者が語る、率直なところ

今年こそ冬キャンプに挑戦してみたいけど、 ストーブは何を選んだらいいの? そんなギモンにお答えするため、これまで計8台の暖房をキャンプで使ってきた筆者が、具体例をもとにストーブの効果をご紹介。出力・サイズ・価格…気になることをスペック別に総まとめ!

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目次

※テント内での火気使用につきましては、メーカー推奨の使用法にならい正しくお使いください。テント内で火器を使用する際は換気を十分に行い、一酸化炭素報知器を必ず使用しましょう。

冬キャンプに役立つストーブ、どれを選んだらいい?

テント内のストーブ

冬キャンプ用の暖房として、自宅でも使える灯油ストーブを選択肢に挙げる方も多いはず。でも色々な種類や大きさがあって、どれを選んだらいいかわからない……そんな悩みを抱えてはいないでしょうか?

これまで使ってきたストーブを例に、選び方をまとめてみました

ストーブにあたる子供

小さな子供が寒い季節のキャンプでも安心して過ごせるようにと、様々な暖房器具を試した筆者。灯油ストーブや電気ストーブ、ガスストーブなどを合わせるとその数は8台ほどです。

ストーブ

今回はその中から5つをピックアップし、テントやシェルターと一緒に使ったときの具体例をレポート。ストーブを選ぶ上で決め手になる暖房出力や価格・メリットやデメリットを中心に、各種の暖房が冬キャンプでどのような効果が期待できるのかを解説してみます!

①スノーピーク「レインボーストーブ」

暖かさ(出力・燃焼時間)は?

スノーピークのインボーストーブ

最初の一台はスノーピークが毎年数量限定で販売している「レインボーストーブ」。こちらは大手ストーブメーカー・トヨトミの「レインボーストーブ」のOEM(受託製造)製品なので、細かな見た目の違いはあれど実質スペックは同じです。

サイズがそれほど大きくないので比較的運搬しやすく、約20時間と一泊キャンプ補給無しでいける長時間の燃焼力が魅力!

スノーピークのレインボーストーブ

最大出力は2.5kW。このkW(キロワット)の数値が大きいほど暖かくなるということになりますが、2.5kWは比較的小さめで、しっかりと効果を発揮できるのは、それほど大きくない4〜5人用程度のテントまでというのが正直なところ。

そのぐらいのサイズでスカート付きのテントで風が弱いコンディションで使うのであれば、外気温より10〜15℃はアップすることができそうです。

スノーピーク 限定 レインボーストーブ 2019 EDITION

●サイズ:高さ485.7mm×幅388mm×奥行き388mm ●重量:6.2kg ●暖房出力:2.5kW ●油タンク容量:4.9L ●燃焼継続時間:約20時間

スノーピーク「ドッグドームPro.6」で使ったとき

スノーピークのレインボーストーブとドッグドームPro.6

筆者が所有している「ドックドームPro.6」の場合、「レインボーストーブ」をインストールすれば外気温が一桁台になる冬場でもテント内は上着無しで過ごせるぐらいになります(※強風の場合、暖房効果は極端に低下します)。

スノーピーク ドックドームPro.6

●サイズ:490×325×180(h)cm ●インナーサイズ:300×300×155(h)cm ●収納サイズ:70×32×28cm ●重量:13.5kg ●対応人数:6名

ノマド「ドゴン4」で使ったとき

テントとストーブ

ただ、テントが大きいと効果が弱まるので、2ルームや大型シェルターだとあまり温度は上がらず「近くにいる人だけが暖かい」という状態になります。

ちなみに、あの人気の石油ストーブとも出力は同じ

アラジンのブルーフレーム

ちなみに、青い炎が美しいアラジン「ブルーフレーム」や、人気が高く一年待ちの「フジカハイペット」も暖房出力はレインボーストーブと同クラス。得られる熱量もほぼ同じです。

価格は?

スノーピークのバージョンだと価格が4万円以上しますが、トヨトミ製品であれば型番によっては2万円以下で買えるものもあり、お買得です。

②トヨトミ「KR-47A」

暖かさ(出力・燃焼時間)は?

トヨトミのKR-47A

続いては最大出力が4.7kWと「レインボーストーブ」の倍近くある「KR-47A」。このクラスになると、レインボーストーブでは物足りない2ルームテントや大型シェルターでもそこそこ暖かくすることができます。

また燃焼時間も約15時間とレインボーストーブには劣るものの、特に寒い夕方から翌朝までに限定すればほぼ一泊キャンプを賄える長さです。

トヨトミ KR-47A ブラック

●サイズ:560.5×474×474 mm ●重量:12kg ●暖房の目安:コンクリート(集合)17畳(28.0m2)まで、木造(戸建)12畳(20.0m2)まで ●油タンク容量:7.0 L ●燃焼継続時間(最大~最小):約15~19h

トヨトミ KR-47A ベージュ

●サイズ:幅47.4×奥行47.4×高さ56cm ●重量:12kg ●適用畳数:コンクリート17畳(28平方メートル)/木造12畳(20平方メートル) ●タンク容量:7リットル ●燃焼継続時間:約15時間

ニーモ「ヘキサライト6P」で使ったとき

ニーモ ヘキサライト6Pとトヨトミ「KR-47A

こちらはニーモイクイップメントの「ヘキサライト6P」にインストールした時の写真。ちょうど年末で、外はしんしんと雪が降り続く氷点下の寒さ……。

トイレのためテント外に出るときはアウターが必要でしたが、テントの中ではアウター無しでOK。むしろ着ているとちょっと暑いぐらいでした。

ニーモ ヘキサライト 6P エレメント

●就寝人数:6人 ●重量:7.6kg(本体)+ 1.5kg(ポール) ●本体素材:TC(ポリコットン) ●フロア面積:12m2、前室面積:7.2m2 ●室内高:226cm

難点は「運搬」かも

KR-47Aとレインボーストーブ

大火力が魅力の「KR-47A」ですが、火力に比例して大きくて重いというのが難点。レインボーストーブと比べると、直径も高さも一回り大きめのサイズ感です。

灯油を満タンにすると重量は20kg近くになり、成人男性でも運ぶのが大変。車横付けのオートキャンプサイトでなければ、運ぶのは困難な重さです。

KR-47Aを車に乗せた様子

ミニバンタイプの車でも、積載するとこの存在感。テントをもう一つ積むぐらいのスペースが必要になります。ただでさえ頭を悩ませる積載問題、さらに難易度が上がりそうです……。

価格は?

価格は35,000円。スノーピークの「レインボーストーブ」と比べてそれほど大きな違いはありません。他の人気ストーブと比較しても、3万円台は妥当な相場価格ではないでしょうか。

③トヨトミ「ギアミッション」

暖かさ(出力・燃焼時間)は?

トヨトミのギアミッション

トヨトミの対流形ストーブの中でも最大級の火力を誇るのが「ギアミッションシリーズ」。アウトドア仕様のカラーとデザインで、予約注文殺到の人気アイテムになっていますね。

気になる出力は6.66kWと、KR-47Aのさらに1.5倍ほどとパワフルです!

トヨトミ 対流式石油ストーブ GEAR MISSION

●サイズ:高さ×幅×奥行き(mm):583X482X482 ●重量:11kg ●暖房出力:6.66kW ●畳数目安:コンクリート(集合)24畳まで/木造(戸建):17畳まで

ogawa「アポロン」で使ったとき

トヨトミのギアミッションとogawa アポロン

11月下旬のキャンプでogawaの2ルームテント「アポロン」にインストールしたときは、むしろ暑くて最大では点けていられないほど。ちょっと絞った状態でも、アウター無しで過ごせました。

ogawa(オガワ) アポロン

●収納時サイズ: 80×45×35cm ●重量:23.0kg ●素 材:フライ/ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)インナーテント/ポリエステル68d・グランドシート/ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)ルーフフライ/ポリエステル75d(耐水圧1,800mm)

KR-47Aとストーブ2種

こちらも「KR-47A」と同等クラスの大きさ・重量なので、車載スペースには充分な余裕が必要です。また、燃焼時間が約10時間と前述の2モデルに比べると短め

通しで使おうとすると、火力を絞るか補給用燃料を携行する必要があります。

価格は?

色によって異なりますが、30,000〜33,000円と「KR-47A」よりは「ギアミッション」の方が若干安くなっています。

④武井バーナー「パープルストーブ501A」

暖かさ(出力・燃焼時間)は?

武井バーナーのパープルストーブ501A

続いて、武骨なデザインで人気の「パープルストーブ」。灯油燃料のバーナーにヒートユニットを取り付けて、暖房器具に変換したものです。

灯油タンクが最も大きい501Aというタイプだと、約2.8リットルの灯油で8時間燃焼。出力は開示されていませんが、筆者の体感では「レインボーストーブ」の遥か上を行き、「KR-47A」と比べても遜色無い暖かさです。

武井バーナーのパープルストーブ501Aとランタン

大きさは灯油ランタンとさほど変わらないので、積載や持ち運びの点では他のストーブより優秀。

武井バーナーのパープルストーブ501Aを着火する様子

ただこのパープルストーブ、じつは点けるまでが一苦労。加圧式のランタンと同じように、ポンピングによって空気圧を高めてしっかりとプレヒートしないと点けることができないんです。

さらに、2時間に1回程度ポンピングをして下がってきた空気圧を高めてあげないと消えてしまう、という何かと手が掛かる代物……。

テントの中では使えません!

武井バーナーのパープルストーブ501A

また、プレヒートが不十分だと気化していない灯油が漏れ出し炎が大きく立ち上がる「炎上」という現象が起き、とても危険。そういったリスクがあることから、テントやシェルター内での使用はオススメできません。

武井バーナーのパープルストーブ501Aにあたる様子

屋外で過ごす時に傍に置いておけば、外気の寒さを和らげてくれます。このように多くのデメリットも抱えている「パープルストーブ」ですが、暖かさは折り紙付き。

手間はかかっても、冬キャンプには必ず持っていってしまうこのアイテム。メンテナンス含め、手間も楽しめるこだわりの道具という点では暖房以上のニーズを満たしてくれるアイテムです。

価格は?

こちらがなかなかの高額で、78,000円。トヨトミシリーズの倍以上の価格なのも悩ましいところですね……。

「パープルストーブ501A」について詳細はこちら

⑤電気ストーブ

暖かさ(出力)は?

遠赤外線電気ストーブ

最後に紹介するのは、遠赤外線電気ストーブ。一酸化炭素中毒の心配がなく、安全性重視であれば断然電気ストーブがオススメです。

スノーピーク「ドッグドームPro.6」で使ったとき

スノーピークのドッグドームPro.6と

電気ストーブであれば、灯油ストーブに真似できないインナーテントに入れるということが可能。普段使っている900Wのストーブで、2月のキャンプでもホカホカに。

軽量コンパクトなタイプも多く、積載面での負担が小さいというのも重要なメリットです。

価格は?

キャンプサイトと電源

1万円以下のモデルもあり、初期費用は抑えることができます。ただ当然ですが電源が無いと使えないため、キャンプ場選びに制約が伴います。電源サイトは一般的に1,000〜1,500円ほど利用料が高く、電源なしの方がロケーションが良いこともしばしば。

このあたりはポータブル電源を導入するなどして対応はできますが、いずれにしてもそれだけ費用は嵩みますね。

では最後に、今回紹介した5つのうちこれまで一番出番が多く、今冬も活躍しそうな暖房を挙げておきます!

この冬一番出番が多そうなのは、ぶっちゃけコレ!

トヨトミのKR-47A

基本的にファミリーキャンプがメインの筆者の場合、テントは2ルームの大きいタイプを使います。真冬にキャンプをすることもあるので、大きめの出力が欠かせません。

さらに積載のことも考えると、燃焼時間が長く携行する灯油の量が少なくて済む「KR-47A」が今シーズンもスタメンになりそうです!

筆者の所感をまとめると、こんな感じ

製品名レインボーストーブKR-47Aギアミッションパープルストーブ電気ストーブ
レインボーストーブKR-47Aギアミッション
火力2.5kW4.7kW6.66kW非公開900W
持ち運び6.2kg12kg11kg2.5kg約3kg〜
燃費20時間15時間10時間8時間
使いやすさ電池点火電池点火電池点火プレヒート電源サイトのみ
価格49,280円35,000円30,000円78,000円約5,000円〜
こんな人にオススメテントが大きく(広く)ない大火力で燃焼時間も長めがいい大型テントで

ぬくぬくしたい

かっこ良さ重視

主に外で過ごす

とにかく安全第一

キャンプ用の暖房といってもメリットやデメリットはそれぞれ。見た目や大きさ・価格・燃焼時間などを比較して、自分の条件に合うものを選ぶと良いでしょう。

スタイルに合ったストーブで、快適な冬キャンプをしよう

トヨトミのKR-47A

以上、選び方の目安を紹介しました。出力が大きければ大きいほど当然暖かくなりますが、大きさ・重さなどのデメリットも伴います。無駄に大きくても積載の負担が増えるだけなので、環境や使う道具に合わせて適したものを選びましょう。

また繰り返しになりますが、テント内での灯油ストーブの使用は一酸化炭素中毒の危険があるため、換気を忘れずに。そして必ず報知器を付けるようにしましょう。基本的に説明書で禁止されている使用方法の場合、何かあっても自己責任であることを忘れずに。ストーブを上手に活用して、オールシーズン快適なキャンプライフを送りたいですね!

冬キャンプの暖房をお探しの方はこちらも参考に!