※走行中の製品使用は、振動などで電源コードが接触不良のまま通電する可能性があるためメーカー推奨ではありません。あくまで自己責任での使用となりますので、安全等に十分配慮してください。
車の中でホカホカごはんが炊ける!?
クルマでキャンプに向かう際の移動時間。このけっこうな長時間をキャンプのために有効活用できるアイテムがあれば、それは最高なわけです。
それを斬新なアイデアで解決してくれるアイテムが、じつはあるんです!
それが「タケルくん」!
モノづくりのプロフェッショナル集団「株式会社ジェーピーエヌ」が開発したこちらの「タケルくん」。
「直流家シリーズ」という、シガーライターからの12V電源で稼働する炊飯器で、最大1.5合までのご飯を炊くことができます。
今回はキャンプでの時短はもちろん、災害時にも使えるこちらの直流炊飯器「タケルくん」の実力に迫ってみたいと思います。
「タケルくん」を実際に使ってみた
タケルくんの製品内容がこちら。
左から電源コード(約100cm)と予備ヒューズ、フタ、小型しゃもじ(スプーン)、100ccの計量カップ、炊飯器本体と予備のフックやパッキンになります。
車内で実際に使用してみる
愛車ワゴンのラゲージスペース最後尾に、タケルくんの置き場として活用できるテーブルを設置してみました。
このスペースを使って、実際に車内での調理に挑戦したいと思います。
使用するお米は、コンビニでも市販されている2合入りの無洗米にしました。
最大容量の1.5合で炊いてみる
タケルくんは0.5合から1.5合まで炊くことができます。今回は無洗米を付属カップで3杯入れます。これで1.5合ちょうどです。
次に、これまた付属カップで3.5杯分(約322cc)の水を注ぎます。その後、2箇所の大型スナップでフタを固定して密閉します。
電源を入れてみる!
エンジンをかけてから、シガーライター接続の電源ケーブルをタケルくん本体にセットします。
ここにはシリコンカバーが付いておりますが、完全防水ではないため、本体を掃除する場合は水洗いは避けてください。
通電すると初回は緑色のランプが点灯します。そして炊飯スイッチを入れると右の赤いランプが点灯して炊飯開始。
この通電時のランプはスイッチの設定状態によって変わるので、基本的には保温状態で設定しておきましょう。
今回は時間経過が分かりやすいよう、横にタブレットのタイマーをセットします。
移動中でも炊飯が可能なように「タケルくん」をセット
しかしこのまま炊いていると、本体(約600g)と水と米で約1kgになるタケルくんは走行中、車内を転がり回ってしまいます。
そこで100円ショップで、滑らないマットや折りたたみ式ミニコンテナ、荷かけ網ネットなどを購入し、走行中でも固定できるよう工夫しました。
しかしカーブでの遠心力や振動などでどうしても中身の偏りは起きるため、慎重な運転でいきましょう。
ご飯が炊けた
しばらくするとフタの蒸気吹き出し口から水蒸気が出てきましたが、量は少なく、車内でも安心して使用できます。
約30分後、タケルくんのランプが炊飯の赤から保温の青に切り替わり、ご飯が炊けたことを知らせてくれました。
そのまま保温状態で約15分間蒸らせば完成です。お米の一粒一粒にツヤがあって、とてもおいしそう!
想像以上の美味しさ。土鍋ご飯に近い食感!
それでは付属の小型しゃもじを使ってご飯をよそい、いざ実食!
しっかり香りと粘りもあって、じつにおいしい! まるで土鍋に近い炊き上がりにびっくりしました。
便利な分、味のクオリティはそこまで期待していなかったのですが、これは予想を裏切られました。しかも少し”おこげ”まであるんです。
電源を外してからも、蓋を開けずにいれば1時間以上保温が可能なので、キャンプ場についてからも美味しさをキープできます。
お掃除は意外に簡単
ちなみにタケルくんの内釜は外せない構造なのですが、釜内にはフッ素樹脂加工がしっかり施されているので、ご飯があまりこびりつきません。
ウエットティッシュで簡単にキレイにすることができるのもいいですね。
よかったところをまとめると……
たった12Vの電圧で炊くので、正直、味に関してはあまり期待していませんでした。しかし、しっかりと炊飯器としてのクオリティを残していて、強いこだわりを感じました。
サイズに関しては、最大で1.5合とやや中途半端ですが、少人数のキャンプには食べきりでちょうどいい量です。小型なので車内でじゃまにならないのもいいですね
使用して気になった点
限られた電力で本体内に効率よく蓄熱させるため、内釜と本体は一体になっています。
しかし脱着できた方が、やはり掃除も含めて何かと便利なのではと思いました。
タケルくん専用の多機能蒸し器「ムスヨ婆さん」にも注目
タケルくんの拡張用パーツである「ムスヨ婆さん」を使うことで、蒸すことをメインとした加熱調理が可能になります。
左上から右にフードポット(小)、フードポット(大)、ドーム型蒸しフタ。左下から右にガラス鍋フタ、ステンレストレイ、蒸しスノコがセットになっています。
蒸気を使えば料理バリエが広がる
タケルくんの中に深さ約1cmほど水を注ぎ、ムスヨ婆さんの蒸しスノコを敷きます。
その上に、おかずを入れたフードポットを置き、ガラス鍋フタをして電源を入れれば、蒸気でおかずを温めることができるんです!
また、高さ約12cmのドーム型蒸フタを使えば、大小二つのフードポットを同時に温めることも可能です。
フードポットを使わずに直接網の上で、シュウマイなどの蒸し料理も簡単に調理できます。キャンプではハードル高めなので、料理の幅が広がっていいですね!
またドーム型蒸フタを使えば、哺乳瓶に入った赤ちゃん用ミルクや缶入りドリンクを温めることもできます。これは小さいお子さんのいるファミリーキャンパーには嬉しいところ。
通常は大量の水を沸かすのにけっこうな時間がかかってしまうレトルトパウチも、少量の水で簡単に加熱することができちゃいます。
ご飯と同時におかずも!?
タケルくんに米と水をいれて、ムスヨ婆さんのステンレストレイにレトルトのおかずを入れ、釜のフチにかけてセットします。
このまま炊飯をすることで、ご飯の炊き上げと同時に温かいおかずも完成! まさに一石二鳥の時短もできるんです。
アイデアしだいで料理の幅も広がる
少量の水と電気で非常に効率よく調理できるこの「ムスヨ婆さん」は、まさに秀逸なオプションアイテムといえるでしょう。
うまく使いこなせば幅広いジャンルの料理を作ることができます。
使用して気になった点
多種多様な調理が可能になる分、やはりどうしてもアイテム数は増えてしまいますので、あらかじめ料理を決めておき、使用アイテムを絞って持ち歩くのがいいかもしれません。
直流炊飯器タケルくん用 多機能蒸し器 ムスヨ婆さん
お湯は「ワクヨさん」にお任せを!
直流家シリーズのこちらは「ワクヨさん」。400mlのお湯を沸かすことができ、また保温もできる直流湯沸器です。キャンプなどでなにかと必要なお湯もこれがあれば楽に沸かせます。
左上から右に耐熱カバー、専用ホルダー、本体。左下から右に電源コード(約120cm)と予備ヒューズ、長短の専用ホルダー用ステー、本体キャップになります。
車内で使ってみる
専用ホルダーを、長短どちらかの長さのステーを使用してエアコンルーバーに取り付けます。そこにワクヨさん本体を装着して水を注ぎます。
エンジンをかけて専用コードをシガーライターに接続します。8.5A(12V車)の電流を消費するので、このときには別用途でのシガーライター使用は控えた方がベターです。
電源が入ると、ワクヨさんの水温が表示されます。右端にある「沸騰」ボタンを押せばスタート。
走行中でもお湯を沸かすことは可能かと思いますが、固定具合によっては倒れる可能性もないとはいえないため、くれぐれも安全に十分配慮してください。
スタートしてから約30分ほどで気泡が出てきました。
水温表示が99度になったところで、自動で加熱停止。これでお湯の完成です。
電源ケーブルを外してから、本体が熱くなっているので付属のシリコンゴム製耐熱カバーを装着して掴みます。
高温の湯気に気を付けながらキャップを外し、カップ麺などに熱湯を注ぎます。細身の形状なので、注ぎ口がなくても注ぎやすいのがいいですね。
湯温自在ポット ワクヨさん
よかったところをまとめると……
「ワクヨさん」はお湯が沸くと自動的に電気が切れるので、しっかりと安全面の配慮があるところが信頼できます。
また、20度〜90度まで調整して保温することもできるので、赤ちゃん用ミルクなどを作るときにも便利です。
さらに内側を耐熱ガラスにした2重構造になっているため、お湯に樹脂などの臭い移りがなく、美味しく料理に使うことができるんです。
使用して気になった点
容量が400mlなので飲み物であれば2人分、カップ麺であれば1人分のくらいの量です。お湯が沸くまでにも30分くらいかかってしまうため、大人数での使用にはあまり向いていないですね。
タケルくんと一緒に固定できるオプション「シホさん」も
別売りで、タケルくんとワクヨさんを収納するための専用ボックス「シホさん」もあるんです。簡易テーブルにもなるので、直流家シリーズをフルにつかった車中泊ごはんもできちゃいますね。
多目的ボックス シホさん
アウトドアでの車の可能性を広げる「直流家シリーズ」
キャンプや車中泊も含めた、クルマを活用したアウトドアライフが楽しめる「直流家シリーズ」。クルマで移動することが多いキャンパーの心強い相棒になってくれるのは間違いなさそうです。
執筆:Kentos
車内時間をさらに快適に過ごそう
こんなカー用品があれば、さらに夢広がる!