ハイエースってどういうクルマ?
それではまず、ハイエースで押さえておくべき基本的な特徴を確認しておきましょう。
ハイエースはボディサイズや乗車定員など選択できるバリエーションが豊富です。一般的に入手可能なサイズは一番小さな(それでも十分大きいですが)4ナンバーの標準ボディ、中ぐらいのワイドボディのミドルルーフ、大型となるスーパーロングのハイルーフという3種類が存在します。
この広さだから荷物もバンバン入る
ハイエースの中では一番小ぶりな標準ボディタイプでさえ2列目の座席より後ろの荷室長が1.8m! 2列目シートを無視するなら運転席より後ろの荷室長はなんと3mに及びます。さらにこれがスーパーロングになると運転席より後ろで3.5mを超え、幅、高さを考えてもワゴンRやムーヴクラスの軽自動車がスッポリ入ってしまう広さになります。
キャンプシーンを想定しても乗車人数分以上の装備が余裕で積載可能なはずです。ハイエースでキャンプ道具が積み切らないとなると……それはよほどのことですよ(笑)
カスタムパーツが超豊富
たとえばこんなペンドルトンとのコラボシートカバーも用意されています。ハイエースのカスタムパーツはドレスアップ用から実用系まで、クルマ業界にいる私でも把握しきれないほど数多く存在します!
車種別に販売されているパーツでハイエース用が設定されていないものはないのでは? ハイエースはもともと余計なものを装備していないシンプルなクルマですから、カスタムしてこそ自分仕様のオンリーワンな相棒! と呼べる存在となり愛着も湧くのです。
真四角で、視野が広いから運転しやすい
弊社のお客様からもパッと見は確かにものすごく大きく見えて運転が不安だとよく言われます。確かに一番大きなスーパーロングともなると街乗りでは少々気を遣う場面もありますが、標準ボディは4ナンバー規格サイズ。つまり小型貨物車の規格に収まるサイズなんです。
狭い道でもへっちゃらですし、ボディが真四角なので見切りがとてもいいんです。また、運転席が普通車よりも高い位置にあるのでアイポイントが高く、先の方まで見通しが効くので特に長距離運転時などでは気持ち的に負担が少ないのも特徴だといえます。
頑丈で壊れにくい耐久性
エンジンや足回りといったクルマの基本部分もいたってシンプル。エンジンはどれも無理をしてパワーを絞り出すようなタイプではないし、サスペンションも電子制御など全くされていない質実剛健なもの。
インテリアも言ってしまえば床にイスが固定されているだけで、電気仕掛けの豪華装備など何もありません。ということは逆に、壊れる所が特にないとも言えます。
その証拠に、20万キロ、30万キロ走行しているハイエースもザラに存在します。その後輸出され、海外では100万キロを超えてもまだ現役で走っているハイエースも珍しくないですよ。
リセールがいい
クルマを購入する上でぜひ検討材料のひとつにしていただきたいのが「リセールバリュー」。手放す際の価値がどれくらいかということです。最近では‟燃費“がクルマ選びの重要なキーワードになっていますが、実際にはランニングコストの比較だけではお得感は測れません。
クルマ購入時の金額、ランニングコスト、手放す時の下取り額。この3つを計算して車種の違いによるお金のかかり方の比較ができます。ハイエースは他の車種と比較しても圧倒的にリセールバリュー(下取り金額)の高い車種といえます。
バリエ豊富なハイエース
ハイエースの歴史はとても古いです。これまでに登場した幾多の名車を振り返ってみましょう。
初代10系
ハイエースの始まりは昭和42年(1967年)。車名はトラックのトヨエースに、「High(より優れた、高級な)」と「Ace(エース、最上の存在)」を組み合わせて命名されました。
現在では私達専門店でもまず見かけることのない「超」が付くほどのレア車です。
丸目4灯のかわいらしいフロントマスクで、もしキャンプ車にできるなら注目度ナンバーワンになれそうですが……きわめて入手困難で、維持にもそれなりの手間が掛かると思いますのでちょっと現実的ではないかもしれませんね。
スポーツカーや高級車はマニアの方も多く昔のモデルもそれなりに生き残っているものですが、ハイエースのような商用色の強いクルマはなかなか残っていないのが残念です。
20、30、40系
昭和52年(1977年)にフルモデルチェンジされた2代目。初代の丸目4灯フェイスから丸目2灯フェイスへと変更されます。この丸目2灯タイプは当時の新幹線に似ていたことから「新幹線ハイエース」なんて呼ばれていたりします。
マイナーチェンジにより途中から角目2灯フェイスに変わり、一部モデルにハイルーフ、オートマ、エアコンのオプションが設定されました。この2代目は私達も年に数台の取り扱いがあります。
見た目もインテリアもクラシックな雰囲気満点でキャンプシーンにもとっても似合うと思います。キャンプギアもヴィンテージなもので固めて演出してみたいですね。
だんだんと現行の雰囲気に近づいていきます。