スノーボードゴーグルは必要?
強い紫外線というと夏のイメージがあるかもしれません。
しかし、環境省が発行した「紫外線 環境保険マニュアル2020」によると、雪山では、雪の反射により、雪のない場所に比べ浴びる紫外線の量は2倍近くにもなります。そのため、裸眼で長時間過ごせば当然、目にも大きな負担がかかります。
※参考:環境省「紫外線 環境保険マニュアル2020」
また、曇っていれば問題ないと思われるかもしれませんが、薄曇りであれば紫外線の80%以上が通過するとされているため、油断は禁物です。
さらに、標高が1,000m上昇するたびに紫外線の量は10~12%増加するというデータもあり、雪山は非常に紫外線のばく露が多くなると考えられます。
紫外線から目を守る以外にも、吹雪で前が見にくい場合、ゴーグルを装着すれば裸眼に比べ良好な視界を確保できる点もメリットです。
スノーボードゴーグルの選び方
スノーボードゴーグルを選ぶポイントはいくつかありますが、その中でも重視すべき点としては、次の7つが挙げられます。
1. レンズの形状ごとの特徴を知ろう
スノーボードゴーグルのレンズには、大きく平面と球面の2つがあります。それぞれの特徴やメリットは次のとおりです。
平面レンズ
レンズ表面が平面になっているのが、平面レンズです。目とレンズの距離が短いため、視界の歪みが少なく普段とそれほど変わらない視界が保てます。
球面レンズ
レンズ表面が湾曲しているのが、球面レンズです。平面レンズに比べ目とレンズの間に距離があるため、熱がこもりにくく曇りにくい構造になっています。
2. レンズの色による違いを知ろう
スノーボードゴーグルのレンズにはさまざまな色が付いています。これらの色はファッション性を高めるだけではなく、見え方にも影響します。
また、色だけではなくミラータイプとクリアタイプの違いもあり、それぞれに特色があるため、見え方に対する一般的な影響を把握しておきましょう。
暖色系
スノーボードゴーグルのレンズカラーは、暖色系が多く使われていて、特にオレンジ系は晴天、曇りなどさまざまな天候に対応します。また、ローズ、ピンク系も万能型です。そのほか、イエロー系は、ナイターや霧が濃い状況での利用に適しています。
寒色系
寒色系のレンズカラーは、大きくブルー系とグレー・スモーク系の2つに分けられます。ブルー系は日中の晴天時向き。ほかのカラーに比べ着色が薄いグレー・スモーク系も、眩しい光をカットしてくれるので、晴天時に向いています。
クリアレンズ
クリアレンズは基本的に裸眼とあまり変わらない視界が得られるため、夕暮れ時やナイター、屋内ゲレンデなどでのライディングに適しています。
ミラーレンズ
ミラーレンズは、内側に通常のレンズを使い、外側にミラーコーティングされたレンズを使っているのが一般的です。ミラーレンズがもっとも活躍するのは、日中の晴天時でしょう。ミラーコーティングされたレンズが光を抑えるため、眩しさを感じにくくなります。
3. 曇り止め機能を確認しよう
スノーボードゴーグルは紫外線から目を守り、視界を良くする役目を持っていますが、長時間使用していると、外気とゴーグルの中の温度差により曇ってしまう可能性があります。
これにより視界が悪くなれば、人や木などに接触してしまうリスクもあるため、曇り止め加工や、レンズが曇らないようにするファンなどの機能があるかどうかはチェックしておきましょう。
4. 自分の顔にフィットするものを選ぼう
スノーボードゴーグルは顔にフィットするものを選ばないと、隙間から雪が入り込んでしまい、視界がぼやけてしまう可能性があります。
また、ライディング中に外れてしまえば事故につながるリスクも生まれてしまうでしょう。そのため、自分の顔にしっかりとフィットするものを選ばなければなりません。
「アジアンフィット」「ジャパンフィット」がおすすめ
海外製のスノーボードゴーグルは、アジア系の骨格には合わないケースが少なくありません。
アジア人の骨格に合わせて作られているゴーグルがほしい場合は「アジアンフィット」や「ジャパンフィット」を選ぶのがおすすめです。
自分の付け方に対応しているかどうかがポイント
ゴーグルをヘルメットの外側に付ける場合、ヘルメットの後ろにゴーグルフックが付いていれば必ず固定し、転倒しても外れないようにしましょう。
なお、スノーボードゴーグルには、ヘルメット対応と未対応のものがあるため、外側に付けたい場合はヘルメット対応のものを選ぶ必要があります。
ヘルメットの内側に付ける場合、ニット帽を被ってスノーボードゴーグルを装着し、その上にヘルメットを被るのが一般的です。
ヘルメットの外側に装着するのに比べ、ヘルメットの着脱が簡単にできる上、ゴーグルのベルトが伸びづらくなりますが、ニット帽の上にヘルメットを被るのはファッション性が強く、ヘルメットが持つ安全性が半減されますので注意が必要です。
ベルト部分の仕様も要チェック
スノーボードゴーグルのベルトは、主に取り外しができるバックルが付いているタイプと、バックルがなく1本につながっているタイプの2つに分けられます。
バックルが付いているタイプのほうが着脱が楽にできますが、ヘルメットに対応していない場合も多く、外側に付けたい場合は注意が必要です。
バックルがないタイプは、ヘルメットのあるなしにかかわらず高いフィット感が得られる分、着脱がしづらいこともあります。
ヘルメットの下に装着する場合、ニット帽がずれないようにヘルメットを被ると良いでしょう。
メガネをかけている場合は「眼鏡対応」が便利
視力が悪い人にとっては、メガネやコンタクトレンズをしないままライディングするのはかなりのリスクが伴います。
コンタクトレンズを装着するのが難しい場合におすすめなのが、眼鏡対応のスノーボードゴーグルです。
レンズと顔の間にメガネのスペースが空いているため、メガネをしたままゴーグルを装着できます。
ただし、すべてのメガネに合うとは限らないため、購入時にメガネを付けたまま装着できるかの確認を忘れないようにしましょう。
5. フレームレスは見やすいのが魅力
フレームレスというとまったくフレームのないレンズを想像しがちですが、実際にはフレームの外側にレンズがついたモデルです。
もちろん、通常のフレームが付いたものに比べ、視界を広く確保できるのが最大のメリットになります。
また、フレームに雪が付いてしまい、そこから起こるレンズの曇りを防げるのもフレームレスならではです。
6. UVカット加工されたレンズなら安心
スノーボードゴーグルは紫外線対策として大きな効果を発揮しますが、より高い効果を得たい場合、UVカット率の高いものを選択しましょう。
また、ここまで説明してきたように、ミラーレンズや寒色系のレンズはほかのレンズに比べ、光を遮断しやすいのでおすすめです。
7. 安い「型落ち」も狙い目
スノーボードゴーグルは安いものでも1万円前後、高いものとなると4万円以上のものも珍しくありません。
もちろん、より安いものもありますが、機能を確保しながら安いものを探している場合は、高機能なスノーボードゴーグルの型落ちを狙うのもおすすめです。
スノーボードゴーグルは基本的に毎年新しいモデルが出るため、1年前のものを選択すれば、高機能なものでも安く購入できる可能性が高まります。
人気ブランドのおすすめ14選
上記の選び方のポイントを踏まえ、人気ブランドの中でもおすすめのモデル14選を紹介します。
スミス Squad MAG
天候に合わせて左右のロックを押すだけで、簡単にレンズを外して変換ができるMAGレンズチェンジシステムを搭載したスノーボードゴーグル。三原色をコントロールし、より鮮やかな視界を実現するスミス独自のクロマポップレンズで、タイトなライン取りを可能にします。
スミス Squad MAG
スミス 4D MAG
スミス史上、もっとも広い視野を実現した「4D MAG」。Squad MAG同様にクロマポップレンズを搭載していることで、広い視野に加え、鮮やかな視界の中でライディングを楽しめるスノーボードゴーグルです!
スミス 4D MAG
オークリー Line Miner
円柱形状のデザインのため、顔の近くに装着でき、前方だけではなく、下方や左右両サイドまで広い視野を実現しています。メガネやヘルメットとの相性も良く、さまざまな状況で利用可能です。
オークリー Line Miner
オークリー Flight Deck
中型、大型サイズを備えたFlight Deck。戦闘パイロットのヘルメットバイザーをヒントに、多くの人にフィットするデザインを実現。Line Miner同様、ほとんどのメガネやヘルメットにも対応しています。
オークリー Flight Deck
ドラゴン PXV
アウターレンズは紫外線の強さによってカラーの濃淡が自動で変化する全天候型のスノーボードゴーグルです。レンズを大きくすることなく、人の視界よりも広い200度超の視野を実現したフレームレスレンズで、快適なライディングを楽しめます!
ドラゴン PXV
ジロ CONTOUR
ジロ独自のセミ球面レンズ曲率を採用し、肉眼と変わらない広い視野を確保。曇り止め加工とベントテクノロジーにより、レンズが曇らないようになっているのもポイントです。
ジロ CONTOUR
ジロ ELLA
女性デザイナーによる華やかなデザインが目を引くレディース向けモデル。レンズやベルトのカラーバリエーションも豊富なので、好みの配色をチョイスできます。
ジロ ELLA
エレクトリック KLEVELAND
人間工学に基づいたレンズ形状「プレミアムインジェクトトーリックレンズ」搭載のスノーボードゴーグル。通常サイズのほか、小さい顔の方に合わせたサイズダウンバージョンもあり、女性の方でもぴったりフィットし、鮮やかな視界を実現します!
エレクトリック KLEVELAND
山本光学 ダイス SHOWDOWN
快適な肌触りが持続する「DRY FACE FORM」を採用。顔に接触する部分に吸汗性・発散性の高いフリース素材を使用することで、水がしみ込んでも素早い乾燥を実現します!
山本光学 ダイス SHOWDOWN
山本光学 スワンズ RIDGELINE
ワンタッチでレンズがポップアップするA-BLOW SYSTEM搭載で、簡単にゴーグル内の湿気を排出して新鮮な空気を取り込めます。これによりレンズの曇りを抑え視野を確保。長時間にわたって快適なライディングが可能です。
SWANS RIDGELINE
アノン M3
円柱レンズ搭載で、視界の歪みを軽減し、広い視野でライディングを楽しめます。メガネやヘルメットにも対応する上、マグネット式のレンズ交換システムや、ゴーグル内の水分コントロールなど多様な機能を持ったスノーボードゴーグルです。
anon M3
アックス AX800-SPC
1人ひとりの顔の形に合わせて、隙間なく自在にフィットするパーソナルフィッティング構造により、快適さが持続します。また、日本人の目に合わせて開発された「ASIAN FIT調光レンズ」を採用した、全天候型のスノーボードゴーグルです。
アックス AX800-SPC
ロキシー FEELIN COLOR LUXE AF
色鮮やかなデザインが女性に人気のロキシー。比較的安価ながら、UVカット、曇り止め防止、ワイドな視野、アジアンフィットなど基本的な機能はしっかりと抑えたスノーボードゴーグルです。
ロキシー FEENITY COLOR LUXE AF
スプーン SSP-990
乱反射を防ぐ「偏光レンズ」仕様のスノーボードゴーグル。さらに上下左右の視界を確保する広角視界の大型レンズに、メガネ対応で快適なライディングを実現します。
スプーン SSP-990
スノーボードを快適に楽しもう!
スノーボードゴーグルはスノーボードを楽しむうえで大切なアイテムです。ただし、さまざまな種類があるため、今回紹介した7つのポイントを踏まえ、もっとも自分の顔の形や好みに合ったものを選択し、快適なライディングを楽しみましょう!