キャンプで使ってみた
それでは実際にキャンプで使ってみましょう。旅館で見かけるセットだからか、キャンプサイトに不思議な旅情が漂います。
注意すべきは風ですね。風対策のなされたアウトドア用ではないので、風防があれば安心です。
肉まんを蒸してみた
それでは冬の定番、肉まんを試しに蒸してみましょう。肉まん1個のために専用道具を使ってわざわざ蒸す……ソロキャンプの風情がほとばしる行動です。
水スタートで約10分強、たぶん蒸し上がったと思います。しかし筆者は蒸しのド素人、内部まで火が通っているのかどうか、見当もつきません。
半分に割ってみました。内部からふわ~っと湯気が立ち、同時に肉まんのおいしそうな香りが漂います。「肉まんは水スタートで約10分」でOKでした。もっと短くても大丈夫だったかもしれません。
ちなみに立て続けにもう1つ蒸してみたところ、すでに湯気が立ち昇っている状態からのスタートだったので、5分程度で蒸し上がりました。
ソロ呑みのお供にしてみた
さて、そろそろ呑み始めましょう。本日の肴、一発目は蒸しエビとしました。シンプルに塩だけでいただく予定です。
着火から数分、セイロから湯気が漏れ、もわもわと立ち昇っていきます。これはいい風情ですね。またセイロの木の香りと、食材のうまそうな香りが混ざって漂い、湯気だけで呑めそうです。
蒸し時間は約20分。これは食材の種類と量から判断したわけではなく、固形燃料が終わりそうなタイミングだっただけです。「旅館では固形燃料が終わるころには完全に加熱されている」という経験則から、生モノの加熱は固形燃料1個分にしてみました。
ひょっとしたらもっと早く蒸し上がったかもしれませんが、そのへんは使っているうちにわかってくることでしょう。
ともあれエビはキレイに色づき、ほかほかの湯気を発しています。蒸し料理は素材の旨味を引き出せるメリットがあるそうですから、前述したように塩だけでシンプルにいただきます。
ビールを片手につまんでいきます。
……なるほどこれは、煮たり焼いたりするよりもエビの旨味が濃厚かも! 肌寒い季節なのにビールが止まりません。蒸し料理、いいですね!
野菜でこそ本領発揮!?
さて次は野菜を。普段のキャンプでは肉や魚介ばかりで、野菜を採るのは冬場の鍋料理くらいのものですから、これはおやじキャンプの革命です。
食材はアスパラとしめじにしました。きっと茹でるよりも強く旨味が感じられるんでしょうね。期待大です。
10分弱、蒸してみました。生の肉や魚介と違って、多少は火が通ってなくても大丈夫なので、ちょいちょい様子を見ながら10分で切り上げました。
そして食べてみた結果は……なにこれうま~!
特にアスパラは絶品でした。野菜なのにサクッとした歯ごたえ、鼻に抜ける芳醇なアスパラの香り。茹でたアスパラよりも格段においしかったです。
固形燃料以外の熱源でもイケる?
固形燃料を買い忘れた場合、他の熱源でも対応できるかどうか試してみましょう。アルコールストーブとガスのシングルバーナーでやってみます。
アルストは余裕でOKでした
セットしたのはトランギアの「アルコールバーナー」。見ての通り問題なく熱源として使うことができ、前出のアスパラ&しめじの第二弾を蒸してみたところ、まったく不自由を感じませんでした。むしろ途中で消火できる分、アルストの方が便利かもしれません。
ガスバーナーは注意が必要
つづいてはシングルバーナー。この場合はコンロと敷板が不要になります。ぱっと見では何ら問題なさそうですが、固形燃料やアルストよりも火が近く、またガスは高火力であることを考慮する必要がありそうです。
思った通り、沸騰しすぎる傾向にありました。しっかり弱火を心がけたんですけど、ふと気づけばボッコボコの状態に……。これではすぐに蒸発しきってしまうでしょう。
ガスは火力が強いので、出力をかなり弱めに調節する必要がありました。ユニフレームの「バーナーパッドⅡ」を使って、炎をマイルドにするのも有効だと思います。
気をつけるべきポイント
火を使うギアです
使用中、セイロ自体はどれほど熱くなりません。ひょいと持ち上げて水の量を確認することが可能でした。
しかし水入れから下はアッチアチになります。ゴトクごと火にかけているわけでなし、固形燃料が中にあるだけ……くらいに思っていると痛い目に遭います。火を使う道具であることをしっかり意識して、やけどには充分に気をつけたいですね。
空焚きに注意
こちらはシングルバーナーを熱源に使ってみたときの様子です。ガスの火力が強すぎたようで、湯気の量がハンパではありません。
その後、「湯気の量が減ってきたな」などと思っていたら空焚き状態に陥っていました。鬼沸騰だけならまだいいですが、あっという間に蒸発しきって空焚き……からのセイロ炎上もありえます。空焚きにはくれぐれも注意したいですね。
スタック収納はできません
アウトドア用途を想定した製品ではないので、コンパクト収納は考慮されていません。どんなに知恵を絞って重ねても、やっぱりかさばる結果となりました。またどんなケースに収納するかも悩ましいんですよね。
アウトドア用ではないけれどもあえてキャンプで使う……その代償はそれなりにあります。
蒸し呑みに目覚めた!
本製品を実際に使ってみた結果、蒸し料理でのキャンプ呑みに目覚めました。特にアスパラは絶品で、他の野菜でもやってみたい気持ちになっています。じゃがいもを蒸して塩辛を乗せて……といった次のキャンプ呑みを夢想しています。
あとは面倒な調理方法ではないので、朝食向きでもありますね。仮に「赤いきつね」を朝食にする場合、湯沸かし→お湯を注いで5分待つ工程が必要となりますが、それと同じような工数とタイムで、ほかほかの肉まんができあがります。
あるときはソロ鉄板を買い、あるときは七輪にハマった筆者が、このたびソロキャン呑みのお供に加えた調理器具・蒸し器。今回紹介した製品は、コンロや水入れも付属する点でめっちゃお手軽です。酒呑みおやじキャンパーの皆さん、蒸し呑みいかがですか?
セイロセット 白木丸セイロ 15cm
サイズ | 15cm白木丸セイロ(15Φ×H8.7)cm 丸水入れ:(16.3Φ×H3.5)cm 黒コンロ(約)φ13.3cmxH9.3cm 敷板:11cm×11cm |
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セット内容 | 15cm白木丸セイロ(身・蓋)、アルミ丸水入れ、アルミコンロ台、アルミ火入れ、焼杉敷板のフルセット |