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テンマクデザイン

最高に粋なギアが新登場。1台3役のテンマク「天幕燗銅壺」が俺のキャンプを加速させる…!

個性的な焚き火ギアを次々と送り出す「tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)」から、ひときわ目を引くアイテムがリリースされました。その名も「天幕燗銅壺(てんまくかんどうこ)」、江戸時代~昭和初期に使われていた道具を現代のアウトドア向けにアレンジしたそうです。これは気になる!ということで実際に現物を使ってみました。

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目次

テンマクデザインから気になるギアが……!

この春にテンマクデザインが発売した新製品が、こちらの「天幕燗銅壺(てんまくかんどうこ)」。お酒に燗をつけつつ、つまみを炙ることができる道具で、江戸時代~昭和初期に使われていた「燗銅壺」を現代のアウトドアシーン向けにアレンジしたのだとか。

しかも燗銅壺としての用途だけでなく、チャコールグリルとしても、焚き火台としても使えるとのこと。1台3役というわけですね。これは実際に使ってみるしかありません!

現物を入手!組み立てるぞ!

さっそく現物を入手しました。購入したのはテンマクデザインの公式サイトにリンクが貼られている、WILD-1楽天市場店。価格は19,800円(税込)で、送料無料でした。

テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS) 天幕燗銅壺

使用サイズ(約)本体:320×175×228(高)mm
フルサイズ網:274×184×18(高)mm
ハーフサイズ網:170×130×18(高)mm
板厚本体:1.0mm
灰皿:3.0mm
湯煎鍋・湯煎鍋蓋・スタンド:0.8mm
収納サイズ(約)300×200×150(高)mm
総重量(約)3.8kg
素材本体:ステンレス304
収納ケース:ポリエステル
付属品収納ケース

写真は付属の収納ケースに入れた状態。収納時のサイズ感は、高校球児の弁当といったところです。

全パーツをテーブルの上に広げてみました。公式サイトで完成状態を見ていたので、「これは何だろう?」ということはありません。

組み立てていきましょう。まず脚の付いた灰受けパーツ、その脚を広げていちばん下に設置。その上に側面となるパーツを広げて立てます。

分厚いステンレスのロストルを内部へ。側面パーツの内側には突起があり、ロストルは浮いた状態で固定されるようになっていました。

こちらが完成状態。小柄ながらも堂々とした佇まいで、キュートな凛々しさが感じられますね。

スペックとディテールを見てみよう

それでは完成状態のサイズや、細部の仕組みを見ていきましょう。まず各サイズは次の通りです。

調理スペースとなる170×255mmという面積は、B5のノートをちょっと細くしたような感じ。脚を含めた高さは500mlのペットボトルより1~2cm高い程度でした。

そして重量は約3.8kg。これは収納ケースを含めた総重量ですが、とにかく軽くはない製品です。小さいけれどドッシリと安定感がある、とも言えますね。

そもそも「燗銅壺」って?

ディテールを見ていく前に、そもそも燗銅壺(かんどうこ)とはどういう道具なのか、さらっと説明します。そんなに興味がなかったら、イラストが見えなくなるまでスクロールしちゃってOKです。

燗銅壺の構造は、このようなものだったそうです。非常にざっくりとした簡易的なイラストですが、要点は内部が水で満たされること。その水が炭で熱せられ、酒に燗をつけることができました。

そして本製品の構造を簡略イラストにすると、こんな感じ。オリジナルの燗銅壺とは、水と炭の立ち位置が入れ替わっていますね。これにより1台3役の使い方ができるというわけです。

さあそれでは1台3役、それぞれのモードを見ていきましょう。

【1】燗銅壺モード

燗銅壺として使う場合は、片側に四角い鍋、もう片側にハーフサイズの焼き網を設置します。

四角い鍋は、短辺のフックによって浮いた状態で固定されます。それにより真下から炭で熱することができるというわけです。

大きさはは11×18cm、深さ8cm。小さく見えるものの容量は充分で、試しに1Lの水を入れてみたところ、深さ的に2~3cmの余裕が残りました。

一方の焼き網にもフックがあり、こちらはズレないようにするためのもの。食材がひっついて焼き網を道連れにするのを予防します。こうした細かな気配りがテンマクらしいですね。

【2】チャコールグリルモード

チャコールグリルとして使う場合は、全面を覆うフルサイズの焼き網を設置。前の方でも触れましたが、調理可能な面積はB5サイズほどです。

ちなみにこの写真では、焼き網の天地を間違えています。

正しくはこの向き。フチへの溶接部分が上にくるように置くことで、フチが側面に引っかかるようになり、ある程度はズレを予防できるようです。

【3】焚き火台モード

付属のアタッチメントをすべて外すと、箱型の焚き火台に。煙突効果の発生が予想されるので、優秀な燃えっぷりが期待できますね。

実際にキャンプ場で使ってみた

さあ、それでは実際にキャンプで使ってみた様子を見ていきましょう。1台3役の使い方は、本当にできたのでしょうか……?

炭熾しがしやすかった

1台3役以前に、まず炭熾しが非常にラクだったことを報告させてください。空気の流れがよく考えられていて、うちわで延々とあおいだりしなくとも、放っておけば炎が広がっていました(さすがにちょっとはあおぎましたが)。

内部に設置されたロストルが効いているのでしょう。下方向から空気が効果的に取り込まれるようです。

側面にもずらりと空気口が。これらはもちろんロストルよりも下の位置にあり、ここから入った空気がロストルを通過して、炭を直撃します。また側面に高さがあることから煙突効果も生まれ、空気は潤沢に提供される模様です。

というわけでガッツリ育った炭火を使って、まずは燗銅壺として使ってみましょう。

【1】燗銅壺として使ってみた

四角鍋で酒をお燗しつつ、ハーフ網でつまみを焼いていきましょう。

ワンカップに椎茸とししゃも……よく目にするものを使ったので、サイズ感が推し測れると思います。四角鍋の方は、ワンカップならもう1本(計3本)いける広さでした。もちろんチロリを使った方が風情は出ると思いますが。

何ら問題なくワンカップに燗がつき、ししゃもと椎茸を焼くことができました。しかし網の方は熱源が機能していることが一目瞭然ですが、四角鍋の方はビジュアル的によくわかりませんね。実際は熱々なんですけど……。

というわけで証拠写真がこちら。鍋からモクモクと湯気が立ち昇っていますね。食材を下ろして撮影したので、焦げによる煙ではありません。

ちなみに四角鍋はおでんや鍋物用にしてもOK。鍋の容量は余裕で1L以上あるので、パックのおでんなら一人前はもちろん問題なし。セブンイレブンの「セブンプレミアム おでん大盛(1007グラム)2~3人前」もたぶん大丈夫でしょう。

燗酒を呑みながら、夕暮れどきを迎えています――。網の面積は最初こそ「狭いかな」と思いましたが、じっくり焼きながらゆっくり呑むのにちょうどよかったですね。むしろデュオでも快適に囲めると思います。

ちなみにこの日は、さいたま市の気温が30℃近くまで上がりました。しかし標高のあるキャンプ場に行ったので、現地の気温は夕暮れ後には10℃以下に……。たとえ夏場のキャンプでも、燗銅壺が活躍するシーンは少なくなさそうです。

【2】チャコールグリルとして使ってみた

こちらはフルサイズの網を乗せ、チャコールグリルとして使ったときの様子です。牛肉の肩ロース、ステーキ用260gを焼いてみました。生肉の大きさは最長部で20cmを超えましたが、ご覧のように余裕をもって収まっています。

ソロで何かを焼くぶんには、充分すぎるグリルでした。体感的にはイワタニの「焼肉プレート(L)」よりもちょっと狭い程度……そんなには変わらないかな、という感覚だったので、2~3人での焼肉に対応できると思います。

大人数でのBBQでもメインのグリルとは別に用意しておくことで、焼き鳥用やとうもろこし用など、別働隊として重宝されるのではないでしょうか。

【3】焚き火台として使ってみた

では3役め、焚き火台として使ってみた様子をお伝えします。見ての通り、いたって順調に使えていますね。

煙突効果によって側面の空気口とロストルが新鮮な空気をガンガン送り込み、本職の焚き火台に負けない燃えっぷりです

ただし薪のサイズによっては、スマートに薪組みすることができません。このとき使った薪は長さが37cmあったので、ご覧のようにはみ出しまくり……。こまめに薪をいじってやる必要がありますが、その手間が楽しいタイプのキャンパーにとっては、逆に嬉しいメリットかもしれません。

下から空気が入りやすいだけでなく、横からの風を遮るのも見逃せないポイントです。欲しい空気だけを取り込む……いわば空気のいいとこ取りをしているので、勢いと安定感のある炎が生まれていました。非常にパワーのある焚き火台だと感じました。

以上、1台の天幕燗銅壺を3つの用途で使ってみました。燗銅壺として成り立つサイズが前提なので、チャコールグリルや焚き火台としては物足りないのでは?……と思っていましたが、そんなことはなかったです。

天幕燗銅壺のココがイイ!

いちいち品質が高い

本体にはテンマクデザインのロゴが大きくあしらわれていますが、その裏には「WINNERWELL(ウィンナーウェル)」のロゴが。そう、本製品はテンマクデザインがウィンナーウェルと協業して開発しました

ウィンナーウェルといえば薪ストーブが有名で、ステンレス加工ならおまかせ……というブランドです。

そのためか細部の品質に間違いがありません。写真は鍋部分のフタをちょっとだけ持ち上げた様子ですが、両端の曲げが実に美しく、ぴたりと重なる姿には惚れ惚れします。

フタの取っ手は収納時には倒しておき、使うときに立てます。これが絶妙のトルクで締め付けられていて、パタパタと倒れることがありません。立てたいときは立つ、倒したいときは倒れる……と申し分のない加減でした。

鍋のフタばかり俎上に載せてしまいましたが、こういったクオリティの高さがアチコチに見られ、いちいち感心した次第です。

空気の通りがすばらしい

炭熾しと焚き火のシーンでも触れましたが、空気の道筋がしっかり確保されているので、炭でも薪でも燃焼具合が秀逸でした。側面やロストルの穴だけでなく、側面の高さも空気の流れに影響していることが窺えるので、全体的に絶妙のバランスを追求したのだと思います。

テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS) 天幕燗銅壺

使用サイズ(約)本体:320×175×228(高)mm
フルサイズ網:274×184×18(高)mm
ハーフサイズ網:170×130×18(高)mm
板厚本体:1.0mm
灰皿:3.0mm
湯煎鍋・湯煎鍋蓋・スタンド:0.8mm
収納サイズ(約)300×200×150(高)mm
総重量(約)3.8kg
素材本体:ステンレス304
収納ケース:ポリエステル
付属品収納ケース

焚き火台として使用したときなどは、本職の焚き火台も真っ青の燃えっぷり。もちろん焚き火は勢いよく燃えればいいというものではないし、本製品は箱型ゆえに焼却炉的な要素があって好みも分かれるのですが、製品の実力として素直に評価したいところです。

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