記事中画像撮影:筆者
寝苦しい熱帯夜、快眠できる術はないのか?
出典:PIXTA
オヤジキャンパーならずともツライ季節がやってきました。そう、夏です。
キャンプ場も車中泊も暑くて寝苦しく、下手をすれば命に関わるレベル。毎度涼しい高原に遠征とはいきませんし、かといってポータブルエアコンは高額だし……。
自宅でも、エアコンつけっぱなしは冷えすぎるし、電気代を考えると憂鬱になってきます。もっと程よくひんやり眠れてそれでいてエコ、なんて都合のいい方法はないのでしょうか?
「水冷式」のエコなマットを発見!
ダメ元でAmazonパトロールしていた筆者ですが、実はTHANKO「ひんやり水流快眠マット2」なるアイテムを発見。こちらなんと、水冷式で温度を下げるエコなマットのようなんです。
はたして、真夏のテントや車中泊でも、暑がりオヤジが快眠できるのでしょうか? 外気温30℃の過酷な環境下など、リアルなシーンでの使用感を詳しくレビューしてみます!
THANKO ひんやり水流快眠マット2
サイズ | 本体:幅160×奥行160×高さ280mm マット:幅700×長さ1600mm ファンサイズ:約幅120×奥行25×高さ120mm チューブ長:約1m USBケーブル長:約1.4m |
---|---|
重量 | 本体:約850g マット:約1,250g |
タンク容量 | 2L |
使用可能水温 | ~40℃まで |
風量調節 | 3段階(弱・中・強) |
材質 | 本体:ABS マット:PVC |
セット内容 | 本体、マット、水循環用チューブ、 USBケーブル、リモコン(電池別売)、水循環用フィルター、水循環用フィルター用チューブ、冷風扇アタッチメント、 タイマースイッチ、日本語取扱説明書 |
「ひんやり水流快眠マット」って、どんな代物なんだ?!
マット内を水が循環!冷たさが持続する
実際の商品がこちら。マット、水を入れるタンク付きの本体のほか、タイマーなどがセットになっており、部品点数は多めですね。
出典:Amazon
そして、気になる“ひんやり”の仕組みですが、いわゆる「気化熱」を利用したもの。本体ファンによってタンク内の水を蒸発させ、その際生じる冷えた水をマットの中に循環させる構造です。
水は人体の体温で温まりますが、それをまた本体ファンで冷却。これで冷たさが持続する……という仕組みのようですね。
そして、常時回るファンによって冷たい風が吹き出す本体は、水冷扇機としても使用可能。マットを接続せず単体でも機能するので、狭いテントならエアコン的な役割も期待できるのかも?
たったの6W!消費電力が極少
さらに特筆すべきなのが、一見大掛かりな装置ながら消費電力がたったの6Wという点。……え、6W? しかもUSB type-C給電ですと? なんという圧倒的な手軽さなんでしょうか。
5V2.0A以上は必要なものの、要は一般的な20,000mAh程度のモバイルバッテリーでも12時間は使える計算です。……これ、ものすごくキャンプ向きでは? という気がしてきました。
シュラフ2個くらいの携行サイズ
キャンプで使うとなると、気になるのが携行時のサイズ。本体は幅160×奥行160×高さ280(mm)約850g、マットは広げた状態で幅700×長さ1600(mm)約1,250g。
マットを丸めれば、画像の通り、ちょうど小さめシュラフ2つ分くらいといったサイズ感です。車でソロキャンプするなら、そこまで気にならない感じですね。
リモコン&タイマー装備がうれしい
小型のリモコンや本体の電源ケーブルに接続できるタイマーも標準装備なのが便利。寝ころがったまま操作できて楽チンだし、寝てしまった後の冷えすぎ防止にも効果がありそうですね。
また、ファンは3段階の強さが選べ、オンオフ含め本体側スイッチでも付属のリモコンでも操作が可能。
「ひんやり水流快眠マット」をテント内に設置してみた
まずは実際にテントに設置してみましょう! さすがに1~2名用サイズでないと効果が低そうなので、今回は筆者手持ちのフォルクラ「TREK500」を使用。
このテントは特殊なアウター処理が施され、真っ暗な室内は日光をほぼ完全に遮るのですが……。実験したのは最高気温30℃の日中。はたして、どうなるのでしょうか?!
手順その1|まずは本体をセットする
マットは思ったより“ペラペラ”な感触ではなく、そのまま寝られそうだったので、下には特にコットなど置かずにテントの床に直置きに。
説明書によれば、「本体はマットより高い位置に置かなくてはならない」ので、ノーブランドのアルミロールテーブルにON。サイズ・レイアウト的には違和感ありませんね。
もちろん電源はモバイルバッテリーで。ノーブランドの30,000mAhのものを使用します。
一般的なキャンプ向けのモバイルバッテリーですが、それでも最大22.5W対応なので、ちょっとオーバースペックなぐらいです。
手順その2|本体とマットをチューブで接続
お次は、マット側から生えている2本のゴム製チューブと、本体を接続します。ねじ込むだけの設計ですが、アタッチメントなどのない剥き出しのゴムなので少し力がいりますね。
なお、マット無しで水冷扇機単体で使用したいときは、専用のアタッチメントを接続します。
手順その3|本体に水を2L注ぎ入れる
接続が完了したら、本体上部の蓋を開けて循環用の水を注ぎ入れます。本体下部が脱着不可な半透明のタンクになっており、ここの「MAX」の目盛りまで注げば概ね2L入ります。
以上で準備は完了。設置自体は5分かかりませんでした。
手で触ってみたら…オイ、これヤバいぞ!
それではいよいよスイッチオン! モーター音と同時に、みるみる水がマットに流れ込みます!
ここで一気に半分ぐらいタンクの水が減るので、就寝前などはこのタイミングで追加給水すれば後がスムーズですね。
そして、水が循環し始めたところで早速、試しに手の平を乗せてみたところ……、もうすでに超冷んやり! むちゃくちゃ気持ちいいです! これは寝るときも期待できそうです。
*画像はマット裏側のチューブ連結部分
なおこのマット、水冷用チューブが縦横無尽に走っている……と聞くと寝心地が悪そうですが、表面はベロア素材で肌触りもよく、意外にもチューブの感触はまるでナシ。水圧のせいかそこそこ厚みもあり、十分そのまま寝られます。
ただ、マットからはチューブが外せない構造上、洗濯は不可。薄手のバスタオルやシーツなどを乗せて汚れを防止するのがおすすめです。
30℃超えのテント内で、ひんやり効果をいざ実測!
では実測開始! ファンを「強」設定にし、テント内外の気温が分かる温度計を設置。さらにマット表面温度をセンサー式温度計で計測していきますよ。
外気温30℃下の締め切ったテントの中、はたしてどれほどの効果を発揮してくれるのでしょうか……?!
計測結果&寝転がった感想は…!
計測スタート時は外気温、内気温とも30℃超え。マット表面温度も29.6℃と、気温そのままな感じで、到底眠れるようなコンディションではありません。
続いて閉め切ってから10分経過後。内気温は1℃程度の低下に留まりましたが、マット表面温度はグンと下がって26.6℃に!
そしてこの後、内気温・マット表面温度共に1時間以上経過後も温度はほぼ変わらず。ここまで暑いと水冷扇の風は正直ぬるく、テント閉め切り状態でのクーラー的使用は厳しそうでした。
しかし! マットに横になってみると、体の熱がスッと下がっていくのが分かります。しかもヒンヤリ感が持続するので、なかなかどうして快適じゃあないですか!
さらに、テントをフルメッシュにしたところ、マットの冷たさのせいかぬるい風も涼風に感じます。これは……、眠れますね! 通気さえ確保すれば気温30℃でも快眠できます。
思ったより水冷扇機能が控えめなので、フルクローズでなくフルメッシュで風通し良くして使うのが正解ということですね。湿気だけはどうしようもないかな。
ちなみに、バッテリーは2時間使用して13%程度のみの消耗。6W消費はダテじゃないですね。1晩なら何の心配もいりません。
気になる結露はどうか…?
出典:PIXTA
そして、マット自体が冷えるとなると、気になっていたのが外気温との差から生じるマット表面の結露。
ですが、結果的にテントをフルクローズで使うには不向きだったので、結露も生じず。ここはほぼ心配する必要は無さそうでした。
車中泊や家でも試してみた!
車中泊でも断然ラクに使える!
本体をマットより高く設置するスペースさえ確保すれば、車中泊でも使用できます。
サイズ的に、さほど室内の広さがないSUV車(画像はマツダCX-8)でも使えました。水冷扇機も、エアコンを使うほどでない日には、スポットクーラー的には涼しく便利ですね。
撮影:kentos
ポータブルエアコンの場合だと、消費電力が大きくデカいポタ電が必要だし、ぶっとい排気&吸気パイプを車窓から出すタイプが多く、その隙間を埋めるように設置するのもひと苦労です。
対して、「ひんやり水流快眠マット2」は小さいモバイルバッテリーで済み、排気や吸気パイプも不要。車窓用メッシュカバーなどで風通しさえ確保すれば、とにかく設置が手軽です。
価格についても、ポータブルエアコンは20万超えのアイテムが主流ですが、「ひんやり水流快眠マット2」は19,800円(税込)。およそ1/10のお値段なのも大きな魅力ですね。
自宅で使えば節電対策もバッチリ
自宅のベッドでも試してみました。外気温28℃くらいの熱帯夜でも、窓を網戸にして本体の冷風も浴びれば、テント同様に気持ちよく眠れます。
エアコンほど冷えすぎないし、朝まで稼働させても画像ぐらいは水が残ります。途中で給水する手間もなくぐっすり快眠!
1週間ほど試しましたが、筆者的にはこの夏、このまま就寝時のエアコン使用はナシでイケるのではと感じています。
そしてやはり消費電力6Wなのがポイント。毎日8時間で1カ月使っても電気代は約45円。6畳用エアコンなら約3,200円なのでその差は歴然。家庭での節電にも実に効果的と言えますね!
気になった点もいくつかある
水をこぼさないように注意が必要
大量の水を使うので、本体を横転させないよう注意が必要です。周辺が水浸しになるだけでなく、モバイルバッテリーに水がかかると火災を起こす可能性もあります。
チューブ等の配置には十分気を付けて、移動させるときは、本体底面の栓から水を抜いてからにしましょう。
マット内に水が残ってしまう
また、撤収時に本体からチューブを抜くとき、マット内の水がジャーッと排出されます。なので、絶対にテント内で外さないようにしましょう。
しかも、このチューブからの水が、ポタポタと垂れていつまでも出きらないのです。
チューブはマット側にくっついたまま外せない構造なので、使用後はマットごと防水素材のバッグに入れるなど、水漏れ防止の工夫が必要です。
動作音がそこそこ気になる…
ファンの動作音は「弱」だとかなり静かなのですが、無音ということはなく、就寝時だと気になる人もいるかもしれません。動画のように、「強」設定の場合はまあまあの音がします。
圧倒的涼しさ!寝苦しい夜と本気でオサラバしたい人は必携
家・車中・テントと1週間ほど使用しましたが、「水が体の熱を奪い続ける」ひんやり感により、実際の表面温度以上の快適さでした。エアコンの寒々しさと異なり、クセになる気持ちよさがあります。
大真面目に、エアコンが苦手な人、夏のテント泊や車中泊で寝苦しい暑さを解消したい人には、是非とも試して欲しいアイテムですね!
THANKO ひんやり水流快眠マット2
サイズ | 本体:幅160×奥行160×高さ280mm マット:幅700×長さ1600mm ファンサイズ:約幅120×奥行25×高さ120mm チューブ長:約1m USBケーブル長:約1.4m |
---|---|
重量 | 本体:約850g マット:約1,250g |
タンク容量 | 2L |
使用可能水温 | ~40℃まで |
風量調節 | 3段階(弱・中・強) |
材質 | 本体:ABS マット:PVC |
セット内容 | 本体、マット、水循環用チューブ、 USBケーブル、リモコン(電池別売)、水循環用フィルター、水循環用フィルター用チューブ、冷風扇アタッチメント、 タイマースイッチ、日本語取扱説明書 |