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キャンプバイアスがかかっても、安い肉はやっぱり硬い(涙
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キャンプで定番ながら大きな楽しみといえばステーキ。特別感を演出する意味でも、分厚いステーキは最高のキャンプ飯ですよね。
ただ、いくら屋外で食うステーキが格別の美味さとはいえ、やっぱり安い肉は正直硬い……。
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この改善策は言うまでもなく良い肉を選ぶこと。ですが当然、良い肉は値段が高い!
筆者はしょっちゅうソロキャンプに行きますが、毎度、高級な霜降り和牛を買う訳にもいきません。結局、庶民派キャンパーは硬い肉でアゴを酷使するしかないんでしょうか……。
硬い肉をやわらかくする方法も、あるにはある…。
いやいや、あきらめるのはまだ早い。何とか「安かろう=硬かろう」な肉を少しでもやわらかくすべく、筆者もこれまでいろいろな方法を試してきました。
ミートソフターで叩く
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まずは、古くからある手法として、ミートソフターで「肉を叩く」、というのをやってみました。ですが、繊維を破壊するという工程上、どうしても肉がどんどん薄くなるのが欠点。
料理の種類にもよるのでしょうけど、ステーキの場合、厚みも美味しさのうち。ペラペラのステーキはいくら柔らかくても味気なく感じてしまいます。
パイナップル酵素でやわらかく
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カットした生パイナップルに漬け込み、酵素の力で肉をやわらかくする方法も試しました。これは、確かにかなりやわらかくなります!
ですが時間がかかるのと、どうしてもパイン味が強いのが難点。また、キャンプ場では残ったパインの処理も面倒です。重要なのは酵素。なんとか酵素だけを使えたら最高なんですが……。
たった5分でお肉がやわらか?魔法の粉を発見!
味の素「お肉やわらかの素」とは
というわけで、常日頃からリサーチに励んでいた筆者ですが、最近遂に、その努力が報われることに……?! なんとこんな調味料を発見。
その名も、味の素「お肉やわらかの素」。ズバリ、粉末の酵素です。狙った効果がこれで出せれば……、キャンプ飯に革命が起きそう?!
中身を出してみると、パッと見は完全に小麦粉。そして、ほのかにスパイシーな香りも。塩胡椒が含まれており、つまりは下味付けも同時に済むワケです。
使い方は、肉100gに対し小さじ1の割合でまぶし、5分置くだけ。簡単すぎて、なんだか疑心暗鬼になりそうな……。
酵素&でんぷんがWで働く
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「お肉やわらかの素」は、トウモロコシなどの原料を発酵させた酵素で作られています。なので、パイナップルの酵素同様、タンパク質を分解してお肉をやわらかくしてくれるワケです。
しかも、成分に含まれる細かいでんぷんが繊維の間に入り込み、肉汁を逃さずキャッチ。Wの働きで、硬い肉がたったの5分でやわらかくてジューシーに仕上がるそうなんです。
鶏・豚・牛に対応&メリットたくさん
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さらにうれしいのが、牛豚鶏、すべての肉類に対応している点。パサつきやすい鶏むね肉はしっとりと、ひき肉、あるいは唐揚げやトンカツといった揚げ物にも効果的なんだそう。
冷凍前にまぶしておけば、解凍後はそのまま調理できるし、調理後に冷めてしまった料理もやわらかいまま、というメリットもあるようです。
早速、半額でGETした安いお肉に試してみた……!
検証1|硬ッ!肩ロースのステーキ肉
早速、スーパーで半額の500円で買ってきた、硬い硬〜いオーストラリア産肩ロース肉に使用してみます。普通に食べたらアゴが破壊されるレベルの肉塊ですな……。
まずは「お肉やわらかの素」を量り、適量を全面にまぶします。粉はすぐに溶けて肉に馴染んでいきますね。
ジップロックの中で揉むようにまぶすのも簡単でオススメ。このままで丸2日は保管できるそうなので、ジップロップのままキャンプ場に持って行けば、洗いものやゴミも減っていいですね。
肉は必ず常温に戻しておきます。煙が出るほどアツアツに熱したスキレットで、両面を焼いていきます。
断面で火の通りを確認しつつ「ミディアムレア」を目指しますが、難しい場合は何度かひっくり返してもOK。
両面焼いたらいったん肉を休ませ、余熱で中心部まで火を通します。アルミホイルでくるんで15分ほど放置。
肉を休ませる間、付け合わせのコーンを焼きます。コーンは焦げ付きにくいので、付け合わせには最高です。
休ませた肉を焼き直す前に、包丁やハサミで一口サイズにカットしておきます。残念ながら、さすがにスジは硬いままなので、このときに余計なスジも切り取ってしまいます。
好みの焼き加減まで再度焼き直し、仕上げにバターとすりおろしニンニクを乗せたら完成です!
結論1|おお、まるでステーキハウスの味!
完成したカットステーキがこちら。さっそく食べてみると……おお、柔らかい。高級肉とはまた違う柔らかさですが、しっとり感を感じます。アゴへの負担はまるでありませんね。
それでいて肩ロース肉特有の食べ応えも残っていて、いくらでも食べられそうです。たった5分で半額500円の肩ロース肉がこんな絶品になるとは……!
検証2|パサパサ代表選手の鶏胸肉では?
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ヘルシーな反面、そのまま加熱するとどうしてもパサパサになってしまう代表格と言えば……、そう、鶏胸肉です。
AJINOMOTO公式ページでは、かなりこの鶏胸肉推しだったので、半信半疑ながらもトライすることに。確かにこれがしっとり仕上がったら怖いものナシですが……。
調理法はほぼ牛ステーキと同じ。ジップロックで「お肉やわらかの素」をもみ込んで焼くだけ。けれど鶏肉ですからね、中までしっかり焼いていきます。
が、そもそも鶏胸肉ってステーキになんかしませんよね。食えるかなあ……、とこの時点では不安しかありません。
結論2|なんだこりゃ、超上質なしっとり感!
でき上がった鶏むね肉ステーキがこちら。味付けは黒瀬スパイスのみです。一口食べてみると……んんん??? 手間ひまかけて低温調理したサラダチキン並みにしっとり!
すごい。焼いただけなのに。さっぱりとした味わいと適度な歯ごたえで、これはクセになりますね。「お肉やわらかの素」凄すぎるんですが!
他にもこんなメニューにおすすめ!
ジューシーすぎ!鶏モモ肉でプロ級唐揚げ
「お肉やわらかの素」のあまりのスゴさにハマった筆者は、他にもいろいろなメニューにトライ。まずは、鶏モモ肉の唐揚げです。
これまで、肉を水に漬けたりサイダーを使ったりと苦労していたのですが、「お肉やわらかの素」だけで下味もついて完璧。衣のサクサク感とのギャップがこれはもう専門店の味です!
茹でると鶏むね肉がさらにしっとり柔らか
そして鶏むね肉は、粉を洗い流してから茹でると、最上級のしっとり加減に!
市販のタレと合わせて作るよだれ鶏も美味しいですし、自家製サラダチキンを作れば飽きの来ないダイエットができるかも。
ひき肉もOK!ハンバーグもフワフワに
ひき肉にも効果あり。「お肉やわらかの素」をよく混ぜてハンバーグを作ってみました。中までフワフワの食感で、子供の箸が止まらないのには驚きました!
とにかく全ての肉料理が、簡単にレベルアップしてしまう「お肉やわらかの素」。恐ろしい子……!
気になったのはこんなところ
部位や焼き方次第ではイマイチに…
何度かステーキを焼いて、ほとんど成功したのですが、「A.常温に戻す工程が不十分だったとき」と「B.牛モモ肉を使用したとき」だけ、イマイチな仕上がりに。
Aのケースは火がしっかり通ってもなんだか食感が悪く、Bのケースは少しパサついた食感になりました。なので、焼き方や使う部位との相性などは多少あるのかもしれません。
「常温に戻した肩ロース」で「お肉やわらかの素」を使えば、美味しくなるのは間違いありません。
ステーキは値段じゃない、工夫次第でもっと美味しくなる!
「ステーキなんて肉を焼くだけでしょ」という感覚は、恥ずかしながら筆者も長く持っていましたが、結果的に、その短絡的な視点が「高い肉を買うしかない!」という思考を呼ぶという悪循環に陥っていたようです。いやはや。
ステーキで重要なのは調理方法! そのために「お肉やわらかの素」」は心強い味方になってくれます。騙されたと思って、是非1回試してみてください。もう高い肉、いらなくなっちゃいますよ!