アウトドアマン・写風人さんが送る“南信州の森暮らし”
長野県・駒ヶ根市に居を構える写風人さん。アウトドアと密接な日々の暮らしを綴ります。
1955年生まれ。GRIP SWANYオフィシャルカメラマン。FIRESIDE薪ストーブエッセイ著作家。2019年より南信州に移住し、薪ストーブを中心とした火のある生活を愉しんでいる。Instagramのアカウントは@syahoo_jin
今秋コッパーシリーズに新たなサイズのケトルがラインナップされました
FIRESIDE(ファイヤーサイド)の「グランマーコッパーケトル」は発売から15年が経過した超人気ギア。そんなコッパーシリーズに、今秋、新たなサイズのケトルがラインナップされました。
それが上の画像(左)の「エニーケトル」。
キャンプサイトでも家庭でも、いつでも(anytime)そばに置いていたい、という想いから名前が付けられました。適正容量1リットルと最も身近な存在のケトルです。
フィールドやキッチンなど、あらゆる湯沸かしシーンを想定しながらデザインを構築し、新潟県長岡市・燕市の熟練職人が一つ一つ丹念に気の遠くなるような工程で仕上げています。
今回イメージカットの撮影を兼ね、様々なシーンで使い心地を試してみました。サイズ感や熱源の違い、お湯の注ぎ具合などユーザー目線で製品レビューしてみたいと思います。
「エニーケトル」の特徴は?いろいろ試してみた
まず箱から取り出すと、驚くほどピッカピカのケトルが飛び出します。素手で触れるには躊躇するほど美しい光沢感です。
薪ストーブの上に、歴代ケトルやポットと共に並べてみました。
一見グランマに似ているようですが、随所に新しいデザインを取り入れ、全く新しいフォルムとして誕生しました。
他社ケトルとサイズ比較すると
他社と比較してのサイズ感ですが、左がトランギア0.9L。右がユニフレーム・キャンプケトル1.6L。
エニーケトルの場合は満水容量が1.8Lで、適正容量は1.0Lです(容量表示は満水状態なのか適正水量なのかもよくご確認ください)。
もちろん色んな熱源で使えます
次に熱源についてですが、我が家の場合薪ストーブを焚いている時期が長いので、ほとんどがストーブトップでの使用です。
エニーケトルは縦長の形状に加え注ぎ口に蓋が付いているので、スチーマーほど蒸発が早くなく、水の入れ替えは少なくて済みます。
ガスコンロの強火よりも、炭火のようにじっくり熱が伝わる熱源の方が本体には優しくていいかもしれません。
長火鉢では普段鉄瓶を使っていますが、和風の雰囲気にも似合いますね。
薪ストーブを焚くほどでもない時期には、灯油ストーブを使います。本来ストーブの上にはケトルなど置いてはいけない機種もあるようですが、キャンプなどでもつい置いてしまいますよね。
サイズ的にはグランマよりも小さいので頭でっかちにならず安心感はあります。
底径は138mm、キャンプ用ガスバーナーにも乗せやすいサイズで、ソロキャンプにも丁度いいサイズだと思います。使用しているバーナーはSOTOのST-310。
もちろん焚き火でもオーケー。新品のピカピカを焚き火に掛けるのはそれなりの覚悟がいりますが、煤で真っ黒になった本体を丁寧に磨きながらエイジングするのも使い込んだ感があり味が出ます。
一度の沸騰でマグカップ4〜5杯分
画像左のグランマーコッパーケトル(小)の適正容量が2.3L。右側のエニーケトルが1.0Lですので、マグカップ4〜5杯分のお湯は沸かせますが、食事や洗い物などにお湯を使うとなればやや容量不足。ふんだんにお湯を使うファミリーキャンプならグランマの方が重宝するかもしれません。
小型だから、より繊細にコントロールできる
エニーケトルの注ぎ具合をみてみましょう。コーヒーを淹れる際、ドリップポットのようにポタポタお湯を落とすことも細くゆっくり注ぐこともコントロールしやすいです。
またカップ麺に素早く注ぎたいときも、勢いのあるお湯の流れがとてもスムーズです。
吊り下げしやすいハンドル
ハンドルは木部をなくし、S字フックなどが掛けやすくなっています。吊り下げスタイルを好むキャンパーには嬉しい形状です。
両手使いから片手使いに
グランマーコッパーケトルは両手使いでしたが、エニーケトルは片手で持ちやすくなりました。真鍮製の持ち手は二重構造になっており、放熱性も工夫されているようです。
ファイヤーサイド グランマーコッパーケトル(大)
サイズ | 【本体+蓋】W210×D253×H280mm 【ハンドルを立てた状態】H350mm、底径210mm |
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満水容量 | 5.2L |
適正容量 | 3.4L(注ぎ口の下端まで) |
重量 | 1500g |
材質 | 【本体】銅(内側スズメッキ)、真鍮 【ハンドル】ステンレス、木(ブナ) |
ファイヤーサイド グランマーコッパーケトル(小)
サイズ | 【本体+蓋】W180×D222×H240mm 【ハンドルを立てた状態】H310mm 【底径】180mm |
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満水容量 | 3.3L |
適正容量 | 2.3L(注ぎ口の下端まで) |
重量 | 1100g |
材質 | 【本体】銅(内側スズメッキ)、真鍮 【ハンドル】ステンレス、木(ブナ) |
ファイヤーサイド 1.8L エニーケトル
サイズ | 【本体+蓋】W138×D185×H210mm 【ハンドルを立てた状態】H310mm 【底径】138mm |
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満水容量 | 1.8L |
適正容量 | 1.0L |
重量 | 660g |
材質 | 【本体】銅(内側ニッケルメッキ)、真鍮 【蓋】銅(内側ニッケルメッキ)、木(ケヤキ) 【ハンドル】ステンレス |
熱伝導の良さを検証してみた
本体の素材は純度99.99……%の銅。熱伝導に優れているのが最大の特徴。どれほど熱伝導がいいのか、同じような形のケトルと比べてみました。
熱源は家庭用ガスコンロで初期設定の中火。水は1リットル。温度計が100℃までしかなかったので、90℃時点での時間を測りました。
ステンレス製のキャンプケトルは7分30秒台。
エニーケトルは6分30秒台でした。蓄熱製に関してはステンレスに分がありますが、ケトルで保温することはないと考えれば早く沸騰した方が経済的でいいですね。
長く付き合っていくためのお手入れ方法
最後にお手入れですが、使い終わった本体はこまめに乾拭きがお薦めです。
またケトル全般に言えることですが、沸騰したら使い切って乾かす。これが基本です。
足し水をしながら一日中ストーブなどに掛けておくと水垢が付きやすくなりますのでご注意ください。
エニーケトルは蓋の直径が大きいので、手が入りやすく内側まで手入れしやすくなっています。ただ金だわしなどは傷が付きやすくメッキが剥がれることもあるので、柔らかいスポンジなどで軽く洗うようにしましょう。
ケアと言えば、最近起きてすぐに白湯を飲むようにしています。「もう高齢なんだから、朝からコーヒー飲んでないで白湯を飲みなさい。」と言われたことがきっかけです。
白湯は健康にも美容的にも効果があるようで、今年の冬はエニーケトルで湯沸かしを楽しみながら白湯ライフを送りたいと思います。
ファイヤーサイド公式オンラインストアにて12月1日から発売。詳細はこちら