最強の保冷剤はどれ!? 実験してみた
キャンプなどアウトドアで食材やドリンクを冷やす保冷剤。夏はもちろん一年中欠かせないアイテムですが、いろいろあるだけにどれが最強なのかが気になるところ。
価格や重さ、成分による違いはあるのか……? ということで今回は8つの保冷剤を用意。実験でその実力を検証してみました!
各実験結果をすぐ確認したい方はこちら
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商品名 |
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定価 | ¥980 | ¥1,360 (アマゾン) | ¥1,080 | ¥310 | ¥1,235 (アマゾン) | ¥1,320 | ¥792 | ¥110 |
サイズ | 19.5×13.7×2.8cm | 19.7×13.7x 3cm | 19.6×13.8×2.6cm | 約18×約15×約2.8cm | 19.5 x 13.8 x 3.1 cm | 19.5×12×厚さ3cm | 19×16.5×2.5cm | 18.8×13.8×2.4cm |
重量 | 600g | 560g | 600g | 500g | 550g | 500g | 450g | 500g |
主成分 | 植物性天然高分子 | 食品添加物 | 植物性天然高分子 | 水 吸水性樹脂 防腐剤 | 水 増粘材 | 天然系高分子(植物系) | シリカ、塩化ナトリウム | 高吸水性樹脂 |
キャッチコピー | -16℃の表面温度を長時間持続! | -5℃が24時間 | 約半分の時間で凍結完了! | – | 氷も溶けない氷点下の世界を実現!! | 時短凍結 | -7.8℃を長時間キープ | 約5時間の保冷能力 |
保冷力 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
保冷持続時間 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
凍結時間 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
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基本をおさらい!保冷剤の選び方が知りたい方はこちら
8つの保冷剤を実際に使ってスペックを検証!
今回は定番人気や気になる保冷剤(500~600g前後で統一)を実際に使って、下記のポイントで比較。
クーラーボックスの性能に左右されないよう発泡スチロールに入れ、同じ気温・時間帯で一度に検証を行いました。
① 保冷力
凍ったペットボトル・冷えたビール・アイスが、8時間後(キャンプのコアタイムとして設定)に何℃になったかを計測。開始時と最も差がないものが、一番保冷力が高いとします。
② 保冷持続時間
保冷剤自体の冷たさがいつまで続くかを検証。8時間の検証時間中1時間ごとに庫内の温度を計測し、最も低い温度をキープできたものが保冷持続時間が長いとします。
③ 凍結時間
完全に溶けている状態から、冷凍庫で完全に凍るまでの時間を計測。一番早く凍った物が凍結時間が早いとします。
日中37℃の猛暑日に実験スタート!
検証日の最高気温は天気予報で33℃でしたが、実際はそれを上回る猛暑日! 真夏さながらの暑さの中で各保冷剤はどのくらいの効果を発揮できるのか、さっそく見ていきましょう。
ロゴス 氷点下パックGT−16℃ハード
保冷力は5時間後まで優秀!しかし……
キャンプ用保冷剤の定番ロゴスは、アイスはうっすらと氷が残った状態ながら凍ったペットボトルは半分ほど氷があり、しっかりとした保冷力を発揮している印象。ビールを手にすると、ヒヤッと感じるほど冷えた状態をキープしていました。
▼8時間後の表面温度
アイス | 12.6℃ |
ペットボトル | 6.9℃ |
ビール | 23.8℃ |
8時間後の庫内温度は21.5℃
検証開始直後から5時間後の計測までは、約19℃と今回の保冷剤の中でもトップレベルの低温状態をキープ! しかし6時間頃から徐々に上がり、結果他の保冷剤と同じくらいの温度となっていました。
凍結時間は48時間
温度を下げる能力が高い分、完全に凍結するまでにかかった時間は丸二日。キャンプ予定日から逆算して、早めに冷凍庫に入れたほうが良さそうです。
総合評価
保冷力・保冷持続時間と言った保冷剤本来の目的である“冷やす能力”が高いので、食材や飲み物を長く冷やしておきたいという方におすすめ。凍結に時間がかかることを除いては、バランスの良い保冷剤といった印象でした。
ネオアイス フロスト保冷剤
ビールの温度は全保冷剤中一番冷たかった!
アイスは完全に溶け切っていてペットボトルの氷は少しだけ残っている状態ですが、ビールの表面温度は全保冷剤中1番低い20℃でした。
▼8時間後の表面温度
アイス | 14.6℃ |
ペットボトル | 7.4℃ |
ビール | 20℃ |
8時間後の庫内温度は20.9℃
保冷持続時間はというと、検証開始から終了時まで庫内温度にはほとんど変化がなく、8時間しっかり庫内温度を冷やし続けてくれました。
凍結時間は10時間!
10時間と半日もかからずに完全に凍結。これならキャンプ前日の夜までに冷凍庫に入れて置けば、しっかり凍結した状態でキャンプに持っていくことができそうです。
総合評価
保冷力も高めで時間が経っても庫内の温度が下がりにくい、かつ凍結時間が10時間で済むことから短時間のキャンプで飲み物を冷やす程度なら十分活躍してくれそう。他の保冷剤よりも少し高めということで、価格の評価はやや下がりました。
ロゴス 倍速凍結 氷点下パックM
氷系は溶け、ビールはうっすら冷たい
こちらもアイスは完全に溶け切っており、ペットボトルの氷は少しだけ残っている状態。ビールの表面温度も23.6℃と触ったときの冷たさは感じるものの、他の保冷材に比べて少し高めとなりました。
▼8時間後の表面温度
アイス | 17.1℃ |
ペットボトル | 9.9℃ |
ビール | 23.6℃ |
8時間後の庫内温度は21.4℃
庫内温度は検証開始時から終了時までほとんど変化なし。安定した保冷状態をキープしていました。
凍結時間
凍結までにかかった時間は24時間。トップバッターのハードタイプも同様ですが、ロゴスの保冷剤は低温状態をキープするため材料に天然高分子が使われているので、凍結にも時間がかかる模様。完全に凍結できるよう、前もって準備しておくと良さそうです。
総合評価
保冷持続時間はしっかりキープしてくれたものの、全体的な能力は平均的な印象。価格が比較的安めなのと厚さが他の保冷材に比べるとやや薄いので、クーラーボックスや冷凍庫で嵩張らない点も評価したいポイントでした。
▼ロゴスの保冷剤について、詳しくはこちら!
アイリスオーヤマ 保冷剤ハードM
ペットボトルは半分凍ったまま!
アイスは完全に溶け切ってしまった状態でしたが、凍ったペットボトルは半分ほど氷が! ビールの表面温度は21.9℃としっかり冷やされていて、高い保冷力が発揮されました。
▼8時間後の表面温度
アイス | 14.1℃ |
ペットボトル | 8.9℃ |
ビール | 21.9℃ |
8時間後の庫内温度は20.5℃
こちらも開始時22.1℃から終了時20.5℃と、8時間しっかり庫内温度をキープ。ここまでで一番トータルバランスの良い保冷剤という印象です。
凍結時間
凍結時間に必要な時間は11時間と、半日もかからず完全に凍結。保冷力・持続時間に加えて使い勝手の良さも高ポイントです!
総合評価
今回キャンプのコアタイムをもとに8時間と設定した検証時間においては、保冷持続時間で優れた結果に。凍結時間が約半日ながら保冷力もまずまず、価格・サイズ感も高評価です!
INOACコーポレーション 氷太クン
アイスの氷が……残っていた!
今回検証を行った8つの保冷剤の中で1番アイスの氷が残った状態。ペットボトルの氷も半分ほど残っており、ビールを手にするとかなり冷たさが感じられるほど冷えたままでした。
▼8時間後の表面温度
アイス | 9℃ |
ペットボトル | 9.6℃ |
ビール | 22.5℃ |
8時間後の庫内温度は22.0℃
終了時は22℃で、これは開始時とまったく同じ! 一定時間低温をキープできたものの最終的には温度が上がってしまう保冷剤もあった中、これは温度自体はそこまで下がらないものの持続時間が長く、結果高い保冷力が発揮されたようです。
凍結時間は48時間
購入元では24時間と記載があったものの実際は24時間では凍結しきらず、完全凍結にかかったのは48時間。これはちょっと予想外でした。
総合評価
凍結に予想以上に時間はかかりましたが、保冷力は抜群! 8時間後に発泡スチロール内の物を手に取ったときの冷たさは断トツでした。ただ価格が少し高めなので、高くても保冷力を重視したい方におすすめです。
キャプテンスタッグ 時短凍結スーパーコールドパック S
ペットボトルは氷がやや残り、ビールはひんやり
アイスは完全に溶け切り、ペットボトルの氷もほとんど溶けて少しだけ残っている状態。ビールは手にするとしっかり冷たさを感じられ、表面温度は23.7℃でした。
▼8時間後の表面温度
アイス | 14.6℃ |
ペットボトル | 8.9℃ |
ビール | 23.7℃ |
8時間後の庫内温度は22.1℃
検証開始時からしっかり庫内温度を下げ、19℃台まで到達。結果これは「ロゴス 氷点下パックGT−16℃ハード」とツートップで並ぶ低さだったものの、8時間後には22.1℃とやや上がってしまいました。
凍結時間は24時間
凍結時間は“時短凍結”とは言え、少し長めの24時間。キャプテンスタッグにも天然高分子が使われているため、やはり時間はかかるようです。
総合評価
検証開始直後の保冷力が高く庫内をしっかり冷やしてくれたのですが、保冷時間が続かなかったのが惜しい点。短時間でも鮮度を保ちたい食材をしっかり冷やす場合に向いているのと、他の保冷材に比べて少し細長い形をしているので、食材と食材の間に忍ばせるなど複数使いがしやすそうです。
クーラーショックS
アイスもペットボトルも全溶け
一定温度を長時間キープする血液輸送の技術を応用して作られたというクーラーショック。シリカ・塩化ナトリウムが入った特殊な3層構造のパウチに水を入れて凍らせる保冷剤で、今回検証した他の保冷剤とはちょっと毛色が違います。
結果はというと、アイスは完全に溶け切った状態で凍ったペットボトルも氷の残りはまったく無し。ビールの表面温度も24.9℃と、他の保冷材に比べて高めでした。
▼8時間後の表面温度
アイス | 16.4℃ |
ペットボトル | 9.6℃ |
ビール | 24.9℃ |
8時間後の庫内温度は、25.0℃
庫内温度は8時間キープすることはできず。開始時24.2℃と下がらないせいもあり、終了時も25℃と最終的に庫内温度が高いという結果になりました。
凍結時間は6時間
凍結時間は6時間と、今回の検証に使った8つの保冷剤の中で最速! 1番早い時間で完全凍結となりました。
総合評価
保冷能力はやや低めという結果にはなりましたが、凍結時間が短いというメリットを活かしつつちょっとしたものを短時間だけ冷やしたいというときに活躍しそう。
スリムで場所を取らないので、常備するにも冷蔵庫を圧迫しにくいのも良いですね。底に敷いて冷やすというよりは、食材の間に縦に差し込んで集中的に保冷する使い方が効果的かもしれません。
▼クーラーショックについて、詳しくはこちら!
ダイソー 保冷剤ハードタイプ M
氷は形もなく、ビールもほぼ常温
アイスが完全に溶け切った状態で、凍ったペットボトルも氷の残りは無く完全に溶け切っていました。ビールの表面温度も23.1℃と、常温と変わらないのでは? という感覚でした。
▼8時間後の表面温度
アイス | 15.9℃ |
ペットボトル | 14.8℃ |
ビール | 23.1℃ |
8時間後の庫内温度は、24.2℃
検証開始から3時間経過までは庫内温度をしっかり冷やしてくれていたのですが、4時間経過したあたりから温度が上がり8時間後にはプラス2.2℃となっていました。
凍結時間は11時間
凍結時間の表記は6時間となっていたのですが実際に凍結にかかった時間は11時間。検証確認のために1時間おきに扉を開けていたのも影響しているのかもしれません……。
総合評価
100円ショップの保冷材の性能がどれほどのものか楽しみだったのですが、持続性は少し厳しい結果となりました。しかし何といっても110円というお値段にして3時間はしっかり保冷性能を見せてくれたので、ある意味コストパフォーマンスは悪くないかも? ピクニックやデイキャンプなどお昼~夕方までの短時間のアウトドアシーンで活躍しそうです。
保冷力・持続時間・凍結時間……各No.1は?
8つ同じ条件で検証して各保冷剤の特徴がわかったところで、保冷力・持続時間・凍結時間において最終的にNo.1となったのは? 結果をまとめていきます!
各部門のNo.1保冷剤を発表!
保冷力No.1は「INOACコーポレーション 氷太クン」
保冷剤と一緒に入れた物の表面温度が検証開始時と一番差が無かったのは「INOACコーポレーション 氷太クン」。
かわいいネーミングに惹かれてノミネートしてみたのですが、蓋を開けてみれば期待を上回る実力派! アイスや凍ったペットボトルの氷の残っている量が断トツで多く、高い保冷力を実感しました。
No.2は「ロゴス 氷点下パックGTー16℃ハード」 No.3は「キャプテンスタッグ」
庫内温度が19℃まで下がったロゴスのハードタイプとキャプテンスタッグも優秀でした。ちなみに今回の検証で保冷力が高かった保冷剤の共通点としては、材料の粘性が高く凍結時間が長いということ。
ロゴスの2つやキャプテンスタッグ・氷太クンなどはそれにあたり、差はあれど保冷力の高さがうかがえました。
保冷持続時間No.1は「アイリスオーヤマ 保冷剤ハードM」
保冷持続時間No.1は、開始時22.1℃から終了時は20.5℃と8時間しっかり低い温度をキープできたという点で「アイリスオーヤマ 保冷剤ハードM」という結果に。家具や家電に生活雑貨などあらゆる分野でコスパの良い商品を世に繰り出しているアイリスオーヤマ、流石のコストパフォーマンスの高さを見せてくれました!
しかし、保冷持続時間自体は大差なしという結果に
今回8時間と決めての検証だったため、保冷力の高かった4商品で比べてもその時間内では持続時間にそこまで大きな差は見られなかったのが実際のところ。キャンプなら移動時間も関わってくるので、検証時間を長くした場合はまた違った結果が出てくるかもしれません。
持続時間が変わらないとなると「始めにどこまで温度を下げられるか」が低温状態を保つカギになるので、保冷力の高い物を選んでおくに越したことはなさそうです。
凍結の速さNo.1は「クーラーショックS」
時短凍結No.1は、たった6時間で凍るクーラーショックが圧倒的でした。 保冷力自体は今回の検証ではイマイチでしたが、そもそも他の保冷剤とは別物なので結果だけでは測れないというのが正直なところ。
発泡スチロールの大きさから8つの保冷剤すべてサイズを統一したためSでの検証となりましたが、M・Lもラインナップされています。断熱効果のあるクーラーボックスで容量に合わせたサイズを複数個入れるなど、適切な使い方をすれば保冷効果が期待できそうです。
No.2は「ネオアイス フロスト保冷剤」 No.3は「ダイソー」
続く2位と3位は、10時間のネオアイスと11時間のダイソー。氷太クンやロゴスのハードタイプより保冷力は落ちるもののクーラーショックよりは高く、複数使いで工夫すれば保冷効果は得られそうです。
総合No.1は……「アイリスオーヤマ」!
保冷力の高さと凍結時間の長さは比例している傾向があったのですが、アイリスオーヤマは保冷力も高く凍結時間も短め。それでありながら価格もリーズナブルでサイズもコンパクトと、今回検証した中では一番トータルバランスの良い保冷剤という結果になりました!
忘れちゃいけない!クーラーボックスも重要です
保冷剤の力を十二分に発揮するには、性能の良いクーラーボックスを合わせて使うことも必要条件。数日間の保冷力を持つハードタイプはもちろん、最近はソフトタイプでも高機能な物が増えていますね。
メーカーによっては自社のクーラーボックスにジャストフィットする保冷剤があるので、セットで快適に使いたい人はラインナップをチェックしておくと良いですよ。
▼おすすめのクーラーボックスは、こちら!
保冷剤もこだわって選ぼう!
一見どれも同じような保冷剤ですが実際使ってみると保冷力や持続・凍結時間において微妙に差があり、結果からやはり効果とは価格はそれなりに連動しているように感じました。
暑さとの戦いになる夏のアウトドアでは、食材や飲み物をしっかり冷やしておくことが成功のカギ! 何でもいいや~ではなく、保冷剤とクーラーボックスにもしっかりこだわって選びたいですね。