ペグ&ロープに引っかかる問題
テントやタープの周囲には、ほぼ必ずロープとペグが設置されます。そしてほぼ必ず、夜間につまずいたり引っかかったりする人が出ます。
子供や初心者キャンパーはもちろんのこと、ベテランキャンパーでもうっかり引っかかってしまうんですよね。
これからキャンプはハイシーズンを迎え、混雑するフリーサイトではロープが折り重なるように密集している場合も……。
日中はまだしも、ロープもペグもよく見えない夜は、危なくて仕方ありません。
おっと、真っ昼間から1人のキャンパーがすっ転びました! ……とまあ小芝居はともかく、今回は「夜にペグ&ロープに足が引っかかる問題」を解決するべく、7つの対策をご紹介します。夜間の怪我を予防しましょう!
転倒を防止する7つの対策
7つの道具を集めてみました。これらひとつひとつを実際に使ってみて、視認性や設営の手間を確認していきます。
1. ロープにライトをつける
こちらはロゴスの「ロープライト」。ロープにしっかりと取り付けることができます。ペグ近くに設置することで、つまづき防止に役立ちそう。
価格は4個入りで1,760円(Amazon)、別売りのCR2032電池が必要です。
ロゴス ロープライト
2. 金具を蓄光式に
蓄光式の自在金具が売られています。こちらは10個入りで640円(Amazon)。自前でロープを用意する必要はありますが、非常にリーズナブルですね。
たとえ効果が薄くても、自在金具を必要としている場合は、買って損はなさそう。
蓄光自在金具 Sサイズ
3. ロープ自体を蓄光式に
強靭なペグでおなじみのブランド・エリッゼが蓄光式ロープをリリースしています。
蓄光するだけでなく、反射糸が練り込まれているので、ちょっとでも光を浴びると大げさに光るのだとか。20mで2,750円(Amazon)。
エリッゼ 蓄光+反射ガイロープ
4. ロープをネオンで飾る
有機ELのワイヤーネオンを、ロープに沿わせてみましょう。本体の裏側にクリップがあり、ロープに引っ掛けることができます。
ワイヤーネオンは長さ190cm弱、径2.3mmで柔軟性があり、先端はペグに巻きつけて固定できました。価格は890円(Amazon)。単3電池を2本使用。
Senhui 有機ELワイヤーネオン 電池式 5m
5. 蓄光式のペグリングを使う
蓄光式のシリコンリングが売られていました。写真のようにペグに装着することで、暗闇でもペグの位置を知らせてくれるそうです。
20個セットで449円(Amazon)とかなりリーズナブル。贅沢に2個使いで検証してみましょう。
蓄光 ペグリング 20個セット
6. ペグ自体を光らせる
UCO(ユーコ)の「ステイクライト RGB」、LEDライトを搭載しています。UCO製だけあってペグとしての信頼性も高く、打ち込みやすいペグでした。
価格は2本セットで3000円弱といったところ。単4電池を1本使用します。
ユーコ ステイクライト
7. LEDランタンをペグの周りに置く
つまづき防止製品でも何でもない、手持ちのLEDランタンをペグ周りに配置するという、シンプルな方法も試してみます。
写真は電池の必要がない「ソーラーパフ」。日中から配置しておけば、勝手に充電してくれて助かります。
キャリーザサン ソーラーパフ スモール
夜がやってきました……
とっぷりと日が暮れました。さて日中に設置した7つの道具は、どのように仕事をしてくれているのでしょうか……?
「夜の視認性」と「設営の手間」「コスパ」の3項目で、それぞれのアイテムを評価していきますよ!
1. ロープにライトをつけた結果
視認性はバッチリ! 点灯だけでなく点滅もこなせるので、非常に目立つペグ周りになります。点滅モードは「周囲のキャンパーには迷惑かも!?」というレベル。
設営の手間も、初回の電池装填以外はどうってことありませんが、他のアイテムがロープや金具やペグそのものなので、どうしても劣ります。コスパも優秀かと。
夜の視認性:★★★★☆
設営の手間:★★☆☆☆
コスパ:★★★★☆
2. 金具を蓄光式にした結果
暗闇でぼんやりと光ってくれました。しかし蓄光式は、時間が経つと光が弱っていくんですよね。
設営の手間は、一度用意してしまえば満点です。しかしロープを用意して取り付ける初回の手間は大きいかと。1個あたり64円という価格なので、コスパは高ポイント。自在金具として使えますし。
夜の視認性:★★☆☆☆
設営の手間:★★★☆☆
コスパ:★★★★☆
3. ロープ自体を蓄光式にした結果
蓄光性能は時間の経過とともに弱っていくんですが、反射性能が秀逸でした。ちょっとライトが当たっただけで、これでもかと存在をアピール!
設営の手間は、こちらも一度準備してしまえば満点ですね。初回だけ任意の長さにカットして、自在金具を取り付ける、もしくは自在結びを習得する必要があります。ロープとしての出来もよく、コスパは満点に。
夜の視認性:★★★☆☆
設営の手間:★★★☆☆
コスパ:★★★★★
4. ロープをネオンで飾った結果
これはもう引っかかりようがありません。今回、随一の転倒予防策となりました。ただロープを張ったりペグを打ったりという通常の設営とは、まったく別の手間が必要で、それがロゴスのロープライトほど手軽ではありません。
コスパ面では対策したいロープの数だけ揃える必要が……。イルミネーションが欲しいパパママキャンパーには別腹でオススメです。
夜の視認性:★★★★★
設営の手間:★☆☆☆☆
コスパ:★★☆☆☆
5. 蓄光式のペグリングを使った結果
面積が小さいので、どうしても蓄光効果は弱々しかった印象です。しかし夜間にキャンプ場内を歩くとき、普通はライトを持ち歩くので、暗闇に潜む黒いペグに明るい色が加わった意味はあるでしょう。
設営の手間は、初回だけ面倒ですが以降は手間いらず。1個あたり22.45円の価格に見合った性能で、コスパはごく普通に感じられました。
夜の視認性:★☆☆☆☆
設営の手間:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆
6. ペグ自体を光らせた結果
視認性はロゴスのロープライトと同程度。つまづき防止策としては上々で、しかもペグとしても使いやすく、かつカッコいいアイテムでした。
設営の手間は、電池装填を除けば光らないペグを使うのと何ら変わりません。仮に4本のペグを当製品にしようとすると6000円ほどの出費となり、また継続的に電池も必要なのでコスパは低めです。
夜の視認性:★★★★☆
設営の手間:★★★★☆
コスパ:★★☆☆☆
7. LEDランタンをペグの周りに置いた結果
視認性は、当たり前ですが他の電池使用系と同じくらいでした。設営の手間は……といっても対策したいペグに置いて歩くだけなので、手間として認識することはなかったです。
ウィークポイントは「風でどこかに飛んでいってしまう可能性が」「雨や夜露に濡れて壊れるかも」といったところ。コスパはLEDランタンの価格によります。
夜の視認性:★★★★☆
設営の手間:★★★☆☆
コスパ:――
リーズナブルな「スマイルランタン」や、よりリーズナブルなセリアのランタンを使う手もありますね。キャンプサイトを楽しく演出しつつ、つまづき対策にもなる方法です。
怪我を予防して楽しいキャンプを!
以上、7つのアイテムを実際に使ってみて思ったのは、どれか1つの方法に偏らず、複数の手段を組み合わせるのが最善だということ。ペグ周りだけを明るくしても、胴体がロープに突っ込んでしまう事案が発生します(子供だったら首が当たるかも……)。
ロープとペグ周り、両面作戦で対策していきましょう。たかがペグ、たかがロープと侮らず、安全で楽しいキャンプを!