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【自動車入門】4WDだからって雪道に安心できない!?知っておきたい駆動方式での冬道走行(2ページ目)

四駆だから間違いなし。という考えは甘い!?

車の内部構造

出典:PIXTA

オフロードヴィークルと言えば、4WDのSUVが思い浮かびますが、冬道では必ずしも万能とは言えないようで……? FF(前輪駆動)やFR(後輪駆動)も含め、駆動方式の違いによる特徴と注意点をご紹介します。

4WDは“重い”ため、カーブに注意を!

4WD

出典:PIXTA

ご存じ「4WD」は、前・後輪を駆動する方式。元々はオフロード車の専売特許でしたが、四輪にパワーを振り分ける事で高速安定性が得られるため、スポーツカーや大型セダンをはじめとする多くの車種で採用されています。

中でもSUVの4WDモデルは悪路最強の呼び声高く、冬道における走破性も確かに高いのですが、ブレーキ性能は二輪駆動車と変わりません。また、4WDシステム搭載による重量増は避けらず、大柄なSUVは車高も高くなりがち。「重い=止まらない」の法則どおり、一旦滑ったら止まりづらいので注意が必要です。冬道における事故の多くは、発進時ではなく止まりきれない事によって起こるという事を忘れないようにしたいものです。

FF車は“アンダーステア”に注意を!

雪道

出典:PIXTA

コンパクトカーやミニバンの主流となっているのが「FF(=前輪駆動)」です。エンジンやトランスミッションを車の前方にまとめられるため、室内を広くできる利点はアウトドア派ならずとも嬉しい限り。

「前から引っ張る」ために直進安定性が高く、ハンドルを切った方向へ素直に車が進む点も、冬道での安定走行に繋がっています。軽量な車重も雪道に有利ですが、加速する時や発進で前輪が浮き気味になり、荷重が抜けやすいのが欠点。

また、車の前が重くなりがちなので、スピードオーバーでコーナーに侵入すると、狙ったラインよりも大回りする運動特性があります。駆動と操舵の両方を前輪が担うFFは、「前輪がスリップしない運転」を心がけましょう。

FR車は後輪の“空転”に注意を!

雪道でのカーブ

出典:PIXTA

フロントにエンジンを装備し、後輪を駆動する「FR」。加速時に駆動輪へしっかりとエンジン出力を伝える事ができる、ハイパワーモデルの王道ともいえる駆動方式です。しかし、冬道に関して言えば、有り余るパワーは不要。

同じ二輪駆動でも、重いエンジン類が前輪の上にあるFFに比べ、車の後ろ部分が軽いFRは駆動輪である後輪が空転しやすいのです。後輪が滑った場合は、アクセルとステアリングのコントロールで姿勢を安定させなければならず、ドライバーの技量が問われる駆動方式と言えるかもしれません。

他にこんな場所にも気をつけよう!

ブラックバーン

出典:PIXTA

冬道ドライブに出かける時は、余裕のあるスケジュールを立てたいものです。気温の下がる朝方や夜間は山間部を避け、スピードはあくまで控えめに。例え日中でも、峠の日陰に残る雪やトンネルの出入り口、道路の下を風が抜けて凍りやすい橋などは要注意。中でも、凍った路面が黒く見える「ブラックバーン」は危険な凍結路です。

いずれにせよ、冬のキャンプ地にはチェーンを常備したいもの。FFは前輪、FRは後輪に巻き、4WDはモデルによって異なるので事前の確認が必要です。チェーンを正しく着けるためにも駆動方式の把握は不可欠であり、ジャッキやスコップが必要となる場合もあります。現場で慌てる事がないように、あらかじめ予行練習を行うのがおすすめです。

最新のFR車で冬道を走行してみた

FR車で果敢にもチャレンジ!

ベンツ

撮影:編集部

今回、編集部では冬道に弱いとされているFR車で雪中キャンプに挑戦しました! 選んだのは「メルセデスベンツC 220 d ステーションワゴン・アヴァンギャルド」。本当にディーゼル? と驚かされる程静かな2ℓのディーゼルターボエンジンは、194psとパワフルながら、今回のロケでリッター16kmの高燃費を記録しました。

装着したスタッドレスタイヤは、「ブリヂストン・ブリザックVRX2」。ドイツ車らしい盤石の安定感を持つC 220 dと最新スタッドレスとの組み合わせはまさに最強で、ドライな高速道路から新雪のキャンプ場、凍結した下りの峠道まで圧倒的な安定感を発揮してくれました。

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