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ナンガ寝袋 オーロラライト750DX

16本も所有している寝袋マニアに聞いた!「選び方」と「おすすめ寝具グッズ」

2016年にオープンしたナンガのコンセプトショップ「nap」。こちらスタッフで寝袋に詳しい加藤さんを取材し、寝袋に関するあれこれを伺ってきました。今まで考えていた寝袋の常識が覆るかも!?これから寝袋を購入したい人にも役に立つイチ押し情報をお届けします。

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目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

寝袋のことは専門店に聞くべし

吉祥寺のアウトドアショップ nap店内

撮影:筆者

「nap」は、2016年に創業した吉祥寺のアウトドアショップ。寝袋やウエアなど、ナンガ製品をメインに取り扱い、キャンプやフェスのメインシーズンや寒い季節になると、ダウン製品を求めて多くの人が訪れます。

そんなnapを訪問し、スタッフの加藤さんから寝袋にまつわるさまざまなことを聞いてきました! なお、お店の詳細は別の記事でご紹介していますので、あわせて読んでみてださい。

スタッフ・加藤さんにインタビュー!アウトドアの寝具についてあれこれ聞きました

16点もの寝袋を保有する加藤さん。日々の生活や出張でいつも寝袋に入って寝ているというハイレベルな寝袋マニアに、アウトドア寝具に関するいろんなことを聞いてみました。

個々に最適な寝袋を選ぶポイントは?

まずは知っておきたい「選ぶポイント」について。身長や性別など、人によって選ぶべきところが異なるのは読者のみなさんも理解していると思いますが、具体的にどこを見て選べば良いのでしょうか?

寝袋を開けている様子

撮影:筆者

まずは、購入したい寝袋の“機能面の優先順位”を考えておくことをおすすめします。保温性なのか、収納力なのか、防水面なのか。環境によって用途が異なるので、そこが決まれば概ねスムーズに寝袋を選べますよ。

実際に寝袋に入るのが一番! と言いたいところですが、他の多くのお店では体験はできませんよね。もし見て選ぶなら、「タイトすぎず、余りすぎないか」をチェックしてみてください(難しいですが)。

ナンガ FPの異なる寝袋2種類

撮影:筆者

あまりにタイトすぎると、窮屈に感じたまま寝ることになってしまうので、せっかくの睡眠が苦痛になってしまいます。反対に余裕がありすぎると、保温効率が落ちて本来のダウンの暖かさが損なわれて寒くなってしまいます。

ダウンは体に近いほど体温が素材に浸透し、保温性を高めてくれます。海外の人は、ダウンシュラフで寝るときはアンダーウエアだけで寝るそうです。そのほうがダウンの本領が発揮しやすいと知っているんですね。まずはこれらを意識するといい寝袋と出会える確率が上がりますよ!

まずは自分がどういうシチュエーションで使うのか用途を明確にして必要な機能を想定しておくこと、そして自分に合ったサイズをしっかり選ぶことが重要なようです。

「季節にあった寝袋」はどこを見れば?

次に、季節ごとで使用すべき寝袋は異なると感じている人が多いですが、具体的にどの季節でどの寝袋を使用すれば良いのでしょうか?

ナンガ寝袋の商品説明のタグ

撮影:筆者

夏の暑い日は、寝袋でなくとも極論毛布などをかければ十分だと思います。大切なのは、寒くなる秋の暮れ〜初春あたり。この時期は、ある程度保温性がある寝袋を使ったほうが良いですね。

そこまで知識がなくても簡単に理解しやすい選び方は、3桁の数字をチェックすることです。ナンガでいえば、180とか810とタグに書いてある部分のこと。この数字が高いほど羽毛に空気を多く含んでおり、その空気の断熱効果によって保温性が優れ、暖かく良質なダウンとなります。暖かく寝るならこの数字が大きいものを選びましょう。

なるほど。難しいことは考えずに、まずはFP(フィルパワー)と書かれている数字の部分をチェックして、使うシーズンに合わせて必要な暖かさを選ぶんですね。

ではどのくらいの数字がどの季節に適しているのか、よくスペック表記で見る“快適使用温度”と“限界使用温度”の違いなどは、こちらの記事を参考にしてみてください。

最近は、防水性のある寝袋を選ぶ人が増えていますが、これは実は注意が必要です。なぜなら、生地にコーティングをかけているので透湿性が落ちてくると、内側が蒸れてしまう可能性があるからです。また、通常の寝袋と比べると乾きにくいのも欠点と言えます。とはいえ、結露しやすいテントなら防水性はとても役立つ機能ですので、その点を考慮して選ぶといいですよ。

「防水性がある=最高」という単純な方程式ではないんですね……。これにはハッとした読者の方も多いのでは?

寝具の最新事情!昔と今で変わったところは?

寝袋について知り尽くした加藤さんだからこそ感じる、古い製品と新しい製品の違いはどこなのか? 聞いてみました。

ナンガ 寝袋の生地

撮影:筆者

いろいろありますが、『これは進化した!』と言えるところは、生地のデニール数が小さくなったところです。デニール数が小さいほど、生地が薄くなっているということですが、これはとても重要なことなんです。

ナンガでいえば、この「MINIMARHYTHM 250」は7×5デニールナイロンを使っています。業界内では10デニールが使用できる生地の限界と言われていましたが、それを実現しました。見てのとおり、生地が薄いので中のダウンがスケスケですよね。

本当だ! スケスケですね!

生地が薄ければ、収納力は抜群。荷物を極力コンパクトにまとめたい人には助かります。ここが、技術の進化で成し得た結果だと思います。

ナンガ ミニマリズム250SPDX

●重量:約415g ●サイズ:最大長210cm×最大肩幅80cm(身長180cmまで) ●収納サイズ:φ13×25cm ●素材:ハンガリー産シルバーグース95% 930FP ●生地:表地7×5dnナイロンリップ 、裏地:10×7dnナイロンリップ ●快適使用温度:0℃

羽毛

出典:PIXTA

あとは、羽毛自体に撥水加工を施したものが登場しています。これの特徴は、生地の透湿性はそのままに、羽毛に水がついてもしぼむことがないので、ダウン本来の保温性が維持できるんです。化学繊維の良さも兼ね備えた、ハイブリッド寝袋だと言えます。

なるほど、素材の進化が寝袋の進化に直接繋がっているようですね。これはアウトドア業界全体に言えることですが、今後の素材の進化に期待せざるを得ませんね。

キャンプにおすすめ!これは持っておきたい寝具アイテムとは?

寝袋も重要ですが、その他の寝具アイテムも大切。加藤さんにとって、おすすめの寝具アイテムを教えてください!

エクスペドのダウンマット

撮影:筆者

個人的におすすめなのがエクスペドのダウンマットです。空気を入れて膨らませるエアータイプですが、中にはダウンも入っているのでコンパクトに収納できるのが特徴です。

エクスペドのダウンマット内部

撮影:筆者

また、ダウンがぎっしり入っているので、床からの冷気を遮断してくれます。マットに触れればじんわりと暖かくなるんです。しかも、縦型のチューブが体を包み込んでくれるので、寝返りで横に落ちる心配もありません。

シートゥサミットのエアロウルトラライトピロー デラックス

撮影:筆者

それと、シートゥサミットの「エアロウルトラライトピロー デラックス」も良いですよ。スッポリと頭を覆うほどの大きさがあるので、寝袋のフードを被って下にこれを敷いても転ぶことがありません。

また、エクスペドと同じく空気で膨らませるタイプで、空気を抜けば高さ調整ができます。マットもそうですが、地面からの冷気は体に負担をかけます。なので、冷気を遮断して、なおかつ地面に落ちないものを選ぶことをおすすめします。

シートゥサミット エアロウルトラライトピロー デラックス

 

●サイズ:60×40×14cm ●収納サイズ:12×10×3cm ●素材:20Dポリエステルストレッチニット(TPUラミネート) ●重量:約130g

これがあれば安心!napイチ押しのおすすめ寝袋は?

最後に、冬キャンで使える寝袋と3シーズン使える便利な寝袋の2種類を教えていただきました。

ナンガ寝袋 オーロラライト750DX

撮影:筆者(写真は旧モデル)

「AURORA light 750DX」は、750gと豊富なダウンが入っている冬向けの寝袋です。オーロラシリーズは生地に防水加工が施されているのに加え、足の形状がつま先に合わせて立体型になっていることから、仰向けで寝ても足元が暖かく保てるのが特徴です。

また、首回りにネックウォーマーがついているのも特徴。首回りが暖かくなるだけでなく、これのおかげで顔から入る冷たい風が内側に入らない機能もあるんです。コンフォートでマイナス8度まで耐えられるので、冬キャンなら問題なく使えますよ。

ナンガ オーロラライト 750DX

●生地 :表地20dnオーロラテックス、裏地20dnナイロンタフタ ●内部構造:台形ボックスキルト構造 ●ダウン量:750g ●サイズ:最大長約210cm×最大肩幅80cm(身長178cm) ●収納サイズ:約 φ19×31cm ●総重量:約1200g

ナンガ寝袋 UDD BAG 380DX

撮影:筆者

「UDD BAG 380DX」は、“ウルトラドライダウン(UDD)”を使用し、ダウン自体に超撥水加工を施しているので濡れても安心して使える3シーズン対応の寝袋です。

まだ日本で意識している人は少ないですが、「コンティニュアスバッフル」という機能がついています。これは、前面と背面のダウンを寄せることができるボックス型の構造で、寒いときには背面のダウンを前面に寄せて保温性を高め、暑いときには前面のダウンを背面に寄せるという調整ができるんです。

ナンガ UDD BAG 380DX レギュラー

●サイズ:最大長210×最大肩幅80cm ●収納サイズ:φ13×25cm ●対応身長:178cmまで ●総重量:680g ●素材:本体15dnナイロンシレ撥水加工、中綿770FP(ダウン量/380g)

季節によって必要な機能が異なるので、この2つの寝袋があれば問題なく寝ることができます。

寝袋に困ったら「nap」に行けばすべてが解決!?

吉祥寺のアウトドアショップ napの加藤さん

撮影:筆者

サイズや素材、デザインなど多種多様なものが販売されている寝袋。お店に行っても実際にどれを購入すれば良いのか迷ってしまい結局買えなかった……という経験のある方も多いのでは?

napへ行けば、寝袋のプロフェッショナルである加藤さんがいます。なにをどう選べばいいか分からなければ、加藤さんに気軽に相談することをおすすめします!

そして、napではナンガの寝袋の中に実際に入れる体験スペースが設けられています。長さだけでなく、どのくらい暖かいのか、入ったらどのくらい中に余裕があるのかなど、試してみることで不安が解消されること間違いなし。ぜひ行ってみてください!

店舗情報

nap produce by NANGA
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町3-2-3 ラ・カシータ1B
TEL:0422-27-5639
営業時間:11:00〜20:00
定休日:月曜定休
URL:http://nanga-schlaf.com/

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napには頼もしいスタッフがいますよ!