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燻製って美味しいけど、手間がかかる…
燻製をやろうとすると、スモーカーを組んだりチップを燃やしたり、何かと作業が多いですよね。キッチンで簡単にできるキットもありますが、煙が出ちゃったり自宅でトライするのはなかなか厳しかったり。
包むだけで燻製ができる、魔法のようなシートを発見!
そんな折、見つけてしまったんです。「包むだけでくん製ができるシート」! 火を起こさず、スモークチップも使わずに燻製が作れてしまうは、一体どういうことでしょう……。
でも、キャンプでも家でも手軽に燻製ができるとなれば、試さずにはいられない! と言うことで、さっそくゲットして使ってみました。
goodna 包むだけで本格的 くん製シート M
サイズ | 14×20cm |
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材質 | 本体/ビスコース加工紙、くん液(食品添加物) |
goodna 包むだけで本格的 くん製シート L
サイズ | 20×30cm |
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材質 | 本体/ビスコース加工紙、くん液(食品添加物) |
goodna 包むだけで本格的 くん製シート MLセット
これが「くん製シート」
MとLの2サイズがありましたが、いろいろ試してみたいので、包む食材に合わせて両方購入してみました。
M・Lとも、燻製の香りをまとったシートが3枚入っている
ジッパー付きのパウチに燻製シートが3枚入っています。Mサイズは14×20cm。卵と比較するとご覧のようなサイズ感で、比較的細かい食材を包むのに向いている大きさです。
ツルツルした面とザラザラした面があり、ザラザラした面に食材を乗せて包みます。
Lサイズは、20×30cm。鶏もも肉やサーモンの柵など、厚みのある食材を包むのにちょうど良い大きさです。
開けた瞬間からいい匂い~!もうすでに燻製の香りが…
じつはこちら、食肉加工の工場でも使われているという、業務用の燻液が染み込んだシート。開封した瞬間に上質なスモークの香りが鼻先をくすぐります。もうこの香りだけで美味しくウイスキーをいただけそう……。
説明書きによると、3時間から1日かけて食材をこのシートで包むだけで、本格的な燻製ができるんだとか。さっそく色々な食材で試してみます!
燻製シート×肉・魚編
燻製と言えばサーモン!
燻製の王道とも言えるスモークサーモンは、絶対に欠かせないでしょう! と言うことで、スモークサーモンにトライ。
まず大ぶりのアランティックサーモンに塩をふります。塩をふることで適度に水分が抜けて身が締まるのと同時に、程よい塩味がついてより美味しくなるはず!
シートがピタッとサーモンに張り付くよう、空気を抜くように丁寧に包んでいきます。包んでいる最中、すでにスモークの良い香り!
シートで包んだらジッパーバッグに入れて、冷蔵庫に寝かせます。サーモンなど水分の多い食材は長時間包むと苦味を感じるようなので、3時間で様子を見ることにします。
いざ実食! ……うん、燻製になってます! 包んだだけでここまでスモーキーになるとは驚き。燻煙していないので余分な脂や水分が抜けきらず、スモークサーモンにしてはちょっと水分を感じるかな? という印象は否めませんが、風味は最高にスモークサーモンです。
バーナーで表面を少し炙ると、香ばしさが加わってよりスモーキーになりそう。
ちなみに! お刺身用の秋サケを使って試してみたところ、より一層スモークの旨味を感じることができました。アトランティックサーモンより脂が少ないので、脂の味に邪魔されずシンプルに燻製の風味を味わえる、そんな印象。嗜好にもよりますが、個人的には秋サケの燻製がオススメです!
秋サケを使用する場合は、アニサキス対策として必ず解凍の刺身用を使ってくださいね。
焼いても美味しい?鶏肉のスモークソテー
お次は鶏肉でチャレンジ。まず、鶏モモ肉に塩コショウを振ります。このとき、ハーブソルトにするともっと味に深みが出来ますよ。両面にしっかり揉みこんだ後、くん製シートで包みます。
空気を抜きながら、シートが鶏モモ肉の表面になじむように。ジッパーバッグより密着させやすいので、ラップで包むのもオススメですよ。準備ができたら、3時間冷蔵庫に入れておきます。
色が濃いサーモンでは感じませんでしたが、シートの燻製成分がしっかりのったためか、白かった鶏モモの皮がオレンジっぽく色づいていますね。
ほんの少し油を敷いたスキレットに、皮目からのせて弱火でじっくりと焼いていきます。水分を飛ばしながら焼きたいので蓋はせず、油跳ねが気になるときはアルミホイルを軽くかぶせる程度で!
両面がこんがり焼けたら完成なのですが、なななんと……! かつてないほど薄くパリパリの鶏皮に仕上がって、まるで北京ダックのよう。燻製の風味をほんのり感じる、極上のチキンスモークソテーが出来上がってしまいました。 燻製シートと鶏モモ、最高すぎ!
調理の仕上がりがスキレットとフライパンでは変わるのか試したところ、食感はほとんど同じ。ガッチリ蓋をせず“弱火でじっくり”が、パリパリに焼くコツです。
変わり種にもTry!サバの水煮缶
サバの水煮缶は、必ず水気をしっかり取ってから作るのがポイント。キッチンペーパーで丁寧に水分を拭きとっておくと、仕上がりのときに苦みを感じにくいようです。
食材によってシートのサイズが合わない場合はキッチンバサミで切り取って、残った分は保管しておきましょう。というのもシートが3枚入りで、結構あっという間に使い切ってしまうんです。
切り離した半端なサイズのシートも包む以外の効果的な使い方があるので、後にご紹介します!
さて、こちらも冷蔵庫で3時間寝かせてみました。見た目は缶を開けたままのサバの水煮に変わりないのですが、噛めば噛むほどに燻製の香りがして美味!
ただ、水気の処理をしても、そもそも水分を含んだ食材なので3時間だと少し苦味が。包むのは1~2時間で十分かもしれません。
燻製シート×加工食材&卵
冷蔵庫によくあるような、鉄板の燻製食材にも挑戦。淡泊な味わいのゆで卵・かまぼこ・チーズが、どこまで美味しくなるのか? 期待が膨らみます!
サイズ的に、小さい食材は考えながら上手くシートを切る必要があります。ちょっと細かい作業ですが、食材にムラなく燻液が行きわたるよう、できるだけ丁寧に。シートの上から、ラップで一つ一つ包みました。
劇的BEFORE/AFTER!カマンベールチーズ
カマンベールチーズは、仕上がりの色の違いが一目瞭然! 右が燻製前で、左は燻製後。こうして見ると、包むだけなのにしっかり食材に燻製が染みわたっているのが分かりますね。
5時間程度包んでおくと風味はしっかりつきましたが、冷蔵庫から出して常温になってからのほうが、より燻製味が感じられましたよ。5時間以上は苦味が出るので注意しましょう。
笹かまぼこは、やや惜しい結果に
かまぼこも燻製にすると美味しい食材ですが、果たしてどうでしょう……。
3時間だとちょっと物足りない。6時間でも何となく燻製の雰囲気が感じられる程度で、おそらくこれ以上置くと苦い笹かまになりそう。う~ん。練り物は水分量が多いせいか、素材の中にスモークの風味が入りにくい感じでした。ちょっと残念。
シートで“くんたま”はできるのか!?
卵は、どうしてもシワになる部分ができるため、恐竜の卵みたいな仕上がりに(笑)。ただ、味はしっかり燻製風味。美味しい燻卵が完成しました! 3時間でも十分ですが、カマンベール同様に常温に戻るまで待ってから食べた方が、より美味しかったです。
味付けのため、ゆで卵は塩をふってから包みましょう。中までしっかり燻製にしたい場合は、半分に切ってからシートで包むと良いですよ。
燻製シート×乾きもの編
スナック菓子も、大人な味に変身
ナッツやスナック菓子も燻製にすると美味しいので、試してみます。まずは、バター醤油味のジャガビー。これが燻製の香りをまとえば、かなり美味しいんじゃないか? と期待が膨らみます!
これまで試してきた感じだと、食材とシートは面がしっかりくっついていないと燻煙の風味が移らないので、スナック菓子も平坦に並べるように意識しながら入れ、ジッパーバッグの空気をしっかり抜いて1日置きます。
ジッパーバッグを開封すると、ふわっと燻製の香りが広がります。これはいい感じかも! と食べてみましたが、スナックそのものには思ったほど燻製の風味が乗っていませんでした。
2日待って再度試食してみると……スモーク味とまではいきませんが、スナック本来の美味しさにほんのり燻製の香りが。これは根気よく、そして冷蔵庫で寝かせていることを忘れずに試していただきたいアイディアです。
ミックスナッツも、かすか~にスモーキー
ミックスナッツもスナックと同様に試してみました。シートに挟み込んだナッツを、平にならして2日置きます。燻製のナッツの美味しさがこれだけで再現できたら最高なんですが、果たして……?
ナッツも、味が激変というよりは、香りをかすかに纏ったスモークナッツを楽しめるといった印象に。
水分がほとんどない食材は、シートの燻液成分がうまく乗りにくいのかもしれません。ただ、燻製シートの香りは本格的なので、かすかに感じる程度でもそのままのナッツを食べるよりはるかに美味しくお酒もすすみます!
燻製シート×調味液編
切れ端を使って、燻製醤油に!
燻製醤油さえも作れるというので、試してみることに。このときこそ、切って余った半端なシートの出番! 50㏄程度の醤油に、Ⅿサイズの3分の1程度を浸します。
6時間以上放置してみたところ、香りがうっすらスモーキーに。そもそも醤油は塩味が強いため味の変化を感じにくいのですが、スモーク風味の醤油にレモンとオリーブオイルを加えてカルパッチョにしてみました。なかなかいい感じ!
先ほどの燻製にしたサバの缶詰にほんの少量垂らすと、これまた美味しさマシマシ。燻製食材×燻製醤油は、燻製シートだけではちょっと物足りない仕上がりになった食材にオススメの合わせ技です!
焼き肉のタレは意外な結果に。野菜炒めに使えそう!
ここまでの試作の感じから、味が濃い食材はシートの香りが感じにくく、焼き肉のタレは向かないかもしれないな~と思いつつも余ったシートの端っこを入れてみました。
6時間置いてみたところ……やはり燻製の香りはつきませんでした。が、なんと! タレの味に、少し深みが増したような? 本来のタレの味と比較すると、明らかに口当たりがまろやかになったんです。
劇的な味変とはいきませんでしたが、鼻に抜ける香りはほんのりスモーキー。野菜炒めの味つけに使うと、普段とはまったく違う美味しさでした!
試して分かった!くん製シートを上手く使うコツ&注意点
淡泊な味わいで、適度に水分量のある食材に向いている
食材ごとの“寝かせる”目安時間
精肉や魚:3時間程度
ゆで卵やチーズ:5時間前後
ナッツやスナック:1日以上
精肉や魚など水分の多い食材は長時間置くと苦味が出やすいので、3時間程度がオススメ。ゆで卵やチーズなどツルッとしていて適度に水分を含む食材は5時間前後、ナッツやスナックなどの乾物は1日以上置いておくと燻製の風味が楽しめます。
いずれも、冷蔵庫から出して常温に戻したほうが、よりスモークの風味を感じられましたよ。
しっかり風味をつけるコツは、シートと食材をなるべく密着させること
丁寧に作業するほど食材にシートの燻液成分が行きわたることがわかったので、包むときはなるべく食材とシートが密着するよう、空気を抜いていくようなイメージで。ラップを巻くときも同様に。
水気がない分焦げやすいので、火を入れるときは弱火~中火が安心です。
匂いが強いので、二重に包んで保冷すべし!
燻製シートそのものの香りはかなり強いので、冷蔵庫内に保存するときは、庫内にスモークの香りが充満しないよう、ジッパーバッグで二重に包むと良いですよ。
実際この方法で保管していたところ、ニオイは気になりませんでした。
一度使うといろいろ試したくなる燻製シート、次は何にしよう?
今回試した食材の他にも、美味しくスモークできる食材は沢山あるはず。上手く燻製の風味がのる食材や、調整が難しい食材など様々でしたが、ちょっとした実験みたいに挑戦してみると楽しいですよ。
燻製の香りの強さも好みがあるので、いろいろ試してハマる食材と調味時間を見つけてみてくださいね!
goodna 包むだけで本格的 くん製シート M
サイズ | 14×20cm |
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材質 | 本体/ビスコース加工紙、くん液(食品添加物) |
goodna 包むだけで本格的 くん製シート L
サイズ | 20×30cm |
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材質 | 本体/ビスコース加工紙、くん液(食品添加物) |
goodna 包むだけで本格的 くん製シート MLセット