一強時代が終わりつつある?!
画像出典:PIXTA
キャンプ場へ向かう道中、いつもどんなカーナビアプリを使っていますか? 筆者はもう何年もiPhoneの「Googleマップ」アプリをカーナビ代わりに使っています。
ところが最近、メディアでも目にする機会が増えたのが「Googleマップ一強時代終焉説」。
CAMP HACK読者100人にアンケート!
まずは、CAMP HACK公式インタグラムにて、『「カーナビアプリ」何使ってる?』というアンケートを実施。読者の皆さまから回答をいただきました!
いぜん「Googleマップ」が多いものの、2割以上の人がGoogleマップ以外のアプリを使っているという結果に。
AppleマップやYahoo!カーナビが進化?!
そしてどうやら「Appleマップ」や「Yahoo!カーナビ」がかなり進化して、以前より格段に使いやすくなっているらしいんです……!
今回はその真相を確かめるべく、3つのアプリを実際に使って徹底比較していきます。
先に3アプリの比較検証結果をまとめると…
詳しい検証内容の前に、先に比較結果をまとめてお伝えしてしまうと、下記の通り。
Googleマップ
- ●メリット:検索性能が秀逸・使いやすいUI・渋滞情報精度高い・オート再検索早い・施設口コミ評価は独自だが母数が最多
- ●デメリット:狭い道を案内・高速道路と一般道が重なると誤認
Appleマップ
- ●メリット:使いやすいUI・見やすいデザイン・狭い道案内ナシ・渋滞情報精度高い・右左折時オート拡大・施設口コミ評価は専門サービスと連携
- ●デメリット:高速道と一般道が重なると誤認・オート再検索遅め
Yahoo!カーナビ
- ●メリット:狭い道案内ナシ・高速道路モードが優秀&一般道と重なっても誤認しない
- ●デメリット:検索性能低い・UIが使いづらい・渋滞情報精度低い・オート再検索遅め・施設口コミ評価は独自で母数が最小
「Googleマップ」と「Appleマップ」は検索性能やUIの使い勝手でかなり拮抗。
「Yahoo!カーナビ」は高速道路での使い勝手で突出しているという結果に。
これらの総括を踏まえ、この後はいよいよ詳しい検証内容をみていきましょう!
キャンプへの道中でApple・Google・Yahooを徹底比較!
検証1|目的地までのルート検索機能は…
まず、目的地までのルート検索機能では、3アプリとも3候補以上が表示。
けれど、「Googleマップ」と「Appleマップ」では、マップ上の各ルートに吹き出しで所要時間が表示され、ひと目で複数候補を比較しやすいのが特徴的。
また、どちらも検索結果画面にワード入力ウィンドウが残っており、経由地の追加や再検索のときも、同じ画面のまま操作が可能です。
一方Yahoo!カーナビは、最多の全4ルートが表示されるものの、マップ上のルートに吹き出しはナシ。下部の各候補を1つずつタップして確認する必要があり、比較がちょっと面倒です。
さらに、ワード入力ウィンドウは前画面に戻らないと表示されず、経由地の追加や再検索のときは、他2アプリに比べてひと手間増えます。
検証2|渋滞情報の精度が高いのは?
出典:PIXTA
「Googleマップ」は、過去の交通データだけでなく、利用者のスマホから匿名で収集した「プローブ情報(車両の走行情報や位置、速度などのデータ)」を活用し、極めて精度の高い渋滞情報を提供しているのをご存知でしたか?
利用者数が多い「Googleマップ」は、この「プローブ情報」のおかげで、つい最近まで渋滞情報においては圧倒的に優位だったのですが……。
実は、「Appleマップ」が一足飛びに進化。世界有数のロケーションテクノロジー専門企業「TomTom」が、独自に収集した「プローブ情報」を反映するようになったんです。
実際に走行中の渋滞状況を比べても、「Googleマップ」に引けを取らないタイムリーさで反映。この点では「Yahoo!カーナビ」が今ひとつという結果でした。
検証3|案内ルートのクオリティは?
お次は、最短ルートの内容をチェック! 「Googleマップ」でありがちなのが、渋滞回避と最短が最優先の、地元民でも敬遠する“攻めた狭〜い道”を含むルート案内……。
ですが画像の通り、「Appleマップ」では狭めの道は回避。同じ目的地でも、駅周辺の入り組んだ狭い道を迂回した最短ルートが表示されます。
さらにスゴイのは「Yahoo!カーナビ」。「マイカー登録」設定画面で、自分が利用する車種を登録すれば、実際の車幅などを考慮したルート案内をしてくれます。
さらに、「ガソリン値引きクーポン」などの獲得や、高速代金や燃料代など、登録車種に関するさまざまな情報が確認できるのも便利!
検証3|一般道の走行中ナビゲートは?
画面の見やすさはAppleマップ
続いて、3アプリの一般道を走行中の画面がこちら。とにかくスッキリした画面デザインで見やすいのは「Appleマップ」。
上部の行き先方面・右折地点までの距離のテキストが大きく見やすいし、下部の到着時刻・残り時間・到達距離のテキストも黒太字でくっきり。
また、最高速度や一時停止の表示は「Googleマップ」にはなく、他2つはアリ。さらに「Yahoo!カーナビ」より「Appleマップ」の方が大きく見やすいです。
Appleマップは右左折時に拡大
さらに、交差点での右左折時も「Appleマップ」が優秀でした。左折の450m手前時点では「Googleマップ」との差が感じられませんが……、
「Appleマップ」は左折地点が近づくにつれ、オートで縮尺が拡大! 縮尺がそのままの「Googleマップ」や「Yahoo!カーナビ」に比べてとても見やすく感じました。
一方、見落としやすい斜め方向の分岐や車線が多く複雑な交差点では「Yahoo!カーナビ」が優勢。立体的なイラスト表示が近づくにつれて拡大され、とても分かりやすいです。
オート再検索の早さはGoogleマップ
ルート設定した道を外れたときに最も頼れるのは「Googleマップ」。別ルートのオート再検索がとにかく早くてストレスフリーです。
「Appleマップ」と「Yahooカーナビ!」は、Uターンルートの案内後にその地点を過ぎると、ややタイムラグが発生するときがあり、土地勘のない場所ではちょっと困ることも。
検証4|高速道路でのナビゲートは?
高速道路においては、圧倒的にYahoo!カーナビが優秀! というのも、左下の丸ボタンで、一般的なカーナビと同じ高速道路モード表示に切り替えられるから。
マップ表示のままの他2アプリでは、今どの辺なのか、次のSAまであとどのくらいかなどが、とても分かりづらいんですよね。
ガソリンスタンドやコンビニ、スタバなど、各SAの施設情報がアイコン表示されるのも便利。
*画像は東京外環自動車道を走行中に、GoogleマップとAppleマップで真下の国道298号に降りたと誤認された状態
さらに、高速道路と一般道が上下に重なった場所でも極めてスムーズ!
「Googleマップ」・「Appleマップ」では、高速道路ルート走行中に急に一般道に降りたと誤認するときがあるのですが、「Yhoo!カーナビ」はこれもナシ。
高速道路の複雑な分岐近くに限って、急に一般道の案内表示に切り替わって焦る……、ということがなく、さすがはカーナビ特化アプリです。
また分岐の表示画面も、一般道と同じく「Yahoo!カーナビ」は立体的なイラスト。複雑な分岐だらけの首都高なんかでは、断然「Yahoo!カーナビ」が分かりやすいです。
検証6|周辺施設の検索機能は…
コンビニ
現在地周辺のコンビニ検索では、「Googleマップ」と「Appleマップ」は表示されるコンビニの数や情報が互角。「Yahoo!マップ」は圧倒的に少なく、郊外になるほどその差は顕著でした。
また、「Googleマップ」と「Appleマップ」では、リスト表示を現在地から近い順に並べ替えできる機能が。これが「Yahoo!カーナビ」にはなく、他2アプリに比べて一歩劣るところです。
温泉
施設外観や設備の様子が大きな判断基準となる温泉の検索では、画像が大きく枚数も多い「Googleマップ」が圧勝。
施設評価に関しても、独自の口コミ評価ながら圧倒的な数の多さで「Googleマップ」。
ただし、「Appleマップ」の口コミ評価は食べログやTripadviserなど各カテゴリの専門サービスと連携している点が強みです。「Yahoo!カーナビ」は独自口コミ評価で数も少なめ。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドに関しては、「Yahoo!カーナビ」が一歩リード。マイカー登録によってマッチしたガソリン価格もマップ上に表示されるので、安さで探す場合はとても便利でした。
すでに、さらなる刺客も乱立し始めた…?!
トヨタ「moviLink」もかなり優秀…!
出典:TOYOTA
「Googleマップ」・「Appleマップ」・「Yahoo!カーナビ」に次いで、最近どんどんユーザー数を伸ばしているのが、トヨタが本気で開発したカーナビアプリ「moviLink(モビリンク)」。
トヨタ車オーナーでなくても無料で使え、高速道路モード搭載で複雑な分岐は立体的なイラストが表示。分岐でのオートズームや狭い道を避ける設定も備えます。
出典:TOYOTA
さらにスゴイのは、Googleで検索した施設をワンタップで共有できるところ! 食べログなども共有可能で、カーナビ特化アプリにありがちな検索性能の脆弱性をしっかりフォロー。
交通情報はVICSをベースにトヨタが独自収集した「Tプローブ」をプラスしており、ある意味、最強の刺客と言えるかもしれません……!
MicroSoft・Amazonらがタッグ!
「OVERTURE MAPS」
そして、最近大きな注目を集めるのが「OVARTURE MAPS」!なんと、Microsoft、Amazon、Meta、TomTomら世界規模の4社が参画した、オープン地図データセットが登場したんです。
すでに公開されたマップデータには、建物(世界23億の建物の3Dデータ)・観光名所(世界の5400万件)・地区(40言語の国と行政区域の境界線)・ベースマップ(土地や水域データ)の4つのテーマが含まれます。
また、オープンデータということは一般向けに公開されているので、許可されたルールの範囲内であれば自由に複製、加工、頒布が可能。更新性の維持機能もとても高いのが特徴です。
「Googleマップ」や「Appleマップ」に対抗し得る次世代マップとして、今後目が離せないサービスになりそう……!
ナビアプリ群雄割拠の時代はもう幕開けしていた!
出典:PIXTA
カーナビアプリ群雄割拠時代は、すでに幕開けていましたね……!
とにかく目が離せない今後の動向ですが、現状ではルート・施設検索ではGoogleアプリ、高速道路ではYahoo!カーナビなど、合わせ技でうまく使うのが最もスマートな気がします。
また、今回はカーナビ使用時のみの比較でしたが、徒歩と公共交通機関を利用したり、市街地を訪れる場合などは、検索性能が高い「Googleマップ」や「Appleマップ」に軍配が上がりそう。
さらに、マイナーな施設や曖昧なワード検索においては、未だ「Googleマップ」の圧勝。
みなさんもいろいろ使い比べて、より自分に合ったカーナビアプリで、スマートカーライフを手に入れてくださいね!