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数年前に買ったストーブが、中古市場で2倍以上の金額に…!?
筆者が数年前に購入したイワタニのアウトドアガスストーブ(写真)が、中古市場で高値取引されていると知ったのはつい先日。調べてみると当時は8,000円位で購入したにも関わらず、確かに中古ショップでは20,000円前後の値付けになっているではありませんか!
ほかの通販サイトだと新品が40,000円で売られていたりと、価格が跳ね上がっていました。
眠っているギアって、意外とお宝だったりするのかも…?
これに気づいた筆者は、ひょっとすると比較的最近買ったギアでも価値が上がっている商品はほかにもあるのでは……? という疑問を抱き始め、その道のプロに話を聞いてみることに。すると、なかなかにリアルで有益な話が聞けました!
もしかしたら読者のみなさんの“タンスの肥やし”のなかにも、お宝アイテムがあるかも? そんな期待を膨らませつつ読んでみてくださいね。
ズバリ聞きます!「中古市場で値上がりするのは、どんなギア?」
今回お話を伺ったのは、中古キャンプ用品の売買を行うサービス「UZD(ユーズド)」の松下瑛人さん。日々持ち込まれる中古品の状態をチェックし、値付けを担当されています。
価値が上がるのは「レアで需要があるもの」
当たり前の話ですが、需要がないものは買取価格も安くなりますし、中古市場でも人気がありません。販売価格よりも中古市場での値段が上がっているギアは、総じて人気があったり手に入りにくいものとなります。
買取の際はヤフオクやメルカリといった、ユーザーたちが日頃使っているC to C(個人間取引)サービスの取引金額を参考にしながら、実際に過去の買取実績を見て値段を決めるそうです。
様々なブランドのキャンプ用品を買取していますが、最近人気が高いのはガレージブランド。レアな事例になりますが、ガレージブランドのキャンプセット一式を、先日は700,000円で査定したばかりです。
サンゾクマウンテンの焚き火台に、フルカスタムされたカーミットチェア、ざぁ~ッスの限定テーブルにミルスペック仕様のヒルバーグのケロンと、とにかくすごい一式でした。
とはいえガレージブランドのアイテムはそもそも入手困難なものも多く、もっとたくさんの人が持っている”身近”なアイテム例が欲しい! というわけで、メジャーどころで需要のありそうなギアを具体的に教えてもらいました。
中古市場でも不動の人気は「スノーピーク」
ジカロテーブル1ユニットブリッジ
出典:スノーピーク
スノーピークは年初にその年の廃盤アイテムを発表するのですが、比較的新しめの廃盤商品でも高値がつくアイテムもあります。
と言って教えてくれたのが、「ジカロテーブル1ユニットブリッジ」。スノーピークのジカロテーブルにIGTをセットするための土台になるニッチな商材ですが、廃盤が発表されるやいなや定価2,980円の商品が4,400円前後で取引されたことがあったそうです。
スノーピークはユーザーも多いですし、こういったニッチな商品は廃盤になると手に入らなくなるため、値が上がりやすい傾向にあります。
フィールドコードリール
出典:スノーピーク
こちらの「フィールドコードリール」も、廃盤が決まってから需要が高まってきた商品。定価は15,000円でしたが、19,000円前後で取引されたことも。コードリールは数あれど、ミリタリー好きなキャンパーに人気のタンカラーというところが廃盤をきっかけに再注目されたんだと思います。
トルテュプロのオプション品
出典:スノーピーク
スノーピークの値上がり傾向としてもう1つ面白いのが、すでに愛用している商品の廃盤が決まったことで発生するケース。
トルテュプロの廃盤が決まったことをきっかけに、オプション品の値段が上がってきました。幕の価格はそんなに変わらないのですが、インナーテントやシールドルーフ・専用のインナーマットが値上がりしています。
需要のパイは小さいのですが、トルテュプロユーザーたちが買い替えや買い足しをするタイミングになってきているためと思われます。
たねほおずき用グローシェード
スノーピークのヒット商品であるLEDランタン「たねほおずき」のグローシェードも、廃盤をきっかけに2倍以上の価格になったのだとか。
写真は「ほおずき」なのですが、これよりも一回り小さい「たねほおずき」の蓄光するシェードが値上がりしましたね。定価は1,600円ですが、中古市場では4,400円の値がついたことも。もしお持ちで使っていないというのでしたら、思わぬお宝になるかもしれません!
値上がり率が半端ない!「ハイマウント」のキャンドルランタン
続いて紹介してくれたのが、ハイマウントが定番アイテムとして販売していた「キャンドルランタン」。値上がり率がここまで高いものは珍しいそうです。
すごく地味なアイテムなんですが、このキャンドルランタンがすごいことになっています。定価は1,870円だったんですが、9,900円まで上がったことも! なんと定価の5倍以上。使う予定がなく収納スペースの肥やしになっているという方は、今すぐ売ったほうがいいです(笑)。
じつはこの商品、生産していた工場が急に潰れてしまい惜しまれつつも廃盤となってしまったそうで、同じものは作りたくても作れないとのこと。シンプルな佇まいが人気のアイテムだっただけに、まさに身近な廃盤レアアイテムとして注目株のようです。
小さいサイズの価値が爆上がり!スタンレーの「クラシックランチボックス」
出典:UZD
スタンレーのクラシックランチボックスは、ここ数年人気を集めているギア。中で廃盤になった小さいサイズ(5.2L)が中古市場では盛り上がったようです。
9.4Lの大きいサイズは今でも8,000円台で買うことができるのですが、なぜか小さいサイズが15,000円~18,000円の高値で取引されました。大は小を兼ねるはずなんですが、面白い現象ですよね。
ちなみに2020年モデルからロゴが変更になっているスタンレー。人気ブランドの旧ロゴはいずれ価値が高まるケースが多いので、大切に保管しておくといつか値上がりするかもしれませんね。
これも高騰!「ユニフレーム」のキャンプケトル
ユニフレームのキャンプケトルも値上がりして、中古市場では10,000~12,000円位で取引されることもありました。
2021年に廃番になったユニフレームを代表するアイテム「キャンプケトル」。2022年に限定で復刻したこともありましたが、依然レアだけに自宅に眠っている人はぜひこの機会に検討を!
こういったケースもあるだけに不要になったキャンプ用品は売りに出すのも賢明ですが、それが思いもよらない“収入”になったらラッキーというもの。高値で買い取ってもらえるコツというのは、あるのでしょうか?
中古アイテムを少しでも高く売る秘訣は?
メンテナンスをしてから売りに出そう
よく使ったままの状態で売りに来られる方がいるのですが、基本的にはメンテナンスをした上で査定に出したほうが賢明です。
焚き火台もきれいにしたほうが高値がつきやすいですし、煤で汚れたケトルも研磨剤などで磨いてからのほうが査定価格は2,000~3,000円くらい変わってきます。
UZDではテントなども実際に設営した上で、傷や汚れをチェックして査定しています。スタッフの手間や労力を押さえられる分、きれいにしてから売ったほうが高くなるというのは納得です。
雨撤収でビショビショになったテントをそのまま査定に出されるお客様もいるのですが、正直査定額は安くなってしまいます。あとよくあるのが、ステッカー。
張りっぱなしだと日焼けや汚れが発生して値下がりしてしまう可能性があるため、剥がして拭き取るなどのひと手間をかけることで、高く売れる可能性がアップします。
みんなが欲しくなる少し前に売るのが正解!
中古市場の価格は日々変動しているので、いま価値があっても時間が経つと価値がなくなってしまうということもザラです。ポイントは「人が欲しくなる少し前の時期に売る」こと。買ったけど最近使ってないなぁ……というアイテムは、思い切って査定に出してみてはいかがでしょうか?