購入と失敗を繰り返した末に…
今回のテーマは「俺の一軍スリーピングギア」。
筆者がオートキャンプをはじめたのは、およそ7年前。当時の職場の先輩の誘いがきっかけでした。もともと道具が好きな筆者は、すぐにギアに夢中に……。
睡眠アイテムも、買って失敗したもの、買って良かったものなどいろいろありましたが、ここ2年は入れ替えはなく、自分にとって理想のセットが組めたかなと思っています。
結局手元に残った俺の一軍スリーピングギアたち
ここからは、ギア好きの筆者が実際に愛用している一軍スリーピングギアを5つ紹介。
- ・めんどくさがりだけど、快適にキャンプしたい
・複数の用途で使いまわせる道具が好き
・オートキャンプが主体
そんな方にはマッチするかも……?
1 | オートキャンプの最強最ラクはこれ!
TCOT「ミルスペックコット」
まずはコット。筆者は、軍用コットも製造する韓国発のコットメーカー、TCOT(ティーコット)の「ミルスペックコット」を愛用しています。
手にしたきっかけは4年間、使っていた某組み立て式のコットの樹脂パーツが劣化して破断したこと。インスタ経由でこのコットの存在を知り、その設営のイージーさと早さに惹かれ購入しました。
折り畳まれたコットを放るように広げて、2箇所あるバーを足で踏んでテンションをかければ設営完了。慣れれば1分ほどで展開できます。
これまで使っていたコットで不満だった組み立てと収納の面倒さが解決しました。
収納は決してコンパクトではなく重さも7kgありますが、クルマ移動が前提のオートキャンプなら気になりません。
付属のエクステンションレッグをつければローコットからハイコットになります。脚の数が4本なので、ここも時短ポイント。
一辺に対し脚2本と少ない分、コット下に物を置きやすいのも使ってみてわかった魅力。愛車のバンのラゲッジに積んで車中泊する際も、スペースを無駄なく使えます。
圧倒的なタフさもこのコットの魅力。破壊荷重が面平均で877kgもあるので、椅子が足りないときのベンチとしても活用しています。
先日、北海道を騒がせた忍者ヒグマ「OSO18」の推定体重が約300kgとのことなので、それが2頭乗ってもOKってすごいですね……。
付属の収納バッグもかなりしっかりした作りで、いかにもミルスペックという感じのデザインが気に入っています。
ショルダーハーネス付きなので、バックパックのように背負えるようになっています。
値段は決して安くないですが、壊れる心配もないので、長い目で見ればその価値はあると思います。
TCOT ミルスペックコット
サイズ | 2000×700×150mm |
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サイズ(ハイコット化) | 2000×700×360mm |
収納サイズ | 550×285×210mm |
重量 | 約7kg |
破壊過重 | 877kgf(コット面に面平均的数値) |
2 | 携帯性と寝心地のバランス良し
ニーモ「ゾア レギュラーマミー」
オートキャンプのシーンではコットを使いますが、クルマの乗り入れができないフェスや飛行機で遠征キャンプに行く際はエアマットを使っています。選んだのは、NEMO(ニーモ)の「ゾア レギュラーマミー(以下略ゾア)」。
このマットは、寝比べ体験ができるアウトドアショップで複数のエアマットを試してみて購入。
決め手は寝心地と携帯性のバランスの良さでした。
収納サイズは、高さ20×直径11cmで、マットの厚さは2.5cm。ちょうどウェットティッシュの筒ぐらいの大きさです。
「ゾア」は、ウレタンフォームの入った半自動膨張式のエアマットです
ウレタン無しのエアマットは軽量ですが、底冷えしがちで寝心地も良くありません。かといって、厚めのウレタンが入ったものは寝心地最高で断熱もしっかりしてますが、携帯には向かないです。
その点この「ゾア」は、重さ450gとエアマットの中では軽量な部類ながら、断熱性もR値2.7とそこそこあるのが特徴。寝心地については個人の感覚の差はありますが、私的には合格点でした。
その秘訣はフォームの構造にあります。「ゾア」のフォームは、縦と横2つの軸で穴あけ加工がされており、この特殊な肉抜きにより軽量化と保温性を向上させているわけです。
ニーモは手堅い機能を備えた良いアイテムを適正な価格で出してくれるので、好きなブランドのひとつです。
ニーモ ゾア レギュラーマミー
本体重量 | 450g |
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収納サイズ | 20×Φ11㎝ |
素材 | 20DポリエステルRS |
断熱材 | オープンセルフォーム(PU) |
厚さ | 2.5㎝ |
R値 | 2.7 |
付属品 | 専用スタッフサック、コンプレッションストラップ、リペアキット |
3 | 地味に愛用者の多い遮熱シート
グラバー「オールウェザーブランケット」
底冷え対策としておすすめしたいアイテムが、エマージェンシーブランケット。
体温の反射に優れたアルミ箔がラミネートされたシートで、緊急時に体に巻いて体温の低下を抑えたり、レジャーシートとして地面に敷いたりできる、マルチな防災アイテムです。
筆者は、アウトドアショップでも扱っているところの多かったアメリカのグラバー社の「オールウェザーブランケット」を長年愛用しています。
二つ折りにしてコットの上に敷きブランケットの下に敷いたり、テント内をお座敷スタイルにするときはラグの下に敷いています。
アウトドア感のあるオリーブカラーと、コット2つ分の大判サイズが決め手でした。
二つ折りにすると、地面からの冷気を反射しつつ、自分の体から発する熱が地面に逃げるのを防げるので、冬キャンプの際には特に重宝。
グラバー社は惜しむらくも廃業してしまいましたが、同じような作りのシートが複数社から出ています。エマージェンシーブランケットで検索してみてください。
4 | 冬も夏も活躍!
ムラコ「タイベック スリーピングバッグ プロテクター」
冬にシングルウォールのシェルターテントの中で暖房機器を使うと結露が顔に落ちてきて目が覚めたりシュラフがびちゃびちゃに濡れることも……。
そんな悩みを解決してくれたのが、muraco(ムラコ)の「タイベック スリーピングバッグ プロテクター」。結露による濡れを防ぎ、保温性を高めるアイテムです。
住宅の壁材にも使われている防水透湿に優れた素材、デュポン社のタイベック®️シートを使ったシュラフカバーです。こういうかっこいいデザインのシュラフカバーって意外に無いんですよね。
冬キャンプ際、筆者はナンガの3シーズンシュラフの中にモンベルの春夏用シュラフを重ねて、その上からこのシュラフカバーをかけています。
本当はダウンがパンパンに入った極寒用のシュラフが欲しいところですが、良いものは10万以上しますし、持っていても年間での使用頻度が少ないので、レイヤリングでやり過ごしています。
冬だけでなく夏にも重宝。蒸し暑い夜にはシュラフを使わず、このシュラフカバーの中にタオルケットを敷いて寝ています。
ちなみに収納袋は、ゴールゼロなどのLEDランタンを入れて簡易シェードにするのもおすすめ。
光が柔らかくなるうえ、無くしがちな収納袋の紛失も防げて一石二鳥です。
ムラコ タイベック スリーピングバッグ プロテクター
重さ | 265g |
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サイズ | 展開時:W86×L220cm 収納時:Φ12×H20cm |
素材 | タイベック ®︎シルバー(ポリエチレン, アルミニウム) |
5 | さらば、シュラフ収納問題
ハーフトラックプロダクツ「ノンスリープクッション」
シュラフ VS きっつきつの収納袋……この戦いはキャンプ初心者はもちろん、キャンプ慣れした人でも煩わしさを感じている方は多いはず。
そんな筆者もそのひとりでした。そんな煩わしさをスタイリッシュに解決してくれたのが、half truck products(ハーフトラックプロダクツ)の「ノンスリープクッション」。
シュラフや衣類を中綿代わりに入れることでクッションになる、クッションカバーです。
アイテムの本質としては大きめなクッションカバーなのですが、発売された当時、その発想が目からウロコだったんですよね。
キャンプの夜にしか使わないシュラフもクッションとして、日中や家で活躍してくれるメリットも魅力でした。まさに、シュラフが眠らないクッション。
そもそも、シュラフの収納袋は、なぜこんなにギリギリサイズなのかというと、少しでも収納サイズを小さくするため。どちらかというと登山者と流通上の配慮なので、よくよく考えたら、オートキャンプには不要な機能でした。
さらに、このクッションカバーには、シュラフを長持ちさせる効果もあります。あまり長いこと収納袋に入れっぱなしにしておくと、ダウンが潰れて購入時のふわふわ感が損なわれるからです。
「ノンスリープクッション」にはさまざまな形状や、大きさ、グラフィックのモデルがありますが、筆者が愛用しているものにはサイドに小さなポケットが2つ付いています。
ここには、無くしがちなシュラフの収納袋や使い捨てのコンタクトを入れています。
シュラフだけでなく、先に紹介したシュラフカバーやピローのスリーピングギア、予備の着替えをまとめて収納しているので筆者的に手放せないアイテムです。
ブランド公式オンラインストアはこちら
自分だけの一軍スリーピングギアセットを組もう!
人によって千差万別なスリーピングギアセット。あらためて自分の手元に残った道具を見ると、自分が道具に何を求めているかが見えてきます。
筆者の場合は、オートキャンプが主体なので、携帯性よりも快適性とさまざまなシーンで使える汎用性が物選びの基準でした。
買って使わない道具ほどもったいないものはないので、自分のキャンプスタイルに何を求めるかをギア選びの物差しとして持っておくといいですね。