記事中画像撮影:筆者
魅力あふれるDDタープの世界
DDタープは、UL系ブランド「DD Hammocks」がリリースしている軽量タープ。コンパクトに収納でき、また豊富なサイズ展開で人気を博しています。筆者もDDタープの愛用者で、3×3mとXL(3×4.5m)の2サイズを所有。重量はそれぞれ790g、1,020gです。
出典:Amazon
DDタープには、これでもかとループが縫い付けられています。辺だけでなく、中央と中間点にもループが。これによりさまざまな張り方が可能になるんです。
張り方はまさに自由自在
こちらは3×3を垂直張り風に張って、蚊帳テントを潜り込ませたスタイル。こんなふうにシンプルに雨よけ、日除けにしてもいいし……
……パップ型やティピー型など、フルクローズにすることも可能です。といっても上の画像はすべてXL(3×4.5m)サイズを使用したときのもの。筆者はなんとなく正方形のタープに苦手意識があるんですよね。
しかしDDタープの定番といえば、3×3mや4×4mといった正方形タープ。ネット上では達人たちがさまざまな張り方を公開しています。というわけでこのたび、今さらながら3×3サイズを使った「ステルス張り」に挑むことにしました。
ステルス張りに挑戦!
張り方はわりと簡単……に思えた
家で張り方を予習し、キャンプ場にやってきました。ペグを打つのは黄色い○の位置にあるループです。そしてペグダウンしたら赤い○の位置にポールを立てればOK。こうして見ると簡単そうに見えますね。
せっせとペグダウンしていきます。のちのち判明するのですが、この段階でもコツが必要でした。が、このときは何もわかっていません(判明したコツはもちろん後述します)。
ペグダウンが終わったら、正面側のループを差し替えます。ペグダウン時に通したループを外し、端っこのループを中央側に移動させて通します。
反対側も同じようにループを差し替えます。これで一枚のタープに余裕が生まれ、立体的になる余地ができます。
さあ、ポールを入れて下から支えましょう。ポールを当てる位置はループが縫い付けられているところなので、迷うことはありません。
ちなみにポールの長さは、ネット上で得た情報をもとに120cmとしました(サイズが3×3の場合)。またタープ生地を養生しつつグリップするよう、先端にはコールマンの「ポールエンドストッパー」を装着しています。
仕上げにロープと追加ペグダウン
ほぼ完成した状態から、かっこよく仕上げていきましょう。正面の余った生地がだるんだるんになっているので、ループにロープを結びつけて……。
正面の離れた位置にペグで固定します。それでもまだ、だるんだるんな部分がありますね。このループにもロープを結びつけます。
ロープを後方のペグに結びつけて、完成です!……って、ステルス張りってこんなでしたっけ? なんか全体的に張りが甘く、しなびている印象です。
後方に持っていくロープは、ちゃんと自在結びをして長さを調節した方がいいですね。あとはポールが低かったのか、ペグ位置を微調整すべきだったのか……。
どうにも決まらない……!
サイドのロープをちゃんと処理し、ポールも長くしてみました。といっても細かく長さを調節できるポールではないので、かなり長めになってしまい、斜めにして誤魔化しています。
これはこれで妙に腰高になってしまい、どうにも決まりません。
不格好であることをスルーしてステルス張りの学習を続けます。後方の余っている生地は、内側に折り込んで処理。また背面のループにロープを通し、木を利用したりポールを立てたりして引っ張ることで、内部スペースが広くなるそうです。
入り口をクローズするときはこんな感じで。正面先端のロープを後方に回し、カラビナを使って入り口を締めます。完全なフルクローズではありませんが、タープ泊のクローズっぷりとしては高レベルでしょう。
とはいえポールは斜めだし、下部に妙に隙間が空いているしで、結局この日は別にテントを張ることに……。ステルス張りへの初挑戦は、ほろ苦い思い出となりました。
何度か練習してリベンジ
ステルス初挑戦からの帰宅後は、公園で何度か練習しました。ポールは120cmで大丈夫なはずなんですが、フィールドアの「伸縮式アルミテントポール250」を使うことに。無段階で長さを調節できるポールで、経験の浅さを補います。
ペグダウンにもコツがあった
練習をしてわかったことは、ペグ位置にも微妙にコツがあるということ。ピンと張られてほしい部分や、ポールを入れたときにループの根本がどの方向に引っ張られるかを見越して、ペグ位置をずらしておくといい感じでした。
こんなふうにループに角度をつけておいたり……
……ループの根本の方にペグを打つ、といった具合です。
再びキャンプ場で張ってみた
というわけで、こちらが練習を経てリベンジしたステルス張り。黄色の○の部分にペグを増やしました。手前2つだけでもいいと思いますが、少しでも見栄えを良くしたくてペグダウンしました。
入り口の開放にはテンションコードを使っています。増やしたペグに引っかけて、ちょうどいい感じとなりました。
内部は外から見るよりも広く感じられ、長辺2mのシートを敷いてもまだ両側に余裕が残ります。荷物も身軽なソロキャンプなら余裕で収納できるでしょう。
高さは最も高い部分で120cm程度なのでお座敷スタイルを余儀なくされますが、タープで設営したとは思えない室内感が味わえます。
クローズモードで思ったこと
クローズするとこのような状態に。熟練者に比べるとまだまだですが、初挑戦のときはシワだらけだったのが、だいぶ改善されました。
さてクローズモードで厄介なのは、出入りです。
これは通過できないんじゃ……と不安がよぎる出入りのしにくさでした。クローズしてから荷物を運び入れるのは困難で、体だけの出入りでも苦しいものがありました。
シートを内部いっぱいに敷いておけば、手をつき膝をつき、比較的ラクに入ることはできると思います(出るときはお尻から)。
あとは完全なフルクローズではないので、入り口の下にそこそこ広めの隙間が空きます。室内で座っている分にはそれほど気になりませんが……
……マットに横になるとこの通り。深夜に季節外れの服装をした青白い顔の人が覗いてきたら……などと思いついてしまうと、いい歳のおっさんでも怖いものがありました。
ただしペグ位置を変えることで、こんなふうにフルクローズにもできるようです。当然狭くはなりますが、隙間とのトレードオフということで、習得する価値はあるかもしれません。ちなみに画像は習得できていない状態で張ったものです。
ステルス張りでタープ泊、どうですか?
何年もDDタープを使っていながら、今回はじめてステルス張りに挑戦しました。こうして見るとやはりかっこいい張り方ですね。
ビジュアルがいいだけでなく、雨や風に強く、プライバシーが守られるメリットもあります。
タープ泊は夏場に適しているイメージがありますが、ステルス張りなら地方によっては冬でもイケるでしょう。DDタープの正方形モデルは、今回使った3×3mサイズの他に3.5×3.5mや4×4mもあるので、ステルス張りを想定して大きめを選ぶのも手ですね。
ステルス張りでタープ泊、どうですか?
今回使用したアイテム
DD Hammocks DDタープ 3 × 3
コールマン ポールエンドストッパー