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TAKI BE TREE

普通の焚き火台に見えるけど二次燃焼? TIFGの画期的な「TAKI BE TREE」を実際に使ってみた

鉄加工ならおまかせのアウトドアブランド「THE IRON FIELD GEAR(ジ アイアン フィールド ギア)」から、興味深い焚き火台が発売されました。

火床を脚で支える形状……つまりはよくあるタイプの焚き火台ながら、なんと二次燃焼を起こすのだとか。これはもう実際に使ってみるしかありません!

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目次

TIFGの画期的な焚き火台「TAKI BE TREE」

THE IRON FIELD GEAR(ジ アイアン フィールド ギア)、略して「TIFG」がリリースしたのが、こちらの「TAKI BE TREE」。逆ピラミッド型の火床を持つ、オープン形状の焚き火台です。

なるほどフォルムのバランスがいい、美しい焚き火台ですね……って、話はそれで終わりません。なんとこのスタイルで二次燃焼を起こすらしいんです!

この形状で二次燃焼を!?

二次燃焼を起こす焚き火台といえば、筒型や箱型と相場が決まっています。しかしそれだと炎がよく見えなかったり、薪をカットする必要があったり……。当製品はそういったデメリットを克服した「オープン形状×二次燃焼」のハイブリッドな焚き火台とのこと。

こんなに「実際に使ってみたい!」と思った焚き火台も珍しく、何としてでも手に入れようと心に決めました。

現物を入手!

……ふう、何とか購入できました。予想通り、発売してすぐに完売してしまいましたね。しかしすぐ次の入荷日がアナウンスされるなど、TIFG側も増産体制をとっている模様です。

THE IRON FIELD GEAR TAKI BE TREE

素材本体:ステンレス 脚:スチール(粉黛塗装)
組立サイズ約W408×H320×D408(mm)
重量約3.6kg(本体2.2kg)
付属品専用キャリングバック

それでは付属の専用ケースから、中身を取り出してみましょう。

中身をチェック

焚き火台を構成するのは、2つの脚パーツと、火床となる四角錐(すい)のプレート。プレートを分解したり、折りたたんだりすることはできません。

ではでは、さっそく組み立ててみます!

組み立ては数秒で!

はい、数秒で完成しました。説明書を見るまでもなく、脚パーツは直感的に組み合わせることができ、あとは火床プレートを乗せるだけです。

完成状態をまじまじと見つめてみました。飾り気のないシンプルさが無骨でもあり、おしゃれでもあり、非常に魅力度の高いビジュアルだと思います。シルバーとブラックのコントラストが美しいですね。

ディテールを見てみよう

それではTAKI BE TREEの細部をチェックしていきましょう。サイズ感や二次燃焼を起こす仕組み、構造をレポートします。

各サイズはこんな感じ

まず大きさと重さは、このような数字です。

真横から見ると、だいたいA4のコピー用紙を2枚並べたぐらいの大きさ。重量は、スノーピークの焚火台Mよりも少々重い程度ですね。

真上から見ると一辺が40cm強の正方形。対角線は約58cmです。40cmクラスの長い薪も、すっぽりと乗せることができそう。

試しに30cmの薪を乗せてみました。この通り余裕をもって火床に収まっています。ただしこの状態だと、これらの薪は二次燃焼とは無縁となるようです。

それではどういう仕組みで二次燃焼が起こるのか、見ていきましょう

二次燃焼を起こす仕組みは?

火床のプレートをひっくり返すと、ピラミッドの頂点付近に空気穴が。焚き火中はここから空気が取り込まれます。

そして火床プレート自体に厚みがあり、全体が二重構造になっています。先ほどの穴から取り込まれた空気は、焚き火でアッチアチになったプレート内でガッツリと加熱され……。

……火床上面の穴から噴き出します! この激アツ空気が煙まで燃やしてしまう現象、それが二次燃焼です。薪が普通に燃えて一次燃焼、熱~い空気が煙まで燃やすのが二次燃焼というわけです。

そうすると写真の穴(上段)よりも高い位置で発生した煙は、二次燃焼で燃やされることがありません。前出の薪乗せ写真のように、プレートの上部ギリギリに位置する薪は、二次燃焼の対象外なんです。

無骨なブラックの脚

さて次は脚を見てみましょう。ずっしりと安定感のありそうな鉄製で、マットな質感のブラック塗装が施されています。

切れ込みによって2つを組み合わせることができ、自立します。

火床を乗せて下から覗いてみました。脚パーツは火床にぴったりとは接地していませんが、これはナイスアイデアと言えるでしょう。焚き火台の火床は多少なりとも必ず歪むので、それを予め想定したつくりになっているようです。

……しかし単に乗っかっているだけの火床が、ズレることはないのでしょうか?

試しに端っこに薪を積んでみました。なかなかの重さがある広葉樹の太薪2本ですが、火床がズレる様子はありません。

これは予想ですが、脚パーツの形状が考え抜かれており、ちょっとやそっとではズレない神バランスに仕上がっているのではないかと。おそらく何度もテストした結果の安定性だと思います。

ちなみに脚を組み合わせる際には、しっかり直角同士になるようにしてあげる必要があります。これを怠ると先ほどの安定性は生まれませんでした。

あとは4本の脚すべてが、ちゃんと地面に接していないと不安定になります。砂利サイトなどでは、地面の状況にも要注意ですね。

実際にキャンプで使ってみた

それではキャンプで実際に使ってみましょう。新しい焚き火台をデビューさせるワクワク感は堪えられませんね。はたしてどんな使い勝手、燃え具合なのか……!?

オープンタイプとして普通に使いやすい

二次燃焼以前に、まず一次燃焼でよく燃えてくれました。逆ピラミッド形状の深さが絶妙で、薪全体を空気が通りやすくなっているようです。

焚き火台のフォルムと、揺れ踊る炎のバランスが美しいですね。

薪の組みやすさも見逃せません。火床のエッジに薪を立てかけたり、逆ピラミッドの傾斜を利用するなどして、通気性のいい薪組みをすることができました。

ちなみに高さは一般的なローチェアでちょうどいい感じ。いわゆる「あぐらチェア」だと火床が若干高く感じられるかもしれません(その分、炎の見え方に迫力があります)。

二次燃焼を肉眼で確認!

こちらは薪から煙がもうもうと立ち昇っている様子です。前述したように、火床の空気穴より上にある煙に対して二次燃焼は働きません。一次燃焼のみが行われています。

しかし火床の表面に注目すると、ときどき空気穴から「ポッ……ポッ……」と炎が! 火床の下の方から発生した煙を、穴から噴出した激アツ空気が燃やしていました。なるほど、確かに二次燃焼を起こす焚き火台です。

また常に熱い空気が火床に送り続けられているため、一般的な焚き火台とは炎の勢いが違いました。ゆっくりと火吹き棒を使い続けている感じで、かつその空気が煙を燃やすほど高温……という状態です。

空気穴を意識して薪を中央に寄せると、二次燃焼はいっそう起こりやすくなりました。

しかしソロストーブのレンジャーのような、筒型焚き火台のわかりやすい二次燃焼とは趣が異なります。二次燃焼の炎を楽しめるというよりは、煙を軽減しつつ燃えっぷりのいい炎全体を楽しめる……そんな焚き火台だと感じました。

調理はしやすい?

さて、当製品を使った焚き火調理はどうでしょうか。まずは試しにゴトクを渡してみます。ゴトクはTKGコーポレーションのロースター300×150を使いました。

……結果、逆ピラミッドの深さ的に、ゴトク下に薪を潜らせるのが困難でした。クッカーやケトルをガンガン加熱することは難しく、熱の伝わり方は保温程度のものでした。

いっそ薪を利用するゴトクレスなスタイルでもいいかもしれません。ただしクッカーや鉄板を水平に設置するのは難しく、また薪の形や強度は刻一刻と変化するので、安定性に不安が残ります。

最適解はトライポッドやアイアンハンガー、ファイヤーラックの活用でしょう。当製品のカラーがシルバー&ブラックなので、マッチする製品が多いのも助かります。

ちなみに写真で使っているのはキャンピングムーンのトライポッドL。吊るせるタイプのクッカーやケトルで、快適に炎を利用することができました。

片付けは最高レベルに楽ちん

片付けはすばらしく楽ちん。冷めた火床を持ち上げて灰を捨てるだけです。角があるので、いま流行りの炭消し袋に注ぎやすいのも嬉しいポイントでした。さらに面倒な分解も折りたたみもありません。

しかし分解も折りたたみもないということは、とあるデメリットと表裏一体です。次の段落で説明します。

気になった点は……?

それなりの収納サイズ

火床を組み立てたり分解したりする必要がない……となると収納サイズはそこそこかさばります。収納袋にはなだらかなピラミッドが立ち、一般的な折りたたみ式の焚き火台のように平べったくはありません。

しかし二次燃焼を売りにした筒型の焚き火台よりコンパクトになるのは明白であり、かさばると言ってもコールマンのファイアーディスク程度。「デメリット」は言い過ぎかもしれません。

煙を一切許さないスタンスだと厳しい

何度か前述しましたが、薪の位置によって煙は出ます。「二次燃焼?じゃあ煙は出ないんだね!」と期待しすぎると、ガッカリするかもしれません。煙を消すのではなく減らす焚き火台、そしてよく燃える焚き火台……と捉えてほしいところです。

TAKI BE TREEはすごかった!

こちらは別の機会に、ディスク型の焚き火台と同時使用したときの写真です。このまま火が消えるまで放っておいたところ、面白い焚き火跡を見ることになりました。

左のディスク型には燃え残った炭がチラホラと……。対してTAKI BE TREEの方は、白い灰しか残っていませんでした。

ディスク型の方も最後までこまめに薪をいじってやれば、燃え残りを減らすことはできるでしょう。しかしTAKI BE TREEの方は放っておいても完全燃焼。焚き火シーンで前述しましたが、常に火吹き棒を使っているような状態なので、この結果となります。

ちょっと目を離した隙に炎が消え、煙だけがブスブス……といったことが起こりにくいのもメリット。個人的には二次燃焼うんぬんよりも「高温の空気を送り続けるのでよく燃える」点に強い魅力を感じました。

あとはデザイン、フォルムの美しさ。「二次燃焼するけれど炎がよく見える」を売りにしているだけあって、炎の美しさを引き立てるシンプルデザインに好印象です。

TIFGのTAKI BE TREE、出会えたことに感謝したい焚き火台です。

THE IRON FIELD GEAR TAKI BE TREE

素材本体:ステンレス 脚:スチール(粉黛塗装)
組立サイズ約W408×H320×D408(mm)
重量約3.6kg(本体2.2kg)
付属品専用キャリングバック

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