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Soomloom チタンペグ

【鍛造ペグと比べてどうなの?】新・定番「チタンペグ」の実力をガチ検証してみた

「チタンペグ」の実力をガチ検証! 実際に使ってわかったチタンペグのメリット・デメリットから、定番の鍛造ペグと比較もしてみました。果たして強度の違いは? 今ラインナップも急増中のチタンペグの魅力に迫ります。

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目次

軽量な上にタフ!チタンペグに注目

チタンペグと鍛造ペグ

テントタープ に付属しているペグを使わなくなる……これはキャンプを続けているうちに、多くの人がたどり着く境地でしょう。

そして自前ペグの定番といえば、鉄製の鍛造ペグ。しかしここにきて軽量なチタンペグが注目され始めているのをご存知ですか?

Soomloomのチタンペグを入手!

Soomloom チタンペグこちらは、激安ギアをラインナップするブランド「Soomloom(スームルーム)」 。Amazonでは高評価も多く、勢力を拡大しつつあるブランドです。

チタン製のペグなんて超高級品のイメージでしたが、手の届きそうな価格で売られていたので、試しに購入してみました。

Soomloom チタンペグ 20cmと30cm選んだのは「20cm4本セット」税込1470円と「30cm4本セット」税込2970円(筆者購入時参考価格)。激安ブランドとはいえ、やはりチタンは安くありませんでした。

チタン製ペグのメリットは?

まずはペグをチタン製にすることによる、メリットとデメリットをそれぞれ整理しましょう。

筆者は『村の鍛冶屋』が手がける鍛造製の「エリッゼステーク」 の28cmモデルを愛用しているので、引き合いに出しながらチタンペグの特徴をまとめてみます。

メリット① とにかく軽い!

Soomloom チタンペグ

結びつけられた夜光ロープをつかみ、スームルームのチタンペグ(30cm)を持ち上げてみました。鉄の鍛造ペグに慣れているので、拍子抜けするほどの軽さです。

チタンペグ 計量

長さ的に同クラスの鍛造ペグと比較すると、この通り。1/3に迫るほどの異常な軽さですね。仮にノルディスクの「アスガルド12.6」 を張るとすると計26本のペグが必要ですから、荷物としてのペグの重量差は26倍に……!

チタンペグのメリット、まず1つ目は「とにかく軽い!」です。

メリット② 強度が高い!

チタンペグを踏む様子

軽さだけを求めるならアルミ製という手もありますが、チタンは軽いだけでなく強度の高い金属。試しに橋渡しにしたチタンペグに、筆者の体重80kgを乗せてみました。思いっきりしなっていますが、大丈夫でしょうか……!?

Soomloom チタンペグ

結果はこの通り、曲がることなくピンピンしていました。けっして曲がって見えない角度で撮影しているわけではありません。足を浮かせたとたん、何事もなかったように元に戻りました。

エリッゼステーク

筆者が愛用しているペグには、このように曲がってしまったものも……。これに限らず、鉄製の鍛造ペグではそれほど珍しくない現象です。

ちなみにこういった曲がりは、先ほどの写真のように体重をかけることで修正しています。

エリッゼステーク

また先端が丸く潰れているものもチラホラと。地中で石にぶつかることが多々あるので、キャンプを繰り返すうちに潰れてしまったようです。もちろんまだまだ使えますが、地中を突き進む力は衰えているかもしれません。

Soomloom チタンペグ

チタン製の場合、少しずつ削れていくことはあるかもしれませんが、丸く潰れることは考えにくいですね。とはいえ何年も使ったわけではないので、先端の消耗に関してはコメントできません。

ともかく全体重をかけても曲がらなかったのは確かな事実。チタンペグのメリット、2つ目は「強度が高い!」です。

メリット③ 錆びない!

エリッゼステーク

こちらは雨のなか撤収し、帰宅後も雨が続いたときに、干そうとしたらサビが浮いていた様子です。鉄はどうしても錆びやすいので、使用後はすみやかに、しっかりと乾燥させる必要があります。

Soomloom チタンペグ

対してチタンは耐食性に秀でた金属。つまり錆びません。まあ厳密には錆びる(酸化する)らしいんですが、見た目は変わらず、また錆びが材質としての劣化につながらないのだそう。

チタンペグのメリット、3つ目は「錆びない!」です。

チタン製ペグのデメリットは?

デメリット① なにしろ値段が高い!

Soomloom チタンペグ

軽い上に強度が高く、メンテ要らずなチタンペグですが、その値段は全メリットと対抗できるほどに高価です。

スームルームの30cmモデルの場合、3590円の6本セットがいちばんお得なんですが、それでも1本あたり598円。スノーピークの「ソリッドステーク30」 が6本セットでAmazon価格2728円(1本あたり454円)であることを踏まえると、勇気の要る買い物になりますよね。

ちなみに筆者は購入したチタンペグをすでに1本、紛失してしまったのですが、そのときの精神ダメージは「ペグを1本無くした」というレベルではありませんでした。

デメリット② 加工が難しいらしい

Soomloom チタンペグ

チタンはプレス成形や溶接が難しい、加工のしにくい金属です。スームルームのチタンペグの場合、ヘッドの溶接部分が壊れてしまったという報告がネット上にちらほらと……。「激安の中華ブランドなので仕方ない」とは値段的に割り切れないので、ディテールの品質には不安が残ります。

国産を求めたい場合は『村の鍛冶屋』がチタンペグも手がけているのでチェックを。あとは『テンマクデザイン』 も製造は中国ながらチタンペグをリリースしています。たとえ中国製でも、国内ブランドのチェックが入っているかどうかは大きな違いでしょう。

村の鍛冶屋 64チタン 20cm 4本セット

●サイズ:φ7.8mm×200mm(鍛造部:6.6mm)  ●材質:64チタン合金  ●重量:40g (1本)

テンマクデザイン チタンペグ30

●サイズ(約):長さ/300mm、幅/20mm、ボディー8mm ●重量:約68g ●素材:チタン合金

実際にチタンペグを打ち込んでみた

購入したスームルームのチタンペグを、実際にキャンプ場で打ち込んでみました。途中で石にぶつかってストップするものの、構わずハンマーを叩き続けることで、そのまま最後まで突き進んでいますね。砂利混じりの地面でも問題なさそうです。

がっちり固定で大満足

ガイロープ

ガイロープ を張ってみました。感触としては鉄製の鍛造ペグと何ら変わらず、しっかりガッチリとした安定感があります。自在をギュウギュウに引っ張ってもビクともしません。

ペグを動かす様子

手でグイグイと動かそうとしても、簡単には応じてくれませんでした。ペグとして頼りないと感じることは、まずないと思います。

それでいて意図的に抜きたい場合は、回転させてやるとわりと容易く抜くことができました。

鉄製ペグと比べてみた

エリッゼステーク

鉄製の鍛造ペグ、その定番2種と比較してみましょう。ここまでもちょいちょい名前が挙がった、村の鍛冶屋の「エリッゼステーク28cm」、スノーピークの「ソリッドステーク30」を用意しました。

上からスームルーム、エリッゼステーク、ソリッドステークと並べました。実測重量は前の方で触れましたが、公式スペックは次の通りです。

・スームルーム「チタンペグ」:全長30cm/打ち込み部直径8mm/70g

・村の鍛冶屋「エリッゼステーク」:全長28cm/打ち込み部9×7mm(楕円形状)/190g
・スノーピーク「ソリッドステーク30」:全長30cm/打ち込み部直径8mm/180g

打ち込みやすさは……?

3本を打ち込んでみました。やはり使い慣れたエリッゼステークが打ち込みやすかったですね。ソリッドステークもさすが実績あるロングセラーということで、打ち心地(?)は申し分ありません。

そしてスームルームのチタンペグは、他の2本よりわずかに難易度が高いと感じました。その理由は……。

ご覧のとおり、的が小さいからです。叩く部分はエリッゼステークが楕円形状で13×17mm、ソリッドステークは直径15mmもあります。対してスームルーム製は、打ち込み部と同じく直径8mm。

もちろんしっかりと芯を叩けるベテランキャンパーなら、まったく苦にしないと思いますが、筆者は外してしまうことが何度かありました。

ゴム紐で引っ張られ耐性をチェック

ゴム紐で耐性チェック

打ち込まれた状態での動きにくさはどうでしょう? 最後まで打ち込むと3本ともビクともしないので半分ほどに抑え、ゴムで引っ張ってみることにします。

うっかりヘッドの高さを揃えてしまったため、全長が28cmと他よりも2cm短いエリッゼステークはだいぶ不利です。このときはそこまで気が回らなかったことをお詫びします。

スノーピーク「ソリッドステーク」の場合

ソリッドステークはまったく動じず、でした。ビクともしないので、このまま引っ張り続けたらゴムが切れるのではないか……と不安になったほどです。

村の鍛冶屋「エリッゼステーク」の場合

2cm短いハンデからか、だいぶ動いてしまいました。打ち込み部の太さが、引っ張られる方向に対して他より1mm細いことも影響した可能性があります。

スームルーム「チタンペグ」の場合

多少は動いてしまいましたが、ソリッドステークに準じる結果となりました。先端が鋭い分、ソリッドステークとの差がついたのかもしれません。

ペグが地面に刺さっている様子

実験後の一枚です。ソリッドステークは地面との間に隙間すら生まれていません。浅かったエリッゼステークはだいぶグラつく状態で、スームルームは多少グラつく程度。

ただし地中の状況はほんの数cm移動するだけで変わるので、結果は誤差の範囲かもしれません。いずれにせよスームルームのチタンペグが、鍛造ペグと遜色のない踏ん張り方をすることはわかりました。

初心者にこそおすすめしたいチタンペグ

Soomloom チタンペグ

スームルームのチタンペグを実際に触って、使ってみた結果、「買ってよかった、買い足したい!」という気持ちは確かにあります。しかしここから必要本数を買い足す値段を思うと、二の足を踏んでしまうのが正直なところ。

また高価格に目をつぶったところで、愛着のあるエリッゼステーク16本をあっさりと2軍に落とすことができません。

ただ、もし筆者が“荷物の軽量化”を目的にギアを集めていたらチタンペグを一軍にしているでしょう。エリッゼステーク16本は合計重量が3.2kg(200g×16本)、これをもしチタンペグに替えたら1.1kg(69g×16本)と、なんと1/3の重さにできるのですから。

Soomloom チタンペグ

もしテントの付属ペグに不満を感じ始めている初心者キャンパーがいれば、初の自前ペグとして是非おすすめできるペグです。

10本を超えるとさすがに重いな……と感じる頃には、もう後戻りしにくいのがペグです。もし筆者が初めの1本からペグを買い揃えるなら、スームルーム製に限らずどこかしらのチタン製を選ぶことは間違いありません。

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