【ナイフの使い方】自作ペグを作ってみる。ブッシュクラフト入門 #03
モデルでありイチ・キャンパーの木村ミサちゃんの憧れからスタートした当連載。一人前のブッシュクラフターになるために「薪の選び方」や「フェザースティックのやり方」、「ファットウッドの探し方」など、可愛らしい見た目とは裏腹に男前なスキルを学んでいく成長記録です。#03は、ブッシュクラフトの充実度を大きく左右する、「ナイフの使い方」についてのお話。
2022/08/24 更新
編集者
CAMP HACK編集部
月間550万人が訪れる人気No.1キャンプメディア『CAMP HACK』。累計制作記事本数は10,000本以上。環境省等の行政機関、「髙島屋」や「niko and ...」といったクライアントとの連携実績多数。また、TBSテレビ『ラヴィット!』等、各メディアで登壇機会多数の編集部員も所属。
CAMP HACK編集部のプロフィール 制作者
GGGC
全スタッフが紙媒体出身のクリエイティブカンパニー『GOODIES GOOD,GOOD COMPANY.』。2020年12月、渋谷から湘南に拠点を移し、サーフ誌の編集からブランドデザインやWEBサイト・コンテンツ制作、イラストなど、さまざまな業務を兼任。「おまけ」「お楽しみ」を意味する“GOODIES(グッディーズ)”な精神で、読者の皆さまに「ギフト」となるコンテンツをお届けできれば幸いです。
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はじめてのナイフに嬉しさ半分、不安半分……。
「趣味でキャンプはしてるけど、ブッシュクラフトは未経験」という木村ミサちゃんが、読者の等身大となってブッシュクラフトのノウハウを学ぶ、リアルな成長記録。
木村ミサ
きむら・みさ 1990年、群馬県生まれ。好きなことを仕事にする“推しごとをお仕事へ”をモットーに、モデルとして活動する傍ら、ライフスタイルメディア「Hanako」でお茶連載、グルメニュースサイト「macaroni」でカレーレシピ連載を持つなど、マルチに活躍。“ミサミサ”の愛称で親しまれている(@misaxmas)。
前回は“ナイフの選び方”を学び、無事にはじめてのMYナイフをゲットしたわけですが、これからの相棒とも言えるそのナイフを手にワクワクした表情を浮かべながらも、やや緊張気味なミサミサ。
それもそのはず、今回のテーマは「木からペグを作る」です。料理中にナイフを握ったことはあるけれど、木を切ることは初めて。さて、無事にペグは完成するのか?! 早速実践です。
▼前回の#2はこちら
プロに教わる、ナイフの正しい扱い方。
アウトドアショップ「UPI 鎌倉」のアドバイザーを務める寒川一さん。防災やキャンプ関連のイベントで講師として登場するほか、ラジオから雑誌まで幅広いメディアで活躍し、著書には「アウトドアテクニック図鑑(池田書店)」などがある。
今回のテーマはあくまでも「木からペグを作る」ですが、ブッシュクラフトを語る上で欠かせないのが、ナイフを使って太い薪を細く割る技術“バトニング”。
そこでまずは、バトニングの勉強を踏まえながら、ナイフの正しい扱い方を学んでいきます。今回も、レクチャーしてくれるのはアウトドアライフアドバイザーの寒川一さんです。
ナイフの正しい握り方
一番オーソドックスな握り方が、この「フォアハンドグリップ」。いわゆる“グー握り”で、「ハンマーグリップ」「パームグリップ」とかも呼ばれたりします。バトニングはもちろん、フェザースティックも基本的にはこの持ち方。
そのほか、今とは刃が逆向きの「リバースグリップ」、細かな作業向きの「セイバーグリップ」などがありますが、それは後ほどペグを作る際にご紹介します。
バトニングをするときは、このようにナイフの刃端が木より出ているのが大事。1/3ぐらい出てればOKです。
というのも、ナイフをバトンで打ちつけるとき、最初はブレードの中心やや根元よりを叩いていくんですが、ある程度ナイフが木の中に入っていくと、刃先しか叩けなくなるので。
なるほど。ナイフが木に入った後の、叩くスペースを残しておくってことですね!
ナイフの正しい構え方
まずは、刃を食い込ませるように“コーン、コーン、コーン”と。このとき大事なのが、構え方。足の内側、いわゆる太腿から下ですね。ここには動脈、静脈などの太い血管が走ってるので、その中でのナイフの作業は絶対に避けること。
なので、ナイフを使うときはこうやって対象物を体の外に外して。実際に、やってみましょうか。
安全な構え方でバトンを進めていくミサミサと、それを見守る寒川さん。
そうそう、ゆっくりで大丈夫です。ポイントは、ナイフをできるだけ並行に保つこと。
バトンで叩いていくと、その力でナイフの刃先が下に向くので、刃先が下がると同時にナイフの持ち手側もしっかり下に押し込む。
ナイフを並行に保ちながら、そのナイフが木の中腹に来たところで、パカーン!
その後もバトニングを繰り返す、ミサミサ。
あれ? こっちの木、さっきよりも太いのにナイフがサクサク進む!
そうですね、さっき割ったのはおそらく白樺かな。広葉樹なので、木自体が硬くて、木目も歪んだものが多いので割るのに多少力が要るんです。
一方、今割ろうとしてる針葉樹は木目が比較的まっすぐしていて、割りやすい。
薪の断面を見ると、木目の密度の違いが一目瞭然。
写真左が広葉樹。木目が詰まっている分、空気が入りづらく、火をつけるに多少時間を要しますが、一度着火すれば燃焼の持久力に長けています。
一方で右の針葉樹は、軽く、着火がしやすいのが特徴。ただし燃焼に持久力がないため、焚きつけ向き。
節(ふし)の有無で、硬く感じたりすることもあるので、下の写真のような明らかに節のある薪はバトニングには避けましょう。
節のある薪は刃が通りづらく、バトニングは避けるのがベター。焚きつけが安定してから投入する燃料として使用するのが◎。
こういった、薪の「硬い」「柔らかい」などの感触すら楽しむのがブッシュクラフトです。どんな木が削りやすいのか、観察力を養っていくのも面白いですよ。
そこまでナイフが進んだら最後まで打ち付けずに、今度は手首をひねって。
上手! 最後まで叩き割っちゃうと、ナイフが下に“ガーン”って当たってしまうんですよ。今回は下が木だから、ナイフにそこまで大きな損傷はないんですけど、
場合によっては刃がこぼれちゃう。だから、ある程度割れそうって感じたら、ナイフをひねるようにして割ってあげると◎。
▼バトニングをもっと知りたい方はこちら