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【ナイフの使い方】自作ペグを作ってみる。ブッシュクラフト入門 #03(2ページ目)

実際にペグを作ってみる

バトニングを経て、ナイフの正しい握り方・構え方を習得したミサミサ。さて、これからが本題「木からペグを作る」です。

素材を必要な長さに切る

UPI寒川さん
まっすぐの木枝を手に入れたら、まずは適宜の長さにカット。通常、木目に対して垂直にナイフを入れるとき、ノコギリじゃないと切るの大変なんですけど、これぐらいの太さだったら……。
ミサミサ
バトニングの要領ですね!
UPI寒川さん
ペグとして使う場合は大体20cmから、長くても30cmぐらいですかね。

ペグとして地面に刺す先端を尖らせる

UPI寒川さん
さっきと同じ「フォアハンドグリップ」で、木の先端を削って行きます。削り方はいくつかあるんですが、僕の場合はナイフを持った手を膝に固定し、木を後ろ側に引く。
ミサミサ
ナイフを動かすんじゃないんですね!
UPI寒川さん
そうそう。木枝を回しながら、尖らせていく。
ミサミサ
……。なかなか削れないです。

UPI寒川さん
そしたら、コレはどうですか? 太腿で木を固定し、ナイフを体の外に向けて木を削いでいく方法。ナイフの握り方は同じで、今度は肘を支点にナイフを動かすように。
ミサミサ
シュッ! あ、こっちの方がやりやすいです!
UPI寒川さん
うん、上手に削れてますね!

真剣な表情で、木枝の先端を尖らせるミサミサ。

ミサミサ
だいぶ、尖ってきました!
UPI寒川さん
そこまできたら、だいぶイイ感じです! 尖った先端が木枝の中心にあるか、クルクル回して確認してみてください。
ミサミサ
ん〜。少し、いびつかも……。
UPI寒川さん
そしたら、そこを少しだけ研いであげて。

ミサミサ
(シュッ、シュッ、シュッ!)さっきより整ってきました。
UPI寒川さん
うん、いいですね! あんまり止めどなく削っていくと、どんどん先端が細ってしまい、ペグとして土に打つとき折れちゃうのでやめ時も大事。僕も、“あと、もうちょっと”なんて思うこと多々あるけどね(笑)。

ペグの頭となる「エンド」を作る

寒川さんが削った、ペグの頭。
UPI寒川さん
叩く側のエンドはそんなに尖らせないで、先端はフラットに、周りに少しだけ角度つけてあげる。ペグとして地面に叩き入れる際、木枝の中心にしっかりと力を伝えてあげたいので。イメージはこんな感じです。
ミサミサ
キレイ!
UPI寒川さん
コレを見本にやってみましょうか。

UPI寒川さん
頭だけをカットしたいときは、ナイフの刃を自分の方に向けて。これ、見た目的に「怖い」っていう人がいるんですけど、ナイフの握り手の親指を削る木に対して奥側に置いて、その親指を下に押す。

ナイフを動かすんじゃなくて、親指の少ない可動域で”ジョリジョリジョリ”と少しづつ削ってあげる。

ミサミサ
なかなか、難しい……。
UPI寒川さん
ポイントは、自分の手をハサミのように動かすイメージです。
ミサミサ
ほんとだ! ハサミをイメージしたら急にやりやすくなりました!

ミサミサさんが削った、ペグの頭。
UPI寒川さん
この感じは、料理にも似てるよね!
ミサミサ
はい、りんごの皮むきをしてるみたいです。そして、できました!!
UPI寒川さん
お、エンド完成ですね!

ロープを引っ掛ける「Vノッチ」を作る

UPI寒川さん
今度はロープを引っ掛けるVノッチ、いわゆる溝を作ります。「セイバーグリップ」って言って、ブレードの背に親指をかけ、その親指でナイフを押し出すイメージで。
ミサミサ
こうですか?
UPI寒川さん
そうそう! ナイフの動きを最小限に、ブレードの根元側の刃でしっかりと力を伝えながら。
ミサミサ
結構、硬いんですね……。うまく力を伝えるコツってありますか?
UPI寒川さん
手だけの力じゃなく、アームの力を使って突っ張り気味に押してあげるといいですよ。ナイフが“ミシミシミシミシ”って入っていくような感覚で。
ミサミサ
あ、刃がしっかり食い込んでいきます!

UPI寒川さん
ある程度削れたら、今度は反対側からも。こっちも結構力を入れて“ググググ”とある程度深い角度にナイフを入れていくんですけど、そのときに一つポイントが。僕の左手、どうなってますか?
ミサミサ
親指で、ナイフの持ち手を押してる?
UPI寒川さん
そう、ストッパーですね! 左手で「こっちに来ないで」って押しながら、右手はナイフを進めていく。勢いで“スパーン”っていかないように、注意しながら……。

ミサミサ
こっちも結構、力が要りますね!
UPI寒川さん
そうですね。でも、一回で切り込みを入れようとすると難しいので、何回かに分けて削り出すとイイですよ。

削り具合を確認しながら慎重にVノッチを作っていくミサミサ。

ミサミサ
もうちょっとだ!(ググググ!)

その後もひたすら削り続け……、ついに!

ペグの完成!

ミサミサ
できました!
UPI寒川さん
お、イイじゃないですか! しっかりとペグになってる!
ミサミサ
明日、筋肉痛になりそうです(笑)。
UPI寒川さん
普段なかなか使わない筋肉使いましたもんね(笑)。
ミサミサ
はい……。でも、玉ねぎの微塵切りとか、もともと無心で作業するのが好きなのですっごく楽しかったです!
UPI寒川さん
それはよかったです! じゃあ、せっかくなので土に打ってみましょうか!

ミサミサ
(Vノッチを下側を寝かすように斜めに打ち付け、パラコードを結んで……)。すごい、ちゃんとペグになってます!
UPI寒川さん
強度もバッチリですね!
ミサミサ
ありがとうございました!

ナイフ技術初級編を攻略!次回は中級編、ポットクレーン制作に挑戦。

ナイフの正しい扱い方を覚え、見事にペグを作り上げたミサミサ。「ハマりそう! ちょっと家でも修行してきます!」と頼もしいコメントを残し、今回のミッションをコンプリート!

次回は、実際に山へ足を運び、更なるステップアップを図ります。徐々にブッシュクラフターへと近づく彼女の成長、今後もお見逃しなく!

今回撮影に協力してくれた店舗

UPI 鎌倉
住所:神奈川県鎌倉市御成町13-36 御成町テラス1階(JR鎌倉駅西口 徒歩2分)
​営業日:11:00-19:00(月・火・木・金)、10:00-18:00(土・日・祝)
定休日:水曜日

 

PHOTO:きるけ。 EDIT&TEXT:GGGC

 

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