平成を完走した長寿アイテム
ロゴス「防水ファイアーライター」が発売されたのは1989年。年号でいうと平成元年です。30年続いた平成の世を軽々と完走し、令和2年になっても着火剤界に君臨するロングセラー。水への耐性が高く、長期間にわたって保管しても湿気ない(しけない)と評判です。
¥720で21コ入りの高コスパ
21個入りで、定価は720円(税抜)。公式スペックでは1kgの木炭起こすのに1~2個あればOKとのことなので、最大限に活用できた場合、毎週末のBBQを5ヶ月以上にわたって行うことができます。
そんな高コスパを支えるのが、「湿気ない」という特長。超久しぶりに取り出して使うことになっても問題なく着火できるのだから、消費期限切れの無駄が出ません。
それではどれくらい水に強いのか、検証していきましょう。
水にどのくらい強い!?
ざぶっと濡れてもOK?
まずは思いっきり濡らしてみましょう。水道で20秒程度の滝行をしてもらいました。トーチやターボライターなどは使わず、ジッポのライターで着火してみます。
記事としてまったく面白くならないのでは……と不安になるほど、あっけなく火が点きました。レポートするような現象は何もなく、「ごくごく普通に着火できた」という結果でした。
そもそも当製品は、水に浸かった状態でも着火できてしまいます。さすがに全体を沈めれば消火されますが、半身浴ぐらいは余裕なんです。
湿気ないってレベルじゃない
そこでたっぷり一晩、20時間ほど水に漬けておいてみました。どうせ普通に着火するんだろうな……と謎の失望感を抱いて一夜を過ごしました。
半身浴の状態でいざ着火……おや、火が付きません! ライターで諦め、SOTOのフィールドチャッカーまで持ち出しましたが、いっこうに燃えてくれませんでした。湿気らせることに成功し、不思議な喜びすら感じています。
しかし水から取り出して2時間ほど放置しておいたところ、何事もなかったように復活しました。水に漬けておいてもすぐに回復するのだから、空気中の水分ぐらいじゃ太刀打ちできないことでしょう。こいつはもう「湿気ない」ってレベルじゃありません。
雨に降られたらどうなる?
湿気ないことは嫌というほどわかりました。では着火状態に直接、水を浴びせたらどうなるんでしょうか。ヘビーなキャンパーには、雨のなか火を起こしたい人もいるかもしれません。
ご覧のように、結果は「いったん炎が弱まっても復活する」でした。さすがにザアザアと水を浴びせ続けると火は消えるんですが、そうでなくては困ります。消火が困難な着火剤なんて、危なくて仕方ありませんから。
風耐性を試してみた
水に強いということは、よくわかりました。では風にはどうなんでしょう? 振ってみたり放ってみたり、全力で息を吹きかけたりしてみましょう。
振ってみた&放ってみた
トングで掴んで振ってみましたが、影響はまるでなく、それこそ「どこ吹く風」。単なる謎行動の動画となりました。
けん玉のように上方向に放ってみましたが、これも影響ありませんね。危ないことをしているだけです。
以上の2つの行動は、あくまでも検証のためであり、絶対に真似しないようお願いします。そもそもぜんぜん面白くありません。
息で吹き消せるか……?
懸命に息を吹きかけたんですが、徒労に終わりました。40代男が必死に着火剤を吹き消そうとするという、謎行動を公開するだけの結果に。
ちなみにカメラを止めてからコツをつかみ、ボクシングのワンツーの要領で息を吹きかけると消せることが判明しましたが、だから何? といったところです。とにかく当製品が、風にも強いとおわかりいただけたと思います。
ロゴス 防水ファイアーライター
固形燃料としてイケるんじゃ?
ここで、火を消すことは諦めることにして新たな使い方を模索していきましょう。
アルミ鍋の加熱に使ってみた
公表されているスペックによると、燃焼時間は1個で13~17分間。固形燃料としても使えそうな気がしませんか? そこでアルミ鍋のうどんを加熱してみることに。
350ccの水を加え、温めるだけの状態となったアルミ鍋の中身は600gを超えています。うまくいきますかどうか……。
「防水ファイアーライター」は余裕をもって3個使用しました。火力は充分なように見えます。
沸騰させ、そのまま3分煮込むという仕様のうどんでした。まあ時間的には火が保ちそうですね。
残念ながらボコボコと沸騰することはありませんでしたが、もうもうと湯気が。
実食したところ、問題ない仕上がりでした。麺はアツアツで、お揚げが若干ぬるいかな、といった加熱具合。ガスバーナーやアルコールストーブほどの実力ではありませんでしたが、固形燃料として使えないことはないかと。
……と思いきや、やっぱり固形燃料として使うことはオススメできません。ススが、ススがひどかったです。災害時などの非常事態でもない限りは、普通に着火剤として働いてもらった方がよさそうですね。
有能すぎるので粗探しを
着火剤としては文句のつけようがない、さすがロングセラーの当製品ですが、気になる点を探してみました。
錠剤のようにアルミを破って取り出すのですが、これがスマートではありません。隣のアルミまで破けてしまうことが多く、また本体が崩れてカスが出てしまいます。
まあカスは燃やしてしまえばいいし、不必要な分のアルミが破れてしまっても、なにぶん湿気ないので影響はないんですが。
実力は本物でした
というわけで平成を駆け抜けた長寿アイテム、ロゴス「防水ファイアーライター」の実力を改めて検証してみました。
とにかく湿気ないので、保管状態に神経質になる必要がなく、気軽に扱えるのは嬉しいですね。BBQ好きのキャンパーはもちろん、マグネシウムのファイヤースターターを愛用するような武骨キャンパーでも、保険で持っておいて損はないと思います。
ロゴス 防水ファイアーライター