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ピコグリル398の焚き火シーン

こりゃいいや!500g以下の超軽量な焚き火台3種を使い比べてみた

焚き火はキャンプのメインイベント。ゆらめく炎を見つめながらリラックスする時間は、至高のひとときです。しかし荷物をコンパクトにしたい場合、焚き火台の大きさと重さは悩みのタネに……。そこで注目したいのが重量500g以下の超軽量な焚き火台です。人気の3アイテムを使い比べてみました。

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目次

記事中画像撮影:筆者

軽量で煮炊きのできる焚き火台×3種


キャンプでもっとも楽しみにしているのが焚き火、というキャンパーも多いことと思います。しかしキャンプツーリングなどでは、焚き火台はけっこうな荷物に……。かといってコンパクト性や軽さを重視して焚き火台を選ぶのは、薪の組みやすさや調理の面で不安が残るもの。


そこで今回は軽量コンパクト、かつ煮炊きも可能な焚き火台を3アイテム、集めてみました。実際に使用してみて長所や気になった点をレポートします。

(左から)
・NINJA FIRESTAND ¥12,960(税込)
・ピコグリル398 ¥11,800(税込)
・B-6君 ¥5,076(税込)

B-6君は構造的にも用途的にも、比較対象とするには違和感がありますが、「500g以下」「煮炊きできる」という条件に当てはまるため、特別にエントリーしてもらいました。

たった280gのNINJA FIRESTAND


まずはNINJA FIRESTANDから見ていきましょう。まるで巻物のような、ニンジャ感たっぷりの収納スタイルです。注目すべきは驚きの軽さ、なんと280gしかありません。

収納時のサイズは公表されていませんが、しっかり丁寧に収納したところ直径約4.5cm、長さ約38cmというサイズになりました。

内側には収納物一覧、組み立て方法、耐荷重が記載されていました。もちろん取扱説明書も入っているんですが、紙はどうしても失くしてしまいがちなので助かりますね。

収納されているパーツをすべて取り出しました。火床となるメッシュ、フレーム、脚、そしてシリコンのパイプがはまっている火吹き棒で構成されています。火吹き棒は脚のスペアにもなるとのこと。

組み立て時間は2~3分程度


折り畳まれていたフレームを広げ、メッシュの四隅にある穴に通します。あとは4本の脚をフレームに差し込み、ひっくり返せば完成です。

組み立てに要した時間は2~3分といったところでしょうか。使用時のサイズは36×36×30cm。フレームがクッカー類を乗せる架台となります。そのため薪の入るスペースに高さの制限はありますが、面積的には充分でしょう。

フレームは中央部分でこのように連結されています。この連結部の形状にも意味があるようです。

このように回転させることで、メッシュの張り具合を調整できるというわけ。細かな工夫が施されたアイテムであることがわかりますね。ちなみにフレームや脚のパーツはステンレス製です。

大人気のピコグリル398


次にピコグリル398。今さら説明するのも憚られる、長らく大人気の焚き火台です。収納サイズは33.5×23.5×1cm。面積的にはA4よりもちょっとだけ大きく、厚さが1cmあります。本体の重量は448g。

転売品やコピー品をよく目にするので、しっかりとした正規の販売店で購入したいですね。
製品情報はこちら

収納物はこの2点。折り畳まれたフレームと、同じく折り畳まれた火床。組み立てがぜんぜん難しくないことが予想されます。

組み立ては3アイテム中で最も簡単


火床となるステンレスの板を広げ、裏面を観察。空気を採り入れる穴といい、連結部の曲線といい、洗練された機能美が感じられます。

フレームは差し込んだりする必要なく、ただ広げるだけ。広げたフレームに火床をはめ込めば、あっけなく完成です。

火床に入れられた4つの切れ込みが、垂直のフレームにはまってフィットする仕組み。収納袋から取り出して完成するまで、時間は1分もかかりません。

火床がフレームにはまっている状態をご確認ください。火床の切れ込みがフレームの太い部分に引っ掛かるだけでなく、横断するフレームに乗っかることで、薪の重さに耐えることができる構造です。

ピコグリル398で煮炊きをする際に欠かせないスピット。別売りですが本体のケースに一緒に収納できます。1本¥650(税込)。

フレームに橋渡しをすることで、ケトルやスキレットを乗せる架台となります。ピコグリル398は軽量コンパクトながら、薪を組みやすいことで知られる焚き火台。きっと調理も捗ることでしょう。

考え抜かれた構造のB-6君


最後にB-6君を見ていきましょう。品質の高さで知られながらもユーモアを忘れないメーカー、笑’sを代表するアイテムです。

収納サイズは約18.1×12.2×1.8cm。完全にB6サイズ……というかB6よりもちょっと小さいという、驚愕のコンパクト性です。


収納袋から取り出しました。重さは約500g、持ち上げるとルックスのわりにはずっしりとした手応えが……。各パーツが見事にスタッキングされているという証拠。

各パーツを広げてみました。組み立ては難しく感じられる人もいるかもしれません。しかしYouTubeに笑’s公式の組み立て動画が上がっているので、予習することが可能。できれば一度は視聴してから挑みましょう。

組み立て&収納で得られる謎の快感


組み立ててみましょう。まずは左右の側面を垂直に引き起こした状態で、前後の側面を差し込みます。ネジも溶接部もないのにピタリと四角いボディができ上がり、不思議な快感が……。よくぞ設計したと感心してしまいます。

前面の扉を開けてロストルを設置し、脚を広げれば完成。ロストルは底面から浮いた状態で固定されるので、4面の側面と相まって煙突効果による優秀な燃焼効率が予想されます。

小さいながらしっかり脚付きで、さらに灰が地面に落ちないローインパクト性も見逃せません。付属のゴトクは任意の場所に。

ゴトクは斜めにはめ込んでもOK。耐荷重10kgという、ただでさえ屈強な本体の剛性がさらにアップします。

収納は逆の手順で行いますが、スタックの手順を忘れがちなので、収納時に公式動画を再度視聴することをおすすめします。しっかり正確にスタックできると気持ちいいですよ。

そしておすすめのオプション品はこちらの2つ。左から「B-6君専用 耐熱コーティング加工 グリルパン」1,944円(税込)と「B-6君専用グリルプレート」756円(税込)。B-6君は炭を使った調理を得意とするアイテムなので、ぜひとも活用したいところです。

3台を使い比べてみた


3台の焚き火台を持ってキャンプに出かけました。それぞれ焚き火をしてみて感じたこと、調理のしやすさをレポートします。

焚き火台によっては、小枝の薪を充実させておく必要があります。今回は庭木を切ったときに薪用にカットしておいたものを用意しましたが、比較的手に入りやすい、枝打ちされた杉の枝を拾い集めてもOK。

太い薪はバトニングするなどして細かく割っておきます。小枝を集めるか薪割りをするか、好みが分かれるところですね。いずれにせよ手間はかかりますが、ガソリンランタンのポンピングと同じように、手間そのものを楽しみましょう。

NINJA FIRESTANDのフレームは邪魔?


まずはNINJA FIRESTANDから使用してみます。メッシュ上部で交差するフレームが邪魔になりそう……とは誰もが予測することでしょう。どのくらい邪魔に感じるか、焚き火スタート!

う~ん、そんなに邪魔には感じないような……。しっかり小枝を用意したりバトニングしたりと準備万端だったので、フレームの存在は苦になりません。もちろんうずたかく薪を組み上げることはできませんが、そこそこ太い薪でも差し込むことができました。

ホームセンターで購入できる廃材系の薪ならそのまま使用できますし、キャンプ場によっては管理棟で売られている薪がそのまま使えることもあるかと。メッシュの通気性による燃えっぷりは上々で、焚き火をする面で何ら不足は感じません。

架台は想像以上に安定


焚き火料理をつくる場合はどのような使い勝手でしょうか。煮る系の調理を想定し、お湯を沸かしてみます。フレームの形状からケトルの位置は動かせないので、火力は薪の位置変更と火吹き棒で。

数分ですぐに湯気が立ち昇り、ケトルのフタが騒ぎ出しました。何かを煮ることにまったく問題はなさそう。コトコトと弱火で煮込みたい場合は、クッカーに逃げ場がないので、シビアに薪の火力を調整する必要があります。

スキレットを使ってフレームの架台をテスト。多少のグラつきはありましたが、不安になるほどではありませんでした。

フレームの架台は中央部分しか利用できませんが、安定性はばっちり。よほど偏った位置に置かないかぎり、ひっくり返ることはなさそうです。

ちなみに耐荷重は2kgなので、ダッチーオーブンはたとえ6インチクラスでもまず使えません。ご注意を。

薪を選ばないピコグリル398


次にピコグリル398で焚き火をしてみます。薪を乗せるスペースには天井がないため、大きな炎が期待できますね。


燃えっぷりは充分すぎるものでした。たくさんの薪をどんどん投入できるので、軽量でもコンパクトでもない焚き火台と同じように焚き火が楽しめます。火床の形状により、空気の通り道がしっかり確保されるのも大きな要因でしょう。

クセの強い形の薪でも苦にしません。また真上から薪を放り込めるというのは気持ちがよく、「あのへんに薪を入れたい」という焚き火心(?)を存分に満足させてくれます。

バトニングを施していない、太い薪もラクラク……と思いきや、火床の端に大きな荷重がかかると、切れ込みが垂直フレームから外れてしまうようでした。火床の下を横断しているフレームのおかげで落ちてしまうことはありませんが、重くて長い薪を使う場合は要注意です。

調理時の火力調整がラク


スピットを使ってお湯を沸かしてみましょう。薪を上手に組んで、燃えている薪に直接クッカー類を乗せてしまう上級者もいますが、やはりスピットを使うのが無難。

お湯の沸きっぷりはといえば、過剰なほどの火力であっという間にグラグラと沸騰しました。コトコト煮たい場合は薪を減らしたり、クッカーの位置をずらしたりすることで対応できるでしょう。

スキレットの使用ではスピットの安定感が光りました。しっかりと平面に置いている感覚で、安心感があります。

小さくとも火力充分なB-6君


最後はB-6君が登場。他の2アイテムと比べても圧倒的に小さなボディです。これで焚き火なんて可能なんでしょうか?

……めちゃめちゃ可能なんです。ボディそのものが煙突効果を発生させる構造なので、薪を入れれば入れるだけ、勢いよく炎が立ち昇ります。適した薪をしっかり用意しておけば、大きくて重い焚き火台にも引けを取りません。

開閉式の扉により、風に強い点も見逃せません。薪をポキポキと折りながら活きのいい炎を見つめるのは、ついつい夢中になる面白さがありました。ファンが多いのも納得ですね。

驚きの強火が可能


お湯を沸かしてみました。ご覧のとおり火力は申し分なし。細い薪を用意する必要はありますが、登山やハイキングといった軽量装備時でも持ち運べる利便性に比べたら、小枝を集めるぐらいは苦にならないはずです。

自分より大きなスキレットもなんのその。耐荷重10kgのボディはびくともしません。そして煙突効果により、素晴らしいまでの強火が可能! 薪が剥き出しになる構造の焚き火台よりも、調理に適していると言えます。

B-6君で調理する場合は、長時間に渡って燃え続ける炭がおすすめ。じっさい成形炭が見事に収まるサイズですし、前出のオプション品を活用すれば、じっくりと炭火料理を楽しむことができますね。

それぞれの長所と気になる点

それでは今回使ってみた3アイテムの、それぞれ素晴らしかった点、気になった点を挙げていきます。正直、3アイテムすべてにポジティブな印象を持っており、気になる点として挙げている部分は、無理矢理ひねり出した難癖に近いものがあります。

調理面ではNINJA FIRESTAND


煮炊きを想定すると、もっとも高く評価したいのはNINJA FIRESTANDです。別売りのオプション品なしで煮炊きが可能なのは大きいですね。社外品のロストルを用意すれば、さらに調理しやすくなるでしょう。火吹き棒が付属するのも嬉しいところです。

気になる点を挙げるとすれば、後片付けでしょうか。灰を落とさないようにメッシュだけを取り外すのが難しいのと、丸ごと運んで灰捨て場に行く場合、脚が抜け落ちてしまうのが気になりました。

焚き火の醍醐味はピコグリル398


焚き火のしやすさ、楽しみやすさで言えば、ピコグリル398が最高でした。薪のサイズを選ばないのがまずラクですし、大きな炎を立ち昇らせることも簡単です。組み立てが数十秒で終わるというのも、焚き火のしやすさとして評価できます。

気になる点と言っていいのかどうか、コンパクト性は他の2アイテムに劣ります。厚さ1cmのA4サイズ、448gで「コンパクト性に劣る」というのも酷な話ですが、軽さと小ささにおいては、相手が悪かったかもしれません。

コンパクトなだけじゃないB-6君


今回の3アイテムのなかでも飛び抜けてコンパクトなB-6君。その長所はポケットサイズであることだけではありません。風に強く、燃焼効率がいいので、キャンパーがイメージするいわゆる焚き火台とは別腹のアイテムかと。すでに焚き火台を持っている人にこそ活用してほしい焚き火台です。

ただ緻密な構造ゆえ、組み立てと収納の難易度が低くはないかなと。実際、ロストルを底面に設置するミスが多いようで、何も見ずに簡単にできるものではありません。まあ説明書も入ってるし公式動画もあるので、事前にチェックしておけば問題はないでしょう。

以上、500g以下の超軽量な焚き火台を実際に使用し、レポートしました。それぞれいいところが沢山あって、どれを選んでも損はないと思います。やりたい焚き火のスタイルに合わせてお好みでどうぞ!

焚き火台の記事はこちら