スキレットで焼くから美味しい……
キャンプやバーベキューで食べたい食材といえば”肉”ですよね。中でもスキレット を使って焼くステーキは絶品もの!
ではなぜスキレットで焼くと、お肉が美味しくなるのでしょうか? その秘密はスキレットの素材、つまり”鉄”の特徴にあります。
鉄は熱伝導率がゆっくりなので、食材をムラなく加熱。肉のうまみや水分をギュッと凝縮してくれるのです。とはいえ、ただ焼けばいいというものではありません。今回は、初心者でも失敗しない、スキレットでステーキを焼く方法について詳しくご紹介していきますよ!
新品のスキレットにはシーズニング作業が必須!
ステーキの焼き方を紹介する前に、皆さん「シーズニング」はお済ですか?
実は新品の多くは、サビ防止のための油が塗られています。まずはその油を落とし、新しい油でコーティングしなければなりません。そうしないと、食材に鉄臭さが移ってしまい、せっかくの料理も台無しになってしまいます……。
※商品によっては、シーズニング処理済みの場合があります。必ず購入した製品をご確認ください!
シーズニングの方法
シーズニング処理をされていないスキレットでの工程は以下の通りです。
①洗剤で洗う
②水分がなくなるまでふき取る。
③空焼きする(強火で水分を飛ばす)
④全体にオリーブオイル(もしくは塩分のない食用油)油を塗る。
⑤鉄臭さをなくすために、オリーブオイルを追加してクズ野菜を炒める。
⑥仕上げに、クッキングペーパーで油を塗る
絶品ステーキの焼き方を紹介
シーズニングを終えたところで、さっそくステーキの焼いていきましょう! 使用するスキレットは、一時大ブームを巻き起こした「ニトスキ(19㎝)」。食材は、近所のスーパーで調達した1000円台のリーズナブルなステーキ肉です。
材料
・ステーキ肉……200~300g
・牛脂……1個
・塩コショウ……少々
まずは下ごしらえ
まずはお肉を常温に戻します。なぜかというと、冷たいままでは、肉の中心温度を上げるのに時間がかかってしまうから。
そうなると中まで火が通りすぎてしまい、レアやミディアムレアといった焼き加減が難しくなります。
まずはスキレットに火をかけ、牛脂を投下。半分は後で使うので、ぜんぶ溶けないように目を光らせておいてください。意外に溶けるのが早いです。
続いて、ササっとフォークで肉に穴をあけていきます。これは牛脂を染み込みやすくするためです。
この頃には、スキレットにある牛脂が半分くらい溶けています。これを引き上げて……
溶けかかっている牛脂を肉の両面に塗ります。フォークやスプーンなど、面が広いものを使うと塗りやすいです。
焼く直前に、塩とこしょうを肉の両面に振りかけましょう! シンプルが1番。
ステーキを焼いてみる
味付けが完了したら、いよいよお肉を投下します。いざ出陣!
ジュワ~~ッ!! 食欲を一気にそそる、肉と油のハーモニーです。 強火だと1~2分で片面に焦げ目がつくので、冷静に素早くひっくり返しましょう。
どうでしょう! いい感じに焼けてきたのではないでしょうか? これが1000円台のステーキ肉なんて……。
焼いたばかりの肉を切ってしまうと、せっかくの肉汁が出てしまいます。
ですから、切る前にアルミホイルに包んで、焼いた時間くらい休ませるのがポイント。どの焼き加減でもです。
5分ほど休ませて、完成です!
ミディアムレアの焼き時間
今回は2つの焼き方に挑戦しました。まずはミディアムレア(五分焼き)。こちらは強火で両面とも約1~2分くらい焼きました。中は全体的に薄いやや赤みの強いピンク色です。柔らかくて、口に入れた瞬間肉汁がぶわっと広がりました。
ウェルダンの焼き時間
こちらがウェルダン(全焼き)。強火で約2~3分くらい焼きましたが、全体的に硬めな仕上がりになってしまいました。肉の厚さが1㎝以下だったので、2分以上だと焼きすぎだったのかもしれません。
強火で1分くらい焼いた後、弱火にして30秒~1分くらい焼くのがいいみたいですね。
火力はもちろん、肉の厚みによって焼き時間が異なってきます。スキレットは、一度熱すれば高温になりすぐに火が通るので、焼きすぎないように注意してください。
▼みんなの、ステーキスタイル紹介!
使用後のお手入れも忘れずに
ステーキを堪能した後は、面倒な片付けです。スキレットはお手入れが重要なので、しっかり行いましょう!
まずは、料理の汚れをキッチンペーパーなどで取り除きます。写真は冷ましたスキレットなので素手で拭いていますが、調理後すぐに洗う場合は必ず軍手を着用しましょう。
次にお湯、もしくは水で汚れを落としていきます。表面のコーティングが剥がれないように、天然たわしやササラ を使うのもポイントです。
また、使用直後でスキレットが熱を持っている場合は、水ではなくお湯で汚れを落としてください。急な温度変化でスキレットが割れる可能性があります。
洗い終わったらキッチンペーパーなどで水分を拭きとり、スキレットに火をかけて水分を飛ばします。
ちなみに写真は焚火の上に置いていますが、裏面が煤で真っ黒になったのでオススメしません。(下の写真のようになります)
乾かした後は、スキレットが熱いうちにシーズニングと同じ要領で油を塗ります。全体に塗り終わったら、スキレットを十分に冷まさして、湿気の少ない場所に保管しましょう。
表面に「焦げ」が付いちゃった……
料理に焦げはつきものですよね。スキレットの場合は、調理後の熱い状態にお湯を張り、スポンジやたわしでこすればOK。
取れにくい場合は、お湯を沸騰させて焦げ部分を柔らかくし、再度スポンジなどで擦りましょう。それでも取れない場合は、重曹を入れて沸騰させるとより取れやすくなります。
ここだけは注意!スキレットの扱い方について
スキレットは普通のフライパンとは違い、取り扱いにはちょっと注意しなければなりません。
高温に熱した状態で、水をかけるのはNG
前述しましたが、急激な温度差で割れてしまうことがあるので注意しましょう。早く汚れを落としたくても、冷めるまで待ってから洗うのがオススメ。
基本、洗剤を使うのは初回のみ
洗剤で何度も洗うと油でコーティングされた被膜が取れてしまい、サビがつきやすくなります。ですから洗剤を使うのは、最初のシーズニングのみが理想です。
しかし、焦げやニオイや気になる場合は、洗剤や重曹で手入れをし、またシーズニングをやり直せば問題ありません。
保管もしっかり!
スキレットは湿気が大の苦手! 新聞紙で本体をしっかり包み、湿気の少ない場所で保管してあげましょう。なぜ新聞紙かというと、余計な水分を吸収してくれるのでスキレットが錆びにくくなるんです。
「IH対応」のスキレットもある!
火やオーブンでの調理のイメージがあるスキレットですが、IH対応のスキレットも続々と出ています。
しかしIHは、機種によってはスキレットに対応していない場合もあるので、しっかりと確認しましょう! ここではITに対応しているスキレットをご紹介します。
【ロッジ スキレット】
アメリカ ロッジ社のスキレット。シーズニング済みなので、使う前にお湯で洗うだけで使い始められます。お手入れが不安な初心者にも安心ですね。別売りの蓋を使えば、蒸し焼きもできるのでさらに料理の幅が広がります。
ロッジ スキレット
【ニトリ スキレット(ニトスキ)】
人気沸騰のニトリのスキレット、通称ニトスキ。何と言ってもその魅力は手頃な価格! 別売りで、専用の持ち手カバーや蓋、木台も販売されています。
ニトリ スキレット(ニトスキ)
【和平フレイズ スキレット ヘビーズ】
あの超有名フライパン「レミパン」 を販売している和光フレイズのスキレット です。手間のかかるシーズニングが済んでいるので、すぐに使えるのが嬉しいポイント。
和平フレイズ スキレット ヘビーズ
【イシガキ産業 スキレット】
錆びにくく油馴染みしやすい使い勝手の良いスキレット。18cmくらいあると大きなステーキを焼くのにもぴったり!
イシガキ産業 スキレット
スキレット×人気の肉レシピ5選
ステーキ以外の肉料理も、スキレットで作れば数倍美味しくなるかも……? 続いては試してみたい!スキレットで作る肉レシピをご紹介します。
①スパイスチキン
【材料】
●鶏肉……2枚
●GABANエルブ・ド・プロバンス……4振り
●すりおろしニンニク……小さじ1
●塩こしょう……少々
【作り方】
鶏肉1枚を3等分に切った後、調味料で味付けをして焼くだけというシンプルなレシピ。鶏肉の皮面を下にして弱火で4~5分ほどじっくり焼き、皮がパリパリになったら裏返して火が通るまで待つのがポイントです。
※レシピの詳細はこちら
②肉豆腐
【材料】
- ●牛肉 薄切り……150g
- ●マイタケ……1/2パック
- ●白ネギ……1本
- ●豆腐……2/3パック
- ●酒・みりん……各60g
- ●しょうゆ……35g
- ●青ねぎ 小口切り……1本分
【作り方】
マイタケ、白ネギ、青ネギ、豆腐を切って準備しておきます。スキレットに火をかけ、酒、みりん、しょうゆを入れて牛肉を焼いていきます。
肉に火が通ったら白ネギ、マイタケを入れ、焼けた牛肉をネギとマイタケの上にのせます。最後に豆腐を入れたら5分ほど加熱し、仕上げの青ネギをかけたら完成です。
※レシピの詳細はこちら
③たまねぎの肉巻き
【材料】
- ●玉ねぎ……1個
- ●豚肉薄切り……10枚
- ●醤油……30cc
- ●酒……30cc
- ●お酢……10cc
- ●砂糖……大さじ1
【作り方】
玉ねぎの皮をむき輪切りで5等分にします。外側を2~3枚残し真ん中をくり抜いたら豚肉を巻いて、両面をスキレットで焼いていきます。
別皿に取り出しておき、残っていた玉ねぎをみじん切りにして炒め、しょうゆ、酒、お酢、砂糖を入れて煮詰めて肉巻きにしっかり絡めば完成です。
※レシピの詳細はこちら
④スキレットですき焼き
【材料】
- ●牛もも薄切り……150g
- ●砂糖……大さじ1
- ●醤油……大さじ1
- ●長ネギ(斜め薄切り)……1/3本
- ●白菜(1口大)……100g
- ●人参(花形等に薄切り)……30g
- ●お麩(水で戻した後水気を絞ったもの)……20g
- ●ごぼう(ささがき)……30g
- ●醤油……40cc
- ●みりん……40cc
- ●酒……20cc
- ●出し汁……120cc
- ●水菜一……掴み
- ●サラダ油……小さじ1
- ●溶き卵……2個
【作り方】
スキレットを熱してから油を敷き、そこで肉を炒めて調味料を入れていきます。野菜を彩よく並べたら、だし汁などを入れて煮込むだけ。火から下ろしてから水菜を盛り付ければ完成です。
※レシピの詳細はこちら
⑤豚バラのトマト煮込み
【材料】
- ●豚バラブロック肉……約250g
- ●トマトソース(市販品)……約100g
- ●塩こしょう……少々
【作り方】
豚バラブロックを1cmくらいの厚みに切り、熱したスキレットで両面焼いていきます。溜まった油を拭き取りましょう。両面カリっと焼けたらトマトソースを流し込み、塩コショウを振って弱火で煮込めば完成です。
※レシピの詳細はこちら
▼スキレットをつかったレシピはこちら
スキレットで美味しく焼こう
スキレットは普通の鍋やフライパンと比べると、重さもあり少しお手入れに手間がかかってしまいますが、お肉を焼けばその差は歴然!
今までお肉がフライパンでうまく焼けなかったという人は、ぜひスキレットを試してみてください。