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テントの汚れ

「え!テントってべた付くの!?」実はよく知らない“加水分解”について詳しく知ろう!

「加水分解」を知っていますか?多くのテントで見られる劣化現象のことですが、購入時・使用時に気にしている人はきっと少ないかもしれませんが、他人事ではありません。今回は愛用テントを長く使うため、加水分解についての知識を深めましょう!

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目次

アイキャッチ画像出典:テントクリーニング

使い方を間違えれば、テントはダメになります……!

コールマン テント

キャンプで無くてはならない存在、「テント」。ギアの中でも最重要項目といえる存在だけに、サイズもお値段も大き目……。

他のギアに比べると買い替えも慎重になりがちですが、多くのテントにも寿命があるのはご存知ですか? テントの寿命を縮める原因の1つに、テント本体の生地が、使用年数や条件によって「べた付く」現象、「加水分解」があるんです。

スノーピーク テント

テントの寿命を縮めてしまう原因には、ポールをつなぐショックコードの劣化や、ポール自体の割れ、テント生地の破れなどが。これらは部品の修理や交換などで済むケースが多いのですが、テント生地本体の劣化である「加水分解」は、ちょっと厄介。

今回は、それほどレアケースではないのに、実はあまり知られていない「加水分解」について、その原因や対処方法について詳しくご紹介します。

そもそも加水分解って?

テントの防水性が落ち、べた付きや匂いが発生!

テントの汚れ

テント生地が「加水分解」を起こすと、具体的にどのような現象が起きるのでしょうか?

驚くことに、テントの機能として最も重要な機能の1つ、「防水性」が落ちてしまい、べた付くだけでなく、独特の匂いまで発生してしまうのです。

加水分解は、防水加工の「劣化」が原因!

テントの生地

出典:HONDA

そんな加水分解によるべた付きや匂いは、生地に何が起きることで生じるのでしょうか? 実は、これは防水加工(生地の裏面)の劣化なんです。

多くのテントで採用されているポリウレタンコーティング(PU)の劣化が、べた付きや匂いの発生をもたらすのです。

劣化の原因は「水分」との反応!

撥水

出典:HONDA

それでは、そもそもそのPUコーティングは、なぜ劣化するのでしょうか? その原因はなんと……「水分」!

ある意味避けようがなく、あまりにも身近な「水分」が原因とは、にわかには信じがたい事実ですが、扱い方や保存状態により、水分・湿気が加水分解による劣化を招いてしまうのです。

完全に阻止することは不可能……!

撥水

ここまでの説明で、加水分解とは、水分との反応で防水加工が劣化して発生する現象だということはご理解いただけたかと思います。ですがキャンプをする上で、雨や霧などの水分がテントに付着するのを、完全に防ぐのはほぼ不可能……。

ただ、工夫次第で水分による加水分解の進行を遅らせることは可能なんです。そこで、次にその対策についてチェックしてみましょう!

事前の対策と、加水分解してしまった後の対応

【事前対策】キャンプ場では、しっかり乾かして収納する

テントの乾かし方

加水分解による劣化の進行を少しでも遅らせるための対策、まずは「事前対策」からチェック! テントは、濡れたまま収納すると加水分解が加速。だからしっかりと乾燥させることが大切です。

キャンプ場でしっかりと乾燥させてから収納し、雨撤収の際は、帰宅後にしっかりと乾燥させましょう。

【事前対策】直射日光の当たらない場所で保管

テントの保管

出典:筆者撮影

事前対策その2は、直射日光が当たらず、温度の上昇が少ない場所に保管すること。

そして更に、保管する際、テントの収納袋を少し開けた状態にして、換気されやすい状態にしたり、乾燥剤を入れておくなどの方法で対策する人も。

【復活方法】ポロンTを上塗り

シリコン系撥水剤「POLON-T」 はけ

そして次は、加水分解してしまった時の最終手段、べた付きを緩和させる方法について。

シリコン系撥水剤「POLON-T」を上塗りすることで、べた付きが緩和されるという報告が。ただし「撥水」剤なので「防水」性能を復活させるのでは無い点に注意が必要です。

また「POLON-T」もテント補修を目的とした製品では無いため、あくまで自己責任の範囲内で試すことをおすすめします。

POLON-T 撥水剤 1kg

● 外観:淡黄色透明 ●不揮発分:2以上 ●粘度(CS)25℃:0.6〜1.0 ●比重25℃:0.76±0.05 ●乾燥時間(分)30℃:30 ●溶剤:工業用ガソリン

【復活方法】重曹で洗う

重曹で洗う

出典:HONDA

続いて、こちらも同じく加水分解後の復活方法。劣化してべた付くPUコーティングを、重曹で洗うことで全て剥がし、綺麗にする方法です。

実際に試している例をブログなどでもよく見かける方法の1つですが、防水加工を全て落とすことになるので、本当の最終手段。

また、生地のハリがなくなってふにゃっとしてしまうなど、いろいろと注意が必要な面が。こちらもあくまで自己責任の範囲内で試すことをおすすめします。

加水分解しないテントもチェック!

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いろいろと予防対策しても、やはり、完全に防ぐのは難しい加水分解。なら、逆転の発想で、最初から加水分解しないテントを選べばいいんです!

先にも説明した通り、加水分解はあくまで水とPUコーティングとの反応による現象。ということは、コットンなどPUコーティングされていない素材なら、加水分解はしないんです。そこで、加水分解の心配がないおすすめテントをご紹介!

コットン系のテントなら加水分解の心配なし!

コットン系のテント

出典:リマ

加水分解しない素材1つ目は、天然素材のコットン。人気の「ノルディスク アスガルド」や「リマ バハリ」など、最近はデザインも形状も実にさまざまなタイプのコットンテントがラインナップ。

ただし、コーティングがなく加水分解しない代わりに、カビが発生しやすい点には注意が必要です。

ノルディスク アスガルド 7.1m2

●サイズ:300 x 265 x 200 cm (収納時は80×30cm ) ●重量:17kg ●素材: <テント>65% ポリエステル / 35%コットン、 <フロア>ターポリン ●収容人員:3人用

MLIMA(リマ) コットン ロッジテント バハリ4 (ブラウン)

●仕様 ・フライシート:210gT/C、PUコーティング、耐水圧800mm、PVC0.5mm ・インナーテント:T/C、フロアー:PVC(耐水圧10,000mm以上) ・フレーム:スチールφ22mm ●重量:フライシート/14kg、インナーテント/3㎏×2、フレーム/13kg ●サイズ:480×260×200h(cm)

ヒルバーグのテントも加水分解知らず!?

ヒルバーグのテント

出典:HILLBERG

そしていよいよこちらは、ほぼ劣化がないと評価の高い「ヒルバーグ」のテント。

両面100%シリコンコーティングの3レイヤーで構成される独自素材は、加水分解をよせつけないばかりか、防水で軽量かつ引裂き強度に優れた高機能素材。

これなら加水分解を怖がることなく、安心して長く使えます。ただし、当然ながら機能に比例して価格も高いので、その他の機能や自分のキャンプスタイルを考慮して、十分検討するといいですね。

ヒルバーグ ケロン4 GT

●素材:Kerlon 1800 ●アウターテント生地:40デニールリップストップナイロン ●アウターテント処理:両面100%シリコン加工(合計3レイヤー) ●アウターテント重量:60g/平方m ●アウターテント引裂き強度:min.18kg(ISO13937-4) ●アウターテント耐水圧:3000mm(ISO811) ●アウターテント耐光性:minimum5(ISO105-B02) ●インナーテント生地:40デニールリップストップナイロン ●インナーテント処理:耐久性撥水加工(DWR) ●インナーテント重量:42g/平方m ●フロアー生地:100デニールナイロン ●フロアー処理:ポリウレタン3層コート ●フロアー重量:120g/平方m ●フロアー耐水圧:7000mm(ISO811) ●最小重量:4.6kg ●総重量:5.5kg ●室内最大高:110cm ●フロア広さ:4.4平方m ●前室広さ:3.4平方m×1.6平方m ●ポール(10mm)数:4本×348cm ●ペグ数:22本×Y型ペグ ●ポールホルダー必要数:8個(※別売) ●カラー:レッド、グリーン、サンド

ヒルバーグ アルタイ XP コンプリート GN

●素材:Klerlon 2000 ●アウターテント生地:70デニールハイテナシティナイロン ●アウターテント処理:両面100%シリコン加工(合計3レイヤー) ●アウターテント引裂き強度:min.20kg(ISO13937-4) ●アウターテント耐水性:3000mm(ISO811) ●アウターテント重量:75g/m2 ●本体重量:3.1kg ●総重量:5.0kg ●室内最大高:200cm ●フロア広さ:9.9m2 ●収納サイズ:25φ×58cm ●付属品:アルミセンターポール( 19.5φmm)186×214cm( 調節可能)×1本、 アルミサイドポール( 13φmm)135cm×8本、ペグ( Yペグ)×16 本、 スタッフバッグ、ポールバッグ、ペグバッグ、スペアポールセクション、 リペアスリーブ

誰もがぶつかる可能性のある問題が「加水分解」

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「加水分解」についてのあれこれ、いかがでしたか? 加水分解は「経年劣化」の為、修理保証対象外となっているメーカーが多く、実は誰もが直面する可能性のある現象

まずは加水分解を少しでも遅らせる予防対策を、そして新たに購入する際は、加水分解しづらい素材を検討することも選択肢として知っておけば、お気に入りのテントを長く愛用することが可能です。「たかが水」とあなどるなかれ、大切なギアは正しいケアで守ってあげられるといいですね!

キャンプ中にテントが壊れたら……?

キャンプ中に”もしも”があった時、焦らないために事前に対策方法を覚えておきましょう!

Important gear it is possible to use long by correct care!

大切なギアは正しいケアで寿命を延ばせる!