天体観測に望遠鏡を使うメリットとは?
天体観測には「望遠鏡」を使って観察するのがおすすめです。双眼鏡や単眼鏡でも使えないことはありませんが、月のクレーターや土星の輪を見たりするには望遠鏡がおすすめです。
▼双眼鏡・単眼鏡の記事はこちら!
購入前に知っておきたい!望遠鏡の基礎知識
天体望遠鏡は、レンズや反射鏡が入っている【鏡筒】、鏡筒を取り付けて自由に安定して動かせるようにする【架台】、架台をしっかり支える【三脚】の3つのパーツで出来ています。
構成は同じですが、種類によって扱い方はだいぶ変わってくるので、「どのような天体観測をしたいのか」「天体写真撮影」をするのかなど、目的に応じた望遠鏡を選ばなくてはなりません。
望遠鏡(鏡筒)には「屈折式」と「反射式」の2種類がある
望遠鏡にはレンズを組み合わせた屈折式望遠鏡と鏡を組み合わせた反射望遠鏡との2種類の方式があります。それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。
屈折式望遠鏡とは
凸レンズを組み合わせた鏡筒を使って光を集め、像を観察するタイプ。一番ポピュラーな望遠鏡で、初心者におすすめです。
<メリット>
接眼部が鏡筒の一番下側についているので、天体の方向に向ってのぞけば観察できる点、天体の光が正しく一点に集まるよう調整する光軸調整が不要だという2点です。
<デメリット>
凸レンズを使うがためのデメリットもいくつかあります。レンズの特長である色収差を解消するための仕組みがそれです。
色収差とは、光が凸レンズにあたって屈折する際に生じる色ごとの屈折角度のズレのこと。そのズレを補正するためには複数のレンズを組み合わせる必要があり、重量も増しコストも上がってしまいます。そのため、屈折式望遠鏡は、反射式望遠鏡に比べ高価となっています。
反射式望遠鏡とは
レンズだけを組み合わせた屈折式望遠鏡に対して、反射鏡を利用して対象物の像を捉える望遠鏡のことを反射式望遠鏡と言います。
<メリット>
屈折式望遠鏡で使用するレンズに比べ、反射鏡を使用する反射式望遠鏡では色収差が発生しません。そのため、反射鏡1枚使用すればいいので、価格も抑えられ、軽量に仕上げられています。持ち運びをする時にはメリットとなります。
<デメリット>
屈折式望遠鏡では、見たい天体と90℃違う方向からみることになるので、見たい天体と同じ方向を見る反射式望遠鏡と比べると違和感が発生します。慣れてしまえばよいことですが慣れるまでが少々大変です。
また口径の大きな反射式望遠鏡では、鏡筒内の大気の容積も多くより気流の影響を受けやすくなります。そのため、気流が発生すると光軸を揺れ動かしてしまい対象物の像がブレて、見えずらくなるデメリットがあります。
架台は「経緯台式」と「赤道儀式」の2種類がある
架台には「経緯台式」と「赤道儀式」の2種類があります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
経緯台式とは?
望遠鏡を三脚に固定するバーツを架台と呼び、望遠鏡を上下左右に動かして星を追うことが出来るものを経緯台式と呼びます。
組立が簡単で扱いやすく、軽量なので持ち運びしやすい点がメリットですが、150倍以上の高倍率での長時間観測には向かないというデメリットもあります。気軽に天体観測を始めたい方におすすめです。
赤道儀式とは?
赤道儀式は、経緯台式と比べ重量が重くなる、動きが独特のため慣れるのに時間を要するというデメリットがある一方、地球の自転に合わせて星を追うことが出来ます。
そのため、長時間にわたり星を追尾する使い方や自動で追尾する使い方が出来ます。長時間観測や本格的に写真撮影をしたい方におすすめです。
望遠鏡の適正倍率は?
望遠鏡の倍率は、計算で求められる範囲ではいくらでも倍率を上げられますが、倍率が大きいほどよく見えるという訳ではありません。むやみに高倍率で見ても対象物がぼやけてしまい、像がはっきりとしません。
天体望遠鏡の最大適正倍率は口径の大きさの約2倍と言われており、一般の観測では口径をmmで表した数の半分くらいの倍率が、最も観測に適した倍率(適正倍率)になります。
倍率よりはむしろ、口径(レンズの直径)の大きさが重要です。レンズの直径が大きいほど光が集められて明るくみえます。月を例とした場合、口径60mmから100mmまでの望遠鏡での見え方は、50倍で月全体が視野に入る大きさで見え、70倍以上で無数のクレーターや海の凹凸が見えるレベルです。
望遠鏡の有名メーカー4選!気になる評判もチェック
有名な望遠鏡メーカーをご紹介します。ユーザーの口コミから自分の使い方に適したメーカーを見つけて見ましょう。
Vixen(ビクセン)
「天体望遠鏡」と検索すれば、まず目に留まるのが「ビクセン」ですよね。初心者~上級者向けに幅広い種類の望遠鏡を取り扱っています。
商品説明に初心者 小学生とかかれてたので 少し不安でしたが 商品そんな心配はいらなかったです。二十歳をこえた息子がつかっても充分な物でした。(出典:楽天)
初心者向けとは言っても、大人がつかっても十分な機能を持っているようなのでしっかり使いこなせそうですね。公式ホームページはこちら
MEADE(ミード)
アメリカ・カリフォルニア州南部アーバインに本社を構える、世界最大級の光学製品メーカーです。研究・開発・製造を自社内で一貫して行っているのが特徴。
架台と本体が切り離せないので常設向きと言えます。
娘に購入。星に興味がありいろいろ望遠鏡を調べ決めました。まだまだ使いこなすには勉強が必要ですが、星以外に月等楽しめるので本人も大変喜んでいます。(出典:楽天)
使いこなすには多少の勉強が必要なようですが、それを積み上げることで知識も増やすことが出来るという意味ではお子様にもおすすめですね。公式ホームページはこちら
BORG(ボーグ)
ボーグ天体望遠鏡はトミーテックが展開する天体望遠鏡のブランドです。特徴は、数多くのパーツをラインナップしているので自分好みにカスタムしやすいこと。
その為、ボーグ天体望遠鏡は自作ファンにも人気がありますが、一方、初心者にはわかりずらい部分もあります。公式ホームページはこちら
高橋製作所
1960年代頃から天体望遠鏡の製造を開始。現在では個人向けの天体望遠鏡や赤道儀式架台以外にも、天文台用の大型赤道儀や大型望遠鏡の製造も行なっているメーカー。
その製品作りは性能を重視したもので、無骨なデザインで高性能はでありマニアに人気の高いメーカーです。公式ホームページはこちら
初心者におすすめ!望遠鏡6選
これから天体観測を始めようと思っている初心者におすすめの望遠鏡をご紹介します。
【屈折式】ビクセン ポルタII A80Mf
天体望遠鏡に初めて触れるユーザーから星好きのベテランまで、見たくなったらすぐに楽しめる天体望遠鏡システム。
【屈折式】ビクセン ポルタII ED80Sf
クリアで高コントラストな視界を確保。写真撮影にも最適な一台です。組み立てやすく扱いやすい構造は初心者におすすめ。
【屈折式】ミザール TL-750
初心者におすすめ。便利なオールインタイプ。面倒な接眼レンズ交換もターレットを回すだけの手軽さで天体・地上共に楽しめます。
【屈折式】ミード EQM-70
口径60mm近辺のものが多く発売されてきた入門用天体望遠鏡の中で、EQM-70は多くの光を集められるよう70mmの光学レンズを採用。架台部は天体の追尾がしやすいように赤道儀式が採用されています。
【屈折式】スコープテック ラプトル50
シリーズ累計販売台数10 ,000台を突破した人気商品。驚くほど見える天体望遠鏡のフレーズで大人から子供まで初心者におすすめです。
【屈折式】スコープテック アトラス60
理科の授業で天体に興味を持った小学生の子供が自分で操作できるシンプルさと大人になってからも使い続けられる高性能を両立した、最初の本格的望遠鏡としておすすめの一台です。
今年のキャンプは屈折式天体望遠鏡で天体観測に挑戦しよう!
最適な天体望遠鏡を選択すると以外にも気軽に始められる天体観測。予算次第では子供から大人になるまで使える製品もあるのでコスパはいいかもしれませんね。初心者におすすめの屈折式望遠鏡を携えてキャンプフィールドに出かけてみませんか。
This year’s camp challenges astronomical observation!
今年のキャンプは天体観測に挑戦!