ハンモック特集第2弾。新参&老舗の注目ハンモック5選!きたるべきブームに備えよ

CAMP HACK × gearedの連携記事企画!“人生を変えるツール”を紹介するメディア「geared」がセレクトしたギアをCAMP HACKで紹介します。今回は、ハンモック特集の第2弾!注目のハンモックを紹介します。


各社の個性が光る、ハンモック界新規参入メーカーの注目ギア3点

ハンモック特集も後半戦です。今回はハンモックに特化した専門メーカーではなく、大手マスプロがどのようにハンモック界に進出しているのかをさらっていきます。
※geared編集部注: 本稿は、Hiker’s Depot 店主の土屋智哉さんと、同店きってのハンモック通である二宮勇太郎さんの談話をもとに、geared編集部が文章化しています。

Therm-a-rest – Slacker Hammock Warmer

geared ハンモック
ハンモック下部を覆うグレーのアタッチメントが Slacker Hammock Warmer
最初にご紹介するのはTherm-a-rest です。寝具専門の総合メーカーである同社は、最近になってハンモックのカテゴリを打ち出していて、ハンモック本体・タープ・バグネット・ストラップと、いろいろな道具をスタンダードに展開しています。そのなかでも、背面の冷えを防ぐ Slacker Hammock Warmer は出色です。

ハンモックで心地よく寝泊まりするには、背中側の冷え対策が重要です。2000年代以降は、アンダーキルトと呼ばれるダウンのブランケットを下部にはわせて冷えを防ぐ方法が主流です。

ウルトラライト系メーカーのハンモック進出も、Hennessy Hammock 用のアンダーキルトづくりがきっかけでした。

でも、寝袋以外にもう一つ綿モノを持っていくのは過剰ですよね。そこで別の道を考えて Therm-a-rest が打ち出したのが、ナイロンの生地にアルミを蒸着したもので背面をカバーし、風を防ぎつつ体温の輻射熱によって温める方法でした。

Therm-a-rest の定番スリーピングマットである Neoair の内部にも仕込まれている独自の断熱材を使用しているので、防風性も保温性も折り紙つきです。

ぺらっとした見た目で8,900円となるとちょっとためらってしまうのですが、実際に試してたところ、見た目以上の効果がありました。

ハンモック・ユーザーなら誰もが直面する背面側の寒さを、これまで Therm-a-rest がマットづくりで培ってきた技術力を結集したコンパクトな道具で解決している。エマージェンシー・シートのように、緊急時に体に巻きつけて使うこともできるでしょう。

製品名   : Slacker Hammock Warmer
メーカー  : Therm-a-rest
重量    : 約210g
価格    : ¥8,900(税別)
お問い合わせ: モチヅキ

Sea To Summit – Ultralight Hammock

geared ハンモック
アウトドアアクセサリーの「総合商社」としておなじみの Sea to Summit も、ハンモック界に進出しています。

たんに製品ラインナップが豊富なだけでなく、エアマットの機構やクッカーを折りたたみにしてしまうなど、他社製品にない独創的な機構が盛り込まれているのもこのメーカーの大きな魅力です。

そんな Sea To Summit のハンモックですから、やはり凝った一工夫があります。

まず、ハンモックの生地がメッシュ機構のため、汗がこもらず快適に過ごせます。本体の独創性もさることながら、もうひとつ注目すべきは付属のスタッフサックです。本体を強く圧縮できるコンプレッションサックになっているので、パッキングサイズを小さくして気軽にハンモックを持ち運べます。

さらに、通常のスタッフサックのように口がひとつだけあるのではなく、両側に抜けるダブルエンドになっているので、スタッフサックに入れたままの本体にツリーストラップを掛けて引っ張り出せば、そのまま設営できます。

ダブルエンドのスタッフサックを用いる方法は、ハンモック・ユーザーが試行錯誤するなかで生まれたもので、それを最初から製品に組み込んでいるのが Sea To Summit らしいところです。

「ハンモックが流行ってるんでしょ?じゃあ適当に出してみようか」というのではなく、きちんと現代のハンモック最前線をリサーチした上で、自分たちの強みを活かし、足りないところを補っている。

スタッフサック以外にも、メタルパーツのような付属品もオリジナルでつくっています。こうしたトータルでのデザイン力や開発力は、マスプロならではの強みにちがいありません。

製品名   : Ultralight Hammock
メーカー  : Sea to Summit
重量    : 155g(スタッフサック含む)
価格    : ¥9,000(税別)
お問い合わせ: ロストアロー

Kammok – Roo

geared ハンモック さらに、アメリカでは大手のアウトドアショップに eno と並んで什器を構えている定番の新興メーカーである Kammok も日本に進出します。Kammok のハンモックは、生地の伸び感がない寝心地が最大の特徴です。

ハンモックの開発では、リラックスできるように生地のストレッチ性を重視するのが一般的です。しかし、Kammok はあえて突っ張る生地を使用して、包みこむような寝心地にこだわっている。

主力である二人用モデルが ROO と名づけられていることからも、カンガルーのおなかのなかにいるような包容感を目指しているのではと思われます。

また、アンダーキルトをアタッチしやすいようにループがついていたりと、ハンモックを季節をとわず使えるような工夫が盛り込まれています。

際立った個性でオレがオレがと主張するコンセプトの強さはありません。商品だけでなく、アメリカの店頭展開の幅広さをこの目で見た上での印象では、より多くの人がハンモックを身軽に使えるように、汎用性を最重視しているように思います。

公式サイトを見ていると、ハイキングというよりはいわゆるカーキャンプのようなバンライフなどの文化とハンモックをつなげているようです。

車中ではハンモックのアンダーキルトをブランケットとしても使えますよ、とか。そういうおもしろい提案もしているメーカーです。

製品名   : Roo
メーカー  : Kammok
重量    : 680g(カラビナ含む)
価格    : ¥15,000(税別)
お問い合わせ: ビッグウイング

老舗2社の新たな動きに学ぶ、日本でハンモックを楽しむ可能性

続いて老舗メーカーの新たな一手をご紹介しつつ、ブームの本格後の日本でどのような変化が望まれるのかをお話しましょう。

Hennessy Hammocks – Leaf Asym Hammock

geared ハンモック まず気になるのは、ハンモック・ブームの火付け役ともいえる Hennessy Hammocks の動向です。新たな波を受けて、その源流ともいえる老舗は、最大の強みであったオールインワンのシステムをばらして Leaf Asym Hammock という本体だけのモデルを売り出しはじめました。

Hennessy はこれまでにもハンモック本体のサイズや素材を変えてバリエーションを出していたのですが、オールインワンシステムだけは固持してきました。

本体とバグネットとタープがあり、独特のエントリー方法を採用したシステムは、斬新で完成度も高かった。それをあえて崩してきたことには驚かされます。

Leaf Asym Hammock にはバグネットもタープもついていません。しかし、スネークスキンと呼ばれる細長い袋の両側から本体を引っ張り出して固定するシステムは健在ですし、これは Hennessy が特許をとっているので他のメーカーは真似できません。

さらに、設営時に本体にテンションがかけやすく、寝心地を簡単に調整できるリッジラインもついています。
geared ハンモック
リッジラインは小物をぶらさげるのにも便利
おそらく、Hennessy はこうした本体に関連する細部の独自性と優位性だけでも、新たなハンモック・ユーザーにアピールできると自負しているのでしょう。

オールインワンだから優れているのではなく、ハンモックの寝心地が優れているのだということを改めてアピールする意図もあるかもしれません。

他社が周辺の道具を続々と展開している今は、組み合わせのおもしろさも出てくるので、そういった時代の流れも意識したうえでの英断だと思います。

製品名   : Leaf Asym Hammock
メーカー  : Hennessy Hammocks
重量    : 533g
価格    : ¥10,800(税別)
購入    : エイアンドエフ オンラインストア 、各取扱店
お問い合わせ: エイアンドエフ

EXPED – Travel Hammock Plus

geared ハンモック
EXPED もハンモックを作って長いメーカーで、実際にハンモックを使った人なら誰もが感じるストレスを解消するために、細かいところにまで気が利いた工夫がほどこされています。

たとえば、ハンモックの設営にはツリーストラップを木に巻きつける工程が不可欠です。その際には、通例としてツリーストラップとハンモックを切り離さなければなりません。

ハンモック未経験の方には何を言っているのかわからない細かすぎる話ではありますが、ハンモックユーザーなら誰もが感じているちょっとした面倒です。
geared ハンモックgeared ハンモック
EXPED のハンモックは、標準装備でストラップの末端にトグルのループをつけているので、木に巻き付けてそれを留めるだけで固定できるようになっています。

ハンモック本体とツリーストラップを分離しなくてもツリーストラップを固定できるので、設営が非常にスマートになります。またカラビナも必要なくなるので、軽量化にも一役買っている。

こうしたシステムが、EXPEDのツリーストラップには標準採用されているのです。これはハンモックを使いこんでいる人にしかできない発想です。

他にも、雨天時にラインをつたわる水を防ぐためのフラップといった製品もラインナップされています。これも、雨の中でハンモックを使って濡れた経験があるからこその一工夫でしょう。

天気のいい日にハンモックを張ってリラックスするのもいいですが、彼らは寒かろうが暑かろうが雨が降ろうが、ハンモックを使っている。

「ハンモックはどんな環境でも使えるよ」という、他社以上の強いこだわりが製品に反映されていることがひしひしと伝わります。きっと EXPED の開発陣には相当なハンモックジャンキーがいるはずです(笑)。

製品名   : Travel Hammock Plus
メーカー  : EXPED
重量    : 425g(ハンモック本体295g+コード130g)
価格    : ¥8,500(税別)
お問い合わせ: アクシーズクイン

きたるべきハンモック・ブームにむけて

これまでご紹介したように、アメリカやヨーロッパではハンモックが実用的なアウトドアギアとして定着しつつあります。

いつまでも「ハンモックってあくまで雰囲気の道具だよね」と言っているようだと、日本はこの新しいムーヴメントに乗り遅れてしまうでしょう。

第1回でお伝えしたように、日本の自然環境はハンモックに適しています。わざわざ森を切り拓き、斜面をならしてキャンプ場を作らなくても野営ができるようになれば、自然環境へのダメージも大幅に軽減できるはず。とはいえ、それはまだまだ理想論です。

日本ではハンモック泊に対する理解の問題だけでなく、山岳地での幕営に関する様々な問題も絡んできます。「どこでハンモックを張ればいいのか」と問われたら、現状ではオフィシャルな答えは簡単にお伝えできません。

しかし、使い方を問わざるをえない状況は、裏を返せば試行錯誤のおもしろさをたっぷり味わえるということでもあります。どこでどのように使えば他人に迷惑をかけずに楽しく過ごせるのかを、自分で探していく。

これは十数年前のULハイキングの状況とも似ています。世間的に評価が定まった遊び方をなぞるのではなく、自ら開拓する楽しさを味わえるのです。

ハンモックは日本中どこでも地域格差なく楽しめるギアです。今まで魅力を感じなかった近所の裏山も、ハンモックを張ってみたら意外とおもしろいかもしれません。

そうすれば、わざわざ遠くの山に出かけて、混雑したキャンプサイトでテントを張らなくても、日常からちょっと道を外れるだけで、自然のなかで寝泊まりする楽しさを味わえるようになる。

「アウトドア=山」という認識すらくつがえして、身近な自然を魅力ある遊び場に変える可能性が、ハンモックには秘められています。

だからこそ、まだハンモックの黎明期にある日本ではいちはやく動きはじめたユーザーひとりひとりが自分たちの遊び場を守るためのリテラシーを強く意識する必要があります。

いまハンモックを手にすれば、こうしたルールづくりの醍醐味も含めて、新しいムーヴメントを第一線で切り拓いていくおもしろさを体感できるはずです。

curator/土屋 智哉

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