ひとりでも大丈夫!テント設営のコツ
前回は準備編まとめをお届けした「はじめての女子キャンプをやってみた」シリーズ第2弾。今回は実践編に突入です!
キャンプ場に到着したらはじめにすること……それは「設営」ですよね。ここでは、ひとりっきりでの設営テクニックを紹介したいと思います。
まず、肝心なのは設営場所の選び方です。
その日の天候が晴れならば、暑くなりすぎない林間サイトへ……雨ならば雨水が流れ込んでこない水はけの良さそうな場所へ……女性一人ですので管理棟までの距離も考慮すべき点だと思います。
傾斜がありすぎると安眠の妨げになりますし、自分にとって何処がベストなのかを考えて場所選びをしましょう! 同じキャンプ場でも設営場所でそのキャンプ場の過ごしやすさは段違い。この設営場所を吟味する時間もまたキャンプの醍醐味です!
場所が決まれば設営スタート!
私が愛用しているテントは、いわゆるロッジタイプのテント。骨組みは鉄骨を使っており、テント本体は綿100%なので化繊のテントより重くなりますが、コツさえつかめばそんなに力は必要ないんです!
①湿気があがってくるのを防いだり、テントの傷を防ぐ目的のグランドシートを敷いて、まずは骨組みを組み立てます。
②骨組みを半分まで組み立て背よりも低い状態になったらテントをかぶせます。
③残った脚部分を差し込み一気に四隅を立ち上げていきます。
④立ち上げてすぐに、2カ所対角線上にある部分をペグダウンしましょう。そうすることで設営中に急に強い風が吹いてもテントが飛ばされるというリスクが減ります。
⑤すべてのペグを打ち込めば完成です。
テントをひとりで張るにはある程度の経験が必要です。普段からひとりでの設営を試みておきましょう!
設営時に注意したいのが、風が強い時は風がやむのをまってから設営に入ること。どうしても天候が落ち着かない場合……そのときは勇気ある撤退もやむ得ません。ひとりで対処できるトラブルの数もしれています。無理せずご安全に!
厳選!女子ソロキャンプに最適なテントたち
ここで、”さすがに重量級テントはちょっと無理かな?”という女子キャンパーさんのみなさんに軽くて扱いやすく快適なおすすめのテントをご紹介します。レアものから定番まで選定したので、ご自身の嗜好にあったものに照準を合わせてもらえればと思います。
ビッグアグネス ワイオミングトレイル2
コンパクトながらも全室広々空間が特徴のテント。
この日は翌日雨予報だったのでタープなしでも荷物を濡らさないで済む前室ありタイプが大活躍! 写真にあるとおり、チェアやテーブル、小型のクーラーボックスまで入る広々とした前室が特徴です。
明るいイエローグリーンの幕体は今は廃盤で、現行品はオレンジとベージュのツートーンになっています。
MSR フュージョン&パビリオン
大きな空間を作ることの出来るMSRパビリオンの中には、コンパクトで高さもあり扱いやすいMSRフュージョンを設営して雨対策もバッチリ。
パビリオンとフュージョンはカラーとフォルムのマッチングが素敵です。天気がよければパビリオンのかわりにタープを張るのもありですね! 雨に濡れない広々空間は人のみならずペットも安心です。
カーカムス コンパクト2
こちらはポリコットンテントでありながら、コンパクトでペグダウンの数も少なく設営が楽なテント。
コットン特有の優しい雰囲気が女性キャンパーの絶大な人気を誇ります。ふたり用テントなのでソロの時には荷物を仕舞っても十分寝るスペースを確保できますよ!
tent-MarkDESIGNS テンゲル
バイクツーリング専用テントとして開発されたテント。特徴はこの長く伸びたキャノピー。本来はバイクと連結させて使用するようになっていますが、日差しと雨から守ってくれる簡易タープとしての役割も十二分に果たします。
砂漠をイメージしたサンドベージュに、虹色のパイピングがなんとも可愛いテントは女子ソロキャンにぴったり!
mont-bell レラドーム&tent-MarkDESIGNSムササビウィングタープ
インナーはフルメッシュタイプで通気性抜群の3シーズンテント。レラドームのレラの語源はアイヌ語の「風」ということで、まさに蒸し暑い時期にピッタリのテントです。設営もとても簡単なので女子キャンプにうってつけ!
そこに組み合わせるのはテンマクデザインのムササビウィングタープ。テントにぴたりと寄り添う様に設営すれば、あっと今にアウトドアリビングの出来上がりです!
他にも女子ソロキャンプ向きのテントはたくさんあります! 自分だけのお気に入りの一幕が見つかれば、さらにソロキャンプの魅力にはまってしまうこと間違いなしでしょう。
女子ソロでも焚火を楽しもう
キャンプの楽しみの一つに「焚火」があります。女子ソロキャンプでもそれを楽しまない手はありませんよね。でも、なんとなく火を扱うのが億劫になりがちなのもソロキャンプの一面でもあります。
そんな時、おすすめしたいのがスウェーデントーチと言われる切株。スウェーデントーチとは切株に放射線状に切り込みが入っていて乾燥している状態のものを言います。この切り込み部分に木屑をいれ着火すると、まるでロウソクの様に中心部分からじんわり燃え広がり、それだけで数時間焚火を楽しめます。
スウェーデントーチは別名「木こりのろうそく」と呼ばれており、強者はトーチをつかって調理をこなすこともあるそうです。焚火よりも気軽に手間無く焚火時間を楽しめるので女子キャンプにぴったりですよね。
スウェディッシュトーチ カンタン着火セット付
番外編〜女子でもできるランタンの扱い方〜
最後に、女性でも簡単に出来るランタンの扱い方をご紹介します。もちろん、LEDランタンやガスランタンを使えばトラブルも最小限に抑えられて十分なのですが……どうせならガソリンランタンを扱ってみませんか? ガソリンランタン独特の暖かい明かりは、ソロキャンプを暖かく照らしてくれます!
まず、キャンプ場について設営が終わったら、明るいうちにガソリンを充填しましょう。暗くなってからだと手元が見えずガソリンをあふれさせてしまいます。この時、純正のホワイトガソリンを使いましょう!
純正でないと不純物がまざっていることもあり、後々故障の原因になります。燃料を充填するときのコツは「量は多すぎず少なすぎず」です。燃料と空気が8:2になるのが理想。この加減がなかなか難しいので、慣れない方は専用のフューエルファネルを使うと失敗がありません。
コールマン フューエル ファネル
次に、ポンピングノブを緩めポンピングをします。ポンピングとはタンク内の空気に圧力をかけること。文字通り、ノブを何度も出し入れすることでタンク内の圧力をあげ燃料をマントルまで届けることができます。
ポンピングは出来るだけ固くなるまで続けてほしいのですが、女性の力では難しいと思われる方は専用のポンピング補助具を使ってもいいかもしれません。
ここまで出来たら次はマントルを結びつけます。ガラスグローブを取り外し、マントルをとりつけガスライターなどで空焼きするとマントルが縮まり灰状になります。これは穴があくまで繰り返し使えるので慎重に作業してください。
最後に、これは製品によっては不要なものもありますが、バーナーやガスライターなどでプレヒートし燃料があがってくる通り道を暖めてあげます。
特に冬場など外気温が高い場所では念入りに……ポンピングで圧力がかかり霧状になった燃料にスムーズに着火するために必要でとても重要な作業です。ここをしっかりしておけば、「ボンッ」と一気に着火し驚かされることもありませんよ!
女子ソロキャンプに興味はあれどやり遂げる自信がない……そう思われていた方もぜひソロキャンプに挑戦してみましょう! そこには、新しい世界が待っていますよ。次回は、女子ソロキャンプでの一番重要なポイント「料理編」へ続きます。