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キャンプ中にゲリラ豪雨!?「水没しないためにやるべきこと」を専門家に聞いて実行してみた(2ページ目)

テントの設営で意識すべきこと

ここまでの留意点以外に、さらにできる水没対策があるのかも聞いてみましたよ!

──他にもできることがある?

キャンプたけしさん:これまでに伺った点に留意しながらキャンプ場やサイトを選べたとして、その上でさらにできる対策ってあるんでしょうか?

サイト内の勾配

渡辺さん今度は、サイトの中での勾配のチェックですね。

自分で歩いて確かめれば、サイト内にもちょっと凹んだり、盛り上がったりと勾配があるのが分かります。

その勾配に合わせてテントなどのレイアウトを決めていきます。

ライジングフィールド渡辺さんとキャンプたけしさんが水みちを指して

渡辺さんあとやはり、サイトの中にも水が流れたり溜まっていた跡があるので、それも確認を。水みちのチェックです。

ここなんかは砂利が溜まってて、水が流れた跡ですね。

キャンプたけしさん:なるほど〜! サイトを選んだ上で、さらにそのイト内の勾配や水みちもチェックするべきなんですね。

やはり「勾配」と「水みち」がキーワードか!

キャンプたけしさん両手を広げて

渡辺さん水みちや勾配がなければ、次のステップは自分で溝を掘ることですね。

──溝はどんな風に掘ればいい?

テント周りに掘った溝

キャンプたけしさん:溝を掘るという話が何度か出ましたけど、実際、どんな風に掘ればいいんですか?

渡辺さん掘り方は、テントの周りをぐるっと囲むような感じで掘ります。かつ、ちゃんと勾配に対して、水を流す道を作ってやるんです。

ライジングフィールド渡辺さんとキャンプたけしさんインタビューシーン

キャンプたけしさん:テントの周りに「お堀」を作るみたいなイメージで合ってます? 笑

渡辺さんまさにそう。ただ「お堀」と違うのは、そこから水が流れ出ていくルートを作る点です。

勾配が低い方へ向けてルートを出さないと、本当に「お堀」で水が溜まってしまうので。

ライジングフィールド渡辺さんとキャンプたけしさんインタビューシーン

渡辺さんそして、溝を掘ったなら、今度は帰る時に埋めるのも忘れないでほしいです。

やっぱり来た時よりも美しくというのが大前提。あくまでも、我々は自然の中でこの場所をお借りしてるという感覚の有無は、今後一層問われていくと思います。

キャンプたけしさん:人として、キャンパーとして、絶対に忘れてはいけないマナーですね!

キャンプたけしさんが溝掘り

モノは試しということで、渡辺さんのアドバイスを元に、キャンプたけしさんのサイトで実際にテントの周りに溝を掘ってもらいましたよ。

スコップで溝を掘るシーン

ちゃんと自前のショベルを持参していたたけしさん、流石です! テント周りの勾配を確認しつつ、まずはテントの周りを一周ぐるりと掘っていきます。

テントの周りに溝を掘り終えて

一周掘り終わったら、勾配が低い方へ向かって水が流れるルートを出していきます。これで完成! 

もはや鉄壁の布陣が敷かれたような、絶大な安心感……。 ぜひ、皆さんもお試しあれ!

対策しても水没してしまったら…?

ここまでに教わった点に留意しつつ対策を講じ……、それでもサイトが水没してしまった時に、知っておくべきノウハウにも聞いてみました!

──撤収時のコツは?

キャンプたけしさん:サイトが水没してしまった場合、撤収時の注意点や、スムーズな撤収方法、おすすめのアイテムなどがあれば教えてください。

ライジングフィールド渡辺さん片手を挙げて

渡辺さんポリエチレン製の厚手のビニール袋で、テントなんかも入る特大サイズのものを常に携行しておくといいですね。

水没した時は何もかも、ポリ袋に素早く突っ込んでしまうのが一番。

ただ、普通のゴミ袋は薄くて破れやすいので、できるだけ厚手の丈夫なものを選ぶのがポイントです。

キャンプたけしさん:もう、そこでテントを畳むとかじゃなく。笑

キャンプたけしさん両手を組んで

渡辺さんはい。もうとにかく突っ込んで入れるしかない。笑

──メンテナンスはどうしたらいい?

キャンプたけしさん:サイトが水没した際に、撤収したテントやペグなどの、その後のメンテナンスについて、注意すべき点を教えてください。

ライジングフィールド渡辺さんとキャンプたけしさんインタビューシーン

渡辺さんやはり泥を落とすという意味で水洗いした方がいいですね。その場では難しいと思うので、ご自宅に帰られてから。ただ、マンションの方とか大変ですよね。

キャンプたけしさん:ウチ、まさにマンションなので結構ツライです。洗ったはいいけど、ベランダに干すか、お風呂で換気扇フルに回して干したり。でももっと大きいテントだと入らない。

出典:PIXTA

渡辺さんそうなると、テントクリーニングがおすすめです。濡れたままだと加水分解が早まるので、そのまま現地から送っちゃうのもアリですね。

あと、泥には栄養素があるので、泥が付着した状態ではさらにカビが発生しやすくなる点も注意が必要です。

加水分解とは?

テント生地にコーティングされたPU(ポリウレタン)が、水分と反応して劣化する現象。ベタ付きや匂いが発生し、ポロポロ剥がれてしまう。

出典:ソトリスト

渡辺さんまた、ペグなど金属製のギアはちゃんと拭いて乾燥させる。ちゃんと錆止めスプレーすると尚いいですね。

今は安いキャンプギアが増えて、100均でも揃う時代。物を大切にする意識が希薄になっている気がします。

きちんとメンテナンスすることは、道具にしっかり愛着を持って大切に扱うことにもつながると思います。

キャンプたけしさん横顔

キャンプたけしさん:100均のアイテムだとしても、大切に使い切ればいいんですよね。

自分も何回かテントクリーニングを利用したことがあるので、やはり、プロに任せるのは簡単だし安心ですね。

──キャンパーや読者へのメッセージがあればお願いします

ライジングフィールド渡辺さんとキャンプたけしさんインタビューシーン

渡辺さんキャンプって、本来不便なもの・快適ではないものですよね。

その不便さを楽しんだり快適にするには、能動的な情報収集や、自ら考えて行動することが非常に重要だと思います。

また、サイトの水没などのハプニングが起きても、今の状況や事実情報を自分で分析・確認して、さらにどうなっていくのか想像することが大切です。

だから、キャンプを含む野外での体験活動は、レジャーではありながらも、全て学びの要素を内包しているんです。それは、キャンプの楽しみの1つでもあります。

キャンプを通して、本来の人間の生きる力というものを考え直す、そんないい機会にしていただけたらと思います。

創意工夫を楽しみながら、「田んぼキャンプ」を回避しよう!

キャンプたけしさんが自分のサイトで薪をくべている

キャンプとは本来不便なもの、快適ではないもの……。

レジャーでありつつも、安全・快適なキャンプのためには、知識や経験に基づく創意工夫が不可欠なことを、渡辺さんのアドバイスであらためて実感できましたね。

あなたもぜひこの記事を参考に、トライ&エラーを楽しみながら、「田んぼキャンプ」を回避してくださいね!

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