アウトドアマン・写風人さんが送る“南信州の森暮らし”
長野県・駒ヶ根市に居を構える写風人さん。アウトドアと密接な日々の暮らしを綴ります。
安全な薪割りのために
焚き火・薪ストーブ・ピザ窯、サウナなど薪を燃料とするアイテム増加に伴い、薪は自分で作るという方も増えてきたように思います。
今回はこれから薪作りを始めようとしている方や、取り敢えず自己流でやっている方々に、薪割りを始める前の注意点を3つほど挙げましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
薪割り前に確認したい3つのポイント
1. 薪割りの服装に注意する
薪割りをする前に守って欲しいことが安全面。まず服装からチェックしてみます。
夏の暑い時期にありがちなのがサンダル履き。斧や鉈を振り下ろすという事は足元に刃先が当たる可能性も大きく、気軽な気持ちで薪割りする事は禁物です。つま先が硬めのシューズもしくは鉄芯入りの安全靴がより安全です。
次に守りたいのが手。熟練者には「斧を持つには素手の感触の方がいい」という方もいますが、安全のため革製のグローブ着用をお薦めします。トゲやささくれが刺さったりするのも防げます。
また薪割りの際に鋭い木片が飛び、これが目に刺さったら大変なことになります。これは何度も経験して言えることですので、万が一に備えて安全メガネ着用も安心です。
2. 道具の確認をする
薪割り道具の斧や鉈など、使用前のチェックも大切です。
斧は斧頭(ヘッド)と柄で構成されていますが、ヘッドが外れるという可能性もあります。斧頭と柄を持ってガタつきがないか確認しましょう。
他にも、刃こぼれはないか、錆びていないか、柄やハンドルにヒビが入っていないか……など、事前のチェックも大切ですが、使い終わってからのメンテナンスも常に心掛けましょう。
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3. 薪割り台を準備する
薪を割るときには直接地面で割ると刃こぼれしてしまう可能性もあるので、台座が必須です。
大きな玉切り(丸太)を割るときには、一回り大きい安定した薪割り台を用意しましょう。高さは40cm前後が割りやすいと思います。
手斧や鉈、ナイフでのバトニングでは低め(高さ15~20cmほど)の薪割り台が扱いやすいくおすすめです。
ただこれらの薪割り台は手に入りにくいので、薪屋さんや製材所、知り合いの薪ストーブユーザーなどに聞いてみると運良く手に入るかもしれません。
それでも見つからない場合は、市販の薪割り台もチェックしてみましょう。
この3つだけでも安全性はグッと増します
薪割りを始める前に注意したいことについてご紹介しました。基本的なことばかりですが、慣れてくると意外と見落としがちなポイントです。ぜひ、参考にしてください。
- 服装は「鉄芯入りの安全靴」「革製のグローブ」「安全メガネ」を着用する。
- 道具のガタつきをチェックし、日頃のメンテナンスも忘れずに。
- 薪割り用途に合わせた最適な高さの薪割り台を準備する。
薪と暮らす日常
さてここからは、日常的に薪作りをしたいと考えている方の参考になるよう、薪の購入と管理について、筆者の経験をもとにご紹介します。
大量の薪を購入するには?
大量の薪(原木)を買いたいとき、どこに売っているのか分からない場合があると思います。薪ストーブユーザーの筆者の場合は、3トン車で4杯分、約12トンの原木を1年で消費するので森林組合から購入しています。
これらの原木をチェンソーで伐って、斧で割って、薪棚に積んで1年以上乾燥する、という工程で薪作りをします。
薪屋さんなどでも、軽トラ1杯分ほどの薪を購入することは可能ですので、一度問い合わせてみるのも1つの方法です。
薪の置き場所は?
薪はどこに置こう? と割ってから悩む前に、置き場所や保管場所は事前に考えておきましょう。乾燥していない薪は日当たりと風通しの良い場所が最適です。
簡単な方法なら、屋外で井桁型に組んでトタンなど雨除けを乗せておくだけでもOK。
市販されている製品としては、角材を利用して薪棚が出来る2×4ログラックも便利です。乾燥している薪なら日当たりや風通しは気にせず、ガレージや軒下でも大丈夫。ただ湿気の多い場所ではカビが生えることもあるので注意しましょう。
また樹皮の中には虫や幼虫が潜んでいる場合もありますので、虫が苦手な方は室内での保管はやめた方がいいかもしれませんね。
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薪は事前準備が重要!
キャンプ場へ持って行く薪は、なるべく現地では割らず事前に用意しておくのがベストです。中には丸太をキャンプ場に持ち込んで大きな薪割り斧を振り回している! という声も聞くことがあります。
斧が外れたり薪が飛んだりと周囲に危険を及ぼすことにもなりますし、それ以前に丸太をその場で割っても乾燥していないから燃えないんです! そんな無知で恥ずかしい行為は慎みましょうね。