道具のメンテナンスのあれこれ。焚き火の煤汚れは灰汁で……【写風人の駒ヶ根アウトドアライフ~第3章#8】

2020/03/30 更新

長野・駒ヶ根に活動のベースとなる基地「K-BASE」を所有し、アウトドアライフを満喫する写風人さん。3章目となる連載の第8回は、薪づくりや森暮らしの必須道具のメンテナンス方法をレクチャー。丁寧にメンテナンスをすることでギアの寿命が伸びることはもちろん、道具への愛着もより一層強まりますよ。


家にこもりがちな今こそ道具のメンテナンスを

写風人 駒ヶ根 煤
新型コロナウイルスの影響もあり、外出を控え自宅で過ごす時間が多くなりました。今回は薪づくりに使う道具の手入れや、焚き火で煤汚れたキャンプギアの手入れなど、簡単にできる方法をご紹介したいと思います。

刃物ギア使用後の手入れ方法

写風人 駒ヶ根
斧やナタ、ノコギリなどの刃物類は手入れを怠るとサビが発生し、切れ味も落ちてしまいます。 ナイフや包丁でもよく言われることですが、切れないほど危ないものはありません。しかし、だからといって刃物類は研げば良いだけのもでもないんです。

作業後の道具はご覧のように、ブレード(刃)が汚れます。 これは樹液に含まれるヤニやシブなどが付着しているから。早速、メンテナンスに取りかかりましょう。

作業後は、まず樹液を取り除く

写風人 駒ヶ根
使い終わったら、まずこれらの樹液を刃物クリーナーで取り除きます。
ITEM
アルス 刃物クリーナー320ml
●容量:320ml
●タイプ:スプレー式
●液性:アルカリ性


写風人 駒ヶ根 スプレータイプでブレードに吹きかけると樹液が赤く浮いてきます。

写風人 駒ヶ根 ウエス(ボロ切れ)などで軽くふき取ると驚くほど汚れが落ちます。

写風人 駒ヶ根 特に研ぐ必要がなければ、刃物用の椿油(つばきあぶら)を薄く塗って仕上げです。

切れ味が悪くなっていたら、研ぐ

写風人 駒ヶ根 切れ味が悪くなった刃物はある程度まとめて研ぐ作業をします。 研ぐための道具は、左から刃物用低速グラインダー、上が砥石(シャプトン 刃の黒幕#120、#320、#1000、#5000、#12000 )、下がグレンスフォシュブルークのディスクストーンとシャープナー。

刃物の種類やその時々によって使い分けています。

ITEM
シャプトン 刃の黒幕 ホワイト #120
●サイズ:210×70×15mm
ITEM
グレンスフォシュブルーク ディスクストーン
●サイズ:Φ57×20mm(石のみ)
●重量:90g(石のみ)
ITEM
グレンスフォシュブルーク ファイルシャープナー (本革ケース付き)
●サイズ:W21×L138mm
●重量:70g
●素材:スチール、柄/赤ブナ

柄(え)も合わせて、手入れ

写風人 駒ヶ根 また刃だけでなく、柄などの木製部分も手入れします。グレンスフォシュの柄は亜麻仁油(あまにあぶら)で仕上げてあるので、道具の木製部分はほとんどそれを塗り込んでいます。

写風人 駒ヶ根 同じように革グローブもミンクオイルなどで手入れすると、革をやわらかくし、保湿・撥水効果を高めてくれるんです。

道具は手入れすることでより磨かれ寿命を伸ばしてくれますが、何より手をかけた分だけ愛着が生まれ、人に貸せないほど大切なものとなるはずです。

ITEM
グリップスワニー ハイグレードミンクオイル
●容量:50ml
●成分:ロウ・油脂・有機溶剤

焚き火で煤(スス)だらけになったギアの手入れ方法


煤には「焚き火の灰」と「お湯」を使う

写風人 駒ヶ根
煤が付いていると使い込まれた渋さがあって「男前」と表現されることもありますが、「煤汚れは落としたい!」という方のために手入れ方法をご紹介します。

使う材料は、焚き火の灰とお湯。昔から洗剤や漂白剤として使われていた灰汁(アク)を作ります。

写風人 駒ヶ根 焚き火台や薪ストーブに残った灰をふるいに掛けて消し炭を取り除き、細かな灰だけにします。ここからは作り方が何通りかありますが、簡単な方法で試してみました。

写風人 駒ヶ根 器の上にザルを置き、布を被せて灰を入れます。 熱湯を少しずつかけ回して、器に漉した液体が灰汁です。

写風人 駒ヶ根
本来は灰の中に熱湯を入れたり煮たりしてから数日放置して、灰が沈んだ上澄み液が灰汁です。無色透明の灰汁が濃度が高いと言われています。

強アルカリ性のため、原液を素手で触ると指紋が溶けるので作業中はゴム手袋を着用しましょう。またアルミ製の容器はアルカリに溶けるので、ステンレスやホーロー、陶器などを使用するようにしてください。

しつこい煤汚れには、つけ置き

写風人 駒ヶ根 しつこい煤汚れは灰汁で磨くだけでは落ちないので、大胆につけ置きします。

写風人 駒ヶ根 3時間ほど経過した状態です。ハンドルストッパーの辺りを見ると、灰汁につかっていない部分との差がはっきりわかります。

昔は藁(わら)で磨いていたようですが、新聞紙などでも代用は可能。ただし、スチールタワシなどはすりキズが付くので控えることをおすすめします。

写風人 駒ヶ根 7年間焚き火で使い続けた頑固な煤汚れのコッパーケトルでしたが、銅の質感が出てきました。時間がなくて陽が暮れる前に切り上げてしまい、もう少しつけ置きして丁寧に磨けば煤も全部落ちてくれたと思います。

もう一方のアナルコカップは2時間ほどできれいになりました。最後に水ですすぎ乾燥させてできあがりです。

灰汁は万能なメンテナンス剤

灰汁は食品のアク抜きやこんにゃく作りでも使われますが、油汚れにもよく効くので水で希釈(きしゃく:濃度を下げるために媒体の量を増加すること)し、スプレー容器に入れて家庭用洗剤としても重宝します。

また、火傷の薬としても効果があるとも言われています。 灰も言うならば燃えカス。用済み、燃やせないゴミ。それがこんな効用があるなんて驚きですね。自然の力は偉大です。

キャンプ場での焚き火の後始末などマナーを守れない方もいるようですが、灰は持ち帰って再利用しましょう。

写風人の過去の連載はこちら


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写風人

1955年生まれ。岐阜県在住のプロカメラマン。薪ストーブを中心とした火のある生活を愉しみつつ、ダッチオーヴン料理や薪ストーブクッキングなどの講座も行う。かねてより念願であった森暮らしを実現。薪ストーブと焚き火三昧の日々を愉しんでいる。Instagramは@syahoo_jin

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