記事中画像撮影:筆者
「ブルースティック」って知ってる?
「洗濯機で洗ったのに落ちてない……」という頑固な汚れ、ありますよね。筆者も子供衣類の泥汚れ、油汚れに愕然としていました。
そんなとき噂で耳にした「ブルースティック」という固形の洗濯石けんの存在。なんでも「めちゃくちゃ汚れが落ちる!」と話題で、いま爆売れしているらしいんです。
「ブルースティック」は刑務所で作られていた
洗濯係の筆者としては、このブルースティックを見逃すわけにはいきません。気になったので調べてみると、じつは刑務所作業用品なのだそう。
刑務所作業用品って?
刑務所では、受刑者の改善更生や円滑な社会復帰などを目的として、刑務作業を行っている。そこで製造されたものを刑務所作業用品として販売。日本製で、安くて品質のいいものが多いと話題になっている。
ブルースティックは横須賀にある刑務所内の工場でひとつひとつ丁寧に手作りされている模様。
今回は知っている人は知っている“青い石けん”の実力を徹底的に検証します!
一般的な石けんの成分とは違った!
まず、一般的な石けんは脂肪酸ナトリウムという原材料で作られています。汚れが落ちやすいと有名な「ウタマロ石けん」も、98%の脂肪酸ナトリウムと蛍光増白材で作られています。
この蛍光増白材というのは、染料の一種。白物衣料の多くは、白さを際立たせるためにこの蛍光増白材を使っていますが、洗濯するたびに少しずつ抜けてしまいます。そのため、蛍光増白材を含んでいるウタマロ石けんは、特に白物衣料に向いているといえます。
それに対してブルースティックは、脂肪酸ナトリウムの他に、ケイ酸塩、直鎖アルキルベンゼンスル本酸ナトリウム、脂肪酸アルカノールアミド・除菌剤・香料と、さまざまな成分が配合されています。
一般的な石けんは「自然の成分で作られた肌に優しいもの」というイメージを崩さないように、化学合成された成分を嫌う傾向がありますが、ブルースティックには家庭用洗濯洗剤に使われるような成分も配合されているのが特徴といえそうです。
まずはパッケージからチェック
使用の前に、ブルースティックのパッケージをチェックしてみました。じつはこの包装、すごく気が利いてるんですよ。
まず、包装紙が樹脂系の素材でできており、耐水性に優れている点。濡れても紙のようにグシャグシャになったり破れたりすることがありません。
そして、使う分だけ包装を剝がすことができる仕様もお見事! これなら石けん本体を素手で触ることがなく、合成洗剤で手荒れしてしまう人には嬉しいポイントでしょう(でも敏感肌の人はゴム手袋などを使うと安心かも)。
握りやすいスティック状になっているところも高ポイントです!
ブルースティックの使い方
続いて、汚れ落ちの検証に入る前にブルースティックの使い方を頭に入れておきます。
- 1:洗うものを濡らす
- 2:汚れが目立つ部分にブルースティックを塗りこむ
- 3:もみ洗いしてから、洗濯機に突っ込む
衣類なら洗濯板、靴ならブラシがあると便利ですよ。
その1|油汚れに試してみた
キャンプ後の洗濯物を見ると、バーベキューなどで焼いた肉の油や焼き肉のタレ、さらには泥んこの洋服など、洗濯機に突っ込んだだけでは落ちない汚れのオンパレード。どこまでブルースティックで落ちるのかやってみました。
「焼肉のタレ」は落ちるのか?
まずは、醤油や油などが主成分の「焼き肉のタレ」を白いタオルに垂らしてブルースティックで洗ってみます。汚れが落ちなかったら、このタオルは小学校で使う雑巾になります。
ブルースティックを擦りつけていく
このようにブルースティックは塗りつけた部分が青くなるので、「どこまで擦ったっけ?」という塗り忘れがありません。また、細長いスティック状なので力が入れやすいところも便利なポイントです。
しっかり洗って……
ブルースティックをしっかり塗ったら、水でもみ洗いします。泡立ちは合成洗剤ほど良くはありませんが、必要にして充分。
成分表には「香料」の記載がありましたが、いわゆる柔軟剤のような匂いはありません。強いて言えばクレンザーみたいな匂いかな?
その結果はいかに? 劇的ビフォーアフター
焼き肉のタレを垂らした直後がこんな感じ。それがブルースティックでもみ洗いすると、こうだ!
すっかり洗い落とすことができました。おかげで、このタオルは雑巾にならなくて済みました。
ちなみに、焼き肉のタレなので洗っている最中はニンニクの匂いがしたのですが、洗い終わってすすいだらその匂いもなくなっていました。