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発売から15年。SOTO「ST-310」がベストセラーになるまで【勝手にレジェンドギア表彰】

抜群の知名度を誇り、キャンパー誰もが持っている。そんな「レジェンドギア」をCAMP HACKが勝手に表彰する本企画。

第二回となる今回は、新富士バーナー株式会社・SOTOブランドのシングルバーナー「レギュレーターストーブ ST-310」。開発秘話からものづくりにかける熱い思いまで、余すところなく伺ってきました!

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目次

 

そのレジェンドギア、表彰していいですか?

レジェンドギア トロフィー

日々進化を遂げるアウトドア業界。たくさんの新商品が生まれては、時代の流れとともに消えていきます。

そんな中、発売から数十年経っても姿を変えず、いまだに多くのキャンパーから絶大な支持を集める「レジェンドギア」が存在しています。

SOTO外観

誰もが認める逸品の裏には、キャンパーを魅了する開発ストーリーが眠っているはず。

本企画はCAMP HACK編集部が、「レジェンドギア」の開発者にスポットライトを当て、日頃の感謝をこめて“勝手に”表彰する連載です。

▼第一回はこちら

SOTO レギュレーターストーブ 「ST-310」

レギュレーターストーブ ST-310

今回のレジェンドギアは、初心者からベテランまで御用達のシングルバーナー、SOTO「レギュレーターストーブ ST-310」

小さく折りたためる機構、OD缶に比べて手に入りやすいCB缶仕様、無駄を削ぎ落とした独創的なデザインが人気なアイテムです。

レジェンドギア

発売年は2008年。今日では「キャンプ用シングルバーナーと言えばコレ!」と言えるほどメジャーな商品になりました。

抜群の知名度を誇る、まさにレジェンドギアと呼ぶにふさわしいギアです!

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

使用時サイズ幅166×奥行142×高さ110mm(本体のみ)
収納時サイズ幅140×奥行70×高さ110mm
重量330g(本体のみ)
材質バーナー・器具栓つまみ:ステンレス、ボンベホルダー・点火スイッチ:樹脂
発熱量2.9kW(2,500kcal/h)
使用時間約1.5時間(ST-760 1本使用時)
点火方式圧電点火方式

開発秘話を教えてくれたのは、この人

レギュレーターストーブ ST-310 開発者

西島 丈玄さん
新富士バーナー株式会社 開発部、ST-310を開発した人

まったく新しいガスバーナーを作る必要があった

──レギュレーターストーブ ST-310開発のきっかけは?

st310

西島さん:私たち新富士バーナーでは当初、ホームセンターの行楽用品売り場に置かれる商品を中心に開発していたのですが、弊社の技術を使って、登山にも使える商品を作りたいという構想がありました。

というのも、標高の高い山でシングルガスバーナーにはつきもののドロップダウン現象(ガス缶の温度が下がってしまい、火力が低下すること)を弊社のレギュレーター技術なら解決できるのではないか、と思ったのがきっかけですね

レギュレーターストーブ ST-310 開発

レギュレーターとは?
圧力変化に応じてガスの弁を開閉し、気温や気圧が低くても常に安定したガス量をバーナーヘッドへ供給する技術のこと

開発当時の15年ほど前、家庭用プロパンガスに付いていたレギュレーターを小型化し、シングルバーナーに応用すれば火力が安定するのでは、という狙いがありました。

そこからバーナーの心臓部分は先輩たちに設計していただき、当時入社3~4年目ぐらいの僕が商品デザインを担当し開発をスタートしました

──開発中に一番苦労したことは何ですか?

レギュレーターストーブ ST-310 レギュレーター

ST-310のレギュレーター部分。ゴムの膜が入っていて、その膜を挟むようにスプリングが設定されている

西島さん:ここのレギュレーターのセッティングです。

レギュレーターのわずかな違いによって、火力低下が早く起きてしまったり、逆に強くなってしまったりしていました。

ですので、レギュレーターの中に入るバネの強さとガスの圧力のバランスの調整は、何度も繰り返し行いました

デザインのアイディアはクモの形から

──開発する際に一番こだわった部分は何ですか?

レギュレーターストーブ ST-310 開発

西島さん小型のレギュレーターを実現し、マイクロレギュレーターという新しい技術を使うので、デザインも今までにない、まったく新しいものにすることにこだわりました。

大学では工業デザインを勉強していましたが、先輩たちが携わった素晴らしい技術に自分のデザインをのせるのは、かなりプレッシャーがありました

──特徴的なデザインはどうやってできたのですか?

ST310試作品

試作品の一部。ありものの燃焼器具に針金で曲げたゴトクをあてがってみてイメージをつくる

西島さん:絵を描いたり針金を曲げたり、色々と模索しながら現在の形ができあがっていきました。いきなり湧いてきたわけではなく、模索を繰り返して最終的に行き着いた形です。

図面ができたら加工屋さんに持っていって、試作品をテストする繰り返しを、何度も何度も繰り返しました

ST-310試作品

大量のゴトク試作品の残骸。試行錯誤の苦労が見える

試行錯誤を繰り返す中で、ある日、ひらめいたのが昆虫のクモの形です。

クモって横から見ると足が「ハ」の字になって、地面をしっかり捉えているじゃないですか。

このガスバーナーもクモのようにデザインすれば安定するのではないかと考え、クモの図鑑を見ながらデザインを描きました

レギュレーターストーブ ST-310 開発秘話

アウトドア用バーナーは転倒しやすく不安定なものが多いのですが、このクモが地面をしっかりつかむ要素を入れたら、転倒しにくくなったんです

ST310

また、脚とゴトクがつながった一体型にしたことで、部品点数を減らしコストも抑えられたことも良かった点です

口コミをきっかけにジワジワと売れていった

──発売当時の反響はいかがでしたか?

レギュレーターストーブ ST-310

西島さん:実は発売当時は、それほど反響がありませんでした。

レギュレーターという言葉が一般にはあまり浸透していなくて、ガス圧をバネで調整して火力を維持するということが、すごいことだと伝えるのがとても難しくて……。

広報の人間と協力しながら、それをユーザーさんにどう伝えていくか苦労しました

──人気が出たきっかけは?

西島さんソロでキャンプを楽しむという文化が出てきたことがきっかけじゃないかと思います。何人かで集まってキャンプして、寝るところと料理は各自が個別に行うというときにも、このシングルバーナーは最適だと

レギュレーターストーブ ST-310

カセットコンロと同じCB缶を使うバーナーということで、なじみやすく、レギュレーターの良さも認知されて売り上げが少しずつ伸びていった印象です。

また、当時はブロガーと呼ばれる方たちがブログで紹介してくれたり、そういった口コミをきっかけにジワジワと伸びていきました

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