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発売から15年。SOTO「ST-310」がベストセラーになるまで【勝手にレジェンドギア表彰】(2ページ目)

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キャンプ初心者が初めて使うガス機器として最適

──発売当初から改良や変更した点はありますか?

レギュレーターストーブ ST-310 ゴトク

西島さん:改良点はたくさんあり、今でも継続して改良を続けています。

お客様からゴトクが滑りやすいというお話を頂き、滑り止めの形状を変更したり、バーナーをロックする部分を金属から樹脂に変えたり、これまでに改良した点は数え切れません

特に最近は原材料が高騰していますので、なるべく販売価格を変えないようメーカーとしてもコストダウンは継続して行っています

──コスト面で意識していることはありますか?

西島さん1つの部品に2つ以上の機能を持たせるということです。試作段階では2つ以上の部品を組み合わせていた部分を、うまく成型して1つのパーツにしたりと工夫しています。

ST-310の場合、バーナー心臓部とゴトクを保持し支える部分ですね。こういった細かい部分の積み重ねで、コストダウンしています

レギュレーターストーブ ST-310 パーツ

ST-310はキャンプ初心者の方が初めて使うガス機器として、気軽に手に取ってもらいたい製品ですので、少しでも安くすることは重視しています

──長く使っていく上で気をつける点はありますか?

西島さん遮熱板は跳ね上げず、ボンベに当たるよう倒して使ってもらいたいです。別注品などで遮熱板にカラーリングされている商品もあるのですが、跳ね上げて使うと塗装が一発で焼けるので、そこは気をつけていただけると嬉しいですね

レギュレーターストーブ ST-310 注意点

故障する箇所は、お客さんの使い方によってまちまちです。

点火装置を濡らさないとか、砂に埋まるような場所で使わないなど、説明書に書いてあることを守っていただければ大丈夫です。

もし雨に濡れた場合は、よく乾かしてから使ってほしいですね

──社外品のオプションが多数ありますが、それについてはどう思われますか?

西島さん:作っていただけるのは人気がある証拠だと思うので、とても光栄なことだと思います。しかし、モノによっては危ないんじゃないか、と思う商品も正直あります。

特にバーナーの上に被せるようなものですと、異常燃焼を起こして一酸化炭素が発生してしまう危険性もあります。自分たちでテストしたわけじゃないので何があるか分からなく、心配なところです

SOTO社内

その点「ミニマルワークトップ」など、自分たちが安全を確認したオプション商品を出していくのは、メーカーとしての務めだと思っています

SOTO ミニマルワークトップ

展開時サイズ幅376×奥行153×高さ95mm
収納時サイズ幅300×奥行153×高さ33mm  
重量約600g
材質アルミニウム(トップボード、スタンド)、 ステンレス(トッププレート、スタンド)

ST-310のお兄ちゃんのような新商品も誕生

──後継モデル、新商品「レギュレーターストーブ Range ST-340」開発の狙いは?

レギュレーターストーブ Range ST-340

出典:SOTO  写真モデル「レギュレーターストーブ Range ST-340」

西島さん:ST-310を発売してから14年が経ちまして、良い点、悪い点ともに色々と蓄積されてきたものがありました。

これを反映した、ST-310のお兄ちゃんのような商品を作りたかったというのが開発のきっかけです

レギュレーターストーブ Range ST-340 火口

出典:SOTO

好評だったレギュレーター、折りたたみ機構やデザインはそのままに。そこから火口を大きくし、点火ボタンが押しやすくなると好評なオプションだった「点火アシストレバー」を標準装備にしました。

さらに熱くなりやすかったスチール製のゴトク一体型の足は、熱伝導しにくいステンレスに変更。

今後ST-340だけを売っていくのではなく、ST-310の販売も継続します。ファミリーキャンプなどでも使いやすいST-340、少人数限定ならST-310と、用途に合わせて使っていただけるといいですね。

SOTO レギュレーターストーブ Range ST-340

使用時サイズ幅166×奥行142×高さ110mm(本体のみ)
収納時サイズ幅140×奥行70×高さ110mm
重量360g(本体のみ)
材質バーナー・器具栓つまみ・ゴトク:ステンレス、ボンベホルダー・点火スイッチ:樹脂
発熱量3.3kW(2,800kcal/h)
使用時間約1.4時間(ST-760 1本使用時)
点火方式圧電点火方式

どこにも負けない、新しいものを

──最近のキャンプブームや市場の変化などはどうお考えですか?

SOTO ST-310 開発者

西島さん:キャンプブームによって、新規参入されるメーカーが増えてきましたよね。環境面でも、これまで大きな数を作れないと形にできなかったようなものを、3Dプリンタを使って個人の方でも作ってしまうことができるようになっています。

そうやって作られたものは「自分がほしいものを作った」というものなので、魅力がありますし刺激を受けますね。そこに負けないものを僕らも作っていかなきゃいけないな、と強く感じています

──今後どういった商品を開発したいと思いますか?

ST-310 開発

西島さん:やはりバーナー屋ですから、バーナーを軸にしたそれまでにない新しい技術を使った商品を作っていきたいですね。

これからもどこにも負けない、新しいものを作りたいと思います

バーナー屋さん、すばらしいギアをありがとう!

ST-310 炎テスト

今回の取材ではST-310について以外に、どういった製品試験を経て商品を販売しているか、過去に開発・販売してきた商品などについても色々と伺ってきました。

数値をクリアすればいいという話ではなく、熟練の職人は炎の色にまでこだわっているなど、とても興味深かったです。

SOTO社屋

一貫して感じたのは「バーナー専業会社としての技術と誇り」。妥協した商品は、世に出せないし出したくない。そんなプライドをもって作られた商品のひとつがレギュレーターストーブ ST-310で、多くのユーザーに受け入れられレジェンドギアとなったのも納得です。

貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

もっと詳しくウラ話を聞きたい方は……

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

使用時サイズ幅166×奥行142×高さ110mm(本体のみ)
収納時サイズ幅140×奥行70×高さ110mm
重量330g(本体のみ)
材質バーナー・器具栓つまみ:ステンレス、ボンベホルダー・点火スイッチ:樹脂
発熱量2.9kW(2,500kcal/h)
使用時間約1.5時間(ST-760 1本使用時)
点火方式圧電点火方式

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